改めて見直そう。自然災害に備えてやるべきこと
一時避難時と二次避難時、目的の違う両方の対策、災害に備えて部屋別にすべきこと、そしてとっさの10秒でできること。ぜひ復習しておきましょう。
新倉暁子
2016年8月31日
短期大学卒業後百貨店で外資系ブランドの販売、ディスプレイ、顧客管理等に携わった後、語学留学の為渡英、帰国後外資系企業の営業事務等を経て結婚、出産。
出産を機に、自宅で過ごす時間が増えインテリアや暮らしについて深く考える。
モノだけ一生懸命片付けても「心地よい暮らし」はやってこない。住空間だけでなく・時間・子育て環境/働き方・情報と思考の整理整頓をバランスよく暮らし全般を整えることの大切さを提案。
元片付けられない女の経験を活かした片付け講座、個人向け片付けサポートなどに携わる。
北欧視察したことをきっかけに、人々の暮らしにおける考え方に強く共感。”幸福度の高い北欧ライフスタイル研究と発信。北欧流Lgoma(ラゴム)な暮らし方、モノとコトの整頓をサービスしている。
北欧の暮らしから「ちょうどいい」幸せのカタチを発信する「北欧くらしラボ/ミッケリュッカプロジェクト」の共同発起人
HP:http://studio-cozy-home.com/
ブログ: http://ameblo.jp/dear0412
短期大学卒業後百貨店で外資系ブランドの販売、ディスプレイ、顧客管理等に携わった後、語学留学の為渡英、帰国後外資系企業の営業事務等を経て結婚、出産。
出産を機に、自宅で過ごす時間が増えインテリアや暮らしについて深く考える。
モノだけ一生懸命片付けても「心地よい暮らし」はやってこない。住空間だけでなく・時間・子育て環境/働き方・情報と思考の整理整頓をバランスよく暮らし全般を整えることの大切さを提案。
元片付けられない女の経験を活かした片付け講座、個人向け片付けサポートなどに携わる。
北欧視察したことをきっかけに、人々の暮らしにおける考え方に強く共感。”幸福度の高い北欧ライフスタイル研究と発信。北欧流Lgoma(ラゴム)な暮らし方、モノとコトの整頓をサービスしている。
北欧の暮らしから「ちょうどいい」幸せのカタチを発信する「北欧くらしラボ/ミッケリュッカプロジェクト」の共同発起人
HP:
ブログ:... もっと見る
防災グッズを備え、ときどき見直すのと同じように、普段から防災に関する知識を忘れないよう、ときどき「ブラッシュアップ」をしておくと、とっさの場合にもあわてずに対処できます。家族で防災対策の見直しと安全な暮らしについて話し合う機会をもってみてはいかがでしょうか。
防災対策、一次避難時と二次避難時の違い
地震、台風、火山噴火、津波など、私達の国日本を襲う自然災害の種類は多種多様です。防災対策に関しても、とっさに逃げる場合のための「一次避難時」用なのか、通常の生活が困難になり、避難生活を送ることになった場合のための「二次避難時」用なのかを明確にし、準備を整えなくてはなりません。
地震、台風、火山噴火、津波など、私達の国日本を襲う自然災害の種類は多種多様です。防災対策に関しても、とっさに逃げる場合のための「一次避難時」用なのか、通常の生活が困難になり、避難生活を送ることになった場合のための「二次避難時」用なのかを明確にし、準備を整えなくてはなりません。
一次避難時と二次避難時で防災グッズの収納適所を考える
防災用品を準備するとき、部屋のどこに収納するのが適正なのか、アドバイスを求められることがありますが、私がまず言っているのは、とにかく1ヶ所に防災用品をまとめて収納しないことです。
片付けがしやすい収納のセオリーとしては、なるべく同じ種類のモノをまとめ、分散させずに収納することが基本ですが、防災用品に限ってはそうではありません。1ヶ所にまとめて収納したとき、地震などで家具が倒れてその場所がふさがってしまう、浸水で非常用保存食がすべてダメになってしまう、といったリスクを防ぐためです。
また、どの部屋にいるときに被害に遭うかわかりませんし、玄関から脱出できるとも限りません。そのような事態を踏まえて、防災グッズは分散させて収納し、とっさのときに持って逃げるための非常用持ち出し袋の置き場所は、最低でも2ヶ所ほど設けておくと安心かもしれません。
