リビング・ダイニングでダウンライトをセンスよく配灯するコツは?
ダウンライトを使う場合の、一室多灯の照明計画。「数、位置、明るさ、どうしたらいいの?」にお答えします!

本田綾子|Ayako Honda
2023年3月27日
フリーランスのライター。ドイツ・ライプツィヒ在住。
宅地建物取引主任者、照明コンサルタント、リビングスタイリスト2級取得。
まちづくり設計事務所、住宅設備メーカーの経験を経て、建物だけでなくその奥にある人の暮らしにも興味を持つ。執筆分野は、インテリア、住宅、不動産、移住、まちづくり、旅など様々。人、モノ、場所など、暮らしに入り込んだ取材・執筆が得意。
取材先で出会った人と、元々の建築好きの影響から、国内だけでなく海外で暮らしてみたいと思うようになり数ヶ国のまちや家に住まう。現在は大好きなまち、ヨーロッパをメインに活動。
■サービス内容
● 雑誌やウェブサイトでのライティング、取材、翻訳(英→日)
● 留学・移住サポート、コンサルティング
●日本文化や生産物の海外PR、SNS発信
フリーランスのライター。ドイツ・ライプツィヒ在住。
宅地建物取引主任者、照明コンサルタント、リビングスタイリスト2級取得。
まちづくり設計事務所、住宅設備メーカーの経験を経て、建物だけでなくその奥にある人の暮らしにも興味を持つ。執筆分野は、インテリア、住宅、不動産、移住、まちづくり、旅など様々。人、モノ、場所など、暮らしに入り込んだ取材・執筆が得意。
取材先で出会った人と、元々の建築好きの影響から、国内だけでなく海外で暮らしてみたいと思うようになり数ヶ国のまちや家に住まう。現在は大好きなまち、ヨーロッパをメインに活動。
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照明器具は、他の家具を光でどう照らすかをを考えながらコーディネートする必要があります。光の当たり方で、空間の見え方は大きく変わります。まさに、インテリアを活かすも殺すも照明次第、と言っても過言ではないでしょう。
照明には、シーリングライト、ペンダントライト、ダウンライトなど、さまざまな種類がありますが、ダウンライトを複数使って部屋を照らすと、シーリングライト1つで部屋全体をまんべんなく照らすのとは違い、陰翳がスタイリッシュでおしゃれな印象をつくりだしてくれます。でもダウンライトは、シーリングライトとは違い、単純に部屋の畳数に合わせて選べばよいわけではありません。そのため、一体どこに何灯配灯すればいいかが分かりづらく、悩んでしまいます。
そこでこの記事では、リビング・ダイニングでセンスよくダウンライトを配灯するコツを解説したいと思います。
照明には、シーリングライト、ペンダントライト、ダウンライトなど、さまざまな種類がありますが、ダウンライトを複数使って部屋を照らすと、シーリングライト1つで部屋全体をまんべんなく照らすのとは違い、陰翳がスタイリッシュでおしゃれな印象をつくりだしてくれます。でもダウンライトは、シーリングライトとは違い、単純に部屋の畳数に合わせて選べばよいわけではありません。そのため、一体どこに何灯配灯すればいいかが分かりづらく、悩んでしまいます。
そこでこの記事では、リビング・ダイニングでセンスよくダウンライトを配灯するコツを解説したいと思います。
部屋を暗く見せないダウンライトの配灯とは?
