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好きな絵に出会う、素敵に絵を飾るためのヒント
ニューヨークの人々の身近にアートのある暮らしから学ぶ、絵をインテリアに取り入れるときのセンスアップアイデアをお届けします。
上野朝子|Asako Ueno
2018年4月15日
ニューヨークで暮らしていると、アートがとても身近に感じられます。メトロポリタンミュージアムやMoMA、ホイットニーミュージアムといった大きな美術館に行くと、ニューヨークの子どもたちが学校の授業で美術館に出かけて、巨匠の絵を囲みながら(床に寝っ転がっている子も!)その絵を模倣したり、先生の話に耳を傾けている姿をよく見かけます。小さな頃から本物に触れられるのって素敵なことですね。
ニューヨーカーはインテリアに絵を飾る人が多く、私も日本にいた頃より絵を買う機会が増えました。上を見ればきりがありませんが、たとえば小さなギャラリーなら100ドルぐらいから新人アーティストの作品が買えたり、フリマやガレージセールなら、運がよければ10ドル(!)でお気に入りに出会えたりします。
今回は、ニューヨークの人々がお気に入りの絵とどのように出会い、選ぶのかというお話から、部屋にどんなふうに飾ると素敵なのか、場所ごとに似合う絵を選ぶコツなど、インテリアに絵を飾るヒントをご紹介します。
ニューヨーカーはインテリアに絵を飾る人が多く、私も日本にいた頃より絵を買う機会が増えました。上を見ればきりがありませんが、たとえば小さなギャラリーなら100ドルぐらいから新人アーティストの作品が買えたり、フリマやガレージセールなら、運がよければ10ドル(!)でお気に入りに出会えたりします。
今回は、ニューヨークの人々がお気に入りの絵とどのように出会い、選ぶのかというお話から、部屋にどんなふうに飾ると素敵なのか、場所ごとに似合う絵を選ぶコツなど、インテリアに絵を飾るヒントをご紹介します。
身近にアートのある暮らし
美術館に限らず、ニューヨークはギャラリーも充実しています。巨匠から新人アーティストの作品まで、気軽に楽しむことができるのは、鑑賞する側にとってもアーティストにとってもうれしい環境です。写真はチェルシーにあるギャラリー〈dia〉。サンダルにTシャツで出かけられる気楽さが、アートとの近い距離を物語っています。
美術館に限らず、ニューヨークはギャラリーも充実しています。巨匠から新人アーティストの作品まで、気軽に楽しむことができるのは、鑑賞する側にとってもアーティストにとってもうれしい環境です。写真はチェルシーにあるギャラリー〈dia〉。サンダルにTシャツで出かけられる気楽さが、アートとの近い距離を物語っています。
多くのニューヨーカーは、自分の感性で絵を評価します。どんなにプロの評判がよくても「私は興味ない」、「私はこの作品が好きだわ」という感じ。それでいいのです。私の場合は、知識はさて置いて「この作品、家にあったらいいのになあ」という視点で美術鑑賞するので(美術鑑賞というより絵を買う感覚でしょうか)、大きな作品より、現実的な小ぶりの作品に惹かれることが多いです。
フリマやヴィンテージショップで絵を探す
写真の3つの絵は、自宅に飾っているものです。どれもフリマやヴィンテージショップで見つけて、値段はフレーム付きで30ドル〜60ドルくらいでした。行きつけのBrooklyn Flea(ブルックリン・フリー、つまりフリマ)に行くと、まずは壁や床に立てかけてある絵に見ながらさ〜っと一周します。食器や雑貨を見始めると、壁に目が行かないからです。いい出会いはなかなかないことが多いですが、それでもこの習慣を続けています。
写真の3つの絵は、自宅に飾っているものです。どれもフリマやヴィンテージショップで見つけて、値段はフレーム付きで30ドル〜60ドルくらいでした。行きつけのBrooklyn Flea(ブルックリン・フリー、つまりフリマ)に行くと、まずは壁や床に立てかけてある絵に見ながらさ〜っと一周します。食器や雑貨を見始めると、壁に目が行かないからです。いい出会いはなかなかないことが多いですが、それでもこの習慣を続けています。
ブルックリンに昨年できたアートショップ〈Picture Room(ピクチャールーム )〉の店内の写真です。ここは新人アーティストの作品の中でも、イラストやエッチング、ガッシュ(またはグワッシュ。不透明水彩絵の具のこと)を使ったドローイングなど、小作品が多く、価格は100ドル〜1500ドル。「インテリアのためのアート (絵)」がコンセプトで、インテリア好きにはたまらないお店です。
こちらも〈ピクチャールーム〉の店内。このときはちょうど、ニューヨークタイムズのイラストレーターの作品のイベントが行われていました。オープニングナイトには作者も参加して、ゲストとカジュアルに対話を楽んでいました。
絵を飾るときのセンスアップアイデア
ここからは、Houzzのインテリア写真からピックアップした例を見ながら、飾り方のアイデアをご紹介していきましょう。
写真のリビングルームに掛かっている6つのフレームは、同じアーティストの作品です。フレームのサイズを揃えずに飾ると、どことなく緊張がほぐれて、モノトーンを選んでもリラックス感が演出できます。
ここからは、Houzzのインテリア写真からピックアップした例を見ながら、飾り方のアイデアをご紹介していきましょう。
写真のリビングルームに掛かっている6つのフレームは、同じアーティストの作品です。フレームのサイズを揃えずに飾ると、どことなく緊張がほぐれて、モノトーンを選んでもリラックス感が演出できます。