防災用品を準備するとき、部屋のどこに収納するのが適正なのか、アドバイスを求められることがありますが、私がまず言っているのは、とにかく1ヶ所に防災用品をまとめて収納しないことです。
片付けがしやすい収納のセオリーとしては、なるべく同じ種類のモノをまとめ、分散させずに収納することが基本ですが、防災用品に限ってはそうではありません。1ヶ所にまとめて収納したとき、地震などで家具が倒れてその場所がふさがってしまう、浸水で非常用保存食がすべてダメになってしまう、といったリスクを防ぐためです。
また、どの部屋にいるときに被害に遭うかわかりませんし、玄関から脱出できるとも限りません。そのような事態を踏まえて、防災グッズは分散させて収納し、とっさのときに持って逃げるための非常用持ち出し袋の置き場所は、最低でも2ヶ所ほど設けておくと安心かもしれません。
一次避難時(生きるための対策)
避難するときは、両手が空くリュックサックがおすすめです。アウトドア用品は性能もよく、入手もしやすいうえ、普段部屋の片隅に置いていても、見た目に「いかにも非常用」という感じになりにくいのでおすすめです。
リュックサックの中には、LED懐中電灯、飲料水(走って逃げても重くないぐらいの量に)、応急処置用の救急セット(絆創膏など止血対応グッズも忘れずに)、非常食(数日分)、アルミ毛布(サバイバルシート)、乾電池、カイロ、ティッシュペーパー、ソーラー式充電器、ホイッスルなどを入れておくとよいでしょう。
避難するときは、両手が空くリュックサックがおすすめです。アウトドア用品は性能もよく、入手もしやすいうえ、普段部屋の片隅に置いていても、見た目に「いかにも非常用」という感じになりにくいのでおすすめです。
リュックサックの中には、LED懐中電灯、飲料水(走って逃げても重くないぐらいの量に)、応急処置用の救急セット(絆創膏など止血対応グッズも忘れずに)、非常食(数日分)、アルミ毛布(サバイバルシート)、乾電池、カイロ、ティッシュペーパー、ソーラー式充電器、ホイッスルなどを入れておくとよいでしょう。
二次避難時(生き残ってからの対策)
被災後の避難生活で過ごすために必要なものを準備しておきましょう。水が容易に使えないことも想定しなくてはなりません。これは家族の年齢などによって変わってきます。日ごろから話し合いをし、「いざというとき」のいろいろな場合をシミュレーションしておくとよいでしょう。
非常食や食器、携帯用バケツ、歯ブラシなどの日用品、家族分の水の7日分を二次避難時用として、一次避難時のセットとは別に保管しておくことをおすすめします。
片付け・収納アドバイザーを探す
被災後の避難生活で過ごすために必要なものを準備しておきましょう。水が容易に使えないことも想定しなくてはなりません。これは家族の年齢などによって変わってきます。日ごろから話し合いをし、「いざというとき」のいろいろな場合をシミュレーションしておくとよいでしょう。
非常食や食器、携帯用バケツ、歯ブラシなどの日用品、家族分の水の7日分を二次避難時用として、一次避難時のセットとは別に保管しておくことをおすすめします。
片付け・収納アドバイザーを探す
場所別、災害に備えてできること
次に、どんな防災対策が考えられるか、住まいのスペースごとにまとめてみました。
玄関付近
玄関の扉から出入りできると仮定して、持ち出し用袋の一次避難用品を保管しましょう。万一扉が歪んで開かなくなってもこじ開けることができるように、バールのような工具も近くに収納しておくといいかもしれません。
次に、どんな防災対策が考えられるか、住まいのスペースごとにまとめてみました。
玄関付近
玄関の扉から出入りできると仮定して、持ち出し用袋の一次避難用品を保管しましょう。万一扉が歪んで開かなくなってもこじ開けることができるように、バールのような工具も近くに収納しておくといいかもしれません。
廊下
ただでさえ幅にゆとりが少ない廊下です。通行の妨げにならないように普段からモノを出しっぱなしにせず、スムーズに通行できる避難経路を確保しましょう。
