木造住宅の耐震リフォームの際に知っておきたいこと
耐震性の確保は、安全な住まいのために不可欠です。自宅の耐震補強のリフォームを考えた時に踏まえておきたいポイントをご説明します。
戸建住宅をリフォームする際、まず気にしないといけないのは耐震性です。予算が厳しいからとこれをおろそかにして、震災で命を落としては元も子もありません。とはいえ「耐震リフォームにいくらかかるか?」と聞かれても、残念ながら「調べてみないとわからない」というのが実情です。特に木造では建物ごとに間取りや構造、築年数が異なる上に、メンテナンス状態によって必要な改修範囲が変わってくるためです。
「旧耐震」はもちろん「新耐震」でもチェックするのがベスト
建築の構造は新築当時には適法に建てられていたとしても、その後に法規が変わったため現在の基準に合わない住宅があります。中でも1981年に行われた大改正により、現行法の耐震性が不足している住宅が少なくありません。いわゆる「新耐震基準」です。この基準では「極めてまれに起こる大地震でも倒壊しない」ことを前提に必要な壁の量が増やされ、壁倍率の見直しが行われました。さらに阪神大震災後の2000年には、バランスの良い壁配置や接合部の強化などの改正が行われています。
新耐震基準で建てられた住宅は一応安心と言われていますが、これもあくまで机上の話。雨漏りやシロアリによる構造の傷みや、図面通りに施工されていないこともあるため、できればリフォーム時に確認したいところです。間取りの変更や内外装のやり替えを行うなら、そのついでに耐震補強することが可能です。
建築の構造は新築当時には適法に建てられていたとしても、その後に法規が変わったため現在の基準に合わない住宅があります。中でも1981年に行われた大改正により、現行法の耐震性が不足している住宅が少なくありません。いわゆる「新耐震基準」です。この基準では「極めてまれに起こる大地震でも倒壊しない」ことを前提に必要な壁の量が増やされ、壁倍率の見直しが行われました。さらに阪神大震災後の2000年には、バランスの良い壁配置や接合部の強化などの改正が行われています。
新耐震基準で建てられた住宅は一応安心と言われていますが、これもあくまで机上の話。雨漏りやシロアリによる構造の傷みや、図面通りに施工されていないこともあるため、できればリフォーム時に確認したいところです。間取りの変更や内外装のやり替えを行うなら、そのついでに耐震補強することが可能です。
インスペクションの後に精密検査も必要
そこで重要になるのが住宅診断です。ただ不動産取引で行われるインスペクションはあくまで外観調査がメインなので、構造の不具合までは確認できません。そのためにも、リフォームが得意な専門家に依頼して、構造的な不具合がないかチェックしてもらう必要があります。
ちなみに1981年5月末以前に建てられた建物なら、自治体で耐震診断を行っている場合があるので、まずは自治体の窓口に問い合わせするとよいでしょう。ただこれも「一般診断」と呼ばれる外観調査がメインなので、必要な補強範囲の想定にはなりますが、実際の補強方法は解体後に改めて精密診断を行い、適切な補強方法を検討する必要があります。
建築家を探す
そこで重要になるのが住宅診断です。ただ不動産取引で行われるインスペクションはあくまで外観調査がメインなので、構造の不具合までは確認できません。そのためにも、リフォームが得意な専門家に依頼して、構造的な不具合がないかチェックしてもらう必要があります。
ちなみに1981年5月末以前に建てられた建物なら、自治体で耐震診断を行っている場合があるので、まずは自治体の窓口に問い合わせするとよいでしょう。ただこれも「一般診断」と呼ばれる外観調査がメインなので、必要な補強範囲の想定にはなりますが、実際の補強方法は解体後に改めて精密診断を行い、適切な補強方法を検討する必要があります。
建築家を探す
費用はケースバイケース。助成が受けられる場合も
耐震補強工事の平均施工金額は160万円ほど、という調査データがあります。とはいえ、前述の通りあくまで目安なので、建物の構造や規模・劣化度合いと、どのレベルの耐震性を求めるかで変わるため、ご予算や要望と合わせて検討する必要があります。なお耐震改修設計や工事についても助成が受けられる場合もあるので、こちらも自治体の窓口でお確かめください。
リノベーションとは?リフォームとの違い
耐震補強工事の平均施工金額は160万円ほど、という調査データがあります。とはいえ、前述の通りあくまで目安なので、建物の構造や規模・劣化度合いと、どのレベルの耐震性を求めるかで変わるため、ご予算や要望と合わせて検討する必要があります。なお耐震改修設計や工事についても助成が受けられる場合もあるので、こちらも自治体の窓口でお確かめください。
リノベーションとは?リフォームとの違い
設計・施工スケジュールは余裕を持って
リフォームは新築に比べて早く安く工事ができると思われがちですが、とりわけ木造住宅では正確な図面が残されていることは稀なため、完成を急ぐとあてずっぽうで工事内容を固めることになり、工事金額が増える傾向にあります。工期に余裕があればまず解体してから補強方法を検討するのが確実ですが、予算や工期を抑えるには、しっかりとした調査と計画が不可欠です。
スケジュールの目安としては、木造2階建て35坪程度のリフォームで、現況調査に1ヶ月、設計に3ヶ月、見積調整に1ヶ月、施工に4ヶ月の計9~10ヶ月程度は見込んでおきたいものです。
リフォームは新築に比べて早く安く工事ができると思われがちですが、とりわけ木造住宅では正確な図面が残されていることは稀なため、完成を急ぐとあてずっぽうで工事内容を固めることになり、工事金額が増える傾向にあります。工期に余裕があればまず解体してから補強方法を検討するのが確実ですが、予算や工期を抑えるには、しっかりとした調査と計画が不可欠です。
スケジュールの目安としては、木造2階建て35坪程度のリフォームで、現況調査に1ヶ月、設計に3ヶ月、見積調整に1ヶ月、施工に4ヶ月の計9~10ヶ月程度は見込んでおきたいものです。
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自治体の窓口という手もあるんですね!
旧耐震のマンションに住んでいるのですが、その場合はもちろん管理会社に一任するしかないですよね。
分譲マンションの場合は管理組合が申請者となります。役員会等で協議の上、まずは各区市町村の窓口にご相談いただくと良いでしょう。