大人の七夕、夏の宵を楽しむ星空のテーブル
短冊や星を飾った笹のシンプルなアレンジをセンターピースにして楽しむ、七夕のテーブルのご提案です。
7月7日は七夕の日。雨模様の天気だと「織姫と彦星、今年は会えるのかしら」と心配になりますが、私たちに見えないだけで、天空ではちゃんと、牽牛星と織女星は接近しています。晴れていなくても、きっと空の上で会えているね、と安心して、心穏やかにこの夏の宵を楽しむことにしましょうか。
今回は、テーブルのセンターピースに笹と短冊を飾り、月と星をモチーフにした食卓で七夕の宵を楽しむご提案です。
七夕飾りといえば、五色の短冊のほか、吹き流しや菱飾り、星や貝の形、提灯や網を模した飾りなどさまざまなものがありますが、今回はシンプルに、短冊と星と網の飾りのみに。笹も小さめのものを高台つきの塗りのお盆にのせて、テーブルの中央に飾るだけにします。そろそろ暗くなってきた宵の口、縁側やテラスで星空を眺めながらお酒を楽しむイメージです。
テーブルに笹を用意しましたが、インテリアにも少し取り入れてみましょう。お子さんのいらっしゃるご家庭なら、カラフルな折り紙で飾りつけたにぎやかなデコレーションもいいですが、大人だけなら飾りなしのシンプルな「笹風グリーン」もおすすめです。この鉢植えのインテリアグリーンは「台湾オギ」という笹の仲間。テーブルから見える窓辺に置いて、蘭の一種であるオンシジウムを並べました。愛らしい小さな黄色い花を星に見立てた、七夕仕様の窓辺です。
垂れ下がるように伸びていく台湾オギ。育てていくうちに葉が増えてふんわりしてきます。和のイメージがあるかもしれませんが、このとおり洋のインテリアにも似合います。我が家では普段はこんなふうに、リビングのマントルピースの上に飾っています。
テーブルコーディネートは、気軽な感じが似合うと思います。竹や麻などの涼しげな素材をベースに、漆器などをポイントに使って、大人っぽい品のある雰囲気を演出してみましょう。
七夕飾りは折り紙で作ってもいいですが、今回は真っ白でシンプルにしたかったので、天ぷら用の懐紙を使いました。厚みもちょうどよく、折ったときの質感もきれいです。
七夕飾りは折り紙で作ってもいいですが、今回は真っ白でシンプルにしたかったので、天ぷら用の懐紙を使いました。厚みもちょうどよく、折ったときの質感もきれいです。
器には色を使わず、白とガラスだけに揃えてみます。その代わり、形は可愛らしく、笹の葉や星、月などをモチーフに。
短冊に書く願い事も、ときには硯で墨をすって、心をこめて筆で書いてみるのもいいものです。七夕は古くから、芸事の上達にご利益があるといわれていたようですしね。この書道セットは、今は本当にたまにしか使っていないのですが、以前知人が手作りしてくれた桐の文箱に、文鎮や落款印(らっかんいん)などと一緒にしまって、大切にしています。
願い事をするときは、まず現在のことを感謝してからするといいようです。お参りをするときにまず一礼して心を落ち着けてから、お祈りをするのと似ていますね。日本の神様への礼儀ともいえるのでしょう。短冊にも、今の周りの環境や一緒にいる人たちへ、感謝の思いを書いてみてもいいかもしれません。
手前のお月さまの形の酒器は、京都の作家ものの乾漆器です。ぐいのみとセットになっていますが、風流な夜の宴にぴったりですね。
さて、お腹もすいてきたところでお食事を。まずはお酒を楽しみたいので、笹の葉のお皿に夏らしいおつまみを盛り付けました。オクラと水茄子の浅漬けとミニトマト、薄いだしにつけた蒸し鶏の青じそ添え、穴子のつけ焼きと粉山椒、海老の酒蒸しにはすだちを添えて。織姫が織物で扱う糸を表しているという説から、七夕の日には素麺を食べる風習もあるようなので、ガラスの小鉢には素麺も。月と星の小皿に、薬味をたっぷり添えましょう。
同じ素麺でも、大きめのガラス鉢に具をすべて盛りつけて、テーブルでつゆをかけていただくスタイルなら、さらに気軽です。具材は同じで、蒸し鶏はほぐし、穴子は刻んで素麺の上にのせ、星型に抜いた薄焼き卵と、輪切りにすると星型になるオクラもあしらいます。
今回は笹を脚付きのお盆にのせて飾りましたが、先月の記事でご紹介したガラスの器のコーディネートのときのように、涼しげなビー玉を沈めたシリンダータイプの花瓶に、笹の枝を活けて並べても素敵だと思います。
またはこの桔梗の活け方のように、浅めの鉢に笹をのせて、手付きの竹籠に入れるなどのアレンジにも応用できます。
夏の和の食卓のセンターピースは、涼しげな「抜け感」を大切にしたいですね。
四季折々の風物や行事をヒントに、形や色を工夫したり、普段づかいの器に少し手作りの小道具を加えたりして、季節感をテーブルやインテリアに取り入れるのは楽しいものです。あっというまに7月になり、本格的な夏が近づいてきました。食べ物の旬を楽しむのと同じように、毎日の食卓にもぜひ、季節を感じる小さなアイデアを工夫してみてくださいね。
教えてHouzz:
どんな七夕飾りを用意しましたか? コメント欄でシェアしてください!
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いつも拝見するたびに。とても感動します。竹のようなランチョマットは涼しげで。とても素敵です。こうゆうものは。どちらに有るんでしょうか?
megumamaさん、コメントありがとうございます!竹のランチョンマットは、数年前に吉祥寺の雑貨屋さんで見つけました。でも、すみません、お店の名前を忘れてしまいました。普段から自由が丘や青山、六本木などブラブラして家庭雑貨を置いてあるようなお店を見つけたら必ず覗くようにしています。その時要らなくてもいつか使えるかも?と、手ごろなお値段だったら購入しておくようにしています。
ありがとうございます。今和歌山に住んでいますが、東京にはいえがありますので。吉祥寺は大好きな街です。東京の家が古いのでいつかリホームをしたいと思っています。houzzさんを見るのはとても好きです。センスもいいですので、沢山お金がありましたら。頼みたいぐらいです。