ただでさえ幅にゆとりが少ない廊下です。通行の妨げにならないように普段からモノを出しっぱなしにせず、スムーズに通行できる避難経路を確保しましょう。
掃き出し窓の近く
玄関から逃げられなくなった場合、次に考えられる避難出口になるかもしれません。近くに靴やアウターも意識して収納しておくといいと思います。
床下収納
キッチンや洗面室にあることが多い床下収納。食品など期限があるものを入れるとついつい忘れがちですが、忘れない工夫をすれば、防災グッズの収納に有効活用できます。ただし洪水の際には水没する恐れもありますので、その点を配慮した防災用品を収納するといいでしょう。
玄関から逃げられなくなった場合、次に考えられる避難出口になるかもしれません。近くに靴やアウターも意識して収納しておくといいと思います。
床下収納
キッチンや洗面室にあることが多い床下収納。食品など期限があるものを入れるとついつい忘れがちですが、忘れない工夫をすれば、防災グッズの収納に有効活用できます。ただし洪水の際には水没する恐れもありますので、その点を配慮した防災用品を収納するといいでしょう。
キッチン
我が家では、普段使いの食料品(レトルトや缶詰など)を、いつも少し多めに買いおきすることを心がけ、それを非常用を兼ねた備蓄食料としてストックしています。製造年月日の古いものから消費していき、使った分はまた買い足して一定の在庫をもつという「ローリングストック法」という方式です。非常用保存食の味見をしておくことも意外と重要です。また、キッチンツールなど出しっぱなしのアイテムを最小限にすることも、危険防止につながります。
片付け収納の観点から考える防災対策とは
我が家では、普段使いの食料品(レトルトや缶詰など)を、いつも少し多めに買いおきすることを心がけ、それを非常用を兼ねた備蓄食料としてストックしています。製造年月日の古いものから消費していき、使った分はまた買い足して一定の在庫をもつという「ローリングストック法」という方式です。非常用保存食の味見をしておくことも意外と重要です。また、キッチンツールなど出しっぱなしのアイテムを最小限にすることも、危険防止につながります。
片付け収納の観点から考える防災対策とは
寝室
就寝時などでもさっと身動きできるように、ベッドの下には底の厚いスニーカーなどを収納しておきましょう。就寝中の無防備な姿勢のときに、照明器具が落下してくる心配もありますので、取り付け位置には今一度気を配りましょう。素材も、割れやすくて重いものより、やはり軽い素材や和紙製、また壁などに埋め込み式のタイプのほうが、落下の危険が少なくてすむでしょう。
就寝時などでもさっと身動きできるように、ベッドの下には底の厚いスニーカーなどを収納しておきましょう。就寝中の無防備な姿勢のときに、照明器具が落下してくる心配もありますので、取り付け位置には今一度気を配りましょう。素材も、割れやすくて重いものより、やはり軽い素材や和紙製、また壁などに埋め込み式のタイプのほうが、落下の危険が少なくてすむでしょう。
リビング
強い地震の発生時、置き家具は思わぬ凶器となります。まずは家具を固定する対策をしっかりと講じることが第一ですが、家具が倒れたり、動いてしまった場合も考慮に入れ、どういう動線で逃げるか、頭に入れておきましょう。リビングにあることの多いクッションは、頭を守る防災頭巾の代わりにもなります。とっさの際に役に立つかもしれないので、覚えておいてください。
家全体として
すべてのスペースで見直しておきたいことをこの機会にリストアップするとよいでしょう。たとえば……。
・引き戸扉のあり方を確認する
・収納扉に飛び出し防止ラッチを設置する
・置き家具、キャスター付き家具、重量のある家電など要注意アイテムのピックアップと対策
・照明器具の配置と素材の見直し
・家具の配置と素材の見直し
強い地震の発生時、置き家具は思わぬ凶器となります。まずは家具を固定する対策をしっかりと講じることが第一ですが、家具が倒れたり、動いてしまった場合も考慮に入れ、どういう動線で逃げるか、頭に入れておきましょう。リビングにあることの多いクッションは、頭を守る防災頭巾の代わりにもなります。とっさの際に役に立つかもしれないので、覚えておいてください。
