災害に強い庭づくりとは?
地震、台風、大雪などの災害への備え。外構や庭部分で、どのようにしていますか?今回は、庭でできる防災について確認してみましょう。
舩村佳織
2020年3月23日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
東日本大震災から9年が経過しました。そしてこの9年の間にも、地震や水害など様々な災害が日本全国で発生しました。気候変動が起きている今、地震だけでなく異常気象による被害も多発しています。個人個人が出来る範囲で災害に備えることが、被害を減らす第一歩となります。庭で出来る防災対策についてご紹介します。
パッシブデザイン
台風や地震などで停電したとき、季節によっては暑さ寒さが身にこたえます。普段から電気だけに頼らずに、自然の力を生かした快適な住環境を作ると、いざというときの助けになります。自然の力を生かしたデザインをパッシブデザインといいます。
例えば落葉樹の影やオーニング等で日差しを遮れるようにしたり、グリーンカーテンを作って蒸散作用により涼しい風を取り入れたり、パッシブデザインを活用した庭造りで普段から電気に頼りすぎない生活をつくりましょう。
台風や地震などで停電したとき、季節によっては暑さ寒さが身にこたえます。普段から電気だけに頼らずに、自然の力を生かした快適な住環境を作ると、いざというときの助けになります。自然の力を生かしたデザインをパッシブデザインといいます。
例えば落葉樹の影やオーニング等で日差しを遮れるようにしたり、グリーンカーテンを作って蒸散作用により涼しい風を取り入れたり、パッシブデザインを活用した庭造りで普段から電気に頼りすぎない生活をつくりましょう。
延焼防止に役立つ生垣
古くからサンゴジュやシイ類、カシ類、イヌマキ等は燃えにくく、延焼防止に役立つとして、屋敷の周囲に使われていました。これらの樹木は常緑樹で葉が厚く、水分を多く含みます。こういった特性を持つ樹木を生垣として利用することで、火事が発生した際、防火に役立ちます。
逆に樹脂を多く含むマツやスギなどは燃えやすく、防火には不適ですので気を付けましょう。
古くからサンゴジュやシイ類、カシ類、イヌマキ等は燃えにくく、延焼防止に役立つとして、屋敷の周囲に使われていました。これらの樹木は常緑樹で葉が厚く、水分を多く含みます。こういった特性を持つ樹木を生垣として利用することで、火事が発生した際、防火に役立ちます。
逆に樹脂を多く含むマツやスギなどは燃えやすく、防火には不適ですので気を付けましょう。
雨水利用
住宅の屋根に降った雨は、通常雨樋を流れて下水道等に流れ込みます。雨樋に雨水タンクを接続すれば、今まで下水道等に流れていた雨水を貯めて活用することができます。飲用としては不向きですが、災害時に断水した際、トイレを始めとした生活用水として利用できます。日常生活の中でも洗車や植物への水やりなどに活用できるので、節水効果も期待できます。
雨水タンク設置に対する助成金がある自治体もあるので、雨水タンク検討の場合は調べてみましょう。
エクステリア・外構の専門家を探す
住宅の屋根に降った雨は、通常雨樋を流れて下水道等に流れ込みます。雨樋に雨水タンクを接続すれば、今まで下水道等に流れていた雨水を貯めて活用することができます。飲用としては不向きですが、災害時に断水した際、トイレを始めとした生活用水として利用できます。日常生活の中でも洗車や植物への水やりなどに活用できるので、節水効果も期待できます。
雨水タンク設置に対する助成金がある自治体もあるので、雨水タンク検討の場合は調べてみましょう。
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雨水浸透マスの設置
近年、短時間の激しい雨が増えています。一度に大量の水が下水道や側溝に流れ込むと、排水が追い付かずに氾濫してしまい、これを内水氾濫といいます。国内の浸水被害棟数の70%が内水氾濫によるものです。
