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サーキュラーエコノミー研究家・建築家に聞く、日本でも実践できるサステナブルな住まいづくりのヒント
サーキュラーエコノミーを意識した住まいづくりについて、オランダの動きを参考に、考えてみましょう。
杉田真理子
2023年7月28日
サーキュラーエコノミーという言葉をよく耳にするようになりましたが、企業や政府が行う取り込みとしてはまだまだあまり身近に感じられない、という人も多いのではないでしょうか。
今回は、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さんと、サーキュラーエコノミーの取り組みを日本に積極的に紹介されているオランダ在住の建築家・根津幸子さんにお話をお伺いしました。サーキュラーエコノミーの定義や、政府としてサーキュラーエコノミー推進を進めるオランダでの実践、日本の住まいづくりで実践できるサーキュラーエコノミーの考え方についてご紹介します。
今回は、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さんと、サーキュラーエコノミーの取り組みを日本に積極的に紹介されているオランダ在住の建築家・根津幸子さんにお話をお伺いしました。サーキュラーエコノミーの定義や、政府としてサーキュラーエコノミー推進を進めるオランダでの実践、日本の住まいづくりで実践できるサーキュラーエコノミーの考え方についてご紹介します。
サーキュラーエコノミーとは
世界人口の増加、それに伴う資源の減少と廃棄物の増加を受けて、環境問題が急速に緊急度を増す現在。サーキュラーエコノミー(循環経済)という概念が、注目を集めています。資源の価値を減らすことなく再生・再利用し続ける仕組みづくりを軸に据えた循環型の経済モデルを指します。
サーキュラーエコノミー研究家・安居昭博さんは「サーキュラーエコノミーの前提にあるのは、『地球には限界がある』という考え方です」と話します。「年間成長率10%のような極度な経済の永続的成長は不可能であり、また経済成長が万能の指標ではないことが明らかになった現代では、経済、環境、人々の幸福度合いのそれぞれの合理的側面からサーキュラーエコノミーが進められています」と説明します。
多くの資材を使用し、同時に多くの廃棄物も出す建築業界でも、サーキュラーエコノミーの重要性が高まってきています。アムステルダムを拠点に活動する建築事務所・URBANBERRY DESIGNの建築家・根津幸子さんは、「素材、加工、施工、解体全ての過程が建築には関わっているからこそ、建築家として、サーキュラーエコノミーに取り組む必要性を感じています」と話します。
根津さんがサーキュラーエコノミーを意識しはじめたきっかけは、10年前、リノベーションが決まった建築博物館が閉会中に、廃材を使用して小規模の分館を作ろうという設計のプロジェクトでした。「クライアントを含め、ステークホルダー全員にサステナビリティに関する意識があり、刺激を受けました」
世界人口の増加、それに伴う資源の減少と廃棄物の増加を受けて、環境問題が急速に緊急度を増す現在。サーキュラーエコノミー(循環経済)という概念が、注目を集めています。資源の価値を減らすことなく再生・再利用し続ける仕組みづくりを軸に据えた循環型の経済モデルを指します。
サーキュラーエコノミー研究家・安居昭博さんは「サーキュラーエコノミーの前提にあるのは、『地球には限界がある』という考え方です」と話します。「年間成長率10%のような極度な経済の永続的成長は不可能であり、また経済成長が万能の指標ではないことが明らかになった現代では、経済、環境、人々の幸福度合いのそれぞれの合理的側面からサーキュラーエコノミーが進められています」と説明します。
多くの資材を使用し、同時に多くの廃棄物も出す建築業界でも、サーキュラーエコノミーの重要性が高まってきています。アムステルダムを拠点に活動する建築事務所・URBANBERRY DESIGNの建築家・根津幸子さんは、「素材、加工、施工、解体全ての過程が建築には関わっているからこそ、建築家として、サーキュラーエコノミーに取り組む必要性を感じています」と話します。
根津さんがサーキュラーエコノミーを意識しはじめたきっかけは、10年前、リノベーションが決まった建築博物館が閉会中に、廃材を使用して小規模の分館を作ろうという設計のプロジェクトでした。「クライアントを含め、ステークホルダー全員にサステナビリティに関する意識があり、刺激を受けました」
オランダにおけるサーキュラーエコノミーの実践
安居さんは、オランダ・アムステルダムと日本を拠点に、サーキュラーエコノミー研究家 / サスティナブル・ビジネスコンサルタントとして、これまで100を超える日系企業・自治体に向けオンライン講習会やオランダでの視察イベントを開催してきました。「サステナアワード2020」では環境省環境経済課長賞を受賞し、世界経済フォーラムGlobal Future Councilの日本代表を務めるなど、日本でも注目の集まるサーキュラーエコノミーについて、幅広い活動を行っています。