一室多灯の照明手法のなかで、もっともよく使われるのがダウンライトです。ダウンライトは器具が天井に埋め込まれているため、天井面がすっきりとし、クールな印象の部屋になります。
ダウンライトは、他のタイプのライトを一切使わずに使うことも可能ですし、写真のようにペンダントライトと組み合せることも可能です。
しかしダウンライトの特徴として、シーリングライトに比べて上方向や横方向への光の広がりがないため、壁や天井が暗く見えがちです。そのため、部屋の灯数としては充分な数なのに、なんだか空間が暗く感じてしまうことも。ですから、ダウンライトを使いたいときには、しっかりと配灯計画を立てることをおすすめします。
一室多灯の照明手法のなかで、もっともよく使われるのがダウンライトです。ダウンライトは器具が天井に埋め込まれているため、天井面がすっきりとし、クールな印象の部屋になります。
ダウンライトは、他のタイプのライトを一切使わずに使うことも可能ですし、写真のようにペンダントライトと組み合せることも可能です。
しかしダウンライトの特徴として、シーリングライトに比べて上方向や横方向への光の広がりがないため、壁や天井が暗く見えがちです。そのため、部屋の灯数としては充分な数なのに、なんだか空間が暗く感じてしまうことも。ですから、ダウンライトを使いたいときには、しっかりと配灯計画を立てることをおすすめします。
ダウンライトの光の特徴
この写真を見てわかるのは、目線の先の壁が明るいと、部屋全体が明るく見えるということ。ヒトの目は、目線の先が明るさを、空間の明るさとして感じる性質があります。
ダウンライトの光は、器具のまわりに丸く弧を描くように光が広がります。そのため壁側に寄せて配灯すると、写真のように壁に丸く光が当たります。光が当たっている左手の壁と、光が当たっていない右手の壁を比べて、床面の照度は同じなのに、明るさの差を感じませんか? このように、光の見え方が変わると空間全体の印象が変わるからこそ、照明の使い方には注意が必要なのです。
この写真を見てわかるのは、目線の先の壁が明るいと、部屋全体が明るく見えるということ。ヒトの目は、目線の先が明るさを、空間の明るさとして感じる性質があります。
ダウンライトの光は、器具のまわりに丸く弧を描くように光が広がります。そのため壁側に寄せて配灯すると、写真のように壁に丸く光が当たります。光が当たっている左手の壁と、光が当たっていない右手の壁を比べて、床面の照度は同じなのに、明るさの差を感じませんか? このように、光の見え方が変わると空間全体の印象が変わるからこそ、照明の使い方には注意が必要なのです。
集光タイプと拡散タイプ
写真の壁の光の見え方に注目してください。ダウンライトの配灯位置が壁に近いと天井の近くから、離れると上の方は暗く、下の方から明るくなっています。
またダウンライトには反射板の違いによって拡散タイプと集光タイプがあり、拡散タイプはふんわり、集光タイプはビームのようなシャープな印象の光になります。そのため、集光タイプの配灯は拡散タイプよりも壁に近い位置にします。集光の効果により、同じ光量でも遠くまで光が届きます。写真は集光タイプでクールに壁面の明るさを出しています。
写真の壁の光の見え方に注目してください。ダウンライトの配灯位置が壁に近いと天井の近くから、離れると上の方は暗く、下の方から明るくなっています。
またダウンライトには反射板の違いによって拡散タイプと集光タイプがあり、拡散タイプはふんわり、集光タイプはビームのようなシャープな印象の光になります。そのため、集光タイプの配灯は拡散タイプよりも壁に近い位置にします。集光の効果により、同じ光量でも遠くまで光が届きます。写真は集光タイプでクールに壁面の明るさを出しています。
こちらは拡散タイプをバランス良く配灯し、壁面の光をバランスよく見せています。壁に光があたっているので、落ち着いた雰囲気でも暗くならず、メリハリができてかっこ良くも見えます。
写真のように大きな壁面があれば、そこを照らす光を楽しむことができますが、現実には窓やドアなどの建具がある場合が多く、その場合、ドアや窓によって、光のアーチが一部途切れてしまいます。その場合には、建具には光を当てないようにし、壁面だけに均等にアーチの光が当たるように配灯したほうが美しく見えます。
窓の場合はカーテンの面にバランス良く光が当たるように配灯します。カーテンを壁の一部のように照らしても大丈夫です。
気をつけたいのはエアコンです。設計の図面ではバランスよく配灯されていても、エアコンのことを考慮していないと、エアコン自体をライトアップしてしまうことになるので注意しましょう。
写真のように大きな壁面があれば、そこを照らす光を楽しむことができますが、現実には窓やドアなどの建具がある場合が多く、その場合、ドアや窓によって、光のアーチが一部途切れてしまいます。その場合には、建具には光を当てないようにし、壁面だけに均等にアーチの光が当たるように配灯したほうが美しく見えます。
窓の場合はカーテンの面にバランス良く光が当たるように配灯します。カーテンを壁の一部のように照らしても大丈夫です。
気をつけたいのはエアコンです。設計の図面ではバランスよく配灯されていても、エアコンのことを考慮していないと、エアコン自体をライトアップしてしまうことになるので注意しましょう。
いちばん簡単なのは均等配灯
写真の部屋はダウンライトを均等に配置しています。家具の配置があらかじめ決まっていない空間や、いずれ模様替えを何度かする可能性がある空間では、いちばん無難な方法です。
シーリングライトは通常、部屋の中心1ヵ所に配灯しますが、ダウンライトをそのようにしてしまうと、光が広がらないため、天井や壁を暗く感じてしまいます。ダウンライトは必ず複数使って、床面と壁面にもうまく光が行き当たるようバランスよく配置しましょう。
