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ぽかぽかと心地よい、窓辺のダイニングのすすめ
欧米では、窓辺にダイニングエリアを設けることも多いことをご存知ですか?もし動線が許すなら、おすすめの配置のひとつです。
ブラッキン・ヘザー
2020年2月23日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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住まいのいちばん日当たりの良い部屋をどのように使っていますか?日本では南向きのリビングが人気ですが、欧米では考え方がちょっと違うことをご存知でしょうか?
欧米では、実はもっとも日当たりの良い部屋をダイニングに使うことが多いのです。日当たりの良い場所で朝食をとり、休みの日は家族や友人とでランチ。夏は9時や10時ごろまで暗くならないため、カーテンは開けたまま明るくて開放的なダイニングで夕食を楽しみます。テーブルはもちろん食事以外にも、ちょっとした作業をしたり、パソコンを見たり、子供が宿題をする場所でもあり、日中はよく使われる場所です。
欧米では、実はもっとも日当たりの良い部屋をダイニングに使うことが多いのです。日当たりの良い場所で朝食をとり、休みの日は家族や友人とでランチ。夏は9時や10時ごろまで暗くならないため、カーテンは開けたまま明るくて開放的なダイニングで夕食を楽しみます。テーブルはもちろん食事以外にも、ちょっとした作業をしたり、パソコンを見たり、子供が宿題をする場所でもあり、日中はよく使われる場所です。
その反面、リビングはどちらかと言えば夕方から夜にかけて使うことが多いエリア。読書をしたり、テレビを見たり、会話をしたり、間接照明やキャンドルの柔らかいライトでリラックスをする空間です。
自然光がたっぷり入ればそれはそれで素晴らしいことですが、ダイニングほど日当たりにこだわらないのが日本との大きな違いです。間口が狭く、奥行きのあるテラスハウスなどではとくに、こちらのように窓側にダイニング、その手前側にリビングといったレイアウトがよく見られます。
自然光がたっぷり入ればそれはそれで素晴らしいことですが、ダイニングほど日当たりにこだわらないのが日本との大きな違いです。間口が狭く、奥行きのあるテラスハウスなどではとくに、こちらのように窓側にダイニング、その手前側にリビングといったレイアウトがよく見られます。
日本に戻って間もない頃、同じマンションに住んでいたフランス人女性のお宅に招かれました。同じ間取りなのに、我が家ではソファを置いていた南側に面した窓のあるエリアに、彼女はダイニングテーブルを置いていました。
キッチンからは若干離れてしまうにも関わらず、彼女にとってはテーブルを窓辺の明るい場所に置くのがごく当たり前のことだったのでしょう。ぽかぽかした日差しを浴びながら過ごした午前中のティータイムは快適で、もうかなり前のことではあるにも関わらず未だに印象に残っています。
キッチンからは若干離れてしまうにも関わらず、彼女にとってはテーブルを窓辺の明るい場所に置くのがごく当たり前のことだったのでしょう。ぽかぽかした日差しを浴びながら過ごした午前中のティータイムは快適で、もうかなり前のことではあるにも関わらず未だに印象に残っています。
しかしながら、ダイニングの位置をただ窓の近くにテーブルを持っていけば良いわけではありません。キッチンからの動線も考慮しなければいけない要素の一つです。
新築を建てない限り、家の間取りで左右されることもあるので安易に「ダイニングを窓の近くに置いてみよう!」と言うわけにもいきませんね。生活のパターンよくよく考えながら考慮することが大切です。
今回の記事では様々な国での窓辺のダイニングをご紹介することにしました。これから新築やリフォームをお考えの方にもしかしたらお役に立つかもしれませんし、もうすでに窓辺にダイニングがある方、または家具のレイアウトを変えなくてもちょっとしたダイニングのインテリアのヒントになれば嬉しいです。
新築を建てない限り、家の間取りで左右されることもあるので安易に「ダイニングを窓の近くに置いてみよう!」と言うわけにもいきませんね。生活のパターンよくよく考えながら考慮することが大切です。
今回の記事では様々な国での窓辺のダイニングをご紹介することにしました。これから新築やリフォームをお考えの方にもしかしたらお役に立つかもしれませんし、もうすでに窓辺にダイニングがある方、または家具のレイアウトを変えなくてもちょっとしたダイニングのインテリアのヒントになれば嬉しいです。
アメリカではベンチコーナーが人気