建材やインテリア、食事などあらゆる分野でサーキュラーエコノミーの考え方を取り入れた施設「CIRCL」や、本来捨てられるはずだった素材からジーンズをつくるブランド「マッドジーンズ」など、意識だけでなく、ビジネス的にも成功している企業や取り組みがオランダには多数存在する、と安居さんは話します。
建築家である根津さんは、日本でのオフィスビルデザイン、オランダでの団地エリアのソーシャルプロジェクトなど、普段の設計活動から、サーキュラーエコノミーの可能性を取り入れたデザインの提案を行っていると話します。「まずは、地域の素材を使用すること。そして、設計段階から、解体時のことも考えて設計します」
設計段階から、解体業者に相談することもあるそうです。「解体業者は、どこで何がいつ解体されるかのデータを知っています。なので、解体されたばかりの使用可能な廃材と、つなげてくれることもあるんです。使える素材を焼却してしまうのは勿体ないです。その費用で人を雇い資源をアップサイクルしています」と根津さん。オランダでは、素材の詳細情報をきちんと記録し、再利用や流通の管理を行う「マテリアル・パスポート」という取り組みもなされているとのこと。再生可能性を意識した素材流通の仕組み作りを試しているようです。
安居さんは、オランダ・アムステルダムと日本を拠点に、サーキュラーエコノミー研究家 / サスティナブル・ビジネスコンサルタントとして、これまで100を超える日系企業・自治体に向けオンライン講習会やオランダでの視察イベントを開催してきました。「サステナアワード2020」では環境省環境経済課長賞を受賞し、世界経済フォーラムGlobal Future Councilの日本代表を務めるなど、日本でも注目の集まるサーキュラーエコノミーについて、幅広い活動を行っています。
建材やインテリア、食事などあらゆる分野でサーキュラーエコノミーの考え方を取り入れた施設「CIRCL」や、本来捨てられるはずだった素材からジーンズをつくるブランド「マッドジーンズ」など、意識だけでなく、ビジネス的にも成功している企業や取り組みがオランダには多数存在する、と安居さんは話します。
建築家である根津さんは、日本でのオフィスビルデザイン、オランダでの団地エリアのソーシャルプロジェクトなど、普段の設計活動から、サーキュラーエコノミーの可能性を取り入れたデザインの提案を行っていると話します。「まずは、地域の素材を使用すること。そして、設計段階から、解体時のことも考えて設計します」
設計段階から、解体業者に相談することもあるそうです。「解体業者は、どこで何がいつ解体されるかのデータを知っています。なので、解体されたばかりの使用可能な廃材と、つなげてくれることもあるんです。使える素材を焼却してしまうのは勿体ないです。その費用で人を雇い資源をアップサイクルしています」と根津さん。オランダでは、素材の詳細情報をきちんと記録し、再利用や流通の管理を行う「マテリアル・パスポート」という取り組みもなされているとのこと。再生可能性を意識した素材流通の仕組み作りを試しているようです。
サーキュラーエコノミーと建築
「家具などのプロダクトレベルであればリサイクルやアップサイクルは個人でも出来ます。しかし建築家は、多くの要素を組み合わせて全体をつくるのが仕事。広い視野で取り組んで行ける分、可能性をあらゆる切り口で見つけ、発展させることができます」と根津さんは話します。
「サーキュラーエコノミーのアプローチがもはや無数にあるなかで、オランダでは最も費用対効果の高い分野や領域から取り組むことが重視されています。アムステルダム市はアプローチの優先順位を決定するためにマテリアル・フロー・アナリシス(資源流動分析)を用いています」と安居さん。その結果を受けて特に重視されている分野が、建築業界です。
先述の「CIRCL」という施設は、建てる時の段階から、「解体時に全ての建材を分解して再活用することを考えて」作られているサステナブルな建築の事例です。接着剤を使用せずに金具で留める建築工法、複合材よりも単一素材を優先した設計、法律上最大限のリサイクルコンクリートの使用など、「素材の価値を落とさずに資源として半永久的に使い続ける」ことを念頭に置いたつくりとなっています。
金属は、混合物である場合、リサイクルがしにくいという事実があります。例えば鉛が入っていると、食品関係のプロダクトにリサイクルできません。「建築分野でサーキュラーエコノミーを進める上では、再活用の用途を広く保つために出来るだけ単一素材のものを使うことが重視されています。また、それぞれの建材にQRコードをつけ素材のデータを次世代に残すことで、再利用を促す仕組みも導入され始めています」と安居さん。
日本でサステナブル建築を提供している建築家を探す
「家具などのプロダクトレベルであればリサイクルやアップサイクルは個人でも出来ます。しかし建築家は、多くの要素を組み合わせて全体をつくるのが仕事。広い視野で取り組んで行ける分、可能性をあらゆる切り口で見つけ、発展させることができます」と根津さんは話します。
