気づけば好きになっている。「合板」の魅力
かつては機能性で評価されてきた質素な建材である合板。シンプルさと超クールな美しさのおかげで復活を果たしました。
Natasha Saroca
2021年5月16日
かつて合板は、安いけれどかっこ悪いものだと考えられていました。主な用途も、建設現場の仮囲いや床、屋根の下地などでしたが、今は違います。
多くのデザイナーや建築家が、この地味で丈夫な建材を好んで使うようになりました。それもこれも、暖かみ、質感、未加工の美しさとクールなルックスのおかげ。さらに、一枚板よりもお手頃で、環境にもやさしいのです。では、思わず二度見したくなるような、合板を使ったプロジェクトをご紹介していきましょう。合板のことを、あなたもきっと好きになるはずです。
多くのデザイナーや建築家が、この地味で丈夫な建材を好んで使うようになりました。それもこれも、暖かみ、質感、未加工の美しさとクールなルックスのおかげ。さらに、一枚板よりもお手頃で、環境にもやさしいのです。では、思わず二度見したくなるような、合板を使ったプロジェクトをご紹介していきましょう。合板のことを、あなたもきっと好きになるはずです。
合板とは?
合板とは、薄いベニヤ板の層を向きを交互に重ねて接着したもので、一枚板よりも縮み、膨張、反りが起きにくい丈夫で安定した板材です。
この多用途な建材は、インテリアとエクステリア、目的に合わせて豊富なバリエーションから選べます。屋外や湿気の多いエリア用として使える丈夫で湿気に強いマリングレード合板から、家具や建具の材料として人気のしっかりした硬材合板まで、その種類はさまざま。さらに、DIY好きの頼れる木材としてカットや穴あけが簡単な軟材合板もあります。
合板は厚さもさまざまで、注文すれば表面のベニヤに異なる硬材(バーチ、マホガニー、オーク、バンブーなど)を使用することもできます。そうすることで、一枚板のような見た目でありながら、合板の実用的なメリットを手頃な価格で提供できるのです。では、実際に合板をどんなふうに住宅に取り入れているのか、いくつか例を見ていきましょう。
合板とは、薄いベニヤ板の層を向きを交互に重ねて接着したもので、一枚板よりも縮み、膨張、反りが起きにくい丈夫で安定した板材です。
この多用途な建材は、インテリアとエクステリア、目的に合わせて豊富なバリエーションから選べます。屋外や湿気の多いエリア用として使える丈夫で湿気に強いマリングレード合板から、家具や建具の材料として人気のしっかりした硬材合板まで、その種類はさまざま。さらに、DIY好きの頼れる木材としてカットや穴あけが簡単な軟材合板もあります。
合板は厚さもさまざまで、注文すれば表面のベニヤに異なる硬材(バーチ、マホガニー、オーク、バンブーなど)を使用することもできます。そうすることで、一枚板のような見た目でありながら、合板の実用的なメリットを手頃な価格で提供できるのです。では、実際に合板をどんなふうに住宅に取り入れているのか、いくつか例を見ていきましょう。
壁に使う
こちらのクールでクリエイティブな空間をお手本に、合板をキャンバス代わりに使用したウォールアートをつくってみましょう。カラフルな幾何学模様が、お部屋にインパクトと遊び心あふれる雰囲気を与えながらも、未加工の合板が鮮やかな色を浮かび上がらせ、お部屋を都会的な印象にしています。
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こちらのクールでクリエイティブな空間をお手本に、合板をキャンバス代わりに使用したウォールアートをつくってみましょう。カラフルな幾何学模様が、お部屋にインパクトと遊び心あふれる雰囲気を与えながらも、未加工の合板が鮮やかな色を浮かび上がらせ、お部屋を都会的な印象にしています。
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手の加えられていない、無骨な合板の美しい姿がお好みなら、家中の壁(と、勇気があるなら天井も)をすべて加工木材で覆ってみてはいかがでしょう。この合板で覆ったパビリオンにあふれる3つのクオリティを持った、つまり居心地がよく魅力的で、自然な美しさを醸し出す住まいになりますよ。
色の助けを借りることもお忘れなく。黒と白のアクセント、そして素材のコントラストによって視覚的なメリハリが生まれ、木材に囲まれたお部屋が主張しすぎないようにします。
強度等級B-Cの合板の内壁に、Wattyl Estapol水性速乾透明仕上げ剤を使用。オーストラル・プライウッズ(Austral Plywoods)