アメリカでは、窓辺にベンチのあるダイニングコーナーが人気あります。広い家では来客やフォーマルディナー用の別のダイニングを設けることが一般的ですが、日々の食事はこのようなコーナーで、気楽に楽しめます。ベンチコーナーを計画する際にはベンチ下収納もぜひご検討を。
アメリカでは、窓辺にベンチのあるダイニングコーナーが人気あります。広い家では来客やフォーマルディナー用の別のダイニングを設けることが一般的ですが、日々の食事はこのようなコーナーで、気楽に楽しめます。ベンチコーナーを計画する際にはベンチ下収納もぜひご検討を。
海の眺めが素晴らしいベンチスタイルのダイニング。食事以外の時でも本を読みながら寛ぎたくなりそうですね。
コーナーベンチに丸テーブルを合わせていることで全体が和らぎ、よりカジュアル感が出ます。
ベンチシートのある住まいをもっと見たい方はこちらもぜひ。
スモールスペースの味方、ベンチシートがもたらす豊かな時間
コーナーベンチに丸テーブルを合わせていることで全体が和らぎ、よりカジュアル感が出ます。
ベンチシートのある住まいをもっと見たい方はこちらもぜひ。
スモールスペースの味方、ベンチシートがもたらす豊かな時間
テラスハウスが多いイギリス
イギリスのテラスハウスの特徴はフロントルーム(道路を面している側の部屋)にある張り出し窓、ベイウィンドーです。丸いダイニングテーブルが張り出した部分にぴったり収まり、普段なら若干使いづらい形の空間が上手に活かされています。
イギリスのテラスハウスの特徴はフロントルーム(道路を面している側の部屋)にある張り出し窓、ベイウィンドーです。丸いダイニングテーブルが張り出した部分にぴったり収まり、普段なら若干使いづらい形の空間が上手に活かされています。
こちらのロンドンのテラスハウスでは裏庭に面したベストスポットがダイニングに。イギリス人は明るく開放感溢れたキッチンが好きなため、キッチンももちろん、庭に面してダイニングの横に配置されているのが一般的です。庭で過ごすのが好きなイギリス人にとって理想なレイアウトです。
また、キッチンに洗濯機を置くことが多いため、洗濯物を干すのにも直接外へ出られるといった便利さもあります。
また、キッチンに洗濯機を置くことが多いため、洗濯物を干すのにも直接外へ出られるといった便利さもあります。
美食の国、フランスでは…
フランスのプロヴァンス地方のヴィラ。街や海が一望できる高台にあるこちらの家では景色がいちばん楽しめる場所にダイニングとキッチンを配置しています。プロヴァンスと言えばハーブ。キッチンから庭へ出て、お料理用のハーブを摘んでくるのでしょう。
リビングは奥に配置していることで落ち着く、コージーな雰囲気溢れた心地よい空間としてまとまっています。
フランスのプロヴァンス地方のヴィラ。街や海が一望できる高台にあるこちらの家では景色がいちばん楽しめる場所にダイニングとキッチンを配置しています。プロヴァンスと言えばハーブ。キッチンから庭へ出て、お料理用のハーブを摘んでくるのでしょう。
リビングは奥に配置していることで落ち着く、コージーな雰囲気溢れた心地よい空間としてまとまっています。
パリの1人か2人暮らしの小さなアパルトマンでも、やはりダイニングが窓辺のベストスポットに。スペースが限られているなか、正方形のテーブルであれば4人で座れますし、人数が少ない時には窓辺にテーブルをつけても良さそうですね。
天井の高さを利用してロフトベッド を設けたコンパクトでありながら住み心地良さそうなアパートです。
天井の高さを利用してロフトベッド を設けたコンパクトでありながら住み心地良さそうなアパートです。
「ヒュッゲ」や「ラーゴム」が満喫できる北欧のテーブル
こちらはスウェーデン。冬は日が短いからこそ、寒い季節は家で過ごすことが多くなります。北欧の人たちにとって、窓とは光を取り込むための貴重な存在で、外の景色を家の中とつなげる大切な役割も持ちます。
だから、北欧ではカーテンを付けても最低限なシンプルなものであったり、まったく付けない人もいます。家の中から見えるのは外の世界の自然の景色や街の灯り。そして外から見えるのは家の中で過ごす人々のほっこりと心温まるシーン。家族や友人とで窓辺のテーブルを囲んで楽しく食事やディナーパーティーがそんなシーンの一つなのかもしれません。
「ヒュッゲ」の考え方に学ぶ、家で過ごす日の時間割
こちらはスウェーデン。冬は日が短いからこそ、寒い季節は家で過ごすことが多くなります。北欧の人たちにとって、窓とは光を取り込むための貴重な存在で、外の景色を家の中とつなげる大切な役割も持ちます。
