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災害に備えるために。住まいについて知っておきたいこと
いざという時に冷静な判断をするためには、家が建っている土地や地域、家のメンテナンスの必要性などについて知っておくことが重要です。基本としてふまえておきたいことをお伝えします。

近年、長雨・台風などで日本中で被害が起きるようになってきています。安全な土地なんて、実はないのかもしれないと思ってしまうかもしれません。では、あきらめるしかないのでしょうか?いえ、「こんなことがあり得るかもしれない」と知っていれば、平時に対応しておくことも、いざという時に早く冷静な判断をすることもできると思います。
災害のタイプは、その土地、その地域で違います。誰かの判断に身をゆだねるのではなく、自分の家、自分の住む地域の特性を理解し、自らの判断に役立てましょう。
災害のタイプは、その土地、その地域で違います。誰かの判断に身をゆだねるのではなく、自分の家、自分の住む地域の特性を理解し、自らの判断に役立てましょう。
1.地名から地域の特性を知る
あなたが住む地域が元々どんなところなのかは「地名」が表しています。
沼地だったのか、荒地だったのか、崖地だったのか、川が氾濫する地域だったのか、など。
それを知ることで、どんな災害が起こる可能性があるかを理解できます。ただし、現在の土木・建築施策によって、それを抑えられるようになっているかもしれません。
参考:地名と災害
現在の地名は地域の印象を高めるために新しく付けられたものだったりするので、必ずしも現在の地名では土地の情報はわかるわけではありません。古くから使われていた地名を知らなければいけません。
使われないところもたくさんありますが、住所に使われている「字(あざ)」がその土地の特性を表すそうです。
昔の地名を知るには、図書館などで古い地図を探してみるといいでしょう。土地の登記簿にも記載されています。が、最新のデーター処理されたものではなく、それ以前の「閉鎖登記簿」を法務局で閲覧してください。「〇〇町大字□□字△△」と書かれています。もし古い手書きの登記簿をお持ちなら、それには書いてあると思います。
参考:地名に隠された由来、旧地名の調べ方
あなたが住む地域が元々どんなところなのかは「地名」が表しています。
沼地だったのか、荒地だったのか、崖地だったのか、川が氾濫する地域だったのか、など。
それを知ることで、どんな災害が起こる可能性があるかを理解できます。ただし、現在の土木・建築施策によって、それを抑えられるようになっているかもしれません。
参考:地名と災害
現在の地名は地域の印象を高めるために新しく付けられたものだったりするので、必ずしも現在の地名では土地の情報はわかるわけではありません。古くから使われていた地名を知らなければいけません。
使われないところもたくさんありますが、住所に使われている「字(あざ)」がその土地の特性を表すそうです。
昔の地名を知るには、図書館などで古い地図を探してみるといいでしょう。土地の登記簿にも記載されています。が、最新のデーター処理されたものではなく、それ以前の「閉鎖登記簿」を法務局で閲覧してください。「〇〇町大字□□字△△」と書かれています。もし古い手書きの登記簿をお持ちなら、それには書いてあると思います。
参考:地名に隠された由来、旧地名の調べ方
2.地盤
地名から土地の特性がわかれば、地盤を想像できます。元々沼地や田んぼだった所なら、基本的には地盤は弱い地域です。
また地名を見るまでもなく想像できることもあります。川があればその周辺の平な地域は地盤はあまり強くはありません。治水(護岸や堤防等)などするずっと前は、大雨があれば川の流れは常に変わっていたはずです。川が運んできたものが堆積してできている土地ですから、基本的には地盤はゆるいのです。
川の上に蓋をして道路にしてあるところ(暗渠)もあるので、気づいてない人もいるかもしれません。地図をよく見てください。谷になっている場所も水が流れる場所ですから、川ほどではないにしても、川の周辺と同様に考えてもいいと思います。
地名から土地の特性がわかれば、地盤を想像できます。元々沼地や田んぼだった所なら、基本的には地盤は弱い地域です。
