安らげる住まいをつくる照明計画のコツ
照明の使い方を工夫することで、リラックス感を感じたり、空間の良さを引き立てたりすることができます。家づくりの際の効果的な照明計画のコツをお伝えします。

sayaka_sumiyoshi
2019年10月25日
これまでは一室に照明一灯、天井の真ん中にシーリングライトをつけて隅々まで煌々と明るくする照明計画が一般的でした。しかし近年ではLEDによる照明器具の小型化が進んだこともあり、一室多灯で、必要な場所に必要な灯りを必要なだけ灯す方法が増えています。
一室多灯の照明計画にすると、生活シーンに応じた適切な灯りで過ごすことができます。例えば夕食を食べる時と、その後のリラックスタイムでは、最適な明るさが違っていたりしますよね。シーンに応じた心地よい照明は、体内時計を整えて、睡眠の質を向上させるとも言われています。また、空間の高さや奥行きを強調したり、昼と夜でど部屋の印象をガラッと変えたりという演出も可能です。
家づくりで後回しになりがちな照明計画ですが、照明は建物の一部と考えて、早い段階から計画してみてはいかがでしょうか。
一室多灯の照明計画にすると、生活シーンに応じた適切な灯りで過ごすことができます。例えば夕食を食べる時と、その後のリラックスタイムでは、最適な明るさが違っていたりしますよね。シーンに応じた心地よい照明は、体内時計を整えて、睡眠の質を向上させるとも言われています。また、空間の高さや奥行きを強調したり、昼と夜でど部屋の印象をガラッと変えたりという演出も可能です。
家づくりで後回しになりがちな照明計画ですが、照明は建物の一部と考えて、早い段階から計画してみてはいかがでしょうか。
建築に溶け込んだ照明計画
まずは昼間の写真をご覧ください。こちらのLDKのどこに照明があるかわかりますか?奥のダイニングテーブルの上にペンダントライトが見えますが、それ以外に照明器具が見当たりません。
まずは昼間の写真をご覧ください。こちらのLDKのどこに照明があるかわかりますか?奥のダイニングテーブルの上にペンダントライトが見えますが、それ以外に照明器具が見当たりません。
夜の写真がこちらです。壁の上から光が出ています。建物に照明器具を隠していたんですね。天井に反射した光が空間全体に広がって、優しい光のグラデーションができています。
もし手前のパーソナルチェアに座って本を読みたければ、スタンドライトを横に置くことで、必要な明るさを確保できます。
リビング照明はどう選ぶ?明るさや光の色、おすすめの照明器具の使い方
もし手前のパーソナルチェアに座って本を読みたければ、スタンドライトを横に置くことで、必要な明るさを確保できます。
リビング照明はどう選ぶ?明るさや光の色、おすすめの照明器具の使い方
続いてこちらの写真では、天井の一部が低くなっており、そこから出た光が天井に反射し、空間全体を柔らかく照らしています。キッチン、ダイニング、リビングそれぞれの手元の明るさは、ダウンライトを使うというシンプルな照明計画ですね。
特にモダンな空間では、建築と一体化した照明や、器具が主張しないダウンライトなどを使った照明計画が、空間の良さを引き立てます。
照明の専門家を探す
特にモダンな空間では、建築と一体化した照明や、器具が主張しないダウンライトなどを使った照明計画が、空間の良さを引き立てます。
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壁を照らして奥行きや高さを強調
続いてこちらの写真では、壁を照らしている照明が特徴的です。壁を照らしてどうするの?と、不思議に感じる方もいるかもしれませんが、これには理由があります。
手元が十分に明るくても、目線の先の壁に光が当たっていない場合、空間全体としては『暗い』という印象になりがちです。壁を照らすことで、空間全体の明るさ感をアップすることができます。
また、空間を満遍なく明るくするのではなく、暗い場所と明るい場所を作ることで、空間の奥行きがより強く感じられるという効果もあります。
続いてこちらの写真では、壁を照らしている照明が特徴的です。壁を照らしてどうするの?と、不思議に感じる方もいるかもしれませんが、これには理由があります。
手元が十分に明るくても、目線の先の壁に光が当たっていない場合、空間全体としては『暗い』という印象になりがちです。壁を照らすことで、空間全体の明るさ感をアップすることができます。