だから、北欧ではカーテンを付けても最低限なシンプルなものであったり、まったく付けない人もいます。家の中から見えるのは外の世界の自然の景色や街の灯り。そして外から見えるのは家の中で過ごす人々のほっこりと心温まるシーン。家族や友人とで窓辺のテーブルを囲んで楽しく食事やディナーパーティーがそんなシーンの一つなのかもしれません。
「ヒュッゲ」の考え方に学ぶ、家で過ごす日の時間割
機能的でシンプルが好きなドイツ人のダイニング
無駄のないシンプルなデザインのウッドベンチのあるダイニング。こちらはドイツの事例です。機能的でベーシックですが、ぽかぽかとした太陽の温かみ、そして木の温もりが感じられる心地良さそうなコーナーです。
私の受けたドイツ人の印象ですが、日光浴が大好きです。少しでも気温が上がると公園で裸になっている人々がたくさん見られます。そんなドイツ人にとってもやはり窓辺のダイニングとは重要な空間でもあるのでしょう。
無駄のないシンプルなデザインのウッドベンチのあるダイニング。こちらはドイツの事例です。機能的でベーシックですが、ぽかぽかとした太陽の温かみ、そして木の温もりが感じられる心地良さそうなコーナーです。
私の受けたドイツ人の印象ですが、日光浴が大好きです。少しでも気温が上がると公園で裸になっている人々がたくさん見られます。そんなドイツ人にとってもやはり窓辺のダイニングとは重要な空間でもあるのでしょう。
日差したっぷりのスペインの家
明るい色の天然素材を活かしたスペインのダイニング。地中海の国ならではの暖かな日差しを浴びながら食事が楽しめそうなこじんまりとした落ち着くスペースです。
明るい色の天然素材を活かしたスペインのダイニング。地中海の国ならではの暖かな日差しを浴びながら食事が楽しめそうなこじんまりとした落ち着くスペースです。
景色と調和するイタリアンモダンなダイニング
ダイニングの背景となっている素晴らしい眺めとビビッドなオレンジのテーブルがお互いを引き立てているように見えます。自然の風景ともイタリアンモダンの家具もどちらも取り合いにならなく、自然と調和しているところがさすがと思うところです。
ダイニングの背景となっている素晴らしい眺めとビビッドなオレンジのテーブルがお互いを引き立てているように見えます。自然の風景ともイタリアンモダンの家具もどちらも取り合いにならなく、自然と調和しているところがさすがと思うところです。
家族大勢でテーブルを囲んでマンマが作った美味しいパスタを食べているシーンが思い浮かぶイタリア、トスカーナ地方のダイニングキッチン。長時間かけて食事を楽しむのがイタリア流。天気の良い時は屋外で食べることが多いのでそのままキッチンダイニングから料理を運びさせるのも重要なのでしょう。建物や家具の重圧感と外からの光のバランスが絶妙なダイニング空間です。
外と中との境のない日本のダイニング
大きな窓を開けれダイニングとテラスが一体と感じられる羨ましいスペースです。従来の和風建築のように、外の自然と家の中との調和が感じらるほっとするような空間です。縦長の家と違って横に広い家でしたらリビング、ダイニング、キッチンをすべて窓に面してつくれるのが大きなメリットです。
大きな窓を開けれダイニングとテラスが一体と感じられる羨ましいスペースです。従来の和風建築のように、外の自然と家の中との調和が感じらるほっとするような空間です。縦長の家と違って横に広い家でしたらリビング、ダイニング、キッチンをすべて窓に面してつくれるのが大きなメリットです。
和のエッセンスが感じられるローテーブルに低い椅子のあるダイニング。低い位置から窓の外の空がしっかり見えそうな開放感たっぷりのダイニング空間です。
様々な国の日の当たるダイニングをご紹介しました。もちろん、文化やライフスタイル、考え方の違いもあります。比較的自由に間取りを決められる新築が多かったり、方角にこだわる日本とは違い、ヨーロッパでは古い建物が多く、その制限のある中で配置を決めなければいけないという点も影響しているでしょう。
日の当たるダイニングで過ごす時間はなかなか素敵なもの。日本の住まいでも、状況がフィットするなら、おすすめの暮らしのスタイルのひとつです。
様々な国の日の当たるダイニングをご紹介しました。もちろん、文化やライフスタイル、考え方の違いもあります。比較的自由に間取りを決められる新築が多かったり、方角にこだわる日本とは違い、ヨーロッパでは古い建物が多く、その制限のある中で配置を決めなければいけないという点も影響しているでしょう。
日の当たるダイニングで過ごす時間はなかなか素敵なもの。日本の住まいでも、状況がフィットするなら、おすすめの暮らしのスタイルのひとつです。
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