色の助けを借りることもお忘れなく。黒と白のアクセント、そして素材のコントラストによって視覚的なメリハリが生まれ、木材に囲まれたお部屋が主張しすぎないようにします。
強度等級B-Cの合板の内壁に、Wattyl Estapol水性速乾透明仕上げ剤を使用。オーストラル・プライウッズ(Austral Plywoods)
派手な色は好きじゃない?コントラストのはっきりした黒と白を合板に合わせることで鮮やかな色を用いた場合と同等の視覚的メリハリと強さを実現でき、かつより洗練された、ラグジュアリーな空間に仕上がります。
お部屋全体を合板で覆ってしまえるほどの覚悟がない、というあなたは、手始めに小さな面積のアクセントウォールに合板を用い、トレンドを取り入れてみてはいかがでしょう。合板表面の予測不可能な色、模様、質感が模様のついた壁紙のような効果を生みつつ、お部屋に暖かみとリラックスできる空気感をもたらしてくれます。
ひとつ前の例の応用として、アクセントウォールに合板の羽目板を取り入れ、壁の上半分をコントラストのはっきりした色で塗装してみましょう。狭いお部屋であれば、アクセントウォールの上部と天井に同じ色を塗れば、高さの錯覚が生まれ、空間をより広く感じることができるでしょう。
ビーチハウスと言えば、合板にチョークのような白、落ち着きのある青、丈夫な植物、海辺ならではのインテリア(マクラメプラントハンガー、貝殻やサンゴ、タイダイ柄のファブリックなどを思い浮かべてください)でしょう。
合板は未加工のまま使い、自然でリラックスした海辺の雰囲気をつくりましょう。ひとつだけ注意したいのは、合板を壁や家具として使う前には軽くやすりをかけ、表面のささくれをきれいに落としておきましょう。
合板は未加工のまま使い、自然でリラックスした海辺の雰囲気をつくりましょう。ひとつだけ注意したいのは、合板を壁や家具として使う前には軽くやすりをかけ、表面のささくれをきれいに落としておきましょう。
もうひとつ、インテリアに合板を取り入れるユニークで意外な方法が、こちらの広々として開放感のあるリビングルームのように、タイル状にカットした合板のパネルを壁や床に並べることです。
シンプルな長方形と直線的なレイアウトにこだわるのもよし。一歩進んで、三角やハニカム形などのお洒落な幾何学的フォルムを選んでみるもよし。あるいは、ベーシックな長方形のタイルを斜めに、またはヘリンボーン柄になるように並べてみてもいいでしょう。
シンプルな長方形と直線的なレイアウトにこだわるのもよし。一歩進んで、三角やハニカム形などのお洒落な幾何学的フォルムを選んでみるもよし。あるいは、ベーシックな長方形のタイルを斜めに、またはヘリンボーン柄になるように並べてみてもいいでしょう。
一方、こちらパースにある住宅では、合板のフィーチャーウォールが調整可能な巨大ペグボードを兼ねています。
外壁に使う
合板を使った外装は、この写真のように住宅のファサード、またはプールサイドの小屋やガレージなどの独立した建物のクールな印象や特徴を高めてくれます。悪天候に耐えられる外装にするために、マリングレード合板を選ぶようにしましょう。このタイプの合板は耐久性が非常に優れ、表面欠陥もなく湿度に強いことから、湿気にさらされるエリアでの使用に適しています。
合板を使った外装は、この写真のように住宅のファサード、またはプールサイドの小屋やガレージなどの独立した建物のクールな印象や特徴を高めてくれます。悪天候に耐えられる外装にするために、マリングレード合板を選ぶようにしましょう。このタイプの合板は耐久性が非常に優れ、表面欠陥もなく湿度に強いことから、湿気にさらされるエリアでの使用に適しています。
天井に使う
バスルームは、冷たく殺風景になりがちです(こちらのように暗めのトーンでドラマチックなバスルームの場合だと、雰囲気があってくつろげます)が、一部に合板を取り入れると暖かみと居心地のよい空気が生まれ、ゆったりとリラックスできる空間になります。
もう少し控えめな感じがお好みの場合、頭上に取り付ける以外にこの万能な建材をバスルームに取り入れるもうひとつの方法は、洗面台、または作り付け棚やウォールシェルフを合板にすることです。そうすることで実用的な収納とひとさじの個性が手に入ります。もしくは、洗面台の天板や壁材を合板にしてみてはいかがでしょう。
バスルームは、冷たく殺風景になりがちです(こちらのように暗めのトーンでドラマチックなバスルームの場合だと、雰囲気があってくつろげます)が、一部に合板を取り入れると暖かみと居心地のよい空気が生まれ、ゆったりとリラックスできる空間になります。