「サーキュラーエコノミーのアプローチがもはや無数にあるなかで、オランダでは最も費用対効果の高い分野や領域から取り組むことが重視されています。アムステルダム市はアプローチの優先順位を決定するためにマテリアル・フロー・アナリシス(資源流動分析)を用いています」と安居さん。その結果を受けて特に重視されている分野が、建築業界です。
先述の「CIRCL」という施設は、建てる時の段階から、「解体時に全ての建材を分解して再活用することを考えて」作られているサステナブルな建築の事例です。接着剤を使用せずに金具で留める建築工法、複合材よりも単一素材を優先した設計、法律上最大限のリサイクルコンクリートの使用など、「素材の価値を落とさずに資源として半永久的に使い続ける」ことを念頭に置いたつくりとなっています。
金属は、混合物である場合、リサイクルがしにくいという事実があります。例えば鉛が入っていると、食品関係のプロダクトにリサイクルできません。「建築分野でサーキュラーエコノミーを進める上では、再活用の用途を広く保つために出来るだけ単一素材のものを使うことが重視されています。また、それぞれの建材にQRコードをつけ素材のデータを次世代に残すことで、再利用を促す仕組みも導入され始めています」と安居さん。
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サーキュラーエコノミーを意識した住宅づくりとは
住まいづくりから、サーキュラーエコノミーに貢献するにはどのような意識が大切なのでしょうか。
住まいづくりから、サーキュラーエコノミーに貢献するにはどのような意識が大切なのでしょうか。
- まずは意思表示から
根津さんは、建築家、あるいはクライアントに対し、「サーキュラーエコノミーを意識した家をつくりたい」という意思を示すことから始めるべきだと話します。理解を得ながら進めることで、そのプロセスを積極的に楽しむことが大切です。建築家の中でもまだまだサーキュラーな建築は新しく、どの様なアプローチが取れるのか漠然としか把握できていない人も多いと思いますが、これから設計する建物の50年後をイメージして、どのように手を入れたいか考えることから始めても良いかもしれません。計画初期の段階から材料、構造、環境計画などの要素を一つずつ紐解いていくこともお勧めします。 - 分解できる設計
「建築にはやはり、どのような建材で、それをどのように使うかが大切です」と根津さん。「最初からサーキュラーエコノミーを意識して、解体時のダメージが少なくなるように分解出来るように設計するのも方法の一つです」例えば木材の場合、釘を使うと解体が難しかったり、素材の強度が落ちてしまうこともあるので、日本に伝統的にある木造軸組工法を取り入れても良いですね。 - 地域の資源を使用する
「地元の、手に入る材料を活用しましょう。日本は元々里山文化があり、裏山で取れた資材で生活に必要な家、家具、道具を作っていました」と根津さん。安居さんも、国産材を活かした住宅づくりに日本の建築の良さがあると話します。オランダは国土が小さく森林面積も大きくないため日本のように国産木材を利用したくても難しい状況にあります。一方で例えば熊本県・小国町では小国杉が有名で建物や家具に活用されています。独特の明るい色合いが美しく油分を豊富に含むので手触りが良い木材です。建材に使う木材はその土地で育ったものの方がやはり気候への耐性や修理の観点から適しているそうで、小国町に限らず奈良の吉野杉や京都の北山杉、北海道のカラマツ等、各地域の高品質木材を建材に使用できる環境にある日本は本当に恵まれているなと感じます。サーキュラーエコノミーによって建築分野で長期的視点がより重視されるようになれば、ますますそれぞれの地域の木材を活用することへの関心が高まるでしょう。
- 再生可能なエネルギー
「元々の日本の家の断熱構造は周辺環境と密接に関連づけて設計がなされていたそうです。しかし、周辺環境が大きく変化している現代では、今の時代に合わせた構造が大切になってくると感じます。その土地の自然の力を最大限活用するパッシブデザインの考えやサスティナビリティの観点を取り入れた新たな断熱工法、最新のテクノロジーでエネルギー効率を最大限高める建築など。3Dプリンターやレーザーカッターを用いたデジタルファブリケーションもサーキュラーエコノミーとの相性が良いように感じます」と安居さんは話します。アムステルダムには、コミュニティ内でエネルギーを共有するシステムを作り、使用していないエネルギーを隣家にシェアするなど、無駄の出ない取り組みが実験的に進められています。
根津さんは現在、屋根の形を工夫し、雨水をためて活用しやすい住宅を設計・施工しています。「庭やトイレに雨水を使うなど工夫するほか、コンポストをつくるのも良いですね」オランダではエネルギー効率の基準が決められていて、建築許可申請時にその仕様も提出しなくてはいけません。例えば屋根にあまりソーラーパネルを置きたくない場合、窓を3重ガラスにして断熱効率をあげたり、温水の熱を再利用するポンプを取り付けたり、建物ひとつでも手の加え方に様々な選択肢があります。
