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クリエイティブでとびきり美しい天窓のデザイン10選
空間を明るく照らし、空を切り取る天窓。ユニークなデザインにより空間の主役となっている天窓のデザインをとりあげます。
John Hill
2015年7月14日
どんな家でもスカイライト(天窓)をつけるだけで、素敵になる。暗い空間に自然光を採り入れてくれるし、空や流れる雲を美しく切り取ってくれるし、空間のアクセントにもなる。この記事では、空間の主役となっているクリエイティブな天窓のデザインを取り上げる。サイズ、形、そして周囲の面をどのように「分節」しているか、また、空間の中でどのような位置を占めているのか? こうした点に着目し、個性的な空間をつくりだしているとびきり美しい天窓を紹介していく。
空間の主役となる天窓は、こちらの写真のように、ある程度の大きさが必要だ。白い壁に対して開口部の周囲のオレンジ色が際立ち、空間全体にインパクトを与えている。写真右下に写っている壁に設置された鏡の反射により、オレンジ色に濃淡が生まれている。
建築家のデイヴィッド・ホットソン(David Hotson)とインテリア・デザイナーのギズレーン・ヴィニャス(Ghislaine Viñas)が手がけたスカイハウス〈Skyhouse〉のエレベーターホールの天窓。天窓からの光によって平板になってしまいがちな白い空間をオレンジ色のドアが引き締めている。
スカイハウスはロワー・マンハッタンにあり、天窓は近くの摩天楼を切り取って見せてくれる。写真の摩天楼は、偶然なのだが、フランク・ゲーリーが設計したビルだ。
パーク・アベニューにあるこちらのタウンハウスもデイヴィッド・ホットソンの設計。彫刻のように美しい階段を照らす光から、上方に天窓があることがわかる。
空間と同じく天窓もシンプルな設計だ。光の優しい美しさは、階段と天窓の位置関係から生み出されている。この天窓は、夏場は熱い空気を排出する換気口としての役割も果たしている。
ロシントン・アーキテクチャー(Rossington Architecture)がリノベーションを手がけたキッチン。天窓から手元を明るく照らす光が入る。階段の上部とキッチンの上部の2箇所に天窓が設置されている。
こちらが階段上部の天窓。開口部は小さいが、四方を取り囲む真っ白な壁が光を効果的に反射している。
キッチンの天窓も同様だ。天窓の開口そのものに対して、周囲の天井の凹んだ部分が大きいため、光が効果的に拡散されている。自然光を最大化するという点でも意義があるが、天窓そのものを小さくすることには、構造、ガラスの重さ、プレハブユニットを使用した簡便な設置を可能にする等の効果がある。
キッチンが大きくなるほど、日常生活やおもてなし(パーティーは終わりに近づくにつれてキッチンに場が移ってくるもの)における役割が大きくなるもの。そして大きなキッチンには、天窓を設置するのが理想的だ。手元を自然光で明るく照らしてくれるし、この家の場合、側面の窓の外は2カ所とも木の影がさしているが、天窓からは日光がさんさんと降り注ぐ。
水平窓(リボンウィンドウ)と天窓が調和している例。同じ形の天窓と水平窓が、平行に伸びるカウンタートップを照らしている。
切妻屋根のてっぺんに設置した天窓が、空間のバランスや中心性をつくりだしている。ヨガや瞑想を行うホームジムにはぴったりだ。
プールの下に設置された天窓。高度な技術が要求されるという点でも、また、泳いでいる姿を下から見られてしまうという点でも、大胆な設計だ。水を通過してゆらぎながら射す光が、この空間の主役になっている。
玄関の上方にある細長い窓がそのまま天窓につながっている。水平窓、垂直窓の両方が、建物の角をくるむように設置されている。
天窓のある部分の屋内。天窓は写真の左奥にあり、その効果がはっきりと見て取れる。天窓から射す光と右側の水平窓が、絶妙なバランスを生み出している。また、ベッドの右側で寝る人は、空を見ることができる。
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