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落ち葉を庭づくりの材料として活用しよう
その落ち葉、ゴミとして捨てる前にちょっと待ってください!落ち葉を有効活用するアイデアをご紹介します。
舩村佳織
2019年12月7日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
秋色に変わった庭にうっとりしていると、気が付けば庭には大量の落ち葉が!毎日毎日積もっていく落ち葉の掃除はとても大変ですね。落ち葉を集めて燃えるゴミとして捨てている方が多いと思いますが、ちょっと待ってください!ガーデナーにとって、落ち葉はゴミではなく大事な庭づくりの材料になります。落ち葉を活用するアイデアをご紹介します。
まずは庭中の落ち葉を効率よく集めることから始めます。場所によってうまく道具を使い分けることがポイントです。芝生の上では熊手、舗装の上では竹ぼうき、砂利や植栽の中、細かな隙間はブロワーが便利です。ブロワーは手軽に家庭で使えるものもあるので、一台持っておくと重宝しますよ。
落ち葉の効果
自然環境では落ち葉は堆積し、微生物に分解されて土壌を豊かにしていきます。具体的には下記の効果が期待できます。
自然環境では落ち葉は堆積し、微生物に分解されて土壌を豊かにしていきます。具体的には下記の効果が期待できます。
- リン、カリウム、窒素の供給源
- 土壌微生物の食べ物になり、数を増やす
- 団粒構造をつくり、物理性を向上させる(保水性・保肥性・通気性)
1 腐葉土
落ち葉を発酵させて土にしたものが腐葉土です。園芸店の土売り場に行けば必ず売られているもので、ガーデニングや畑づくりに不可欠なものです。庭の落ち葉を使えば自家製腐葉土をつくることができます。
造園・ガーデニングの専門家を探す
落ち葉を発酵させて土にしたものが腐葉土です。園芸店の土売り場に行けば必ず売られているもので、ガーデニングや畑づくりに不可欠なものです。庭の落ち葉を使えば自家製腐葉土をつくることができます。
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自家製腐葉土の作り方
腐葉土を作る際は特別な容器が無くても大丈夫ですが、蓋を被せられる状態が必要です。コンポストとして売られている容器や木の箱、地面に穴を掘っても良いでしょう。地面の穴で作る場合は蓋はビニールシートが便利です。
広葉樹の落ち葉と米ぬかや酒かすを交互に積み上げていき、踏むと染み出る程度に水を撒きます。あとは1か月に一度程度混ぜて置いておくと腐葉土の完成です。
腐葉土を作る際は特別な容器が無くても大丈夫ですが、蓋を被せられる状態が必要です。コンポストとして売られている容器や木の箱、地面に穴を掘っても良いでしょう。地面の穴で作る場合は蓋はビニールシートが便利です。
広葉樹の落ち葉と米ぬかや酒かすを交互に積み上げていき、踏むと染み出る程度に水を撒きます。あとは1か月に一度程度混ぜて置いておくと腐葉土の完成です。
良い腐葉土は、しっかり発酵して葉の形が不明瞭になり土のようになっています。悪臭がして葉の形がはっきりと残っているものは未完熟なので、まだ使える状態ではありません。未完熟の場合はもう少し時間を置きましょう。
腐葉土に使う葉は健全な樹木から落葉したものを使いましょう。病虫害が発生している樹木のものは、落葉に虫の卵や病原菌が付着していることがあり、感染源となる可能性があります。また、針葉樹の葉腐りにく腐葉土に向かないので、使わないようにしましょう。
腐葉土に使う葉は健全な樹木から落葉したものを使いましょう。病虫害が発生している樹木のものは、落葉に虫の卵や病原菌が付着していることがあり、感染源となる可能性があります。また、針葉樹の葉腐りにく腐葉土に向かないので、使わないようにしましょう。
2 寒さよけのマルチング
これからの季節は霜や寒風で苗が傷むことがありますが、落ち葉を寒さ除けとして利用できます。落ち葉を苗の根本に厚く敷き詰める(マルチング)と、土を保温し霜害や乾燥を防ぎます。
これからの季節は霜や寒風で苗が傷むことがありますが、落ち葉を寒さ除けとして利用できます。落ち葉を苗の根本に厚く敷き詰める(マルチング)と、土を保温し霜害や乾燥を防ぎます。
特に寒さよけが必要なのが、秋に植え付ける苗。代表格はイチゴです。秋に植えつけて年内に根を少しでも多く伸ばしておくことが、春からの収穫量アップにつながります。そのためにマルチングで地面を保温してあげると良いですよ。
3 インテリアの材料
季節感を演出するアイテムとして、落ち葉はインテリアにも活用できます。紅葉した落ち葉はよく見ると複雑な色がとても美しく、リースの材料にもぴったりです。落ち葉の他にも小枝や実など、庭で手に入る材料で素敵なリースが作れます。
季節感を演出するアイテムとして、落ち葉はインテリアにも活用できます。紅葉した落ち葉はよく見ると複雑な色がとても美しく、リースの材料にもぴったりです。落ち葉の他にも小枝や実など、庭で手に入る材料で素敵なリースが作れます。
落ち葉を使ったガーラントも季節の演出にぴったり。糸に気に入った葉を小さなクリップなどでつけていくだけでとても簡単なので、お子さんと一緒に作業するのもおすすめです。童心に帰ってきれいな落ち葉を拾い集めると、日常の忙しさから離れてリラックスできるはずです。
毎年たくさん出る落ち葉は、そのまま捨ててしまえばただのゴミになってしまいます。少しでも有効に使えたら良いですよね。特に腐葉土として利用すれば、自然環境の循環に近づくので、理想的な処理方法となります。落ち葉掃除が楽しみになるような活用法を見つけてください。
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