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2023年に注目すべき照明のトレンド【ハイポイントマーケット2022】
トレンドの主役は引き続き自然素材ながら、スモ―キーカラーのガラスや真鍮が、照明をドラマチックに演出。
Suzanne Ennis
2022年11月15日
米ノースカロライナ州ハイポイントで2022年10月に開催された、ホームインテリアに関する国内最大級の見本市・ハイポイントマーケット。その会場で展示された照明器具コレクションのなかでも、ひときわ明るい輝きを放ち、新たな注目の的となっていたのは、スモークガラスや波打ったような表情のガラスを使ったアイテムでした。一方で、ここ数年流行の自然素材や、黒・白・金色の仕上げの製品の人気も衰える様子はありません。
この記事では会場で注目を集め、2023年も輝きを放つであろう新旧のトレンドについて見ていきます。
この記事では会場で注目を集め、2023年も輝きを放つであろう新旧のトレンドについて見ていきます。
“グラマラス”なガラス
10月26日に閉幕した2022年秋のハイポイントマーケットに登場した、最もエキサイティングなトレンドは、ガラスです。ただし、ここでいうガラスとは、単に透明でクラシックなガラスの照明器具の話はなく、Corbett Lighting社のグラデーションガラスを使ったKYOTOシャンデリアのような、着色されたガラス、波、気泡、リブの入ったガラス、そしてセクシーさを全面に押し出したガラスです。
10月26日に閉幕した2022年秋のハイポイントマーケットに登場した、最もエキサイティングなトレンドは、ガラスです。ただし、ここでいうガラスとは、単に透明でクラシックなガラスの照明器具の話はなく、Corbett Lighting社のグラデーションガラスを使ったKYOTOシャンデリアのような、着色されたガラス、波、気泡、リブの入ったガラス、そしてセクシーさを全面に押し出したガラスです。
シャンパンに浸したような仕上げに加えて、暗いスモーキーカラーのガラスが、大人気の1970年代にインスピレーションを得たデザインと、よりモダンなデザインの両方で注目を集めました。
Eichholtz社の華やかなNuvolaウォールランプは、流行を建築的に解釈したものであるといえるでしょう。
ガラス製の照明の写真を見る
Eichholtz社の華やかなNuvolaウォールランプは、流行を建築的に解釈したものであるといえるでしょう。
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Arteriors社のRomanシャンデリアは、スモーキーカラーの泡入りガラスとヴィンテージ風の真鍮製メダルを組み合わせたデザインに、今シーズンの大きなデザイントレンドのひとつである、「古典的な建築の引用」という手法を取り入れたものです。
アンティークのマーキュリー(水銀)ガラスも注目を集めています。このガラスをトランジショナルスタイルの部屋で用いると、現代的な中にクラシックな雰囲気を演出することができます。
Regina Andrew 社がSouthern Living誌とコラボレーションしたEmerson Bell Jarペンダントライト(写真)は、大きく大胆な形をしたオイル磨き仕上げのブロンズ製金具を水銀ガラスと組み合わせています。
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美しい石材
Wildwood社による大理石製のLiguriaランプは、今回のハイポイントマーケットの家具やアクセサリーのカテゴリーで非常に人気の高かったもうひとつの素材である、”大胆な石材”をデザインに取り入れています。
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涼しげな白色のカラーラ大理石は、どっしりとした姿に形作られたり、アクセントとして取り入れられたりしているのはいまだによく目にするものの、Liguriaランプに見られるようなくっきりとしたスジが入った色味のある石や、Barlettaランプのような内照式の明るい色味の石など、トレンドに斬新な進化が見られます。
自然からのインスピレーション
これまでに引き続き、今シーズンのハイポイントマーケットでも、自然の要素が形状と仕上げの双方においてトレンドの中心となっていました。多くのコレクションで編んだ素材(特に籐)が大きく取り上げられ、特に他の仕上げと組み合わされたり、アクセントとして取り入られたり、シンプルでありながら特大の形状に成形されているのを目にしました。
Becki Owens(ベッキー・オーウェンズ)がHudson Valley Lighting 社のためにデザインした、鳥カゴのようなJordanシャンデリアが良い例で、天然の籐材で製作され、真鍮製の金物がアクセントになっています。
これまでに引き続き、今シーズンのハイポイントマーケットでも、自然の要素が形状と仕上げの双方においてトレンドの中心となっていました。多くのコレクションで編んだ素材(特に籐)が大きく取り上げられ、特に他の仕上げと組み合わされたり、アクセントとして取り入られたり、シンプルでありながら特大の形状に成形されているのを目にしました。
Becki Owens(ベッキー・オーウェンズ)がHudson Valley Lighting 社のためにデザインした、鳥カゴのようなJordanシャンデリアが良い例で、天然の籐材で製作され、真鍮製の金物がアクセントになっています。
籐や竹を使ったディテールやアクセントもまた、人気が衰えていません。Hudson Valley Lighting社のFlorinaペンダントライトでは、天然の籐を編んだ花びらを白いコットン素材で縁取っています。
編んだ素材でない天然素材の場合は、写真のMindyテーブルランプ(これもベッキー・オーウェンズのデザイン)のディテールに見られるような、照明器具に巻き付けるデザインが多く見られました。皮革を巻いた照明器具も数多く見受けられました。
リビング照明はどう選ぶ?明るさや光の色、おすすめの照明器具の使い方
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月の照明器具
自然から形状を取り入れるという今シーズンの大きなトレンドの中にあって、小さな流行の兆しと見せたのが、月をモチーフにしたデザインです。今回の見本市では、ギリシャ神話の月の女神にインスピレーションを得たFine Art Handcrafted Lighting
