ラフな素材感とハードなテイストを楽しむ、ハンサムなくつろぎ空間
少しハードなテイストのある、男らしいハンサムな部屋づくりのポイント。作り手への一言インタビューを交えてまとめました。
Mai Yamamoto
2015年12月4日
本がぎっしり詰まった書棚、使えば使うほど味の出るキッチン、こだわりのコレクションコーナー、ひとつひとつ揃えた家具やインテリア雑貨のある趣味の部屋。そんなちょっと男っぽいテイストの部屋はどれも、インダストリアルスタイルに象徴される、ハードな風合いの素材と、あたたかみのある上質素材が上手にミックスされた素敵な空間です。Houzzの国内事例から、そんなとても今年らしい8部屋について、作り手に「デザインのポイント」と「この部屋のエッセンスを取り入れる際のポイント」を一言インタビューしてみました。
直線×曲線フォルムとモノトーン
「シンプルで直線的な空間と、曲線の美しい家具との調和による緊張感のある空間を演出しました」と語るのは、ZERO FIRST DESIGNの永井さん。白くペイントしたレンガ壁、スチールのブラックテーブル、黒のFRPのチェア、エナメルの張り地のソファによる、モノトーンのカラー構成。ハンティングトロフィーやハラコのラグなどワイルドなアイテムで、男性っぽいハードなイメージもプラスされています。さまざまな素材のミックスによるアクセントをさりげなく意識して、形と素材で遊び、色を抑えた都会的なコーディネーションとなっています。
「シンプルで直線的な空間と、曲線の美しい家具との調和による緊張感のある空間を演出しました」と語るのは、ZERO FIRST DESIGNの永井さん。白くペイントしたレンガ壁、スチールのブラックテーブル、黒のFRPのチェア、エナメルの張り地のソファによる、モノトーンのカラー構成。ハンティングトロフィーやハラコのラグなどワイルドなアイテムで、男性っぽいハードなイメージもプラスされています。さまざまな素材のミックスによるアクセントをさりげなく意識して、形と素材で遊び、色を抑えた都会的なコーディネーションとなっています。
引き締め色のブラック
「空間にリズムをつけるために設けたロフトの下部を利用してつくったウォークインクローゼットのある空間。ここでも、天井まである白い塗装のブリックウォールがシンプルな空間に変化をつけています。
コレクションの眼鏡や時計をディスプレイできるよう設置したニッチも部屋のポイントに。
「古材風の棚には鉄板焼き付け塗装のシャープな滑り止めをつけました。ロフトへ続く黒いスチールのはしご、ベッドの上の黒のスローなど、単調になりがちな白い空間をブラックという色で引き締めています」と株式会社クラフトの立石さん。ブラックにはこのように、空間全体の男性的要素を引き出す効果があります。
「空間にリズムをつけるために設けたロフトの下部を利用してつくったウォークインクローゼットのある空間。ここでも、天井まである白い塗装のブリックウォールがシンプルな空間に変化をつけています。
コレクションの眼鏡や時計をディスプレイできるよう設置したニッチも部屋のポイントに。
「古材風の棚には鉄板焼き付け塗装のシャープな滑り止めをつけました。ロフトへ続く黒いスチールのはしご、ベッドの上の黒のスローなど、単調になりがちな白い空間をブラックという色で引き締めています」と株式会社クラフトの立石さん。ブラックにはこのように、空間全体の男性的要素を引き出す効果があります。
インダストリアルなディテール
「大きな開口部のサッシをスチールで特注し、それを細かく分節することでインダストリアル感を出しています。床材も、ただ古材を使うだけではなく、異なる材質を合わせることで、それぞれの素材感のかたさとやわらかさをより豊かに感じられ、またあたたかみもある空間となっています。」 とLEVEL Architectsの中村さん。
「なかなか難しいですが、素材をたくさん使わずに、丁寧に選抜してミックスさせてみてください」。照明はメインとサブを明確に使い分けることもコツだそうです。
「大きな開口部のサッシをスチールで特注し、それを細かく分節することでインダストリアル感を出しています。床材も、ただ古材を使うだけではなく、異なる材質を合わせることで、それぞれの素材感のかたさとやわらかさをより豊かに感じられ、またあたたかみもある空間となっています。」 とLEVEL Architectsの中村さん。
「なかなか難しいですが、素材をたくさん使わずに、丁寧に選抜してミックスさせてみてください」。照明はメインとサブを明確に使い分けることもコツだそうです。
「こちらは、小物で着せ替えられる空間になっています。ひとつのテイストにこだわらず、いろいろなテイストに変化できます」と、パパママハウス株式会社の山田さん。オーナーがもともと持っていた家具などのテイスト、時代に流されず飽きのこない空間をつくりたい、という意向を忠実に再現した空間です。味わいのあるブリックウォール、暗くならないように天井にのみ採用した黒と呼応する階段などのインダストリアルな背景は、こういったリクエストには効果的な答えとなります。センスのよい家具や小物の魅力をを最大限に引き出しています。
