初回相談を有料にすべきか、無料にすべきか
最初の相談をどう進めれば、実際の仕事に繋げることができるのでしょうか。Houzzの専門家コミュニティーに意見を聞いてみました。
Houzz Japan
2019年3月11日
Houzz Japan 公式アカウント
見込み客との相談は、潜在顧客と出会い、ニーズを知り、住宅リフォームの専門家としての知識や見解を披露するための貴重な機会です。しかし、すべての相談がお金になる仕事に繋がるわけではありません。それを踏まえた上で、時間を有効につかうにはどうすればいいでしょうか?
「顧客に会いに行く前には、必ず電話を入れます」と話すのは、Emilie Fournet Interiorsのエミリー・フォーネットです。「そうすることで時間の節約になるし、相談に含まれる内容を正確に知っておいてもらえますから」
相談料を請求するか決めかねている方は、Houzzの専門家コミュニティーのアドバイスに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。この問題については多くの人が悩み、それぞれの対応策を見つけています。
「顧客に会いに行く前には、必ず電話を入れます」と話すのは、Emilie Fournet Interiorsのエミリー・フォーネットです。「そうすることで時間の節約になるし、相談に含まれる内容を正確に知っておいてもらえますから」
相談料を請求するか決めかねている方は、Houzzの専門家コミュニティーのアドバイスに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。この問題については多くの人が悩み、それぞれの対応策を見つけています。
相談料を請求する派
お金を取ることは、提供するサービス、アイデア、時間の価値を示す方法だと考えている人々は、相談料請求への賛成派です。「相談は、情報交換と、長年の貴重なビジネス経験に基づく専門的な意見を共有する場なのです」と話すのは、Fiona Duke Interiorsのフィオナ・デュークです。「顧客はあなたの時間、専門的な見解や知識にお金を払っているのです。もしも顧客が、自分たちの家とそのリフォーム方法に関する質問をしたいだけなら、私は1時間当たりの料金を請求するでしょう」
見込み客に相談料を請求したことによって、彼らが別の業者に依頼することを決めたとしても、あなたの時間が無駄にならずに済みます。「相談料を請求しないと、多くのアドバイスを『無料で』提供してしまうリスクがあり、ビジネスとしてうまく運営していくために良いこととは言えません」とデュークは言います。
同様に、Born and Bred Studioのリサ・メティスも、相談料は自身の時間や交通費に値するものでなければならないと考えています。「私の担当する指定地域内での打ち合わせであれば、通常は初回の相談に料金は請求しません。指定地域外の場合には、1時間当たりの相談料の50%をいただきます」
お金を取ることは、提供するサービス、アイデア、時間の価値を示す方法だと考えている人々は、相談料請求への賛成派です。「相談は、情報交換と、長年の貴重なビジネス経験に基づく専門的な意見を共有する場なのです」と話すのは、Fiona Duke Interiorsのフィオナ・デュークです。「顧客はあなたの時間、専門的な見解や知識にお金を払っているのです。もしも顧客が、自分たちの家とそのリフォーム方法に関する質問をしたいだけなら、私は1時間当たりの料金を請求するでしょう」
見込み客に相談料を請求したことによって、彼らが別の業者に依頼することを決めたとしても、あなたの時間が無駄にならずに済みます。「相談料を請求しないと、多くのアドバイスを『無料で』提供してしまうリスクがあり、ビジネスとしてうまく運営していくために良いこととは言えません」とデュークは言います。
同様に、Born and Bred Studioのリサ・メティスも、相談料は自身の時間や交通費に値するものでなければならないと考えています。「私の担当する指定地域内での打ち合わせであれば、通常は初回の相談に料金は請求しません。指定地域外の場合には、1時間当たりの相談料の50%をいただきます」
顧客が相談を受けるかどうかを決める前に、相談で何を得られるかを説明すると、なぜお金を取るのか理解してもらいやすくなります。顧客は、あなたに質問をする機会としての1時間にお金を払っているのでしょうか? 特定の製品に関するアイデアや部屋のレイアウト案を持ち帰ることができるのでしょうか?