また、空間を満遍なく明るくするのではなく、暗い場所と明るい場所を作ることで、空間の奥行きがより強く感じられるという効果もあります。
こちらも壁を照らしていますが、今度は何もない天井に光を向けています。今度こそ意味が無いように感じる方もいるかもしれませんが、吹き抜けの高さ感を強調するための照明計画です。
ダイニングテーブルとペンダントライトは相性抜群
ダイニングルームの写真には、素敵なデザインのペンダントライトが写っていることが多いですね。ダイニングテーブルの上にペンダントライト、という組み合わせはデザイン面だけでなく、機能的にも相性抜群です。
食事をするテーブルの上は、しっかりと明るくしたいですよね。光は距離が離れれば離れるほど暗くなるので、テーブルを明るくしたければ、天井から照らすよりも、テーブルのすぐ上から照らすほうが効果的なのです。
ダイニングルームの写真には、素敵なデザインのペンダントライトが写っていることが多いですね。ダイニングテーブルの上にペンダントライト、という組み合わせはデザイン面だけでなく、機能的にも相性抜群です。
食事をするテーブルの上は、しっかりと明るくしたいですよね。光は距離が離れれば離れるほど暗くなるので、テーブルを明るくしたければ、天井から照らすよりも、テーブルのすぐ上から照らすほうが効果的なのです。
一方で、照明を低く吊るすと、場所によってはぶつかる危険があります。テーブルがあることでペンダントライトの下を通ることがなく、安心です。
ペンダントライトを吊るすオススメの高さは、器具の一番下がテーブル面から60〜80cm程度離れるくらいの高さです。慣れないうちは、低すぎるように感じるかもしれませんが、テーブルがしっかりと明るく、また、照明のデザインも一番キレイに見える高さなので、ぜひ一度トライしてみてください。
照明の記事を読む
ペンダントライトを吊るすオススメの高さは、器具の一番下がテーブル面から60〜80cm程度離れるくらいの高さです。慣れないうちは、低すぎるように感じるかもしれませんが、テーブルがしっかりと明るく、また、照明のデザインも一番キレイに見える高さなので、ぜひ一度トライしてみてください。
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寝室は体内時計に合わせた照明計画に
照明の工夫でリラックス感や安眠効果が得られる理由は、私たちの体内時計に関係しています。寝る前の照明は、暗めくらいがちょうど良いと考えてください。眩しさを抑えることと、照明の色はオレンジ色を選ぶことで、体内時計が整います。
寝室の照明計画も、一室多灯を意識しましょう、特に低い位置からの光は心地よさを感じ、リラックスできます。ベッドの横にスタンドライトを置くことは、デザイン面だけでなく、安眠のためにもオススメの照明計画です。
照明の工夫でリラックス感や安眠効果が得られる理由は、私たちの体内時計に関係しています。寝る前の照明は、暗めくらいがちょうど良いと考えてください。眩しさを抑えることと、照明の色はオレンジ色を選ぶことで、体内時計が整います。
寝室の照明計画も、一室多灯を意識しましょう、特に低い位置からの光は心地よさを感じ、リラックスできます。ベッドの横にスタンドライトを置くことは、デザイン面だけでなく、安眠のためにもオススメの照明計画です。
地震の多い日本では、枕元にものを置くことに抵抗がある方もいるかもしれません。その場合、壁に固定されているブラケットライトがおすすめです。この場合も低い位置に取り付けることが重要です。
照明計画の多くは、家づくりの早い段階から検討を始めることで、より心地よく、より美しく仕上がります。また、照明計画の工夫次第で、空間の良さをより引き立てたり、インテリアにぴったりの器具を選ぶことができますし、心地よく、リラックスできる我が家を作り出せます。
ついつい後回しにしがちが照明計画ですが、早めに専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
インテリアデザイナー・コーディネーターを探す
照明計画の多くは、家づくりの早い段階から検討を始めることで、より心地よく、より美しく仕上がります。また、照明計画の工夫次第で、空間の良さをより引き立てたり、インテリアにぴったりの器具を選ぶことができますし、心地よく、リラックスできる我が家を作り出せます。
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