社のSeleneウォールスコンス(写真)のような、クレーターのような凸凹があるつや消し仕上げ、天体のような暗いカラーパレット、文字通り月にインスピレーションを得たデザインが見られました。
自然から形状を取り入れるという今シーズンの大きなトレンドの中にあって、小さな流行の兆しと見せたのが、月をモチーフにしたデザインです。今回の見本市では、ギリシャ神話の月の女神にインスピレーションを得たFine Art Handcrafted Lighting
社のSeleneウォールスコンス(写真)のような、クレーターのような凸凹があるつや消し仕上げ、天体のような暗いカラーパレット、文字通り月にインスピレーションを得たデザインが見られました。
海辺のアクセント
今シーズンは、海をデザインに取り入れたものも多くありました。例えばマドガイの貝殻は、 Megan Molten(メーガン・モルテン)とMitzi Tastemakersコレクションのコラボレーションによる新作のMelisaシャンデリア(写真)を含め、美しい自然の虹色を多くの照明器具に添えています。
今シーズンは、海をデザインに取り入れたものも多くありました。例えばマドガイの貝殻は、 Megan Molten(メーガン・モルテン)とMitzi Tastemakersコレクションのコラボレーションによる新作のMelisaシャンデリア(写真)を含め、美しい自然の虹色を多くの照明器具に添えています。
魚のデザインは見られませんでしたが、珊瑚の形をしたデザインは数多く見られました。Wildwood社のSelectプログラムの一部であるSea Breezeウォールスコンスは、Benjamin Moore社の塗料のどの色にでも塗装してもらうことができます。
オーガニックな形状
今回のハイポイントマーケットでは、植物をモチーフにしたデザインが「満開」でした。花の完璧なレプリカや、バーモント州に本拠を置く Hubbardton Forge社が日本の梅の花にインスピレーションを受けて手作りしたUmeペンダントライトのガラスシェードに見られるような、より抽象的でオーガニックな形状が会場を彩りました。
今回のハイポイントマーケットでは、植物をモチーフにしたデザインが「満開」でした。花の完璧なレプリカや、バーモント州に本拠を置く Hubbardton Forge社が日本の梅の花にインスピレーションを受けて手作りしたUmeペンダントライトのガラスシェードに見られるような、より抽象的でオーガニックな形状が会場を彩りました。
エコフレンドリーな素材
リサイクルされた、またはリサイクル可能な天然の素材(ガラスや草、木、そしてリサイクルされた金属など)は、ハイポイントマーケットのホームインテリアのすべてのカテゴリーにおいて使用されていたことからも分かるように、多くの照明デザインに欠かせない存在であったといえるでしょう。例えばVaraluz社のPinionシャンデリアは、リサイクルされた鋼材に、環境にやさしいZen Gold仕上げを手作業で施しています。
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ゴールド、黒、そして白
インテリア業界では全体的に「色」が大きなカムバックを果たしていま。今回もあちこちの照明器具でカラフルなものをたくさん目にしました。
また、照明器具の仕上げに関しては、つや消しの黒色や白色、そして柔らかなゴールド色または真鍮色が引き続き主流であり、単色だけでなく、こうした色の組み合わせでも使われていました。
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また、照明器具の仕上げに関しては、つや消しの黒色や白色、そして柔らかなゴールド色または真鍮色が引き続き主流であり、単色だけでなく、こうした色の組み合わせでも使われていました。
アール・デコにインスピレーションを得たスタイリッシュなシルエットのCorbett Lighting社のAdaraペンダントライトは、ヴィンテージ調のゴールドリーフ(金箔)、白、黒を組み合わせることで、見事な効果を生み出しています。
アール・デコや現代美術に加えて、ミッドセンチュリーのモダンデザインが、多くの金色に輝く照明器具に影響を与えています。そのひとつが、Arteriors社のSacramentoシャンデリア(写真)です。
Houzz スタイル事典:アールデコ
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Corbett Lighting社の豪華なFreesiaウォールスコンス(写真)は、ヴィンテージ調の真鍮仕上げと、折りたたんだ幾何形状からなる斬新な見た目が特徴です。
数シーズンにわたった丸みを帯びた不定形のフォルムの流行を経て、エッジのある角ばったデザインが生み出すコントラストを、(特にアクセサリーや模様において)あちこちで見かけるようになりました。
インテリアを快適で華やかに!ウォールライトの上手な取り入れ方
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最上級のテーブルランプ
テーブルランプは多灯分散型の照明の鍵であり、多灯分散型の照明は部屋を完成させるための鍵であるといえます。幸運なことに、特にこのFour Hands社のCuitテーブルランプのような、トーテムポール風で、切り抜かれたような形状の彫刻的な照明器具など、今秋のハイポイントマーケットではまさにこの点に注目した製品が多く見られました。
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より伝統的なもの、あるいは伝統的でありながらモダンなひねりを加えたものを好む人向けには、今シーズンは十分な選択肢が提供されているといえるでしょう。
中国の花瓶を思わせる、Regina Andrew社のRoyalテーブルランプ(写真)は、ベース部分に加えられたクリスタルのきらめきによって、瞬時にして時間を超越した、スタイリッシュな姿になっています。
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一体化したLED照明
Arteriors社のSadieタスクランプは、帯状のLEDが器具に内蔵された、一体型のLED照明という、クラシックおよびモダンな照明デザインの世界に出現したトレンドを反映したものになっています。こうしたLEDは熱出力が低く(家具に埋め込んだり、繊細な布地と組み合わせたりするのに適している)、寿命が長く、細長く直線的なリボン形状で使用可能なため、多くの照明デザイナーに好んで使われるようになりました。
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