Houzzツアー: 窓を組み上げた壁から夕焼けや星空を眺められる、DIYの美しい小屋
はじめてのデートで夢の家を描いたふたりは、やがて結婚。ふたりで力を合わせ、捨てられた窓を組み上げて、美しい小屋をつくりました。
Vanessa Brunner
2015年7月27日
ほんの思いつきで描いたスケッチがいつか現実になるとは、デザイナーのライラ・ホーウィッツ(Lilah Horwitz)さんとフォトグラファーのニック・オルソン(Nick Olson)さんも思ってもいなかった。つきあい始めたころ、「壁一面が窓に覆われた家があったら素敵だね」と話しながら、ふたりはレストランの紙ナプキンに小さな家の絵を描いたのだった。「壁が全部窓でできていて、家の中から夕焼けや星空を眺められたら素敵ね、と夢みたいなことを話してたんです」とホーウィッツさんは振り返る。
ところが、思いもかけないことが起こるものだ。ふたりはオルソンさんの家族が所有するウェストヴァージニアの農場で、夢を実現する場所を見つけたのだった。夢の小屋を建てることにしたふたりは、まずスケッチを描き、地元の図書館でじっくりとリサーチを行い、測量を行った。そして、アーティストらしいビジョンと創意工夫の才を発揮して、夢見た通りの家を実現したのだった。
Photography by Nick Olson and Half Cut Tea
ところが、思いもかけないことが起こるものだ。ふたりはオルソンさんの家族が所有するウェストヴァージニアの農場で、夢を実現する場所を見つけたのだった。夢の小屋を建てることにしたふたりは、まずスケッチを描き、地元の図書館でじっくりとリサーチを行い、測量を行った。そして、アーティストらしいビジョンと創意工夫の才を発揮して、夢見た通りの家を実現したのだった。
Photography by Nick Olson and Half Cut Tea
2012年7月から12月まで建築作業を続け、自分たちだけで建物を完成した。オルソンさんはログハウス建設業者としての訓練を受けており、小屋を建てた経験も豊富だったが、それでも予想外の苦労がたくさんあった。「躯体を組み上げるとき、友達に電話して手伝ってもらえたら、と何度も思ったものです。でも、このプロジェクトを始めたときは、この辺りには友達が一人もいなくて」とホーウィッツさん。
基本的にはシンプルな小屋を建てる作業だったが、なんといっても重要なのは、壁一面を再利用した窓で構成する点だった。「ふたりともアーティストなので、光にとても敏感なんです。だから、外の自然光をできるかぎり屋内に採り入れたい、と考えました」とホーウィッツさん。
基本的にはシンプルな小屋を建てる作業だったが、なんといっても重要なのは、壁一面を再利用した窓で構成する点だった。「ふたりともアーティストなので、光にとても敏感なんです。だから、外の自然光をできるかぎり屋内に採り入れたい、と考えました」とホーウィッツさん。
半年をかけて完成したワンルームの小屋は、夜になると美しく輝く姿を見せる。ふたりは気候の良い季節にこの家に滞在し、物を書いたり、語り合ったり、誰にも邪魔されることなく、ふたりだけで静かに過ごしたりしている。「どこにいても、帰るべき小さな場所があって、しかもそれが自分たちの力で建てたものだと思うと、安心しますね」とホーウィッツさんは話す。
ふたりは結婚したばかりだったから、小屋作りにかけられる予算も限られていた。幸運にも、オルセン家の敷地で、古い小屋が解体されることに。そこで、木材やネジ、釘、屋根材などをすべて引き取った。丁寧に解体をしたので、新たに必要な材料を買うのにほとんどお金はかからなかった。廃棄された窓や建材を買い集めるのに、500ドルかかっただけだった。
小屋のドアの上に小さな木製の棚をつくり、拾ってきた空っぽの鳥の巣を飾っている。
農場の敷地内に他の建物があるので、キッチンやバス・トイレを設置する必要はなかった。いつか、お金がたまったら、アウトドアキッチンと、別棟のトイレを作りたいと思っている。
ワンルームの空間には、寝心地のよいアンティークベッドと薪ストーブが。
ワンルームの空間には、寝心地のよいアンティークベッドと薪ストーブが。
窓を設置中のオルソンさん。廃材を再利用したため、材料のサイズが揃っていなかったため、建設作業は大変だった。幅も長さも異なる木材を組み立てていくのは難しいことなのだ。「再生材をきっちりと組み上げるのは簡単ではないんです」とホーウィッツさん。
「完成してみると、古い木材、窓、屋内に置かれているもののすべてが実にしっくりと馴染んでいます。とにかく、どうやったら美しく見えるだろうか、ということを考えながら、材料を組み合わせていきました」とホーウィッツさん。
シンプルな小屋なので、電気は引いていない。夜の明かりはろうそくと灯油ランプ、月明かりだけ。
ベッドの上方には、捨てられていたツインベッドのフレームを吊るした。シーツやスカーフやベッドリネンをかければ、天蓋付きベッドのような風情になる。
暖房用のアンティークの薪ストーブで、お湯も沸かす。予算が限られていたし、冬はあまりここで過ごさないので、小屋には断熱を施していない。
時間がゆるすかぎりできるだけここで過ごすようにしているというふたり。「リスクはありましたが、思いついたことを実行してしまいました。ふたりとも若いですし、実用的でないことをするのも、今なら許されると思うんです」とホーウィッツさんは話してくれた。
ふたりの家の動画は、下のリンクで見ることができる。 http://www.youtube.com/watch?v=YWvemw0nj7k
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ふたりの家の動画は、下のリンクで見ることができる。 http://www.youtube.com/watch?v=YWvemw0nj7k
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