無垢フローリングを採用する前に知っておきたい基本ポイント
人気の高い無垢フローリングですが、樹種やイメージによって選択肢は様々です。基本的なことを理解し、ご自身の家に最適な無垢フローリングを採用しましょう。
安井俊夫
2021年3月16日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
ひとくちに「無垢フローリング」と言っても、その種類は多種多様ですが、樹種を大きく二つに分ければ、針葉樹と広葉樹に分けられます。まずはそこから、ご説明いたしましょう。
無垢フローリングの種類 その1
【針葉樹】
針葉樹とは葉の先端がとがった形をしている樹種の仲間で、代表的な樹では杉・松・檜などが挙げられます。
針葉樹を使ったフローリングの特徴は、軽く柔らかで肌障りの良いことだと言えます。ただし柔らかい=傷が付きやすいという面もあります。代表的な樹種をいくつか、ご説明します。
【針葉樹】
針葉樹とは葉の先端がとがった形をしている樹種の仲間で、代表的な樹では杉・松・檜などが挙げられます。
針葉樹を使ったフローリングの特徴は、軽く柔らかで肌障りの良いことだと言えます。ただし柔らかい=傷が付きやすいという面もあります。代表的な樹種をいくつか、ご説明します。
- 杉(スギ)
- 松(パイン)
パイン材は肌触りが良く、柔らかで温もりを感じることの出来る樹種の代表と言えます。価格も安価で採用しやすく、その感触の良さから子供部屋などへの採用に適しています。白っぽい樹種の色が明るさを感じさせますが、経年変化により落ち着いた飴色へと変化していくことも特徴の一つなので、その変化を楽しめる塗装を施すことが大切です。
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- 桧(ヒノキ)
日本の家では縁甲板(えんこういた)と呼ばれ、ヒノキ材を利用することは多かったのです。白く柔らかな感触は素足で歩いた時に心地よく、ご希望される方が多いようです。ただし比較的に高価なため、節のある材料を選択して、価格を抑えることも無理なく採用するための方法の一つです。
針葉樹は英語でソフトウッド、と呼ばれています。その名の通り、樹の内部に空気を多く含むので冬でも温もりを感じられ、加工もしやすく、比較的に安価なため人気の高い樹種ですが、その反面、傷が付きやすく、場合によっては反りや歪みが生じやすいことも理解しておくことが必要だと言えるでしょう。
無垢フローリングの種類 その2
【広葉樹】
平たい葉の形が特徴的な広葉樹は、重くて硬い樹種と言えます。英語ではハードウッドと呼ばれ傷が付きにくい強度がありますが、それらは樹種の木目が詰まっていることに由来しています。
そのため加工が難しく、家具などに採用される場合には、高級品として扱われています。針葉樹の雰囲気を「軽い」「柔らかい」「温もりや明るさ」があると例えるならば、広葉樹のほうは「重い」「硬い」「重厚で落ち着きがある」といっても良いでしょう。
【広葉樹】
平たい葉の形が特徴的な広葉樹は、重くて硬い樹種と言えます。英語ではハードウッドと呼ばれ傷が付きにくい強度がありますが、それらは樹種の木目が詰まっていることに由来しています。
そのため加工が難しく、家具などに採用される場合には、高級品として扱われています。針葉樹の雰囲気を「軽い」「柔らかい」「温もりや明るさ」があると例えるならば、広葉樹のほうは「重い」「硬い」「重厚で落ち着きがある」といっても良いでしょう。
- 楢(オーク)
- 樺(バーチ)
冷たい印象のある広葉樹フローリングの中において、カバ桜のフローリングは比較的に温もりを感じることの出来るフローリングだと言えます。その理由とすれば、色が白に近い薄い桜色をしていることや、比較的に柔らかいことがあります。節も少なく耐久性に優れ、その色合いから針葉樹のパイン・フローリングと似たような使い方がされ、子供部屋をはじめとした明るさを求める部屋に適していると言えます。
反りや狂いが少ない材料でありながら、適度な温もりを感じられる広葉樹フローリングとしては、価格も手頃で採用しやすい材料と言えそうです。ただし、樹種に色むらがあることも多いため、神経質な方には敬遠されることもあるようです。
- 花梨(カリン)
塗装との相性
針葉樹・広葉樹と樹種による特徴は様々ですが、どちらの無垢フローリングにも共通して言えることは、仕上げとなる塗料の重要性です。夏は湿気を吸うことで膨らみ、冬は乾燥することで縮む特性を持つ無垢フローリングですが、それは生きている証拠であり、その呼吸することが最大の特徴と言えます。
したがって、表面に膜を造り、呼吸を邪魔してしまうウレタン系の塗料は避け、無垢フローリングに浸透する性質を持つオイル系の塗料やワックスを選択することが大切です。
針葉樹・広葉樹と樹種による特徴は様々ですが、どちらの無垢フローリングにも共通して言えることは、仕上げとなる塗料の重要性です。夏は湿気を吸うことで膨らみ、冬は乾燥することで縮む特性を持つ無垢フローリングですが、それは生きている証拠であり、その呼吸することが最大の特徴と言えます。
したがって、表面に膜を造り、呼吸を邪魔してしまうウレタン系の塗料は避け、無垢フローリングに浸透する性質を持つオイル系の塗料やワックスを選択することが大切です。
費用的に考えておきたいポイント
イメージで言えば広葉樹フローリングは高価で、針葉樹フローリングは手頃なお値段といっても良いと思います。
そこで気に入った無垢フローリングを採用するときには、こだわりたい部屋や階によって分けるという選択肢もあるでしょう。例えば落ち着いた雰囲気を演出したい寝室には、広葉樹のカリン・フローリングを選択し、台所や洗面所と言った水回りには耐水性に優れたナラ・フローリング。子供部屋には温もりと温かさを考慮して、パイン・フローリングと言った具合に考えてみては如何でしょう。
イメージで言えば広葉樹フローリングは高価で、針葉樹フローリングは手頃なお値段といっても良いと思います。
そこで気に入った無垢フローリングを採用するときには、こだわりたい部屋や階によって分けるという選択肢もあるでしょう。例えば落ち着いた雰囲気を演出したい寝室には、広葉樹のカリン・フローリングを選択し、台所や洗面所と言った水回りには耐水性に優れたナラ・フローリング。子供部屋には温もりと温かさを考慮して、パイン・フローリングと言った具合に考えてみては如何でしょう。
もっとも部屋ごとに細かく分けてしまうと、家全体のデザインに支障が出てしまうこともあるので、全体のイメージを統一させながら選択することが大切だと思います。そのあたりは建築家とよくご相談された上で、判断されると良いでしょう。
一つ一つ違う材料でもある無垢フローリングの特性を理解し、お手入れやメンテナンスを忘れずに、経年変化する特徴を、お楽しみください。
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針葉樹の中でも杉と桧は、湿度による「伸縮・膨張」が大きく、また多少の反りなども出てきます。クライアントにはこの説明をシッッカリと説明しておかないと、後に乾燥時のフローリングの縮んだ時の「継ぎ目の広がり(2〜3mm)」に、ゴミが詰まるなどのクレームが多く出ると思います。設計時にシッカリとした説明が必要ですね。
ご指摘ありがとうございます。仰る通りで、無垢材には反りやあばれ、隙や伸びによるムクリなどのトラブルが生じる可能性を、併せてお伝えすることが大切ですね。無垢材=万能ではなく、生きているからこそ起こりえるリスクを、説明することが大切です。アース建築工房様のご指摘を含んでの、今回の記事だと思います。ありがとうございました。