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おもてなしをもっと素敵にする、美しいテーブルセッティングの基本
伝統的なテーブルセッティングの演出法と、その活かし方を学びながら、銀食器に磨きをかけ、お手持ちの陶磁器を並べてみましょう。
Jude Loxley
2015年4月6日
昔から私たちは、テーブルを囲んで集い、食べ、飲み、おおいに愉しんできました。文化の発展にともない、おもてなしのためのテーブルセッティングも進化してきました。中世の王や女王、騎士の時代には、卓上に置かれた塩の容器に近い席につくのは身分の高い者であり、招かれた人びとは各々スプーンやナイフを持参しました。当時、皿やフォークはまだなかったので、ゲストは席につき、ごちそうを食べたら、残骸はテーブルに残したままで帰りました。とはいえ、ホストはちゃんとナプキンを用意していたので、客たちは身ぎれいにしてから家路に着くことができました。
フォークが食卓に登場したのは17世紀に入ってからのこと。フォークの出現とともに、テーブルに使うリネンはより洗練されたものになりました。18世紀になるころは、精緻な銀のテーブルウェアが作られるようになり、裕福な貴族や王族は、最高の品々をサイドボード狭しと収集しました。マナーは向上し、ますます凝ったテーブルセッティングが行われるようになったのです。
今日私たちは、目的に合わせて好みのテーブルセッティングをします。ジェイミー・オリヴァー風に、テーブルの真ん中の大きな木製ボードに盛りつけた料理を取り分けるスタイルもありますし、料理ひとつひとつを順を追って出すスタイルもあります。バーベキューや、お客さまの前で調理をするスタイル、専用の場で料理を振る舞うスタイルもあります。さあ、リネンを広げ銀食器を並べ、あなたのお好みに合うスタイルを試してみましょう。手初めに、アイディアをいくつかご紹介しましょう。
フォークが食卓に登場したのは17世紀に入ってからのこと。フォークの出現とともに、テーブルに使うリネンはより洗練されたものになりました。18世紀になるころは、精緻な銀のテーブルウェアが作られるようになり、裕福な貴族や王族は、最高の品々をサイドボード狭しと収集しました。マナーは向上し、ますます凝ったテーブルセッティングが行われるようになったのです。
今日私たちは、目的に合わせて好みのテーブルセッティングをします。ジェイミー・オリヴァー風に、テーブルの真ん中の大きな木製ボードに盛りつけた料理を取り分けるスタイルもありますし、料理ひとつひとつを順を追って出すスタイルもあります。バーベキューや、お客さまの前で調理をするスタイル、専用の場で料理を振る舞うスタイルもあります。さあ、リネンを広げ銀食器を並べ、あなたのお好みに合うスタイルを試してみましょう。手初めに、アイディアをいくつかご紹介しましょう。
私たちは、座席札やプレイスセッティング(ゲスト別のセッティング)をとり入れた19世紀のロシアに感謝すべきかもしれません。ロシア式サービス――ホストはひとりひとりのゲストのために、食事中に使われる皿とカトラリー、グラス一式を卓上に並べておく――ということは、すでに200年近くも私たちの暮らしに根づいています。
料理は順を追って運ばれ、ゲストは重ねられた上の皿から下へ、外側のカトラリーから内側のものへと順次使っていきます。
女性と男性が交互にディナーのテーブルにつくのは、フォーマルな会席においては今も一般的です。
料理は順を追って運ばれ、ゲストは重ねられた上の皿から下へ、外側のカトラリーから内側のものへと順次使っていきます。
女性と男性が交互にディナーのテーブルにつくのは、フォーマルな会席においては今も一般的です。
伝統的なテーブルセッティング
ナイフ
18世紀になる前は、ゲストはナイフで料理を突き刺し、それを口に運んでいました。当時、ナイフはゲストの左側に置かれていました。右側の位置を占めるようになったのはフォークが登場してからのこと。それ以降、(左利きでないかぎり)この様式が続いています。ナイフはつねに刃を皿側に向けて置きます。
フォーマルな会食では、サラダ用ナイフとディナー用ナイフが個別に並べられることもありますが、コースの終わりまで一本のナイフを使うのが一般的です。ただし、ナイフはデザートが供される前に下げられます。
ナイフ
18世紀になる前は、ゲストはナイフで料理を突き刺し、それを口に運んでいました。当時、ナイフはゲストの左側に置かれていました。右側の位置を占めるようになったのはフォークが登場してからのこと。それ以降、(左利きでないかぎり)この様式が続いています。ナイフはつねに刃を皿側に向けて置きます。
フォーマルな会食では、サラダ用ナイフとディナー用ナイフが個別に並べられることもありますが、コースの終わりまで一本のナイフを使うのが一般的です。ただし、ナイフはデザートが供される前に下げられます。
フォーク
フォーマルなセッティングでは、つねに外側から内側にというルールにしたがいましょう。左の外側から皿のほうへそれぞれの料理に必要なフォークを並べていきます。席についてのフォーマルな会食の場合、フォークは2、3本使われますが、19世紀初頭には、ゲストひとりにつき4本以上使っていました。
