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イメージチェンジはペンダントランプで
見飽きた風景を一新するために、インテリアの印象を決めるキーアイテムのひとつである照明を替えてみるのはおすすめの方法。ここではダイニングのペンダントランプに例を絞って、目指すイメージを見つけるための練習をしてみましょう。
Nayo Suzuki
2015年4月4日
ライター&エディター。建築・インテリアを学んだ後、インテリアデコレーターとして働きながら、インテリアのライター業をスタート。現在はライター&エディター業に専念し、雑誌のインテリアページ、カタログ、書籍などを手がける。趣味はインテリアとアート鑑賞。
ライター&エディター。建築・インテリアを学んだ後、インテリアデコレーターとして働きながら、インテリアのライター業をスタート。現在はライター&エディター業に専念し、雑誌のインテリアページ、カタログ、書籍などを手がける... もっと見る
「最近、いつものインテリアに飽きてきたな」とか「ちょっと気分を変えてみたいな」というとき、クッションやラグなどのファブリック類を替えるのはよくある手。でも意外と簡単に、しかも大きく印象を変えられるのは、実は照明です。インテリアの中でも照明は、トレンドを反映しやすいアイテム。ファッションでいうアクセサリーのような役割なので(もちろん生活する上では必須ですが)、ここをチェンジすれば、見慣れた椅子やテーブルも、きっと新鮮に見えてきます。特にダイニングテーブルの上のペンダントランプは、低めの位置にある分、目にも入りやすく存在感も抜群。ソファやテーブルなど大きな家具に比べれば、物理的にも比較的替えやすいのも魅力です。せっかくなら、点灯していない時にもオブジェのように楽しめる照明を選んでみるのはいかがでしょう。ご紹介するダイニングテーブル&チェアとペンダントランプの組み合わせ例を参考に、あなたの家も照明でイメージチェンジを!
最近のインテリアのトレンドの1つが、インダストリアルなテイストを盛り込んだスタイル。古材やスチールを使ったインテリアとともによく目にするのが、大ぶりな金属製のシェードのランプです。かつて工場などで使われていたような、無骨なつくりのランプは、テーブルや空間に対してオーバースケール気味なのもポイント。少し甘めのフレンチシックなインテリアや、ナチュラルモダンなインテリアにあえて、ヴィンテージのこんなランプを合わせてみるのもいいですね。この照明が加わるだけでも、空間がぐっと今っぽくなります。
こちらも最近よく見かけるタイプ。前述したものよりは少しボリュームも抑え目で、シェード部分はホウロウなどでできているものが多く見られます。インダストリアルなスタイルはもちろん、北欧の家具やイームズなどのミッドセンチュリーの家具にも合わせやすく、価格的にも、重さの面でも、比較的とり入れやすいのが魅力です。
無垢板のテーブル、革のチェア、スチールの窓枠にレンガの壁…男性的でインダストリアルなテイストのインテリアに、あえてフェミニンな照明を合わせた例。ガラスビーズが連なったペンダントランプは、ハードな空間をやわらかく、エレガントに仕上げています。正方形に近い大きなテーブルなので、このくらいの直径のサイズ感のある照明を選ぶのが正解です。
インテリア全体がナチュラル志向に向かう中、照明も木製のものが注目株です。時代を経て愛され続ける名作、Yチェアが並ぶテーブルの上には、やはり北欧デザインの照明が選ばれることが昔から多かったように思われます。今ならバーチ材でできたこんなランプもおすすめ。適度なボリューム感、インパクトがありながら、軽やかなデザインと質感が、穏やかで落ち着いた印象の空間にフィットします。
ヨーロッパのカフェにありそうな、大きな布製のシェードの照明です。布からこぼれる光は、食卓を優しく温かく照らします。白いテーブルに対してランプシェードと椅子をグレーにし、白・黒・グレーのニュートラルカラーでまとめたダイニング。点灯していないときにも視線が向かうような、オーバー気味のスケール感がここでもポイントです。
あえてペンダントランプではなく、大きなフロアランプで食卓を照らすのも素敵なアイデア。北欧モダンテイストのインテリアに選んだのはフォスカリーニ社の「Twiggy floor」。シェードにのせる重りで、高さを調節することができるのだそう。照らす場所を簡単に変えられるのもいいですね。吹き抜けなどの高い天井のダイニングにもおすすめです。
真っ白なテーブル&チェアにひときわ目を惹くマルチカラーのペンダントランプを合わせ、ダイニングの主役とした例。照明はポップな色に塗装されたアルミニウム製で、フレドリック・マットソンによるデザインのPXLペンダントランプ。ミッドセンチュリーの家具にも、北欧の家具にも合いそうな、食卓が楽しくなるデザインです。
形の異なる3種類を組み合わせ、イームズの椅子が並んだ食卓の上をリズミカルに演出しています。真鍮や銅などの金属も最近注目される素材。エキゾチックなシェイプはトム・ディクソンによるデザイン。横から見た時と、食卓で見上げたときの表情が異なるのも魅力。真鍮をたたいて作る手仕事のぬくもりが伝わってくるランプです。
数年前から世界的に再注目されつつあるセルジュ・ムーユがデザインした照明を、木目の美しいダイニングテーブルの上に設置。シンプルな空間に、有機的なフォルムの照明が抜群の存在感を放っています。ミッドセンチュリー時代のデザインで、今なお新鮮に映る名作ランプ。同じ時代にデザインされた家具はもちろん、現代のデザインの家具にもすんなりなじんでしまうところもさすがです。
水の中に浮かぶ泡のようなガラスの照明は、カナダのブランド「Bocci」のもの。リサイクルガラスを用いた手作りならではの少しいびつな形と、表面の揺らぎのある風合いに温かみを感じるデザインです。小ぶりのランプなら、このくらいのボリュームでデザインされているものを選んでみるのもおすすめです。点いていないときでもオブジェのように美しく空間を演出してくれる、まさしく素晴らしいアクセサリーのような照明です。
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