ぐっすり眠れるベッドの向きと配置は？
よく眠れる寝室を作りたいなら、ベッドのレイアウトはどうすればいい？建築家、デザイナー、心理学者、風水の専門家に聞きました。
Елена Амбросимова
2019年4月6日
「ベッドは、寝室のどの位置に、どんな向きで配置するべきなのか？」
シンプルなようでいて、奥深いこの問題。専門家に取材すると、様々な見解があることがわかりました。一緒に探っていきましょう。
シンプルなようでいて、奥深いこの問題。専門家に取材すると、様々な見解があることがわかりました。一緒に探っていきましょう。
1. 「壁を背にして枕を置く」
「気」の流れをもとに空間を考える風水では、一般的に寝室の中心になる壁に枕がくるよう勧めています。ただし、壁にバスルームの排水管やガス管などが通っている場合は、逆に避けるように、とも。
とくに風水を信じていない人でも、これはうなずけるかもしれません。「ベッドのすぐ近くに排水管があると運も流れて逃げてしまう」という説を信じるかどうかは別にして、頭のすぐそばでゴボゴボと水が流れる音がするのでは、よく眠れそうにありません。
「気」の流れをもとに空間を考える風水では、一般的に寝室の中心になる壁に枕がくるよう勧めています。ただし、壁にバスルームの排水管やガス管などが通っている場合は、逆に避けるように、とも。
とくに風水を信じていない人でも、これはうなずけるかもしれません。「ベッドのすぐ近くに排水管があると運も流れて逃げてしまう」という説を信じるかどうかは別にして、頭のすぐそばでゴボゴボと水が流れる音がするのでは、よく眠れそうにありません。
インテリアデザイナーは、寝室の広さと形を基準にベッドの配置を考えます。「正方形の部屋なら、中心を軸にした配置がよいでしょう」と話すのはロシアのデザイナー、ユリア・ゴラフスカヤさん。「長方形の寝室なら、室内をふたつのゾーンに分け、片側にベッドを、もう片側に椅子とテーブルを置きます」
大きな寝室なら、ベッドを壁から離して置くのがおすすめ。「アイランド型」とよばれる配置ですが、部屋が広すぎてガランと寂しくなってしまったり、広いスペースを埋める家具がない場合に適しています。
大きな寝室なら、ベッドを壁から離して置くのがおすすめ。「アイランド型」とよばれる配置ですが、部屋が広すぎてガランと寂しくなってしまったり、広いスペースを埋める家具がない場合に適しています。
参考情報：世界のHouzzユーザーにベッドの位置についてアンケートをしてみたところ、いちばん多かった答えは「壁にベッドヘッドをつける」でした。
英国、ロシア、米国、スイス、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの各国では75％以上が、スペイン、イタリア、ドイツ、日本では60％近くが、フランスでは約50％の人がこの配置を選びました。
英国、ロシア、米国、スイス、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの各国では75％以上が、スペイン、イタリア、ドイツ、日本では60％近くが、フランスでは約50％の人がこの配置を選びました。
2. 「ドアがよく見える位置に置く」
人間には安全な場所で眠りたいという本能があります。そのため、私たちは無意識のうちにそれに従った行動をとろうとします。ドアや窓のような「危険なもの」から距離を置いて安全を確保しようとする、侵入者の視界に入る前に自分から侵入者が見える位置を好むなどがその例です。ドイツのミュンヘン大学のマチアス・シュペールとジェニファー・シュティヒが2010年に発表した研究でも、このことが報告されています。
ロシアの心理学者ナターリャ・ミハイロワさんは、「心理的には、ベッドはドアからできるだけ遠くへ離しながら、寝る場所からドアが見える位置にすることが重要です。ただし、寝室に窓があれば、ベッドから窓とドアの両方が見えるようにしなくてはいけません」と解説します。