デザートでは、フォークは左側に、スプーン(またはデザートナイフ)は右側に置きます。デザート直前に並べても、デザートと共に運んでもいいでしょう。
フォーマルなセッティングでは、つねに外側から内側にというルールにしたがいましょう。左の外側から皿のほうへそれぞれの料理に必要なフォークを並べていきます。席についてのフォーマルな会食の場合、フォークは2、3本使われますが、19世紀初頭には、ゲストひとりにつき4本以上使っていました。
デザートでは、フォークは左側に、スプーン(またはデザートナイフ)は右側に置きます。デザート直前に並べても、デザートと共に運んでもいいでしょう。
スプーン
スプーンは伝統的につねにセッティングの右側、ナイフの右に並べます。スープが最初に出されるときは、そのスプーンをいちばん外側に置きます。紅茶やコーヒースプーン、またはデザートスプーンが必要な場合は、スープ用スプーンの左側、ナイフの右側に置きます。
近頃では、見た目の美しさから、このセッティングのように、カトラリーをサイズにしたがって並べる傾向があります。厳格なルールはありませんが、伝統的なセッティングでは、常に提供される料理の順番に外側から、が基本です。
スプーンは伝統的につねにセッティングの右側、ナイフの右に並べます。スープが最初に出されるときは、そのスプーンをいちばん外側に置きます。紅茶やコーヒースプーン、またはデザートスプーンが必要な場合は、スープ用スプーンの左側、ナイフの右側に置きます。
近頃では、見た目の美しさから、このセッティングのように、カトラリーをサイズにしたがって並べる傾向があります。厳格なルールはありませんが、伝統的なセッティングでは、常に提供される料理の順番に外側から、が基本です。
今日のテーブルセッティング
銀食器に輝きを
フォーマルなディナーは、ご家庭の銀食器をお披露する素晴らしい時間となるでしょう。自由な発想でさまざまな年代物の器を取り合わせて、ゲスト一人ひとり違うセットにするのもいいでしょう。
ヒント:銀食器を磨きあげる簡単な方法がひとつあります。パンやクッキーを焼くときに使うトレイにアルミ箔を置いて、そこに水を張り、ティースプーン1杯のベーキングソーダを入れます。銀食器をそこに約10分浸し、それからぬるま湯ですすぎます。自然乾燥させたのち、きれいな布で磨きあげましょう。
銀食器に輝きを
フォーマルなディナーは、ご家庭の銀食器をお披露する素晴らしい時間となるでしょう。自由な発想でさまざまな年代物の器を取り合わせて、ゲスト一人ひとり違うセットにするのもいいでしょう。
ヒント:銀食器を磨きあげる簡単な方法がひとつあります。パンやクッキーを焼くときに使うトレイにアルミ箔を置いて、そこに水を張り、ティースプーン1杯のベーキングソーダを入れます。銀食器をそこに約10分浸し、それからぬるま湯ですすぎます。自然乾燥させたのち、きれいな布で磨きあげましょう。
テーブルマットを使う
とくに木製テーブルの場合は、テーブルマットがセッティングに彩りを添えるだけでなく、テーブルの表面を保護する役目も果たします。お皿やカトラリーを置く位置にマットを敷いて、さまざまな色彩の競演を楽しみましょう。さまざまなテーブルマットを組み合わせることでテーブルが華やぎます。セッティングは必ずしもみんな同じにしなければならないということはありません。2セット購入し、交互に敷いてみましょう。
とくに木製テーブルの場合は、テーブルマットがセッティングに彩りを添えるだけでなく、テーブルの表面を保護する役目も果たします。お皿やカトラリーを置く位置にマットを敷いて、さまざまな色彩の競演を楽しみましょう。さまざまなテーブルマットを組み合わせることでテーブルが華やぎます。セッティングは必ずしもみんな同じにしなければならないということはありません。2セット購入し、交互に敷いてみましょう。
カトラリーを中心に
皿とカトラリーを食卓の中央に配することで、暖かみのある家族的な雰囲気が生まれます。ゲストはお皿を回したり料理を取り分けたりしながら会話を楽しめますし、食卓にほのぼのとしたあたたかさが広がります。テーブルの飾り付けは最低限にとどめて、テーブルウェアに気を配り、ディナーにはポットロースト、ランチにはお母さんのミネストローネといった風に料理に腕を振るいましょう。
皿とカトラリーを食卓の中央に配することで、暖かみのある家族的な雰囲気が生まれます。ゲストはお皿を回したり料理を取り分けたりしながら会話を楽しめますし、食卓にほのぼのとしたあたたかさが広がります。テーブルの飾り付けは最低限にとどめて、テーブルウェアに気を配り、ディナーにはポットロースト、ランチにはお母さんのミネストローネといった風に料理に腕を振るいましょう。
カトラリーで工夫する
よりくつろいだスタイルなら、各ゲストのカトラリーとナプキンをひと揃いにして、皿の上に置きます。