植物柄を植物と並べて
暖炉上のコーナーに、枝物と一緒に、ナチュラルなフレームに入れた黒い植物の絵を飾っています。植物の図柄はリラックスした印象ですが、モノトーンを選ぶとナチュラルななかにもモダン寄りの雰囲気に。また、隣に飾る枝や花に、どんな色合いを持ってきても相性がよいのもうれしいところです。
暖炉上のコーナーに、枝物と一緒に、ナチュラルなフレームに入れた黒い植物の絵を飾っています。植物の図柄はリラックスした印象ですが、モノトーンを選ぶとナチュラルななかにもモダン寄りの雰囲気に。また、隣に飾る枝や花に、どんな色合いを持ってきても相性がよいのもうれしいところです。
椅子を置いたコーナーに
一人掛けチェアのあるコーナーの壁に絵を飾ると、椅子の存在感を縦に逃がし、空間全体のイメージにまとまり感をもたらします。この場合は、椅子より目立つフレームを選ばないのがポイントです。
一人掛けチェアのあるコーナーの壁に絵を飾ると、椅子の存在感を縦に逃がし、空間全体のイメージにまとまり感をもたらします。この場合は、椅子より目立つフレームを選ばないのがポイントです。
オレンジやブラウン系の絵をダイニングに
ダイニングテーブルの前なら、食欲をそそる温かな色合いの、こんな油絵も素敵です。「おいしそうな色」で選ぶのもポイントです。
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優しいトーンの絵をベッドリネンと合わせて
ベッドルームにはやはり強い色合いより、優しい色合いの絵が似合います。色選びのコツは、ベッドリネンとのカラーコーディネートを意識すること。心地よい統一感が生まれます。
ベッドルームにはやはり強い色合いより、優しい色合いの絵が似合います。色選びのコツは、ベッドリネンとのカラーコーディネートを意識すること。心地よい統一感が生まれます。
思い切り大きな絵をソファの背景に
こういう大きな絵をソファ上に飾ると、リビングルームがドラマチックに演出できます。ただ、大きな絵はフレーミングするとかなり重くなるので、フレームに入れないという選択肢があることも覚えておきましょう。
こういう大きな絵をソファ上に飾ると、リビングルームがドラマチックに演出できます。ただ、大きな絵はフレーミングするとかなり重くなるので、フレームに入れないという選択肢があることも覚えておきましょう。
油彩画をアンティークやヴィンテージ家具と
この絵もフレームに入れていませんね。クラシックな油絵の静物画って、家に飾ることをやや敬遠しがちなものですが、飾ってみると案外いいものです。特に、アンティーク家具との相性は抜群です。
この絵もフレームに入れていませんね。クラシックな油絵の静物画って、家に飾ることをやや敬遠しがちなものですが、飾ってみると案外いいものです。特に、アンティーク家具との相性は抜群です。
こちらはヴィンテージのチェストとオリエンタルな油彩画の組み合わせ。古いもの同士、よく似合っています。もしも絵にちょっと傷んだところがあっても、その分お値打ちだったりするので、絵自体が気に入ったなら「買い」です。
庭道具や鉢植えと動物の絵
ガーデニングのコーナーに愛犬のポートレートを飾ったシーン。アウトドアの雰囲気と相まって、ナチュラルでとても微笑ましいですね。ペットの写真を渡すとポートレートを描いてくれるアーティストって、探すと案外見つかるものです。もちろん、自分で描けたらベストです!
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インテリアと絵をセンスよく合わせるコツ
シンプル&モダンな北欧テイストの部屋に、レトロモダンなポスターだけをインテリアのアクセントとして飾った空間。フレームは木ではなく、あえて細いメタリックシルバーを選び、ぴりっと引き締める効果を上げています。
シンプル&モダンな北欧テイストの部屋に、レトロモダンなポスターだけをインテリアのアクセントとして飾った空間。フレームは木ではなく、あえて細いメタリックシルバーを選び、ぴりっと引き締める効果を上げています。
このパウダールームでは、2枚の絵のフレームにブラックを選んでいます。鏡のフレームやランプのアームなど、空間にあるものと近い色合いにするのも統一感を出すコツです。
ヴィンテージスタイルが好きなら、大きな絵をひとつだけ飾るのではなく、こんなふうにさまざまなアートを寄せ集めて飾るのもおすすめです。フレームもあえてバラバラにして、エクレクティックに。この場合、大きめの絵がひとつあるとまとめやすくなります。
写真は、モダンスタイルのダイニングルームのお宅。椅子の色に合わせてフレーム全体をグレーでまとめています。絵は壁に掛けず、長いフレーム用の飾り棚を壁に設置して、そこにランダムに絵を飾って。この方法は、壁に穴をたくさん開けることなく、また絵を気軽に変えられて便利です。
最後にもうひとつアドバイスを。インテリアのアクセサリーとして絵を選ぶ場合は、どんなにその絵が好きでも、飾る場所のスタイルと合わなければ、きっぱりとあきらめるのが賢明です。反対に、新しく部屋をつくる場合は、インテリアスタイルを考える軸として、絵を選ぶとよいでしょう。季節によって飾る絵を変えられるように、少しずつストックを持っておくのもおすすめですよ。
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