人間には安全な場所で眠りたいという本能があります。そのため、私たちは無意識のうちにそれに従った行動をとろうとします。ドアや窓のような「危険なもの」から距離を置いて安全を確保しようとする、侵入者の視界に入る前に自分から侵入者が見える位置を好むなどがその例です。ドイツのミュンヘン大学のマチアス・シュペールとジェニファー・シュティヒが2010年に発表した研究でも、このことが報告されています。
ロシアの心理学者ナターリャ・ミハイロワさんは、「心理的には、ベッドはドアからできるだけ遠くへ離しながら、寝る場所からドアが見える位置にすることが重要です。ただし、寝室に窓があれば、ベッドから窓とドアの両方が見えるようにしなくてはいけません」と解説します。
「この研究調査でアンケートに答えた人たちの多くが、ドアのある壁にベッドをつけると回答しているのが興味深いですね。寝室に侵入者があった場合、視界に入りにくい位置になりますから」と、ミハイロワさん。
パベーダ・ディザイナのアートディレクター、ステパン・ブガエフさんは「この配置にメリットがあるとすれば、開けたドアから光が差し込んでも、それで目が覚めてしまうことはない点ですね」と話します。
参考情報：Houzzユーザーのアンケートでは、「ドアのある壁にベッドをつける配置」は2番目に多く、15パーセント程度が回答しています。この回答が最も多かったのはフランスで、17パーセントでした。
パベーダ・ディザイナのアートディレクター、ステパン・ブガエフさんは「この配置にメリットがあるとすれば、開けたドアから光が差し込んでも、それで目が覚めてしまうことはない点ですね」と話します。
参考情報：Houzzユーザーのアンケートでは、「ドアのある壁にベッドをつける配置」は2番目に多く、15パーセント程度が回答しています。この回答が最も多かったのはフランスで、17パーセントでした。
3. 「ドアに足を向けて寝ない」
寝るときに足をドアに向けないのは、風水で重要とされています。他に気をつけるべき点として、ベッドの向かいに鏡を置かない、シャンデリアの下や天井の梁の下、ドアとドアの間にベッドを置かない、などがあります。
寝るときに足をドアに向けないのは、風水で重要とされています。他に気をつけるべき点として、ベッドの向かいに鏡を置かない、シャンデリアの下や天井の梁の下、ドアとドアの間にベッドを置かない、などがあります。
一方で、ドアに足を向けて寝るのは構わないという人も。「寝室に入ったら、ベッドの足元が見えるのがいい」という米国のHouzz専門家ユーザー、ジュディG・デザインズさんの意見には「いいね！」がたくさん集まりました。
ベッドをどこに置くかは、最終的には実用性で決まる場合も。写真のワンルームでは、寝る場所がリビングとひと続きなので、この配置以外には不可能でした。
この物件を手がけたシンガポールのレジーナ・チェンさんは次のように語ります。「もともとは2部屋のアパートメントでしたが、オーナーの希望は、ホテルのエグゼクティブスイートのように、大きなひと続きのスペースを広く使うこと。その希望をかなえて、このような空間になりました。これが、スペースを最大限に活かせるレイアウトだったのです」
この物件を手がけたシンガポールのレジーナ・チェンさんは次のように語ります。「もともとは2部屋のアパートメントでしたが、オーナーの希望は、ホテルのエグゼクティブスイートのように、大きなひと続きのスペースを広く使うこと。その希望をかなえて、このような空間になりました。これが、スペースを最大限に活かせるレイアウトだったのです」
4. 「特定の方角に向けて置く」
日本では昔から、頭を北に向けるのだけは避けるよう言い伝えられてきました。「北枕といって、縁起が悪いとされています。日本では昔から死者の頭を北に向けて寝かせる風習があり、死を連想させるためです」と解説するのは、風水コンサルタントでありインテリアデザイナーでもあるユキ・シマダさん。
「もともとは、2500年以上前に仏教の祖であるお釈迦様が亡くなったときの寝姿に由来しています。ですが、仏教発祥の地インドをはじめ、他の国々ではこうした風習はみられません。さらに最近では、地磁気の影響を考えると、頭を北にして寝るのは科学的に健康によいとも言われています」