- カスケード利用
資源やエネルギーを利用すると品質が下がりますが、その下がった品質レベルに応じて何度も利用する「カスケード利用」も効果的です。
「古材を使うと、それ自体にストーリーがあります。誰がどうして買って、どの様な空間で使い、どの様な思い出があるかなど。このストーリーも製品の付加価値として捉えると良いですね」と根津さんは話します。 - 心地よさを大切にする
サーキュラーエコノミーでは「People Planet Profit(経済、環境、人間の幸福度)」という「3つのP」のバランスが重要視されています。、建築でも経済的側面と環境に良いことに加え、そこに住む人が本当に快適で幸せかといった視点も改めて評価されつつあります」と安居さん。
サーキュラーエコノミーを意識するうえで気をつけるべきこと
「今後日本で断熱構造やエネルギー効率の優れた建物が普及するためには、一般の方々にまずは体験してもらう機会が鍵になるように思います」と安居さん。「僕自身ドイツ留学中に住んだ学生寮がたまたま断熱構造の優れた建物だったのですが、そこで初めて冷暖房にあまり頼らないで過ごせる建物の快適さを体験しました。そこで断熱構造やエネルギー効率の良さの価値に気がつくことになり、以後自分の住む建物のことも以前より深く考えるようになりました。日本でもワーケーションや他拠点居住などで様々な建物を拠点にする生活が浸透してきているので、実際に短期間でも住んで体験をすることで、自分が家づくりをする際や建築家に相談する時に断熱構造やエネルギー効率に価値を見出すように役立つのではと思います」
根津さんは「設計から施工まで時間がかかることを覚悟して、楽しむ」ことの大切さを話します。「建材のマーケットが成熟しておらず、今はリサーチ段階から始めなくてはいけないので、やはり時間も労力もかかります。個人住宅の場合、ある意味カスタムメイドとなる部分が増えるので、プロセスそのものを楽しめるようになると良いですね」
「今後日本で断熱構造やエネルギー効率の優れた建物が普及するためには、一般の方々にまずは体験してもらう機会が鍵になるように思います」と安居さん。「僕自身ドイツ留学中に住んだ学生寮がたまたま断熱構造の優れた建物だったのですが、そこで初めて冷暖房にあまり頼らないで過ごせる建物の快適さを体験しました。そこで断熱構造やエネルギー効率の良さの価値に気がつくことになり、以後自分の住む建物のことも以前より深く考えるようになりました。日本でもワーケーションや他拠点居住などで様々な建物を拠点にする生活が浸透してきているので、実際に短期間でも住んで体験をすることで、自分が家づくりをする際や建築家に相談する時に断熱構造やエネルギー効率に価値を見出すように役立つのではと思います」
根津さんは「設計から施工まで時間がかかることを覚悟して、楽しむ」ことの大切さを話します。「建材のマーケットが成熟しておらず、今はリサーチ段階から始めなくてはいけないので、やはり時間も労力もかかります。個人住宅の場合、ある意味カスタムメイドとなる部分が増えるので、プロセスそのものを楽しめるようになると良いですね」
日本での取り入れられるヒント
もちろん、オランダやデンマークの事例を、気候も風土も異なる日本でそのままコピーすることはできません。しかし、日本に目を凝らしてみると、昔からの知恵はもちろん、現在でも良い事例がたくさんあります。「高品質な国産素材の使用だけでなく、釘さえも使わずに木材を組む工法など、サーキュラーエコノミーが浸透することで世界から注目を集め得る日本の技術や知恵は数多くあると思います」と安居さん。「日本のプレゼンスをもっと上げていければ、国外へのビジネスチャンスにもなるのではないでしょうか」
根津さんは、サーキュラーを意識したサステナブルな建材の選択肢をまずは日本でも増やす必要がある、と話します。「建築家やデザイナーが企業と組んで、アップサイクル出来る素材の可能性を探ることも大切ですね」
ただ昔に戻れば良いということではなく、現代の新しいテクノロジーも駆使しながら、サーキュラーエコノミーを少しずつ実践していく必要がありそうです。行政や企業に任せきりにせず、住まいづくりをきっかけに、ぜひサーキュラーエコノミーを考えてみてください。
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根津さんは、サーキュラーを意識したサステナブルな建材の選択肢をまずは日本でも増やす必要がある、と話します。「建築家やデザイナーが企業と組んで、アップサイクル出来る素材の可能性を探ることも大切ですね」
ただ昔に戻れば良いということではなく、現代の新しいテクノロジーも駆使しながら、サーキュラーエコノミーを少しずつ実践していく必要がありそうです。行政や企業に任せきりにせず、住まいづくりをきっかけに、ぜひサーキュラーエコノミーを考えてみてください。
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