どういう内容にするにしろ、相談の前に予想される内容を明確にしておくことは、顧客の満足につながり、相談したプロジェクトが継続する確率が高まるでしょう。
賛成派の多くは、相談料が顧客との相性を見極める最初のステップであると感じています。「相談料を厭わない人は、そのデザイナーとの仕事の継続を真剣に考えている、と主張する人もいます」と、メティスは言います。「そういう人たちは通常、連絡を取る前に相手の経歴やソーシャルメディアのアカウントを調べますので、そもそも必要性を感じた上で連絡をしてきているのです」
どういう内容にするにしろ、相談の前に予想される内容を明確にしておくことは、顧客の満足につながり、相談したプロジェクトが継続する確率が高まるでしょう。
賛成派の多くは、相談料が顧客との相性を見極める最初のステップであると感じています。「相談料を厭わない人は、そのデザイナーとの仕事の継続を真剣に考えている、と主張する人もいます」と、メティスは言います。「そういう人たちは通常、連絡を取る前に相手の経歴やソーシャルメディアのアカウントを調べますので、そもそも必要性を感じた上で連絡をしてきているのです」
無料で相談を引き受ける派
一方、多くの専門家は相談料の請求が顧客を遠ざけてしまいかねないと感じ、無料相談を行うことでオファーが増えるのではと思っています。「無料で初回の訪問をしておしゃべりした後、仕事につながらなかったことは一度もありません。ですから、相談はビジネスと信頼の構築のプロセスの一部とみなしています。合意に至る前のサービスに料金を請求したくありませんし、顧客に不快な思いをさせたくありません」と話すのは、No.8 Projectのタームシン・リーチ・グリフィスです。
さらに、無料相談は、見込み客が自分たちのニーズに合わない専門家にお金を払ってしまうのを恐れることなく、専門家と知り合える場でもあります。「初回の相談は見積りを出すために可能な限り情報を収集する場と捉えているので、料金は請求していません。顧客は仕事の依頼をする前に相手のことを知る機会を得られますし、無料相談は公平な取引だと思います」と話すのは、Brooke Copp-Barton | Home Interior Designです。
一方、多くの専門家は相談料の請求が顧客を遠ざけてしまいかねないと感じ、無料相談を行うことでオファーが増えるのではと思っています。「無料で初回の訪問をしておしゃべりした後、仕事につながらなかったことは一度もありません。ですから、相談はビジネスと信頼の構築のプロセスの一部とみなしています。合意に至る前のサービスに料金を請求したくありませんし、顧客に不快な思いをさせたくありません」と話すのは、No.8 Projectのタームシン・リーチ・グリフィスです。
さらに、無料相談は、見込み客が自分たちのニーズに合わない専門家にお金を払ってしまうのを恐れることなく、専門家と知り合える場でもあります。「初回の相談は見積りを出すために可能な限り情報を収集する場と捉えているので、料金は請求していません。顧客は仕事の依頼をする前に相手のことを知る機会を得られますし、無料相談は公平な取引だと思います」と話すのは、Brooke Copp-Barton | Home Interior Designです。
他の専門家たちも、無料相談は単にビジネスの一環であり、プロジェクトとの相性を知る機会だと感じています。House of Joanのレベッカ・ハーマンは、相談料は請求しないものの、初回の現場の下見は必ず行う理由をこう説明します。
「デザインをする空間で、顧客と対面で初回の相談を行うことが、私たちにとってはとても重要なのです。基本的な計測や写真撮影も行う、実地調査のための訪問ですね。私たちの専門的な見解や知識をお見せするというより、聞き取りを行うためのものだと捉えていますので、料金はいただきません」
「デザインをする空間で、顧客と対面で初回の相談を行うことが、私たちにとってはとても重要なのです。基本的な計測や写真撮影も行う、実地調査のための訪問ですね。私たちの専門的な見解や知識をお見せするというより、聞き取りを行うためのものだと捉えていますので、料金はいただきません」
中間点を見つける
お金を取ることに関する賛成派、反対派のどちらでもない層にとって、ちょうどいい解決策はその中間に落ち着けることかもしれません。つまり、正規の相談のように深く掘り下げない、短時間での無料相談です。「顧客の自宅で対面して行う初回の無料相談からは、彼らの暮らしぶりや趣味嗜好、この先のプロジェクトの全体像についての着想が得られます」と話すのは、Interior Therapyのヴィッキー・ニコルズです。
この相談方式ならば、顧客のお金が無駄になることはなく、専門家の時間も有効に使えます。「顧客の大半は、これまでインテリアデザイナーに仕事の依頼をしたことがなく、慎重になりがちです。ですから、彼らを安心させてお話ができるよい機会になっています」とニコルズは続けます。
相談中、専門家は顧客が話を進めるかどうかを決めるまで、デザインのアイデアや情報を共有しないようにすることもできます。
お金を取ることに関する賛成派、反対派のどちらでもない層にとって、ちょうどいい解決策はその中間に落ち着けることかもしれません。つまり、正規の相談のように深く掘り下げない、短時間での無料相談です。「顧客の自宅で対面して行う初回の無料相談からは、彼らの暮らしぶりや趣味嗜好、この先のプロジェクトの全体像についての着想が得られます」と話すのは、Interior Therapyのヴィッキー・ニコルズです。
この相談方式ならば、顧客のお金が無駄になることはなく、専門家の時間も有効に使えます。「顧客の大半は、これまでインテリアデザイナーに仕事の依頼をしたことがなく、慎重になりがちです。ですから、彼らを安心させてお話ができるよい機会になっています」とニコルズは続けます。
相談中、専門家は顧客が話を進めるかどうかを決めるまで、デザインのアイデアや情報を共有しないようにすることもできます。
無料の相談を引き受ける場合には、契約を結ぶために続くステップを知っておくことも肝心です。「初回の45分間の打ち合わせで、両者が必要な情報のすべてを収集した後、概要の詳細を改めて考えてみる時間があります」とメティスは話します。「もし指名を受けたら、現地調査のために現場へ戻り、デザインの工程を始めることにします」
初回の相談後、フォローアップとしてプロジェクトの費用を明確に記載したメールを送り、最初からコストに透明性を持たせることが重要です。初めからリラックスした環境をつくることは、どのような見込み客とも固い関係を築くのにとても大事です。
この記事は、Houzzインダストリーマーケティング・チームが執筆しました。
初回の相談後、フォローアップとしてプロジェクトの費用を明確に記載したメールを送り、最初からコストに透明性を持たせることが重要です。初めからリラックスした環境をつくることは、どのような見込み客とも固い関係を築くのにとても大事です。
この記事は、Houzzインダストリーマーケティング・チームが執筆しました。
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I agree the initial consultation is to listen to the client, determine their needs & more importantly see if we are a good fit. Following the initial meeting a quotation is prepared & contracts signed. The project requirements & fees are very clear. Once contracts are signed & deposit received we organise a site visit & start working on the design.