家全体として
すべてのスペースで見直しておきたいことをこの機会にリストアップするとよいでしょう。たとえば……。
・引き戸扉のあり方を確認する
・収納扉に飛び出し防止ラッチを設置する
・置き家具、キャスター付き家具、重量のある家電など要注意アイテムのピックアップと対策
・照明器具の配置と素材の見直し
・家具の配置と素材の見直し
10秒でできること
最近はスマートフォンが緊急地震速報を知らせてくれるようになりました。おおよそ10秒前に知らせてくれるそうですが、その10秒で何ができるのか考えてみました。
・クッションで頭を覆う
・子どもやお年寄りを家具倒壊の恐れがない安全な部屋に移動させる
・いつでも避難できるように靴を履く
・ガラスの飛散を最小限に防ぐべく、カーテンを閉める
・熱源(コンロなど)のスイッチを切る
ほかにもいろいろあると思います。こういったことを、家族で普段から話しておくとよいでしょう。
最近はスマートフォンが緊急地震速報を知らせてくれるようになりました。おおよそ10秒前に知らせてくれるそうですが、その10秒で何ができるのか考えてみました。
・クッションで頭を覆う
・子どもやお年寄りを家具倒壊の恐れがない安全な部屋に移動させる
・いつでも避難できるように靴を履く
・ガラスの飛散を最小限に防ぐべく、カーテンを閉める
・熱源(コンロなど)のスイッチを切る
ほかにもいろいろあると思います。こういったことを、家族で普段から話しておくとよいでしょう。
防災グッズの用意とシミュレーションを必ず
収納がいっぱいでとても防災用品を保管する場所がないという方は、この機会に少し整理整頓をしてみてはいかがでしょうか。またお持ちのアウトドア用品や日用品でも、防災グッズとして代用できるものが案外ありますので、あえて専用のものを買い直す必要はない場合もあるかもしれません。
いろいろお伝えしてきましたが、大切な基本は、家族と話し合って災害時のシミュレーションをしておくこと、対策に関する知識を得ておくこと、そして防災用品を準備することの3つでしょう。
分散型のストック収納を実践することはもちろん、住まいにおける普段からの心がけも重要で、こういったことが一大事の際に効力を発揮するものです。災害は誰の身にでも起こりうることです。1パーセントでも生存率を上げられるよう、ひとつひとつ取り組んでいただけたらと思っています。
災害に強いインテリアは、“いつも”が“もしも”に役立つ「分散収納」で!
収納がいっぱいでとても防災用品を保管する場所がないという方は、この機会に少し整理整頓をしてみてはいかがでしょうか。またお持ちのアウトドア用品や日用品でも、防災グッズとして代用できるものが案外ありますので、あえて専用のものを買い直す必要はない場合もあるかもしれません。
いろいろお伝えしてきましたが、大切な基本は、家族と話し合って災害時のシミュレーションをしておくこと、対策に関する知識を得ておくこと、そして防災用品を準備することの3つでしょう。
分散型のストック収納を実践することはもちろん、住まいにおける普段からの心がけも重要で、こういったことが一大事の際に効力を発揮するものです。災害は誰の身にでも起こりうることです。1パーセントでも生存率を上げられるよう、ひとつひとつ取り組んでいただけたらと思っています。
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ちょうど先月、弊社ハウズでも防災について社内確認したところでした。
なので、納得することばかり!で読ませていただきました。
ちなみに、実際に災害が起きるとパニックになってしまって、準備していたようには行動ができなくなってしまう方も多いそうです。
私も慌てないよう行動しなければ。。。と思っています!
michiyoさま コメントありがとうございます、実際起こった時パニック状態を少しでも和らげるために、普段からシュミレーションしておことも重要ですよね。私も同様、普段から慌てないように・・(苦笑)