都市部では土がコンクリートやアスファルトに覆われ、降った雨水のほとんどが下水道や側溝に流れていきます。なるべく雨が土に浸透していくようにすることが、内水氾濫が起こるリスクを低くします。
庭に雨水浸透マスを設置することで、雨を土に浸透させる仕組みを作れます。各家庭で雨水浸透マスを設置することで、内水氾濫の発生を少なくすることが可能です。
近年、短時間の激しい雨が増えています。一度に大量の水が下水道や側溝に流れ込むと、排水が追い付かずに氾濫してしまい、これを内水氾濫といいます。国内の浸水被害棟数の70%が内水氾濫によるものです。
都市部では土がコンクリートやアスファルトに覆われ、降った雨水のほとんどが下水道や側溝に流れていきます。なるべく雨が土に浸透していくようにすることが、内水氾濫が起こるリスクを低くします。
庭に雨水浸透マスを設置することで、雨を土に浸透させる仕組みを作れます。各家庭で雨水浸透マスを設置することで、内水氾濫の発生を少なくすることが可能です。
ブロック塀の安全対策
2018年に発生した大阪北部の地震によりブロック塀が倒れ、尊い命が失われる痛ましい事故がありました。後の調査で、倒れたブロック塀は、基準を満たしていない状態だったことが発覚しました。
ブロック塀には安全な施工のための基準が設けられています。万が一、個人所有のブロック塀がきちんとした施工をなされていない場合、家族だけでなく周囲の人をも危険に巻き込むことになります。古い塀やヒビが入っている等、心配な場合は一度外構業者に相談してみることをおすすめします。
もし撤去の必要がある場合、助成金のある自治体もありますので、合わせて相談してみましょう。信頼できる業者がわからない場合、ブロック塀診断士という資格の有無を基準にしてみてください。
2018年に発生した大阪北部の地震によりブロック塀が倒れ、尊い命が失われる痛ましい事故がありました。後の調査で、倒れたブロック塀は、基準を満たしていない状態だったことが発覚しました。
ブロック塀には安全な施工のための基準が設けられています。万が一、個人所有のブロック塀がきちんとした施工をなされていない場合、家族だけでなく周囲の人をも危険に巻き込むことになります。古い塀やヒビが入っている等、心配な場合は一度外構業者に相談してみることをおすすめします。
もし撤去の必要がある場合、助成金のある自治体もありますので、合わせて相談してみましょう。信頼できる業者がわからない場合、ブロック塀診断士という資格の有無を基準にしてみてください。
防災倉庫
災害発生時、ライフラインがストップした時に備えて、家族が必要とする食料や生活必需品を備蓄しておきましょう。すぐに必要なのが飲料水と食料。最低でも三日分、可能なら一週間分用意すると安心です。水は成人の場合一日3リットル必要と言われています。水だけでもかなりの量となりますね。
家の中に備蓄のためのスペースが無い場合、庭に防災倉庫を設置して備蓄庫にすると、必要なスペースが確保できます。地震や浸水等で家に入れないような状態になってしまっても、庭の倉庫ならば開けることができます。また、普段は庭仕事で使うシャベル等が救助に役立つこともあるので、一部を普通の物置として使用しても良いでしょう。
防災の記事を読む
災害発生時、ライフラインがストップした時に備えて、家族が必要とする食料や生活必需品を備蓄しておきましょう。すぐに必要なのが飲料水と食料。最低でも三日分、可能なら一週間分用意すると安心です。水は成人の場合一日3リットル必要と言われています。水だけでもかなりの量となりますね。
家の中に備蓄のためのスペースが無い場合、庭に防災倉庫を設置して備蓄庫にすると、必要なスペースが確保できます。地震や浸水等で家に入れないような状態になってしまっても、庭の倉庫ならば開けることができます。また、普段は庭仕事で使うシャベル等が救助に役立つこともあるので、一部を普通の物置として使用しても良いでしょう。
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倒木・枝折れ対策
