床材の種類と特徴。家づくりの際に知っておきたい基本ポイント
住まいに採用できるフローリングについて知り、適材適所の選択をすると、室内デザインを一味違った趣にすることが可能になります。5つの床材について、使い勝手や日々のメンテナンスについてもご説明します。
安井俊夫
2021年4月6日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
今回は人気の無垢フローリングを含む5つの床材について、どんな特徴があるのかを分かりやすくご説明したいと思います。ご説明する床材は以下です。
- 無垢フローリング
- 合板フローリング
- タイル(磁器タイル・陶器タイル・セラミック・大理石も含む)
- カーペット(部屋全体に敷き込む物を指し、一部分に置くラグは含まず)
- クッションフロア(塩化ビニール製のフロアタイルも含む)
1.無垢フローリングの特徴
無垢フローリングは経年変化が楽しめる材料で、素足で歩いてもベタベタすることなく、年間を通して快適に過ごすことが出来ます。材料自体が吸湿・放湿性能を持つことが特徴の一つでもあり、室内湿度調整にも一役買うことが可能です。反面、材料が伸びたり縮んだりすることから、隙間や反り、むくりを生じることもあります。
材の表面は傷付きやすく、水染みや汚れにも弱い一面を持っています。ただし定期的な塗装を行うことで50年近く、その質感を維持することも可能です。
メンテナンス方法:毎日の掃除は掃除機をかけ、乾拭きする程度で良く、濡れ雑巾や化学雑巾の使用は材料を痛めることになるので使用を避けなければなりません。
使用に適した部屋:無垢フローリングを使用するのに適した部屋は居室全般ですが、出来れば水回りへの使用は避けられた方が無難です。高級感のある、現代のライフスタイルに合った床材と言えます。
無垢フローリングは経年変化が楽しめる材料で、素足で歩いてもベタベタすることなく、年間を通して快適に過ごすことが出来ます。材料自体が吸湿・放湿性能を持つことが特徴の一つでもあり、室内湿度調整にも一役買うことが可能です。反面、材料が伸びたり縮んだりすることから、隙間や反り、むくりを生じることもあります。
材の表面は傷付きやすく、水染みや汚れにも弱い一面を持っています。ただし定期的な塗装を行うことで50年近く、その質感を維持することも可能です。
メンテナンス方法:毎日の掃除は掃除機をかけ、乾拭きする程度で良く、濡れ雑巾や化学雑巾の使用は材料を痛めることになるので使用を避けなければなりません。
使用に適した部屋:無垢フローリングを使用するのに適した部屋は居室全般ですが、出来れば水回りへの使用は避けられた方が無難です。高級感のある、現代のライフスタイルに合った床材と言えます。
2.合板フローリングの特徴
合板フローリングとは、複数の薄い板を張り合わせて作られた下地材に、薄くスライスした突板やプリント材を張って作られたフローリングのことを言い、積層フローリングと呼ばれることもあります。
工業製品のため反りやねじれが無く、均一な材料が揃います。無垢フローリングと違い、温度や湿度による変化が少なく、床暖房に対応した材料も用意されています。色ムラや材料のばらつきもありませんが、表面を保護する塗料が傷などにより剥がれると、そのまま劣化に繋がってしまいます。
価格は比較的に安価な材料が多く、無垢フローリングの半分程が費用の目安と言えます。表面塗装は15~20年で剥がれ、塗り直しは出来ません。その場合にはフローリングを丸ごと張り替える必要があります。また日焼けをするため、室内を模様替えする際には、やや難ありと言えます。
表面は硬くツルツルした触感で、滑るために室内犬の股関節を痛める可能性もあるかもしれません。裏側にクッション材が張られた物もあり、防音性能なども期待できます。表面の突板の印象により、見た目の豪華さも感じられます。
メンテナンス方法:日頃のお手入れは掃除機をかけ、から拭きが基本です。化学系のモップや雑巾類も使用することが出来るため、お掃除は楽です。
