今週の部屋:リノベーションの楽しさを満喫。山ガールが住みながらDIYで仕上げた住まい
壁面のほとんどを入居後にDIYで仕上げることを前提に、下地処理の状態で引き渡し。暮らしながら手を加えていく家づくりを目指したい人の参考になるリノベーション例です。
Rieko Ozawa
2016年12月13日
Houzzコントリビューター、編集&ライター。子どもの頃からの間取り好きが高じてインテリア&ハウジング雑誌の編集者に。その後フリーランスとなり、居心地がよくておしゃれな住まいづくりの情報を発信し続ける。築30年のメゾネットマンションを、仲間の協力を得ながら少しずつ改装し、快適で楽しい住まいに構築中。広告会社に勤める夫と二人暮らし。
Houzz contributors, Editor & Writer. I have been interested in the floor plan since I was a child. Then, I became an editor of the INTERIOR & HOUSING magazine. We bought a maisonette dwelling unit built in early 1980s and have been renovating little by little with my partner.
Houzzコントリビューター、編集&ライター。子どもの頃からの間取り好きが高じてインテリア&ハウジング雑誌の編集者に。その後フリーランスとなり、居心地がよくておしゃれな住まいづくりの情報を発信し続ける。築30年のメゾネットマンションを、仲間の協力を得ながら少しずつ改装し、快適で楽しい住まいに構築中。広告会社に勤める夫と二人暮らし。
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ラフに仕上げたコンクリート壁に食器やコーヒーの道具が並ぶ、カフェのようなキッチン。この部屋に暮らすのは、登山が趣味の山ガール。「思い立ったらすぐ、リュックを背負って山に登りに行ける」。そんなライフスタイルに憧れて、都心の職場と山にアクセスしやすい中古マンションをリノベーションして暮らしている。
ペイントをしたり棚をつけたり、壁面の大部分をDIYで仕上げることを前提に、下地処理の状態で引き渡しが行われた。大きな面は入居前に仕上げ、残りは暮らしながらDIYをする楽しみを取っておいた。
大胆なDIYにもかかわらず、オーナーはDIY未経験者。「セルフでリノベーションする!」と意気込んでいたわけでもなく、「打ち合わせ中に自分でできることもあると知って、チャレンジしてみました」と、イージーゴーイングさがいい感じだ。自らの手で思うままにつくり上げていく作業は、憧れのログハウスをつくるような昂揚感があったという。
物件探しからDIYまで一貫して担当した〈リノまま〉の設計・コーディネーターの神谷 梓さんいわく、「物件選びから行動を共にしているうちに、この人ならやれると、いや、というよりも、きっと自分で思い切りやりたいだろうな、と感じて提案しました。見事にはまりましたね」。
どんな部屋?
住まい手:山登りが趣味の30代女性
所在地:東京
物件概要:1982年築マンション
専有面積:51.96平方メートル
設計・施工:リノまま
リノベーション竣工:2015年
大胆なDIYにもかかわらず、オーナーはDIY未経験者。「セルフでリノベーションする!」と意気込んでいたわけでもなく、「打ち合わせ中に自分でできることもあると知って、チャレンジしてみました」と、イージーゴーイングさがいい感じだ。自らの手で思うままにつくり上げていく作業は、憧れのログハウスをつくるような昂揚感があったという。
物件探しからDIYまで一貫して担当した〈リノまま〉の設計・コーディネーターの神谷 梓さんいわく、「物件選びから行動を共にしているうちに、この人ならやれると、いや、というよりも、きっと自分で思い切りやりたいだろうな、と感じて提案しました。見事にはまりましたね」。
どんな部屋?
