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額は複数を掛ける! 「アンサンブルスタイル」の飾り方レッスン
アートフレームや写真を複数並べて飾る場合、そのバランスはどうやってとるのだろう…と疑問に思ったことはありませんか? 壁における配置、額の中の作品の選び方、額自体のデザインという3つの視点から、インテリアスタイリストの筆者がトレンドを踏まえてアドバイスします。
黒田美津子
2015年6月30日
インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター インテリアデコレーター ライター。
1988年「Hanako」(マガジンハウス)創刊メンバーとして雑誌記者に。
8年間のhanako記者生活の後、フリーランスとして出版各社の女性誌、デザイン誌を中心に各誌で記事制作、執筆、スタイリングを担当。現在は広告、イベント、展示、商業施設、ホテル、住宅、レストランのインテリアディレクション、スタイリング、コンセプトワークまで幅広く手がける。著書「HAPPY STYLE a to z」(ギャップ出版)など。
インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター インテリアデコレーター ライター。
1988年「Hanako」(マガジンハウス)創刊メンバーとして雑誌記者に。
8年間のhanako記者生活の後、フリーランスとして出版各社の女性誌、デザイン誌を中心に各誌で記事制作、執筆、スタイリングを担当。現在は広告、イベント、展示、商業施設、ホテル、住宅、レストランのインテリアディレクション、スタイリング、コンセプトワークまで幅広く手がける。著書「HAPPY... もっと見る
インテリアは、実はとても感覚的なものです。壁などの素材や家具、オブジェ、額などの要素が響き合うのを、私たちは知らず知らずのうちに感じ取っているもの。その点、音楽と似ているかもしれません。空間を奏でる要素のなかでも、面積が大きくて視線の高さにある壁面はインテリア効果が高く、壁に掛ける額縁は重要なエレメントです。
だからといって、大きな絵や、高価なリトグラフや有名作家の作品は必ずしも必要ありません。ここ数年の額装ディスプレイのトレンドは、中ぐらい(約W24cm×H30cm)~小さめ(約W20cm×H25cm)の額を複数掛ける、「アンサンブルスタイル」です。ただし、額の複数レイアウトは、失敗すると散漫な印象の部屋に。サイズもまちまちの、デザインも多様なな額をバランスよく掛けるためには、いくつかのコツを覚えれば簡単にできるようになります。
まとまりやすい飾り方のアプローチ方法、ポイントはこの3つです!
だからといって、大きな絵や、高価なリトグラフや有名作家の作品は必ずしも必要ありません。ここ数年の額装ディスプレイのトレンドは、中ぐらい(約W24cm×H30cm)~小さめ(約W20cm×H25cm)の額を複数掛ける、「アンサンブルスタイル」です。ただし、額の複数レイアウトは、失敗すると散漫な印象の部屋に。サイズもまちまちの、デザインも多様なな額をバランスよく掛けるためには、いくつかのコツを覚えれば簡単にできるようになります。
まとまりやすい飾り方のアプローチ方法、ポイントはこの3つです!
- 壁面における配置
- 額の中の作品の選び方
- 額自体のデザイン
1. 壁面における配置
まずは、最大のポイントである配置。掛ける位置の決め方です。壁の面積や部屋の用途によってイメージして、並べ方を決めていきます。
どんな場合でも額どうしの間隔は同じにすること。間隔がまちまちだと散らかった印象になりがちです。
リズムよく掛ける
慣れない人でもバランスが取りやすく、飾りやすいのは階段の壁面。リズム感を意識すればうまくいくはずです。
まずは、最大のポイントである配置。掛ける位置の決め方です。壁の面積や部屋の用途によってイメージして、並べ方を決めていきます。
どんな場合でも額どうしの間隔は同じにすること。間隔がまちまちだと散らかった印象になりがちです。
リズムよく掛ける
慣れない人でもバランスが取りやすく、飾りやすいのは階段の壁面。リズム感を意識すればうまくいくはずです。
中央の配置を決める
壁の中央に掛ける額の位置を最初に決めてから、左右に流れるように配置していくと、バランスが取りやすくなります。額のサイズに差がある場合は特に、中央を決めるのがポイントです。
壁の中央に掛ける額の位置を最初に決めてから、左右に流れるように配置していくと、バランスが取りやすくなります。額のサイズに差がある場合は特に、中央を決めるのがポイントです。
横に流れるように飾る
広い壁面の場合は、高めの位置に流れるように配置するのがコツです。こうすれば、だんだん額が増えていっても大丈夫です。
広い壁面の場合は、高めの位置に流れるように配置するのがコツです。こうすれば、だんだん額が増えていっても大丈夫です。
帯状に飾る
上部を一列に、下段はアトランダムに、帯状に並べる方法も、壁面がすっきり見えて効果的です。
上部を一列に、下段はアトランダムに、帯状に並べる方法も、壁面がすっきり見えて効果的です。
整列スタイル
同形、同色の額を整然と並べれば、静かな雰囲気に。ミニマルなダイニングなど、すっきりとした空間に向きます。
同形、同色の額を整然と並べれば、静かな雰囲気に。ミニマルなダイニングなど、すっきりとした空間に向きます。
詰めて掛ける