日本では昔から、頭を北に向けるのだけは避けるよう言い伝えられてきました。「北枕といって、縁起が悪いとされています。日本では昔から死者の頭を北に向けて寝かせる風習があり、死を連想させるためです」と解説するのは、風水コンサルタントでありインテリアデザイナーでもあるユキ・シマダさん。
「もともとは、2500年以上前に仏教の祖であるお釈迦様が亡くなったときの寝姿に由来しています。ですが、仏教発祥の地インドをはじめ、他の国々ではこうした風習はみられません。さらに最近では、地磁気の影響を考えると、頭を北にして寝るのは科学的に健康によいとも言われています」
では、どちらに向けて置くのがいいのでしょうか？
ロシアのサンクトペテルブルク風水センターのディレクター、オレーシャ・ルノヴァさんはこう説明します。「人にはそれぞれ、生まれ年から割り出す本命卦（ほんめいか）があります。本命卦（洛書、命卦とも）によって、その人にとってのよい方位、避けるべき方位が決まります。本命卦を知っておくと、地球の磁力を借りて、経済的成功をはじめとするさまざまな目標を達成できるのです」。
つまり、人によってベッドを置くのにふさわしい吉方位は違うわけです。
では、吉となる方位がカップルで違う場合はどうすればよいでしょう？ 以前は、夫の吉方位に合わせてベッドを置き、それが妻にとっても悪くない方位であればよいと言われてきました。ですが、女性も稼ぎ手の役割を担っている今の時代では、もっとも収入の多い人に合わせるのがよいそうです。
ロシアのサンクトペテルブルク風水センターのディレクター、オレーシャ・ルノヴァさんはこう説明します。「人にはそれぞれ、生まれ年から割り出す本命卦（ほんめいか）があります。本命卦（洛書、命卦とも）によって、その人にとってのよい方位、避けるべき方位が決まります。本命卦を知っておくと、地球の磁力を借りて、経済的成功をはじめとするさまざまな目標を達成できるのです」。
つまり、人によってベッドを置くのにふさわしい吉方位は違うわけです。
では、吉となる方位がカップルで違う場合はどうすればよいでしょう？ 以前は、夫の吉方位に合わせてベッドを置き、それが妻にとっても悪くない方位であればよいと言われてきました。ですが、女性も稼ぎ手の役割を担っている今の時代では、もっとも収入の多い人に合わせるのがよいそうです。
医師グループが、人がもっとも快適にぐっすり眠れる方角を調べた研究を行っている、と教えてくれたのは、インテリアデザイナーのエリーナ・シェペレヴァさんです。
「巨大なベッドを用意して、好きな向きに寝てもらう実験をしたところ、とても疲れている人は東枕を、興奮ぎみな人は北枕を選ぶという結果が出ています」
「巨大なベッドを用意して、好きな向きに寝てもらう実験をしたところ、とても疲れている人は東枕を、興奮ぎみな人は北枕を選ぶという結果が出ています」
5. 「外の景色がいいので、ベッドから見えるようにする」
問題は朝の日差しが直接目に入ってしまう場合です。カーテンを閉めたままにする、という手もありますが、起きた時に、せっかくの景色が目に入らなくなります。
問題は朝の日差しが直接目に入ってしまう場合です。カーテンを閉めたままにする、という手もありますが、起きた時に、せっかくの景色が目に入らなくなります。
「この配置がいいかどうかは、地域によっても違います」と話すのは、ロシアの建築家ミハイル・アルトツキーさん。
「赤道に近い地域では、太陽光の差し込む角度が90度近くになります。ベッドのヘッドボードが低ければ、降りそそぐ日光を遮ってくれません。逆に北の地域では、気温は低く、風が強いので、窓が劣化して、すきま風が入るようになります」
「もうひとつ注意すべきなのが、窓の近くは熱が逃げるという点です。窓に近いところは空気が流動するので、粘膜の乾燥にもつながります。熱を発生させるタイプのガラスを入れるか、ベッドの置き場所を変えることです」