使用に適した部屋:表面にウレタン系の塗装が施されていることが多いため汚れにくく、居室全般に使用できます。水回りへの採用にも適しています。
合板フローリングとは、複数の薄い板を張り合わせて作られた下地材に、薄くスライスした突板やプリント材を張って作られたフローリングのことを言い、積層フローリングと呼ばれることもあります。
工業製品のため反りやねじれが無く、均一な材料が揃います。無垢フローリングと違い、温度や湿度による変化が少なく、床暖房に対応した材料も用意されています。色ムラや材料のばらつきもありませんが、表面を保護する塗料が傷などにより剥がれると、そのまま劣化に繋がってしまいます。
価格は比較的に安価な材料が多く、無垢フローリングの半分程が費用の目安と言えます。表面塗装は15~20年で剥がれ、塗り直しは出来ません。その場合にはフローリングを丸ごと張り替える必要があります。また日焼けをするため、室内を模様替えする際には、やや難ありと言えます。
表面は硬くツルツルした触感で、滑るために室内犬の股関節を痛める可能性もあるかもしれません。裏側にクッション材が張られた物もあり、防音性能なども期待できます。表面の突板の印象により、見た目の豪華さも感じられます。
メンテナンス方法:日頃のお手入れは掃除機をかけ、から拭きが基本です。化学系のモップや雑巾類も使用することが出来るため、お掃除は楽です。
使用に適した部屋:表面にウレタン系の塗装が施されていることが多いため汚れにくく、居室全般に使用できます。水回りへの採用にも適しています。
3.カーペットの特徴
防音性が高く温かい床材と言えます。部分的に交換可能なタイル状のカーペットもあり、柄や色、毛足の長さが多種多様で、施工が早いことも特徴の一つです。
ただし掃除が面倒でダニも発生しやすく、材料自体の毛が抜けることもあります。また汚すと交換が難しいことも難点の一つです。
値段は比較的に安価な物から、驚くほど高価な材料まで幅広く、5~10年程度で張替えが必要になります。置き家具の跡が残るため、室内の模様替えは難しいと言えます。
触感はとても柔らかで、素足でもスリッパでも問題ありません。室内犬の股関節には優しく、見た目の豪華さもあります。
メンテナンス方法:汚れやすく、埃や毛髪類が絡むと掃除が面倒になりますが、基本的な毎日の掃除は、掃除機をかけることだけです。カーペットの種類によっては、カーペット自体の毛が抜けることもあります。
使用に適した部屋:全ての居室に適していますが、濡れると染みになることもあるため、台所を含む水回りの使用には適していません。
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防音性が高く温かい床材と言えます。部分的に交換可能なタイル状のカーペットもあり、柄や色、毛足の長さが多種多様で、施工が早いことも特徴の一つです。
ただし掃除が面倒でダニも発生しやすく、材料自体の毛が抜けることもあります。また汚すと交換が難しいことも難点の一つです。
値段は比較的に安価な物から、驚くほど高価な材料まで幅広く、5~10年程度で張替えが必要になります。置き家具の跡が残るため、室内の模様替えは難しいと言えます。
触感はとても柔らかで、素足でもスリッパでも問題ありません。室内犬の股関節には優しく、見た目の豪華さもあります。
メンテナンス方法:汚れやすく、埃や毛髪類が絡むと掃除が面倒になりますが、基本的な毎日の掃除は、掃除機をかけることだけです。カーペットの種類によっては、カーペット自体の毛が抜けることもあります。
使用に適した部屋:全ての居室に適していますが、濡れると染みになることもあるため、台所を含む水回りの使用には適していません。
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4.タイルの特徴