狭いコーナー壁の場合は、詰め気味に、メモなどを掲示しているように実務的なイメージで整然と並べてみましょう。ちょっとインダストリアルな雰囲気になっておもしろい。
狭いコーナー壁の場合は、詰め気味に、メモなどを掲示しているように実務的なイメージで整然と並べてみましょう。ちょっとインダストリアルな雰囲気になっておもしろい。
2. 額の中の作品の選び方
次は、作品の選び方のポイントです。ごちゃごちゃに見えないアンサンブルスタイルのプランにするための作品セレクトのコツは、以下の通りです。
クラフトテイストでまとめる
グラフィック的なイラストやポスター、クラフトテイストの版画などはにぎやかになりすぎないように、額の素材を統一するのがコツです。グラフィックにおすすめなのはウッドフレーム。この通り、よく映えます。
次は、作品の選び方のポイントです。ごちゃごちゃに見えないアンサンブルスタイルのプランにするための作品セレクトのコツは、以下の通りです。
クラフトテイストでまとめる
グラフィック的なイラストやポスター、クラフトテイストの版画などはにぎやかになりすぎないように、額の素材を統一するのがコツです。グラフィックにおすすめなのはウッドフレーム。この通り、よく映えます。
テーマを絞って
動植物、貝殻、グラフィック、モノクロ、古地図、都市、家族など、ひとつのテーマやストーリーを表現した作品なら、たくさんあってもまとまったイメージになります。写真ではご覧のとおり、鳥というテーマで統一しています。
動植物、貝殻、グラフィック、モノクロ、古地図、都市、家族など、ひとつのテーマやストーリーを表現した作品なら、たくさんあってもまとまったイメージになります。写真ではご覧のとおり、鳥というテーマで統一しています。
アートを飾るなら
自分作でも十分にアートです。トレンドは油絵の人物画。ひとつ混ぜるだけで不思議と今年らしい雰囲気になります。
自分作でも十分にアートです。トレンドは油絵の人物画。ひとつ混ぜるだけで不思議と今年らしい雰囲気になります。
モノクロでまとめる
モノクロのイラスト、写真はアートフレームの定番。作品探しも楽で掛けやすいです。ただし、額どうしの横と縦のラインを合わせることに神経質になりすぎると、息苦しい壁になってしまうので要注意です。
モノクロのイラスト、写真はアートフレームの定番。作品探しも楽で掛けやすいです。ただし、額どうしの横と縦のラインを合わせることに神経質になりすぎると、息苦しい壁になってしまうので要注意です。
家具と同じテイストに
ドロワーのまわりは複数の額を飾ってもまとまって見えやすく、飾りやすいコーナーです。額のデザインを揃えなくても、家具があることでまとまった印象になるので大丈夫です。この場合はクラシック風味を中心に。
ドロワーのまわりは複数の額を飾ってもまとまって見えやすく、飾りやすいコーナーです。額のデザインを揃えなくても、家具があることでまとまった印象になるので大丈夫です。この場合はクラシック風味を中心に。
子ども部屋にはドローイング
子ども部屋にはドローイングがよく似合います。素朴なタッチのイラストがあれば理想的。子どもの描いた絵は、額を吟味すると驚くほど素敵なアートフレームになるので、ぜひ試してみてください。
子ども部屋にはドローイングがよく似合います。素朴なタッチのイラストがあれば理想的。子どもの描いた絵は、額を吟味すると驚くほど素敵なアートフレームになるので、ぜひ試してみてください。
3. 額自体のデザイン
作品を引き締めるのが、額縁の最も大事な役目です。バランスよく掛けながら、今年らしさを演出したいものです。
万能選手のブラックフレーム
壁面が白ではなく、別の色でペイントされている場合、ブラックの額が最も引き締め効果があります。黒を中心に、縁の太さがまちまちなフレームを選び、ゴールドの額を1つ2つ混ぜるなど、少し変化を持たせると華やかな雰囲気になります。
作品を引き締めるのが、額縁の最も大事な役目です。バランスよく掛けながら、今年らしさを演出したいものです。
万能選手のブラックフレーム
壁面が白ではなく、別の色でペイントされている場合、ブラックの額が最も引き締め効果があります。黒を中心に、縁の太さがまちまちなフレームを選び、ゴールドの額を1つ2つ混ぜるなど、少し変化を持たせると華やかな雰囲気になります。
クラシックなゴールド額を混ぜる
あえてクラシックなゴールドの額を混ぜるのもトレンドです。美術館や博物館のイメージを思い描きながら掛けると、今年らしい印象になります。
フレームと作品の間に敷くマットの幅、色によっても、作品の表情はかなり変わります。額のサイズもマットによって調整可能。飾る際は、マットにも注目してみてください。
もし、ご自宅にしまいっぱなしになっている額があったら、取り出して、まずは壁面にレイアウトしてみてはいかがでしょうか?
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額入りアートのアイデアを見る
ウォールインテリアの写真・デザインアイデアを探す
アート・工芸の専門家を探す
あえてクラシックなゴールドの額を混ぜるのもトレンドです。美術館や博物館のイメージを思い描きながら掛けると、今年らしい印象になります。
フレームと作品の間に敷くマットの幅、色によっても、作品の表情はかなり変わります。額のサイズもマットによって調整可能。飾る際は、マットにも注目してみてください。
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