中間色の色を使うことで、品のよい趣のある美しさを演出することができます。ラフィアやバーラップ(黄麻布)のような質感のあるものを使ってカトラリーとナプキンをまとめるのもいいでしょう。カトラリーと皿の数を少なめにすることで、そのひとときがよりくつろげるものになります。
よりくつろいだスタイルなら、各ゲストのカトラリーとナプキンをひと揃いにして、皿の上に置きます。
中間色の色を使うことで、品のよい趣のある美しさを演出することができます。ラフィアやバーラップ(黄麻布)のような質感のあるものを使ってカトラリーとナプキンをまとめるのもいいでしょう。カトラリーと皿の数を少なめにすることで、そのひとときがよりくつろげるものになります。
小さな贈り物や小物でお迎えする
ゲストひとりひとりに、小さな贈り物や気持ちを表す小物を用意してセッティングに加えるのも素敵です。手作りジャムや年代物のティースプーン、お手製焼き菓子のひと包み、庭の多肉植物の一片を植え込んだ小さな鉢など、ちょっとしたものでいいのです。
こんな風に飾られた美しいテーブル、あなたのおもてなしにゲストは心からの歓待を感じることでしょう。
ゲストひとりひとりに、小さな贈り物や気持ちを表す小物を用意してセッティングに加えるのも素敵です。手作りジャムや年代物のティースプーン、お手製焼き菓子のひと包み、庭の多肉植物の一片を植え込んだ小さな鉢など、ちょっとしたものでいいのです。
こんな風に飾られた美しいテーブル、あなたのおもてなしにゲストは心からの歓待を感じることでしょう。
トレイを使って楽しむ
セッティングを楽しむもうひとつの方法は、トレイをうまく活かすことです。各ゲストのセッティングをトレイの上に整えてもいいでしょう。ゲストが到着する前にテーブルに並べておいても、ゲストが席についてから運んでもかまいません。カトラリーはひと揃いにしてトレイに置くか、あるいは外側に置いて、トレイをテーブルマットのように演出してもいいでしょう。会話を楽しくはずませ、後片付けも簡単です。
セッティングを楽しむもうひとつの方法は、トレイをうまく活かすことです。各ゲストのセッティングをトレイの上に整えてもいいでしょう。ゲストが到着する前にテーブルに並べておいても、ゲストが席についてから運んでもかまいません。カトラリーはひと揃いにしてトレイに置くか、あるいは外側に置いて、トレイをテーブルマットのように演出してもいいでしょう。会話を楽しくはずませ、後片付けも簡単です。
皿を組み合わせる
おもてなしには、お気に入りのディナーセットとカトラリーを取り揃えたいものですが、普段使いのセットとフォーマルなセットをともに備えておくのは、誰にとってもちょっとたいへんなことでしょう。こんなときは、普段使いの皿にデザイナー物や絵柄入りを加えてみてはいかがでしょう? ちょっと装飾の入った前菜用の皿を加えるだけで、特別な日のまったく新しいひと揃いになります。これは逆にすることもでき、絵柄の大皿を普段使いの器の一番下に置くというようにしてもいいでしょう。
おもてなしには、お気に入りのディナーセットとカトラリーを取り揃えたいものですが、普段使いのセットとフォーマルなセットをともに備えておくのは、誰にとってもちょっとたいへんなことでしょう。こんなときは、普段使いの皿にデザイナー物や絵柄入りを加えてみてはいかがでしょう? ちょっと装飾の入った前菜用の皿を加えるだけで、特別な日のまったく新しいひと揃いになります。これは逆にすることもでき、絵柄の大皿を普段使いの器の一番下に置くというようにしてもいいでしょう。
飲み物への気配り
食事中に供される飲み物用のグラスは、ふつうディナー皿の右上、ナイフとスプーンの上方に置きます。ウォーターグラスのほか、各種グラス――ワインやシャンパングラス、あるいはアイスティー用のハイボールグラス――を飲み物の種類に応じて準備しておくのが伝統的です。
その場にふさわしいガラス製品を選びましょう。とはいえ、色やサイズの取り合わせで遊び心を愉しむのも一興です。ステムレスワイングラス、メイソンジャー(果物や野菜保存用の密閉ガラスびん)、ゴブレットをウォーターグラスとして使ってみましょう。ステムレスのフルート型シャンパングラスは、アウトドアのイベントには最適のチョイスです。
教えてHouzz
今までで特にうまくいったテーブルセッティングはどんな感じでしたか? コメント欄に写真やエピソードを投稿してください。
食事中に供される飲み物用のグラスは、ふつうディナー皿の右上、ナイフとスプーンの上方に置きます。ウォーターグラスのほか、各種グラス――ワインやシャンパングラス、あるいはアイスティー用のハイボールグラス――を飲み物の種類に応じて準備しておくのが伝統的です。
その場にふさわしいガラス製品を選びましょう。とはいえ、色やサイズの取り合わせで遊び心を愉しむのも一興です。ステムレスワイングラス、メイソンジャー(果物や野菜保存用の密閉ガラスびん)、ゴブレットをウォーターグラスとして使ってみましょう。ステムレスのフルート型シャンパングラスは、アウトドアのイベントには最適のチョイスです。
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