もう少し控えめな感じがお好みの場合、頭上に取り付ける以外にこの万能な建材をバスルームに取り入れるもうひとつの方法は、洗面台、または作り付け棚やウォールシェルフを合板にすることです。そうすることで実用的な収納とひとさじの個性が手に入ります。もしくは、洗面台の天板や壁材を合板にしてみてはいかがでしょう。
階段に使う
合板の素晴らしいところは、軽量なのに丈夫、大判で使える、加工しやすい、そして割れ、反り、縮み、膨張に対して非常に強い点です。つまり、一枚板では解決できないような用途にも使えます。こちらの、思わず会話が生まれる階段のように。
写真の住宅では、合板をクリエイティブに加工し、家族全員の名前をモールス信号で表現しています。切り抜かれた点や線の意味がわからなくても、この見事な幾何学モチーフは印象的で、空間にたくさんのドラマを与えています。
アップルプライ(ApplePly)の階段パネル
合板の素晴らしいところは、軽量なのに丈夫、大判で使える、加工しやすい、そして割れ、反り、縮み、膨張に対して非常に強い点です。つまり、一枚板では解決できないような用途にも使えます。こちらの、思わず会話が生まれる階段のように。
写真の住宅では、合板をクリエイティブに加工し、家族全員の名前をモールス信号で表現しています。切り抜かれた点や線の意味がわからなくても、この見事な幾何学モチーフは印象的で、空間にたくさんのドラマを与えています。
アップルプライ(ApplePly)の階段パネル
キッチンに使う
合板のユニークな木目模様は好きだけれど、明るいサンド色は好きになれない、というあなたは、思い切って合板に色を塗ってみてはいかがでしょう。こちらの環境にやさしい住宅には、濃いエメラルドグリーンの着色剤を選んで正解でした。お部屋に活気を与えつつも、自然な木目と木材の質感がはっきりと見える様子に注目してください。
合板のユニークな木目模様は好きだけれど、明るいサンド色は好きになれない、というあなたは、思い切って合板に色を塗ってみてはいかがでしょう。こちらの環境にやさしい住宅には、濃いエメラルドグリーンの着色剤を選んで正解でした。お部屋に活気を与えつつも、自然な木目と木材の質感がはっきりと見える様子に注目してください。
こちらのアイデアにあふれたカラフルな北欧スタイルのキッチンは、合板とパンチの効いた色がいかにマッチするかを教えてくれます。合板のシンプルさが、太陽をたっぷり浴びたオレンジ色の戸棚にぴったりの背景となり、遊び心のある色を引き立たせています。
清潔感のある白を全体に散りばめ、空間におもしろさとフレッシュで開放的な側面を加えています。オレンジがお好みでなければ、ライム、ターコイズ、コバルト、フクシャなどの色でもよく合います。
低VOC水性塗料で仕上げたナンヨウスギ合板の収納棚
清潔感のある白を全体に散りばめ、空間におもしろさとフレッシュで開放的な側面を加えています。オレンジがお好みでなければ、ライム、ターコイズ、コバルト、フクシャなどの色でもよく合います。
低VOC水性塗料で仕上げたナンヨウスギ合板の収納棚
合板とコンクリートの相性がバツグンな、こちらのクールなインダストリアルスタイルのキッチン。2つの素材それぞれの味を活かした実用的な美しさのテーブルが備えられています。コンクリートの床とカウンターが、調理エリアの都会的なアクセントになっている一方で、合板の収納棚と天井がこの部屋のむき出しで飾り気のない雰囲気を高め、殺風景で無表情になりがちな空間に暖かみを添えています。
天井:ナンヨウスギ合板にクリア半艶仕上、キャビネット:板面の強度等級Bのナンヨウスギ合板、床:「アトランティックオーシャン」の研磨仕上コンクリートにベース塗料(オフホワイト)、カウンター:特別に加工した鉄骨フレームに特注のプレキャストコンクリートを使用
天井:ナンヨウスギ合板にクリア半艶仕上、キャビネット:板面の強度等級Bのナンヨウスギ合板、床:「アトランティックオーシャン」の研磨仕上コンクリートにベース塗料(オフホワイト)、カウンター:特別に加工した鉄骨フレームに特注のプレキャストコンクリートを使用
合板本来の実用的な性質を、あなたの家にも取り入れてみましょう。こちらの穴の開いた合板の収納扉は多目的に使用できます。丸く切り取られた穴は、ともすれば質素なパネルを思わず目を引く装飾スクリーンに変えています。さらに、手じゃくりとしても、冬の間に暖かい空気を循環させる暖房の吹き出し口としても機能します。戸棚の中に隠されたラジエーターのおかげですね。
そして、上述のモールス信号を使用したパネル同様、この扉に開けられた穴もランダムに配置されているわけではなく、未来の住民への暗号メッセージになっています。あなたは、この秘密の暗号を解くことができますか?