壁と床のラフな素材感
モルタル仕上げの壁のラフな風合いがこの空間の個性を決定づけています。散らかっていてもサマになるオープンな収納もまたポイント。
散らかってもサマになるようにするのはなかなか難易度が高いですが、EIGHT DESIGNの寺嶋さんからのアドバイスは「瓶や調理道具の色を統一すること(木・シルバー・白・黒)、同時に無機質になりすぎないよう、植物をアクセントにするのがおすすめです」とのこと。観葉植物の効果は大。目線より高いところにひとつ飾ってあるところも真似したいですね。
モルタル仕上げの壁のラフな風合いがこの空間の個性を決定づけています。散らかっていてもサマになるオープンな収納もまたポイント。
散らかってもサマになるようにするのはなかなか難易度が高いですが、EIGHT DESIGNの寺嶋さんからのアドバイスは「瓶や調理道具の色を統一すること(木・シルバー・白・黒)、同時に無機質になりすぎないよう、植物をアクセントにするのがおすすめです」とのこと。観葉植物の効果は大。目線より高いところにひとつ飾ってあるところも真似したいですね。
ヴィンテージ家具とプリミティブテイスト
ラフな素材感のある壁と床は、高度なミックス技を利かせた家具スタイリングも引き立てます。ここにあるのはハンス・J・ウェグナー、マルセル・ブロイヤーといったデザイナーのヴィンテージ家具と、プリミティブなアフリカのアートや家具、テキスタイル。「家具類にはグリーンやブラウンの色味を用い、アクセントとしてフランスのアーティスト、ナタリー・ドゥ・パスクエが80年代にデザインしたポストモダンな装いのフルーツボウルやクッションカバーを使用して遊び心を加えています」と、インテリアスタイリストのKAWAI MASATOさん。「デザイナーズとアノニマスとのミックス、またインダストリアル、ヴィンテージとカテゴリーにとらわれることなく、素材や色のチョイスで統一感を持たせることが大切です。難しそうに見える柄×柄というテキスタイルの使い方でも、幾何学的なパターンを用いたアフリカンテキスタイル同士でトライしてみるとうまく合わせられます」とのアドバイスです。
ラフな素材感のある壁と床は、高度なミックス技を利かせた家具スタイリングも引き立てます。ここにあるのはハンス・J・ウェグナー、マルセル・ブロイヤーといったデザイナーのヴィンテージ家具と、プリミティブなアフリカのアートや家具、テキスタイル。「家具類にはグリーンやブラウンの色味を用い、アクセントとしてフランスのアーティスト、ナタリー・ドゥ・パスクエが80年代にデザインしたポストモダンな装いのフルーツボウルやクッションカバーを使用して遊び心を加えています」と、インテリアスタイリストのKAWAI MASATOさん。「デザイナーズとアノニマスとのミックス、またインダストリアル、ヴィンテージとカテゴリーにとらわれることなく、素材や色のチョイスで統一感を持たせることが大切です。難しそうに見える柄×柄というテキスタイルの使い方でも、幾何学的なパターンを用いたアフリカンテキスタイル同士でトライしてみるとうまく合わせられます」とのアドバイスです。
天井高を生かした棚
天井の高い大空間を、天井までの棚にする思い切った設計もよく見られます。こちらの事例はリノベーション。EIGHT DESIGNの寺嶋さんによれば「3メートルある天井高を生かした迫力ある収納。本棚は足場板と鉄を組み合わせて骨太なイメージにしてあります」とのこと。これだけ大容量の収納があれば、スペースに合わせて趣味のグッズを処分したりせず、思う存分コレクションが楽しめそうです。
天井の高い大空間を、天井までの棚にする思い切った設計もよく見られます。こちらの事例はリノベーション。EIGHT DESIGNの寺嶋さんによれば「3メートルある天井高を生かした迫力ある収納。本棚は足場板と鉄を組み合わせて骨太なイメージにしてあります」とのこと。これだけ大容量の収納があれば、スペースに合わせて趣味のグッズを処分したりせず、思う存分コレクションが楽しめそうです。
独自に開発・特許を取得した木造一方向ラーメン造「木箱212構法」によって可能となった、間仕切り壁がない大空間の居住スペース。自転車までディスプレイできる棚は圧巻ですが、取り入れる際の注意点について、「高い吹き抜けを持つ大きな空間を有する場合、快適な生活を確保するためには、確かな断熱性能と床暖房が必須になります。そのような点が何より無視できない点ではないかと思います」と、葛西潔建築設計事務所の葛西さんは語ってくださいました。
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