強い勢力の台風が増えており、毎年台風による倒木・枝折れ被害が各地で見られます。庭の植木も例外ではなく、特に大きくなった樹木の倒木は家屋や人に大きな被害を与える危険性があります。一年に一度は庭の手入れと共に倒木・枝折れの危険のある樹木が無いか確認をしましょう。確認したいのは、以下の4点です。
ご家庭で上記を確認して不安があれば、専門の造園業者に相談してみましょう。倒木の危険性があるならば、支柱の設置や伐採の処理を行うこととなります。大事にしている植木の場合、伐採は避けたいものですが、大きな事故が起きてしまうと手遅れです。一度、庭の点検をしてみましょう。
日本の造園会社・ガーデンデザイナーを探す
強い勢力の台風が増えており、毎年台風による倒木・枝折れ被害が各地で見られます。庭の植木も例外ではなく、特に大きくなった樹木の倒木は家屋や人に大きな被害を与える危険性があります。一年に一度は庭の手入れと共に倒木・枝折れの危険のある樹木が無いか確認をしましょう。確認したいのは、以下の4点です。
- 太い枯れ枝はないか
- 顕著なキノコの発生はないか
- 押して揺らがないか
- 顕著な空洞はないか
ご家庭で上記を確認して不安があれば、専門の造園業者に相談してみましょう。倒木の危険性があるならば、支柱の設置や伐採の処理を行うこととなります。大事にしている植木の場合、伐採は避けたいものですが、大きな事故が起きてしまうと手遅れです。一度、庭の点検をしてみましょう。
日本の造園会社・ガーデンデザイナーを探す
停電時に注意すること
地震の発生や台風、大雪などの影響で突然停電は発生します。避難しようとした時、普段電気で制御している門扉やガレージシャッターが開かない!とびっくりすることがあります。こういった商品は必ず手動で操作する方法があるので、焦らずに対処しましょう。
説明書を見ればわかるのですが、すぐに避難しなくてはいけないような時のために、必ず一度は手動での操作を家族で確認しておきましょう。
地震の発生や台風、大雪などの影響で突然停電は発生します。避難しようとした時、普段電気で制御している門扉やガレージシャッターが開かない!とびっくりすることがあります。こういった商品は必ず手動で操作する方法があるので、焦らずに対処しましょう。
説明書を見ればわかるのですが、すぐに避難しなくてはいけないような時のために、必ず一度は手動での操作を家族で確認しておきましょう。
避けることができない災害ですが、個人の努力で被害を最小限にすることは可能です。ご自身と家族の命を守るため、日ごろから備えを万全にしたいものです。忘れがちな外構や庭部分でも、きちんと備えをしておきましょう。
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藤山佳織 様 横から失礼します。庭・外構の記事なのにすみません。
何処のハウスメーカーも工務店もまだまだ台風や竜巻の気象変動対応の屋根作りを始めていないのこの場所をお借りします。
どうなんでしょう?千葉などの屋根の修理は前と同じように修理していますが、沖縄の赤瓦を漆喰で囲んで作り上げる屋根などが参考に成ると思いますが、風邪で飛ばされない屋根作りが必要では?そう思うのですが。
庭・外構へのお金のかけ方この日本でも考えなきゃいけませんね。
多くの施工後の擁壁や壁等は黒カビ・苔だらけです。神社仏閣ならまだしも
住宅のエントランス・北側の壁・擁壁は汚いですね。LDK・応接は綺麗にしているのに、そこは手付かず。
ランドスケープデザイン関係の資材卸・施工を行います弊社としてはこれからマーケットが広がる事期待しています。
(有)田中機販 さま
コメントありがとうございます。
確かに家の中のことに比べて、外回りのことには予算をかけない傾向にありますね。家の安全を守るには、まず屋根や擁壁が大事なのですが・・・
家づくりの最初の窓口となる工務店において、予算計画を立てられる施主様が多いかと思います。そこで外構の予算をきちんと見ていただかないと、やはり思うようにはできないものです。外構と家づくりは二人三脚で行うことが望ましいですね。