「赤道に近い地域では、太陽光の差し込む角度が90度近くになります。ベッドのヘッドボードが低ければ、降りそそぐ日光を遮ってくれません。逆に北の地域では、気温は低く、風が強いので、窓が劣化して、すきま風が入るようになります」
「もうひとつ注意すべきなのが、窓の近くは熱が逃げるという点です。窓に近いところは空気が流動するので、粘膜の乾燥にもつながります。熱を発生させるタイプのガラスを入れるか、ベッドの置き場所を変えることです」
不眠に悩まされているなら、ベッドを窓やテレビの画面と向き合うように置くのはNG。英国で睡眠を研究するニール・スタンレー博士は、「寝室は眠りのための聖域であるべきですから、眠りに関係するものだけを置くようにします。つまりパソコンやテレビ、その他の機器は持ち込まないこと。寝室は寝る部屋であって、映画館ではありません。」
モスクワの第3医科大学で睡眠医学科長を務める、ミハイル・ポルクトフ博士もまったく同じ見解です。「一度ベッドに入ったら、いっさいの精神活動、知的活動をやめましょう。ベッドの中で本を読むのもテレビを見るのもおすすめしません。寝室にテレビをつけようかと考えているなら、考え直すことをおすすめします」
6. 「自分が心地よいと感じられる配置にする」
おそらく正解はこれかもしれません。
インテリアデザイナーのイリーナ・コヴィリナさんはこう言います。「新しい家を訪れるときはいつも、エネルギーレベルの高い、引きつけられる場所を探してみます。感性にまかせて、ベッドを置くのにいちばんふさわしい場所を探し当てる。それだけです！」
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インテリアデザイナーのイリーナ・コヴィリナさんはこう言います。「新しい家を訪れるときはいつも、エネルギーレベルの高い、引きつけられる場所を探してみます。感性にまかせて、ベッドを置くのにいちばんふさわしい場所を探し当てる。それだけです！」
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同じくデザイナーのエレーナ・サフチェンコさんは、こんな話をしてくれました。
「最近、とても辛いことがあったので、風向きを変えたいと思って、ベッドの位置を動かしたんです。向きを90度変えて、頭を壁につけていたのもやめました。電源やスイッチ類、照明、きれいな大型の装飾パネルなどはもとのレイアウトのまま、残してありますが、ベッドの位置を変えるだけで、寝室の雰囲気ががらっと素敵になって、ベッドの上で過ごすのが大好きになったんです。インテリアの魔法は本当にあるんだな、とあらためて思いました」
コメント募集中
みなさんはどちらの方角、どんな場所に枕を向けて寝ていますか？
「最近、とても辛いことがあったので、風向きを変えたいと思って、ベッドの位置を動かしたんです。向きを90度変えて、頭を壁につけていたのもやめました。電源やスイッチ類、照明、きれいな大型の装飾パネルなどはもとのレイアウトのまま、残してありますが、ベッドの位置を変えるだけで、寝室の雰囲気ががらっと素敵になって、ベッドの上で過ごすのが大好きになったんです。インテリアの魔法は本当にあるんだな、とあらためて思いました」
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私は主寝室を中庭を見下ろせる南側に脚を向けて寝ています。東側の窓も同様に床から天井まで全てガラスなので朝陽からお昼の太陽が差し込んできますから、夏は朝から気持ちの良い太陽を浴びながら起きます。昼間は東の窓を少し開けて風通しよくしながらマットレスに御日様を浴びさせます。一年中さらっとしたベッドは気持ちよく眠れます。ガラスは防犯フィルム兼目隠しの意味で少し反射するフィルムを張っています。
ホントに寝るためのお部屋ですね✨スッキリしてて素敵です。
甲斐様 ありがとうございます。最近はベットの高さを５０Cmかさ上げしました。通気が良いのもマットレスに良いのですが、起き抜け滑り降りる感じでベットから降りるので腰に負担がまったくかからなくなりました。これ凄く楽です。