タイルには磁器・陶器をはじめとし、大理石や石類と種類が豊富です。一般的には耐水性・耐久性・耐熱性に優れており、豪華な印象を与えます。色や柄・サイズが豊富でバリエーションに富みますが、割れた際の交換が面倒で手間が掛かります。
材料強度は強く50年ぐらいは持ちますが、その分お値段も高いと言えます。日焼けや家具による跡が残らないため、部屋の模様替えは容易です。
メンテナンス方法:日頃のお手入れは掃除機をかけ、乾拭きや水拭きで大丈夫。ただし目地が汚れると掃除は厄介です。
使用に適した部屋:台所をはじめとした水回りの床に適していますが、最近ではパティオを持つ家なども増えていることもあり、居間や居室に採用されることもあります。室内にタイルが敷かれていると、家の印象は格段に変わります。
タイルには磁器・陶器をはじめとし、大理石や石類と種類が豊富です。一般的には耐水性・耐久性・耐熱性に優れており、豪華な印象を与えます。色や柄・サイズが豊富でバリエーションに富みますが、割れた際の交換が面倒で手間が掛かります。
材料強度は強く50年ぐらいは持ちますが、その分お値段も高いと言えます。日焼けや家具による跡が残らないため、部屋の模様替えは容易です。
メンテナンス方法:日頃のお手入れは掃除機をかけ、乾拭きや水拭きで大丈夫。ただし目地が汚れると掃除は厄介です。
使用に適した部屋:台所をはじめとした水回りの床に適していますが、最近ではパティオを持つ家なども増えていることもあり、居間や居室に採用されることもあります。室内にタイルが敷かれていると、家の印象は格段に変わります。
5.クッションフロアの特徴
耐水性が高く、柄が豊富で施工も早いのですが、熱に弱く、熱い物を置くと溶ける場合もありますので注意が必要です。また置き家具で凹むと戻りにくいため、部屋の模様替えは難しいと言えます。
値段は床材の中では、もっとも安い材料と言えます。10~15年で張り替えることが望ましく、置き家具の跡で凹み、日焼けや汚れで変色することもあります。室内の模様替えにはやや難ありと言えます。
触感は柔らかで優しく、やや冷たく感じることでしょう。見た目の豪華さは少ないですが、滑り難いため室内犬の股関節には優しいと言えます。
メンテナンス方法:日頃の掃除は掃除機をかけ、乾拭きか水拭きが基本。掃除は楽で汚れも付きにくく、化学系のモップ等での掃除も可能です。
使用に適した部屋:耐水性に優れているので、洗面所やトイレと言った水回りなどに適しています。
耐水性が高く、柄が豊富で施工も早いのですが、熱に弱く、熱い物を置くと溶ける場合もありますので注意が必要です。また置き家具で凹むと戻りにくいため、部屋の模様替えは難しいと言えます。
値段は床材の中では、もっとも安い材料と言えます。10~15年で張り替えることが望ましく、置き家具の跡で凹み、日焼けや汚れで変色することもあります。室内の模様替えにはやや難ありと言えます。
触感は柔らかで優しく、やや冷たく感じることでしょう。見た目の豪華さは少ないですが、滑り難いため室内犬の股関節には優しいと言えます。
メンテナンス方法:日頃の掃除は掃除機をかけ、乾拭きか水拭きが基本。掃除は楽で汚れも付きにくく、化学系のモップ等での掃除も可能です。
使用に適した部屋:耐水性に優れているので、洗面所やトイレと言った水回りなどに適しています。
それぞれの材料にはデメリットを補う工夫が施された材料や、メリットを向上させた材料もあるので、あくまでも判断される際の参考としてお考え下さい。また床材にはご紹介した材料の他にも、たくさんの優れた品があります。日本の伝統的な床材でもある畳をはじめ、和紙を何層にも張り合わせた床材などもあり選択肢は様々です。
ご自身のライフスタイルと照らし合わせ、暮らしやすさを考えた適切な床材を、建築家とよくご相談の上でお選びください。
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Pタイルやタイルカーペットと言った、比較的安価な材料でも考え方によっては、家庭にも十分に採用しやすい材料ですね。いつもご意見いただき、ありがとうございます。励みになります。