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抜け感を生かして1LDKにリノベーション。クリエイター夫婦が暮らす名作ヴィンテージマンション
新居を探していたクリエイター夫妻は、日当たりのよさと抜けのある空間に一目惚れして、1970年代築の名作マンションを購入。もとの建物の持ち味を生かして実現した、心地よい住まいをご紹介します。
栗原晶子|Akiko Kurihara
2017年11月7日
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。
また、エンタメ好きとして演劇や映画に関するライティングも手がけています。
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。... もっと見る
夫はコピーライター、妻はグラフィックデザイナーというクリエイター夫婦が暮らすのは、1971年に竣工した内井昭蔵氏設計のマンション。大きな中庭があり、建築の中に自然が共存する物件として、竣工翌年、神奈川県建築コンクール佳作賞を受賞して話題となった名作だ。近年はヴィンテージマンションとして空きが出れば即、入居のリクエストが集まるというこの物件に夫婦が暮らし始めたのは今から5年前のこと。
どんなHouzz?
居住者:コピーライターの藤井識史さん、グラフィックデザイナーの藤井ともみさん
所在地:神奈川県川崎市
規模:延床面積約60平方メートル
設計・施工期間:約2か月
二人で暮らす家を探し始めた当初は賃貸物件を見ていたが、この物件に出会い、購入を決めたという。「入った瞬間、二人とも一目ぼれでした。日当たり、抜け感、間取りが今どきのマンションっぽくないところが気に入りました」とご主人。リフォーム前は、全体的に古びた印象で、まったく手が入っていない状態だったのも決め手の一つだった。設計は住まい手が自由に決めるという条件で、工務店と直接やりとりをしながら、リフォームを進めた。
居住者:コピーライターの藤井識史さん、グラフィックデザイナーの藤井ともみさん
所在地:神奈川県川崎市
規模:延床面積約60平方メートル
設計・施工期間:約2か月
二人で暮らす家を探し始めた当初は賃貸物件を見ていたが、この物件に出会い、購入を決めたという。「入った瞬間、二人とも一目ぼれでした。日当たり、抜け感、間取りが今どきのマンションっぽくないところが気に入りました」とご主人。リフォーム前は、全体的に古びた印象で、まったく手が入っていない状態だったのも決め手の一つだった。設計は住まい手が自由に決めるという条件で、工務店と直接やりとりをしながら、リフォームを進めた。
2LDKの間取りを1LDKにリフォーム。明るく開放的なリビングダイニングはこの家の主役だ。奥にはワークスペースを設けた。南側の大きな窓からは緑豊かな中庭を見下ろすことができ、ここから入る日差しが、オフホワイトの壁に映えて、LDKはいつも明るい。
部屋には観葉植物も多く配置している。日当たりがとてもよいので、エバーフレッシュやカラテアなど多くの植物が室内で生き生きと葉を茂らせている。
ご主人のお気に入りだという人気の〈カリモク〉の60Kチェアーソファーはグリーンをセレクト。扉や室内窓の枠の色とともに、LDKのアクセントカラーになっている。
リビングダイニングのダイニング側。窓は176×90.5㎝で、市販の窓サイズより高さがあるためより開放的。周囲は低層階が多く、この抜け感も物件を決めたポイントだった。床は全面フローリングに張り替え、区切りのないLDKを作った。
ダイニングのお気に入りは、今年購入した〈WOOD YOU LIKE COMPANY ウッドユウライクカンパニー〉のクジラの形をモチーフにした桜の木のマッコウテーブル。「手触りがとても気持ちよく、思い切ってオーダーしました。寝室の扉、収納扉ともぶつからない絶妙なサイズ感が気に入っています。使い続けて色に深みが増してくるのが楽しみです」と奥さま。窓の外には桜の木々を眺めることができ、季節ごとに緑豊かな景色を楽しんでいるという。
ダイニング側の窓横にある収納は、外に突き出すように設計されており、外観の特徴の一つとなっている。元々は洋服用に想定された収納スペースだった。
藤井邸では、これを生活関連のストックやグッズを収納するスベースとして使用。整理収納アドバイザーでもある奥さまが奥行を生かしつつ、機能的に使うために、棚受けを付け、棚板を設置。白を基調にしたボックスを使って、美しく収納している。
玄関とキッチンを仕切る壁は、リフォーム時に設けたもの。仕切り部分は、洗濯機を収納できるスペースになっている。住み始めて数年が経過し、リビング側の壁の塗料に劣化が生じたため、あえて色を変え、DIYでヘンプベージュに塗り直した。色ムラが味わいを感じさせるアクセントウォールに。
洗濯機の収納スペースの隣に冷蔵庫、そしてキッチン台が並んだ使い勝手のいいキッチン。白で統一し、清潔感のあるすっきり整った空間にまとめている。
キッチンは部屋の角に位置し、2面のガラスで明るく開放感抜群。キッチン台の向かいには、カウンターを設けた。「煮込み料理をしながら、ここでパソコン作業をすることもあります」と奥さま。
二人が同時にキッチンに立っても十分なスペース。カウンターで、ご主人がコーヒーを淹れるのも日常。
1部屋を350×315cmの寝室にし、壁一面にクローゼットを造作した。キャビネットなど家具は極力増やしたくないという意向があるものの、夫婦ともに洋服が好きなので、大きいクローゼットを造作することは当初からの希望だった。
また、寝室の照明は、レトロな雰囲気が気に入り、以前の住人が使っていたものをそのまま譲り受けて使用している。
また、寝室の照明は、レトロな雰囲気が気に入り、以前の住人が使っていたものをそのまま譲り受けて使用している。
オフホワイトの壁に映えるダークブルーグリーンの扉は、この家のアクセント。スタイリッシュでありながら、あたたかみを感じさせるデザインだ。明かり取りのガラスとリビングダイニングとを仕切る壁に埋め込んだ室内窓には、レトロガラスを用いた。
寝室に隣接する350×162㎝の二人のワークスペース。L型の足とキャビネットで支える〈ビズレー〉のテーブルは、この部屋に来てからいちばん初めに購入した家具だ。天板を変えれば、サイズを変更することもできるのが選んだ決め手という。奥のスチールキャビネットは赤だったものを部屋に合わせて白に塗り替えた。
「仕事部屋は中庭が見える位置にしたかったので、この間取りにこだわりました。それぞれ好きな椅子を持ってきて、二人並んで仕事をすることもあります」とご主人。
「仕事部屋は中庭が見える位置にしたかったので、この間取りにこだわりました。それぞれ好きな椅子を持ってきて、二人並んで仕事をすることもあります」とご主人。
玄関正面には〈無印良品〉の木製ユニットシェルフを置き、お出かけ時に必要な小物などを夫婦それぞれに収納している。下段のソフトボックスには、バッグを収納。
ハンカチやサングラス、ハンドクリームなどの小物を収納。季節ごとにカゴの中のものを見直し、必要なものを入れ替えながら使用していいる。
洗面台はほとんど手をかけず、以前からのものを使用。「サイズや形など懐かしい雰囲気が気に入っています」
洗面や寝室のドアノブは、〈パシフィックファニチャー〉で見つけたゴールドメッキのパーツを選んだ。グリーンの塗料とも相性がいい。
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