設置数については、メーカーによって明るさが微妙に違うため、あくまで目安となりますが、LEDダウンライトの場合、1畳につき40〜60w相当の灯数にするとよいでしょう。8畳であれば、全部で320w〜480w相当の明るさがあれば大丈夫です。
写真の部屋はダウンライトを均等に配置しています。家具の配置があらかじめ決まっていない空間や、いずれ模様替えを何度かする可能性がある空間では、いちばん無難な方法です。
シーリングライトは通常、部屋の中心1ヵ所に配灯しますが、ダウンライトをそのようにしてしまうと、光が広がらないため、天井や壁を暗く感じてしまいます。ダウンライトは必ず複数使って、床面と壁面にもうまく光が行き当たるようバランスよく配置しましょう。
設置数については、メーカーによって明るさが微妙に違うため、あくまで目安となりますが、LEDダウンライトの場合、1畳につき40〜60w相当の灯数にするとよいでしょう。8畳であれば、全部で320w〜480w相当の明るさがあれば大丈夫です。
家具の位置にも配慮して
家づくりや模様替えのときに、室内の家具の配置もある程度決められれば、それを考慮して配灯します。ソファやダイニングテーブルなどの大きな家具の位置が決まって入れば、配灯計画も入念に行えます。
写真では、目線の先の壁面を明るく見せつつ、手元部分のテーブルの上は集光タイプのダウンライトで照らしています。部屋の中の必要な場所に適切に光を配し、ドラマチックでメリハリのある空間としています。必要なところに必要な光があると、暮らしも快適になります。
家づくりや模様替えのときに、室内の家具の配置もある程度決められれば、それを考慮して配灯します。ソファやダイニングテーブルなどの大きな家具の位置が決まって入れば、配灯計画も入念に行えます。
写真では、目線の先の壁面を明るく見せつつ、手元部分のテーブルの上は集光タイプのダウンライトで照らしています。部屋の中の必要な場所に適切に光を配し、ドラマチックでメリハリのある空間としています。必要なところに必要な光があると、暮らしも快適になります。
テーブルやデスクの上は集中配灯
ダイニングテーブルやデスクには、集光タイプか、100w相当の明るさのダウンライトを配灯すると、しっかり手元に明かりが届きます。もちろん、光がしっかりと必要な場所ですから、スタンドライトを置いたり、ブラケットをつけるのもおすすめです。テーブルやデスクの上方は、他の部分よりも、ダウンライト間のピッチをつめて2灯または3灯を集中して配灯すると手元がより明るくなります。
集中的に配灯すると、電気図(配線系統図)ではバランスが悪いように思えることもありますが、空間になったときには、快適に過ごせる空間になります。
ダイニングテーブルやデスクには、集光タイプか、100w相当の明るさのダウンライトを配灯すると、しっかり手元に明かりが届きます。もちろん、光がしっかりと必要な場所ですから、スタンドライトを置いたり、ブラケットをつけるのもおすすめです。テーブルやデスクの上方は、他の部分よりも、ダウンライト間のピッチをつめて2灯または3灯を集中して配灯すると手元がより明るくなります。
集中的に配灯すると、電気図(配線系統図)ではバランスが悪いように思えることもありますが、空間になったときには、快適に過ごせる空間になります。
テレビの後ろの壁面を照らすと目に優しい空間に
リビングでは、テレビの背面の壁面を明るくする手法がおすすめです。テレビの画面と背面の壁の明暗の差は目が疲れやすくするともいわれます。テレビの背面をダウンライトで照らして明るくすると、目にも優しい空間になります。
リビングでは、テレビの背面の壁面を明るくする手法がおすすめです。テレビの画面と背面の壁の明暗の差は目が疲れやすくするともいわれます。テレビの背面をダウンライトで照らして明るくすると、目にも優しい空間になります。
スポットライトとして使う
ダウンライトで壁面を照らす手法は、スポットライトの代わりにもなります。スポットライトと違って、光源となる器具が見えないので、光を当てたいアイテムをダイレクトに引き立てることができます。
スポットライト的な使い方は、拡散タイプでも集光タイプでもかまいません。光に角度をつけたい場合は、ダウンライトにも斜め照射のタイプや、首振りで自由に角度をつけられるタイプもあります。
ダウンライトの取り付けを依頼できる専門家を探しませんか?簡単な質問に答えるだけで、専門家にすぐコンタクトできます。
ダウンライトで壁面を照らす手法は、スポットライトの代わりにもなります。スポットライトと違って、光源となる器具が見えないので、光を当てたいアイテムをダイレクトに引き立てることができます。
スポットライト的な使い方は、拡散タイプでも集光タイプでもかまいません。光に角度をつけたい場合は、ダウンライトにも斜め照射のタイプや、首振りで自由に角度をつけられるタイプもあります。
ダウンライトの取り付けを依頼できる専門家を探しませんか?簡単な質問に答えるだけで、専門家にすぐコンタクトできます。
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こちらの写真は丸型のLED埋め込みライトです。天井からのダウンライトに加えて、キャビネット内にもライトが設置されています。
http://hafele.com/jp/ja/external/blaetterkataloge/TCH2017_Design/?startpage=2.23
オンラインカタログでは、他にも多くのタイプのLEDダウンライトを掲載していますので、是非ご覧ください!