そして、上述のモールス信号を使用したパネル同様、この扉に開けられた穴もランダムに配置されているわけではなく、未来の住民への暗号メッセージになっています。あなたは、この秘密の暗号を解くことができますか?
収納に使う
合板が上品で洗練されたインテリアにも合うなんて信じられない? 考え直してみてください。ポイントは、木材をそのまま未加工で使用するのではなく、艶あり仕上げを施すことです。そうすることでエッジのきいた感じをやわらげ、建材の輝きや自然な美しさを損なうことなく、上質な艶が生まれるのです。
合板が上品で洗練されたインテリアにも合うなんて信じられない? 考え直してみてください。ポイントは、木材をそのまま未加工で使用するのではなく、艶あり仕上げを施すことです。そうすることでエッジのきいた感じをやわらげ、建材の輝きや自然な美しさを損なうことなく、上質な艶が生まれるのです。
家具や建具に使う
夫婦が協力してデザインに取り組んだチャールズ&レイ・イームズが合板での実験を始めたとき、明らかに彼らは合板の良さに気づいていました。1940年代当時、彼らは快適でいつの時代でもスタイリッシュな家具をつくるため、そしてそれを手頃な価格で販売する(あくまでも当時は、ですが!)ためには、素材をどう使えばいいかを考え抜いたのです。
写真の、象徴的とも言える成形合板のチェアのようなイームズの合板家具は、デザイン業界に長きにわたるインパクトを残し、今も発売当初と変わらない人気を誇っています。
イームズの成形合板を使ったラウンジチェア:リビングエッジ(Living Edge)
夫婦が協力してデザインに取り組んだチャールズ&レイ・イームズが合板での実験を始めたとき、明らかに彼らは合板の良さに気づいていました。1940年代当時、彼らは快適でいつの時代でもスタイリッシュな家具をつくるため、そしてそれを手頃な価格で販売する(あくまでも当時は、ですが!)ためには、素材をどう使えばいいかを考え抜いたのです。
写真の、象徴的とも言える成形合板のチェアのようなイームズの合板家具は、デザイン業界に長きにわたるインパクトを残し、今も発売当初と変わらない人気を誇っています。
イームズの成形合板を使ったラウンジチェア:リビングエッジ(Living Edge)
大がかり(で高コスト)なインテリアの模様替えをすることなくこの注目トレンドを試す方法の一つは、ペンダントライトを合板製のものに変えてみることです。写真のような、シックで未来的な照明器具のように、多くの合板製ペンダントは薄い合板を曲げてつくってあり、彫刻のように印象的なかたちをしています。
やさしい光を放つだけでなく、パッと目を引くデザイン要素としても機能し、さらには室内にうっとりするような影を投げかけてくれます。
やさしい光を放つだけでなく、パッと目を引くデザイン要素としても機能し、さらには室内にうっとりするような影を投げかけてくれます。
デビット・トゥルブリッジのデザインによるこの人気のペンダントライトは現代の傑作であり、ビーチスタイルから北欧スタイル、コンテンポラリーまで、いろいろなスタイルのデザインにマッチします。
デビット・トゥルブリッジによるコーラルペンダント照明、「ナチュラル」カラー:デザイナーライツ(Designerlights)
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