住まい手:山登りが趣味の30代女性
所在地:東京
物件概要:1982年築マンション
専有面積:51.96平方メートル
設計・施工:リノまま
リノベーション竣工:2015年
一見、工事中のように見えるが、これが引き渡し時の状態。「仕切りのない部屋に大きなキッチンを!」という思いを実現させたLDKだ。広々とした約20畳の空間に、250cm幅のアイランドキッチンを備え付けた。
「当初からオールステンレスのイメージはあって、業務用にするか、コストはかさむがハイブランドのシステムキッチンにするかを悩んでいました。そうこうしているうちに〈サンワカンパニー〉から手頃な価格帯のオールステンレスキッチン《グラッド45》シリーズが発売されたのを知り、デザインもコストも理想どおりで、本当にグッドタイミングでした」とオーナー。
「理想は山小屋やログハウスのような木に囲まれた家」。それにはいたらないまでも、できるだけ木の風合いを感じられるよう、床には無垢のオーク材を敷きつめた。
素材感にもこだわり、厚さ20mmのヴィンテージ仕上げをセレクト。一般的なオーク材のフローリングが1平方メートルあたり7000円~1万円のところ、2万円と大きく跳ね上がったが、オーナーは譲らなかった。
「理想は山小屋やログハウスのような木に囲まれた家」。それにはいたらないまでも、できるだけ木の風合いを感じられるよう、床には無垢のオーク材を敷きつめた。
素材感にもこだわり、厚さ20mmのヴィンテージ仕上げをセレクト。一般的なオーク材のフローリングが1平方メートルあたり7000円~1万円のところ、2万円と大きく跳ね上がったが、オーナーは譲らなかった。
寝室も壁はDIY仕様に下地仕上げ。建てられた年代のわりに天井高のある物件だったので、廊下部分の天井を下げ、スラブと天井の隙間を利用し、寝室側から収納できる天井上収納をつくった。奥行きがあるので、スキーなどの長物も充分に置ける。
登山の道具置き場を兼ねた玄関。シューズボックスは造り付けず、自作するプランだった。
暮らしながら壁にブリックタイルを張り、ブルックリンテイストの空間につくり上げた。ヴィンテージの木箱を積み上げたシューズボックスや、金縁の大きなミラーが、レンガ調の壁によくマッチしている。
「広くて窓のあるお風呂」はオーナーにとって絶対条件だった。俗に「1618」と呼ばれる160×180cmのユニットバスを採用。60~70平方メートルの新築マンションは一般的に「1418」(140×180cm)サイズなので、それと比較してもかなり贅沢な浴室空間であることがわかる。
「窓のある浴室」へのこだわりは、物件選びのひとつの指針となった。また、同等の広さの中古マンションの浴室は一般的に「1216」(120×160cm)で、「1618」サイズには拡張できない物件が多い。希望する「1618」のユニットバスが搬入できることも、物件選びの条件となった。
「窓のある浴室」へのこだわりは、物件選びのひとつの指針となった。また、同等の広さの中古マンションの浴室は一般的に「1216」(120×160cm)で、「1618」サイズには拡張できない物件が多い。希望する「1618」のユニットバスが搬入できることも、物件選びの条件となった。
浴室を広くした分、洗面所はミニマルに。「シンクはベッセルタイプかアンダータイプか迷ったのですが、ベッセルにするとカウンターが低くなってしまうので、使いやすいカウンターの高さを優先させて、アンダータイプを選びました」とオーナー。
間取りは3LDKを1LDKに変更。イメージどおりの空間をつくるために、キッチン、浴室、洗面、トイレなど水まわりの大胆な配置換えを行った。コストはかさんだものの、「どんな空間に身を置きたいか」を優先させた。
1982年に建てられた3階建ての低層物件。建物の管理状態がよかったことと、借景が美しく初夏には新緑の木々が望めることが決め手となった。
「思い立ったらすぐリュックを背負って山に登りに行ける」、「山小屋みたいな家」、「ステンレスの大きなキッチン」、「広くて窓のある風呂」。そんなオーナーならではのこだわりをすべて実現できたのも、物件選びから設計・施工までがっぷり四つに組んでパートナーのように向き合ってくれるプロがいたからにほかならない。
そのプロである〈リノまま〉の神谷さんは、「ここ数年、住まいづくりの出発点として、ライフスタイル(どう暮らしたいか)が重視されるようになってきましたが、実はそれというのは立地や環境に左右される部分が大きいんです。だから “物件選び” と “つくること” を切り離したくない」と語る。
そのプロである〈リノまま〉の神谷さんは、「ここ数年、住まいづくりの出発点として、ライフスタイル(どう暮らしたいか)が重視されるようになってきましたが、実はそれというのは立地や環境に左右される部分が大きいんです。だから “物件選び” と “つくること” を切り離したくない」と語る。
引き渡し後のDIYの壁塗りには、神谷さんをはじめとする〈リノまま〉のスタッフが、友人として参加したのだそう。「物件探しからDIYまで、リノベーションを200%楽しみました!」とオーナー。これからも手を加えながら自分好みの “山小屋テイスト” に仕上げていくつもりだそうだ。
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こだわり 実感できる事例ですね。自ら 育てていく物件あり(完成ありきじゃなく 永遠の未完成)賛同します。