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おもてなしの心でつくる、五感に響くインテリア
一緒に過ごす時間を快適に楽しく過ごしてもらうことが「おもてなし」です。おもてなしの心を伝えるインテリアとは、五感に心地よく伝わる空間です。
町田瑞穂ドロテア
2017年8月16日
すっかり浸透した「おもてなし」というキーワード。インテリアを考える上でとても大切な言葉です。でも、この言葉には、どんな意味があるのでしょうか? 英語に翻訳すると「ホスピタリティ」がいちばん近い言葉ですが、ちょっとニュアンスが異なり、ぴったりと対応する言葉が見当たりません。「もてなす」の語源とは、「ものをもってなす」という言葉だと言われています。それを名詞にし、「お」をつけて丁寧語にしたのが「おもてなし」です。丁寧語の「お」をつけるところに、もてなすという行為を大切に思う日本の心がこめられています。
「ものをもってなす」ということは、心を形あるもので表現するということ。となれば、お客様を迎えるインテリアがとても重要になります。お客様が五感で心地よいと感じるモノを設えることが、おもてなしのインテリアの鍵になります。
「ものをもってなす」ということは、心を形あるもので表現するということ。となれば、お客様を迎えるインテリアがとても重要になります。お客様が五感で心地よいと感じるモノを設えることが、おもてなしのインテリアの鍵になります。
香り
嗅覚は人の記憶や感情に強く働きかけます。そのため、その家に対する第一印象を決める力があります。お客様が嫌いな香りを設えてしまうと不快な思いをさせてしまうので、いやな香りがしないことが何よりも大切です。
嗅覚は人の記憶や感情に強く働きかけます。そのため、その家に対する第一印象を決める力があります。お客様が嫌いな香りを設えてしまうと不快な思いをさせてしまうので、いやな香りがしないことが何よりも大切です。
さりげなく香りを漂わせるなら、キャンドルやアロマデフューザー、香りのよい花やフルーツを設えましょう。
アロマ用品を使わなくても、コーヒーやごちそうを準備する香りが、おもてなしの気持ちを伝えることもあります。
アロマ用品を使わなくても、コーヒーやごちそうを準備する香りが、おもてなしの気持ちを伝えることもあります。
景色といえば、文字通り、窓の外の眺めが魅力的なら、とても贅沢なおもてなしになります。カーテンやウィンドウトリートメントの選び方で、眺めを美しくフレーミングするのがポイントです。
音楽
聴覚も嗅覚と同じくらい原始的な感覚であり、知らず知らずのうちに人の心を動かす力があります。流れている音楽によって、人はリラックスしたり、気持ちが高まったりするので、その場に流れる音楽を選ぶことも立派なおもてなしになります。
最近は、インテリアになじむ美しいデザインのスピーカーも登場しています。例えば、上の写真、スピーカーが写っているのがわかりますか?
聴覚も嗅覚と同じくらい原始的な感覚であり、知らず知らずのうちに人の心を動かす力があります。流れている音楽によって、人はリラックスしたり、気持ちが高まったりするので、その場に流れる音楽を選ぶことも立派なおもてなしになります。
最近は、インテリアになじむ美しいデザインのスピーカーも登場しています。例えば、上の写真、スピーカーが写っているのがわかりますか?
サイドテーブルの両端に置かれた、ちょっとユニークな形のこちらがスピーカー。デンマークの〈Davone〉というメーカーがつくっている《mojo》という製品です。
景色
空間の中に、視線が落ち着く場所があることは、居心地を左右します。逆にいえば、目線の行き場が定まらない部屋、どこに目を留めてよいのか困るような空間は「景色」が悪く、居心地がよくありません。心地よく人をもてなす空間には「景色」が必要です。
空間の中で、視線が留まるようにしつらえた場所を、インテリアではフォーカルポイントといいます。日本の伝統的住宅では、床の間がフォーカルポイントでした。季節の花や絵画、香炉などの小物をしつらえる、まさにおもてなしのための場所でした。
空間の中に、視線が落ち着く場所があることは、居心地を左右します。逆にいえば、目線の行き場が定まらない部屋、どこに目を留めてよいのか困るような空間は「景色」が悪く、居心地がよくありません。心地よく人をもてなす空間には「景色」が必要です。
空間の中で、視線が留まるようにしつらえた場所を、インテリアではフォーカルポイントといいます。日本の伝統的住宅では、床の間がフォーカルポイントでした。季節の花や絵画、香炉などの小物をしつらえる、まさにおもてなしのための場所でした。
壁にアートを飾ったり、サイドボードの上に趣味のアイテムをきれいに並べておくと、そこから会話が弾みます。
あるいは本好きの人なら、本棚にみっしり並んでいる景色が、その家のオーナーらしさを伝えます。
触覚
椅子やテーブルなど、インテリアには人の手や体が触れるものがたくさんあります。当然、触ったときの感触の快適さも、とても重要です。
椅子やテーブルなど、インテリアには人の手や体が触れるものがたくさんあります。当然、触ったときの感触の快適さも、とても重要です。
ソファや椅子なら、クッションの弾力が適切なもの、肌に触れるアプホルスタリーが心地よいものを選びましょう。夏なら麻、秋冬ならファーやベルベッドなど、ふかふかと柔らかい素材がおすすめです。
味覚
お客様にお出しする飲み物や食事は、味覚を通したおもてなし。美味しいものを味をともに楽しむことは、素敵なおもてなしになります。季節の食材を使ったり、地方から取り寄せたものなど、少し目新しいものをお出ししてみましょう。
お客様にお出しする飲み物や食事は、味覚を通したおもてなし。美味しいものを味をともに楽しむことは、素敵なおもてなしになります。季節の食材を使ったり、地方から取り寄せたものなど、少し目新しいものをお出ししてみましょう。
五感の中心になるのは「心」
五感で伝えるインテリアづくりのポイントをご紹介してきましたが、「こうすべき」というルールではありません。いちばん大切なのは、一緒にいる時間にどのように過ごし、楽しんでもらうかを考えること。それを考えることが「おもてなし」につながると思います。
教えてHouzz
ご感想をお聞かせください。
こちらもあわせて
おもてなしのインテリア――会話がはずむしつらえを
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