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自然光の位置と色をヒントにした、心地よい室内照明の選び方とは?
一日の時間の流れに合わせて、人が心地よく感じる光の位置と高さ。自然光をお手本に時間帯ごとに照明の光を選ぶのは、とてもシンプルで理にかなった方法です。
新貝裕美|Hiromi Shinkai
2018年7月25日
心地よい部屋をつくるための照明を考えるとき、太陽の光の位置や色は大きなヒントになります。太陽は、朝から昼にかけて高い位置に昇っていき、昼から夕方にかけて、光の色を変えながらゆっくりと低い位置に降りていきます。毎日目にしているこの太陽の動きと光の色の変化は、実は私たちの生活の中にすでに取り入れられています。あとは、必要に合わせた活用方法を知るだけです。今回は、太陽の光の位置と色が、「心地よい部屋づくり」にどのように関係しているのかをご紹介します。
自然光の位置と人間の暮らしのリズム
私たちにとって快適な光とは、どのような光でしょう。それは、違和感なく自然な気持ちで過ごすことができる光。私たちの生活リズムを整えてくれる、最も身近な「太陽の光」です。
一日の太陽の位置と人間の基本的な生活リズムの関係を考えてみましょう。私たちが活動的に過ごす昼間は、高い位置にある太陽から光が降り注ぎます。そして一日の活動を終えスローダウンする夕方には、太陽の光は低い位置に移動し、下の方から包み込むような光を放ちます。この上から照らす光と下の位置からの光が、心地よい部屋づくりの一つのポイントになります。
私たちにとって快適な光とは、どのような光でしょう。それは、違和感なく自然な気持ちで過ごすことができる光。私たちの生活リズムを整えてくれる、最も身近な「太陽の光」です。
一日の太陽の位置と人間の基本的な生活リズムの関係を考えてみましょう。私たちが活動的に過ごす昼間は、高い位置にある太陽から光が降り注ぎます。そして一日の活動を終えスローダウンする夕方には、太陽の光は低い位置に移動し、下の方から包み込むような光を放ちます。この上から照らす光と下の位置からの光が、心地よい部屋づくりの一つのポイントになります。
照明器具も同じ考え方で
この太陽の光の位置を、部屋の照明器具で考えてみましょう。たとえば、昼間の太陽は天井に設置された照明器具からの光、夕方の太陽の光は低い位置に置かれた照明器具の光にたとえることができます。つまり、家事や勉強など人が活動する時間帯には、昼間の太陽と同じように上方向からの光で室内を照らすのが適していると言えます。
この太陽の光の位置を、部屋の照明器具で考えてみましょう。たとえば、昼間の太陽は天井に設置された照明器具からの光、夕方の太陽の光は低い位置に置かれた照明器具の光にたとえることができます。つまり、家事や勉強など人が活動する時間帯には、昼間の太陽と同じように上方向からの光で室内を照らすのが適していると言えます。
リラックスしたいときは、上からの光を消して、夕方の太陽の光のように低い位置の光をつけると、照らされた室内はくつろぎの空間へと変わります。
昼から夜へ、体勢の変化や生活リズムに合わせた光を
照明器具の位置が上から下へと下がるにつれ、光は部屋全体を照らすものから、部屋の一部を照らすものへと変わります。
照明器具の位置が上から下へと下がるにつれ、光は部屋全体を照らすものから、部屋の一部を照らすものへと変わります。
この光の位置の変化は、、日中の大半は立ったり座ったりしながら活動し、夕方以降は座ってくつろぎ、夜は横になって眠るという、私たちの体勢の変化や生活リズムに合っています。
このように、光の位置を変化させ、気分や行動に合わせたさまざまなシーンをつくりたい場合は、一室一灯ではなく、一部屋に二つ以上の照明器具がある一室多灯をおすすめします。
このように、光の位置を変化させ、気分や行動に合わせたさまざまなシーンをつくりたい場合は、一室一灯ではなく、一部屋に二つ以上の照明器具がある一室多灯をおすすめします。
写真は、ダウンライトとペンダント、スタンドの3種類の照明器具を使用した一室多灯の例。ダウンライトを使うことで、天井面はすっきりとし、天井から下がったペンダントが空間のポイントになっています。
昼白色や電球色、光の色の名称
では、光の位置に何を加えれば、より心地よい空間にすることができるでしょう。それは、光の色です。光が真上から垂直に私たちを照らす、昼間の太陽光の色は白。電球の色でいうと「昼白色」で、活動の空間に適した光の色です。光が斜めから私たちを照らす夕陽の色はオレンジ。電球の色は「電球色」で、くつろぎの空間に適した光の色です。
光の色の名称は、白熱灯、蛍光灯、LEDでも統一されており、「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」と呼ばれています。ただし、メーカーによって「電球色相当」と呼んでいる場合もあります。お店でパッケージを見比べてみてください。
では、光の位置に何を加えれば、より心地よい空間にすることができるでしょう。それは、光の色です。光が真上から垂直に私たちを照らす、昼間の太陽光の色は白。電球の色でいうと「昼白色」で、活動の空間に適した光の色です。光が斜めから私たちを照らす夕陽の色はオレンジ。電球の色は「電球色」で、くつろぎの空間に適した光の色です。
光の色の名称は、白熱灯、蛍光灯、LEDでも統一されており、「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」と呼ばれています。ただし、メーカーによって「電球色相当」と呼んでいる場合もあります。お店でパッケージを見比べてみてください。
光の色を数値で表すと
少し専門的になりますが、この光の色と関連するのが「色温度」です。「色温度」とは、光源が発する光の色を数値で表したもので、単位は「K(ケルビン)」を用います。電球色は2700K・3000K。温白色は3500K。白色は4000K。昼白色は5000K。昼光色は6500Kになります。私たちの生活で使用されている光源の一般的な色温度は、夕方の太陽の光で2000〜3000K。ホテルやレストランの光は2500〜3300K。住空間(リビング)の光は3000K〜4000K。オフィスの光は4500〜5000K。昼間の太陽の光は5500〜6000Kです。光の色は、数値が低いとオレンジがかった色になり、高くなると青味がかっていきます。
少し専門的になりますが、この光の色と関連するのが「色温度」です。「色温度」とは、光源が発する光の色を数値で表したもので、単位は「K(ケルビン)」を用います。電球色は2700K・3000K。温白色は3500K。白色は4000K。昼白色は5000K。昼光色は6500Kになります。私たちの生活で使用されている光源の一般的な色温度は、夕方の太陽の光で2000〜3000K。ホテルやレストランの光は2500〜3300K。住空間(リビング)の光は3000K〜4000K。オフィスの光は4500〜5000K。昼間の太陽の光は5500〜6000Kです。光の色は、数値が低いとオレンジがかった色になり、高くなると青味がかっていきます。
このように、光の位置と色を組み合わせることで、自然界の太陽の光と位置を、部屋の中に心地よく取り入れることができます。まずは一日の終わり、くつろぎの時間に天井の光を消して、低い位置に光を置いてみましょう。低い位置で部屋の一部を照らす光は、心地よいパーソナルな光となり、今日一日の出来事を振り返るなど、有意義な時間を過ごすことができるはずです。ぜひ、試してみてください。
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