また地名を見るまでもなく想像できることもあります。川があればその周辺の平な地域は地盤はあまり強くはありません。治水(護岸や堤防等)などするずっと前は、大雨があれば川の流れは常に変わっていたはずです。川が運んできたものが堆積してできている土地ですから、基本的には地盤はゆるいのです。
川の上に蓋をして道路にしてあるところ(暗渠)もあるので、気づいてない人もいるかもしれません。地図をよく見てください。谷になっている場所も水が流れる場所ですから、川ほどではないにしても、川の周辺と同様に考えてもいいと思います。
- 切土と盛土
「切土」とは斜面の土を削り平らな部分を作ることです。削って崖ができたところに擁壁を作ります。「盛土」とは、擁壁を作ってからその高さまで土で埋めた平な部分を作った土地です。「盛土」と「切土」が混ざった土地もあるでしょう。
「切土」で作られた土地の地盤は、斜面の元の地盤なので、強い地盤の可能性は高いです。得に地盤補強をしなくても、元々いい地盤である可能性が高い、ということです。
「盛土」で作られた土地の地盤は埋めて作った地面ですから、その埋めた部分にはあまり地盤の強さを期待できないかもしれません。家を建てる場合には、杭などの地盤補強が必要なると考えたほうがいいでしょう。
- 谷を埋めた土地
- 擁壁
豪雨の影響で擁壁が崩れ、かろうじて家が残っている映像をいつも見ます。大雨による地盤のゆるみが想像以上なのか、擁壁の構造・施工の問題なのかわかりませんが、「うちは大丈夫」と過信せず、斜面地である事は忘れないほうがいいと思います。
- 斜面地
参考:土砂災害にそなえて【土砂災害の前兆現象】
3.風
近年の台風は大型化し、進路や速度により多くの被害が出る事が増えてきました。家の設計では、地震だけでなく風圧に対しての強度も考えてはいます。ただし、建物が倒れないよう「耐える力」であり、屋根の材料が飛んだり、屋根そのものが吹き飛ぶ事への対策は別の話です。
近年の台風は大型化し、進路や速度により多くの被害が出る事が増えてきました。家の設計では、地震だけでなく風圧に対しての強度も考えてはいます。ただし、建物が倒れないよう「耐える力」であり、屋根の材料が飛んだり、屋根そのものが吹き飛ぶ事への対策は別の話です。
- 屋根材が飛ばされる
- 屋根が吹き飛ぶ
4.都市部の雨
豪雨により川の氾濫の被害も増えています。都市部では下水管の排水能力オーバーで水が道路にあふれる事もあります。玄関が半地下の家が都市部の3階建ての家に多くありますが、少しでも水が流れ込めば玄関ドアは開かなくなります。玄関前の排水口の掃除を心掛けましょう。排水口と接続する排水管の大きさも見直してみましょう。
豪雨により川の氾濫の被害も増えています。都市部では下水管の排水能力オーバーで水が道路にあふれる事もあります。玄関が半地下の家が都市部の3階建ての家に多くありますが、少しでも水が流れ込めば玄関ドアは開かなくなります。玄関前の排水口の掃除を心掛けましょう。排水口と接続する排水管の大きさも見直してみましょう。
5.家のメンテナンスを意識する
メンテナンスフリーの家は、ありません。家の表面の材料の多くは、釘やビスで固定されています。それらが劣化する事で材料が浮いたりズレたりするため、風で吹き飛ぶ可能性が出てきます。
10~15年、遅くても20年で、家の点検と必要な補修をしましょう。それが、家が被害を受けるかどうかの分かれ目になるかもしれません。
6.「大丈夫じゃないの」という過信は禁物
自然の力は、人間の想定など軽々超えてしまいます。どんなに対処しても「ダメだった」という事実を次々に経験してきました。異常な状況が続くなら、注意を払い早めに行動する事を心掛け、ご自分を、大切なご家族を、守りましょう。
防災の記事を読む
家づくりのヒントを読む
住まいの専門家を探す
メンテナンスフリーの家は、ありません。家の表面の材料の多くは、釘やビスで固定されています。それらが劣化する事で材料が浮いたりズレたりするため、風で吹き飛ぶ可能性が出てきます。
10~15年、遅くても20年で、家の点検と必要な補修をしましょう。それが、家が被害を受けるかどうかの分かれ目になるかもしれません。
6.「大丈夫じゃないの」という過信は禁物
自然の力は、人間の想定など軽々超えてしまいます。どんなに対処しても「ダメだった」という事実を次々に経験してきました。異常な状況が続くなら、注意を払い早めに行動する事を心掛け、ご自分を、大切なご家族を、守りましょう。
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