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クライミングウォールが中心にある、ロッククライマーの家
ボルダリングが趣味という施主の希望で、クライミングウォールと家族のための空間が一体化した住まいが完成しました。

杉田真理子
2020年6月20日
ずっと持ち家が欲しかったという夫妻。奥さまの実家近郊である大阪府・高槻の土地で、家づくりを決心しました。こだわったのは、木の温もりが感じられるデザインと広めのキッチン。そして、ボルダリングのためのクライミングウォールを作ること。ご主人は、休日は各地の山々へ出かけるクライマー。トレーニングルームを兼ねたクライミングウォールのある家を所望していました。
どんなHouzz?
所在地:大阪府高槻市
住まい手:夫婦と子供2人
敷地面積:432.42m2
建築面積:72.87m2
延床面積:112.62m2
構造:木造(在来軸組工法)
意匠設計:Horibe Associates co., ltd.
構造設計:片岡構造
施工:株式会社創建
竣工時期:2018年10月竣工
住宅メーカー所属の建築設計士として働く奥さま。「自邸を建てることになったときに、自分で設計することも考えました。しかし、自分の家だからこそ、無難にデザインしてしまいがちな気もして。新しいアイデアを得るために、Horibe Associatesの堀部圭一さんと直子さんにお願いすることにしました。結果、期待以上に挑戦的なデザインになったと満足しています」と語ります。
今回建築設計を担当した堀部圭一さんと直子さんは、「施主も建築家だからこそ、打ち合わせは毎回スムーズでした」と当時を振り返ります。「チームとして、全員でより高みを目指して協業した、という感覚がありました」
所在地:大阪府高槻市
住まい手:夫婦と子供2人
敷地面積:432.42m2
建築面積:72.87m2
延床面積:112.62m2
構造:木造(在来軸組工法)
意匠設計:Horibe Associates co., ltd.
構造設計:片岡構造
施工:株式会社創建
竣工時期:2018年10月竣工
住宅メーカー所属の建築設計士として働く奥さま。「自邸を建てることになったときに、自分で設計することも考えました。しかし、自分の家だからこそ、無難にデザインしてしまいがちな気もして。新しいアイデアを得るために、Horibe Associatesの堀部圭一さんと直子さんにお願いすることにしました。結果、期待以上に挑戦的なデザインになったと満足しています」と語ります。
今回建築設計を担当した堀部圭一さんと直子さんは、「施主も建築家だからこそ、打ち合わせは毎回スムーズでした」と当時を振り返ります。「チームとして、全員でより高みを目指して協業した、という感覚がありました」
建築家探しにあたっては、距離の近さを大切にしたという施主夫妻。「現場を見てもらう回数や、実際に会える回数は多い方が安心だと思いました」とご主人。趣味や感覚があうことも意識したといいます。
窓からの景色と日当たりを考慮し、敷地に対して斜めに配置されたこの家は、三角屋根が印象的。玄関から室内に入ると、まずは広々としたカウンターキッチンが迎えてくれました。
窓からの景色と日当たりを考慮し、敷地に対して斜めに配置されたこの家は、三角屋根が印象的。玄関から室内に入ると、まずは広々としたカウンターキッチンが迎えてくれました。
リビングを開けたらすぐにキッチン、ということにはじめは抵抗があったという奥さま。「でも、収納がすっきりとしているので、予想に反して気になりません」と説明します。キッチンと連続的に繋がるリビングダイニングには窓から光が入り込み、ナチュラルで開放的な雰囲気。床にはナラの無垢材を使用し、木の温もりのあるデザインでまとめました。
「共働き夫妻のため、家事を素早く行えるよう、導線を計算しました」と圭一さん。キッチンの横にダイニングテーブルを置き、料理したものが素早く食卓に運べます。キッチンの壁面収納の一部は、実はバスルームへの扉。収納棚とドアを同じにすることで、キッチンの横にすぐにバスルームがあるとは、一見気付かないようになっています。
「共働き夫妻のため、家事を素早く行えるよう、導線を計算しました」と圭一さん。キッチンの横にダイニングテーブルを置き、料理したものが素早く食卓に運べます。キッチンの壁面収納の一部は、実はバスルームへの扉。収納棚とドアを同じにすることで、キッチンの横にすぐにバスルームがあるとは、一見気付かないようになっています。
キッチンの向かいには、この家の中心となるクライミングウォールがあります。
「ボルダリングのスペースと生活空間は、あえて切り離さずに緩やかにつなげました」と直子さん。トレーニングを楽しむ人と、それを眺める家族が、同じ空間で団らんを楽しむことができるよう、仕切りは最小限に留めました。「キッチンに立つと、ちょうど目線の高さにこのボルダリングの壁が見えます。家族が遊んでいるのを見守れますし、ステージのような、エンターテイメント性もあります」
「ボルダリングのスペースと生活空間は、あえて切り離さずに緩やかにつなげました」と直子さん。トレーニングを楽しむ人と、それを眺める家族が、同じ空間で団らんを楽しむことができるよう、仕切りは最小限に留めました。「キッチンに立つと、ちょうど目線の高さにこのボルダリングの壁が見えます。家族が遊んでいるのを見守れますし、ステージのような、エンターテイメント性もあります」
クライミングウォールは、ご主人のトレーニングはもちろん、子供と一緒に身体を動かす場でもあります。子供たちも安心してクライミングを学べるよう、床にはパッドを完備。レベルに合わせて調整できるよう、ホールドは一部組み替えられるように工夫されています。ホールドの組み替えは、2階の専用窓から可能。クライミングウォールが単体で孤立することなく、家族団欒の一部となっています。
クライミングウォールは、1階から2階まで続く吹き抜け構造。この吹き抜けに合わせて、極限まで区切りのない空間づくりを目指しました。「1階から2階まで声も通るので、家族の一体感があります」とご主人。クライミングウォールの2階部分にはあえて窓を設え、外からでもボルダリングの様子が見えるようになっています。
クライミングウォールと2階に続く階段と壁は、赤ラワンで統一。通常のラワンベニヤよりも深い色合いと艶が印象的です。階段は、ボルダリングシューズなどを入れる収納も兼用しています。
階段に向かって右手は、2階からのアクセスも良いお手洗い。2重扉構造となっており、音漏れを防ぎます。
階段に向かって右手は、2階からのアクセスも良いお手洗い。2重扉構造となっており、音漏れを防ぎます。
個室の面積よりも、廊下の面積を広めに取ることに重きをおいたという2階。「広々と設けることで、単なる移動のための廊下ではなく、子供が遊んだり、家族で使える多目的な空間としました」と直子さん。広々と設えられた2階の廊下からは、遮る建物のない開けた景色が見渡せます。
2階にある2つの個室は、それぞれ寝室と子供部屋として使用。子供部屋は、子供が成長した暁には、ふたつに区切って使えるようになっています。廊下の一方のつきあたりにはデスクを設え、書斎スペースとしました。
「最近出張が多いのですが、早く帰りたくなる家です。家で家族と過ごす時間が、一番好きです」とご主人は語ってくれました。
「最近出張が多いのですが、早く帰りたくなる家です。家で家族と過ごす時間が、一番好きです」とご主人は語ってくれました。
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