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車椅子でも快適。スタイリッシュで使いやすいキッチン
車椅子で生活する女性にとって使いづらかったキッチン。リノベーションによって、機能的で美しく生まれ変わりました。
Amanda Pollard
2019年7月19日
車椅子での生活が始まってから、自宅キッチンの使い勝手の悪さにフラストレーションを抱えていたイギリスの女性。彼女はキッチンのリノベーションを、Houzzで探したインテリアデザイナーに依頼しました。「自分の家をもういちど好きになるために、専門家の助けが必要でした」と振り返ります。
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どんなキッチン?
住まい手:スー・モールド
所在地:イギリス、リッチフィールド
面積:約30㎡
構造: 寝室4室、バスルーム1室の一戸建て
竣工:2018年3月
インテリアデザイナー:クレア・クラブツリー(ClaranDesign)
キッチンデザイナー:キャシー・デイビス(Classic Interiors)
写真:Kasia Fiszer Photography
インテリアデザイナーのクレア・クラブツリーは、美しく機能的な空間を作ることに慣れていましたが、今回のケースは特別でした。クライアントのスー・モールドは、事故で下半身が不自由になってしまい、車椅子での生活を余儀無くされていたからです。
もともとアクティブなライフスタイルを送っていたスーの自宅は、車椅子での生活には向いておらず、今の彼女は不便さを感じていました。依頼したのは、スーがひとりでも快適に使えるキッチンとリビングのデザイン、でした。
住まい手:スー・モールド
所在地:イギリス、リッチフィールド
面積:約30㎡
構造: 寝室4室、バスルーム1室の一戸建て
竣工:2018年3月
インテリアデザイナー:クレア・クラブツリー(ClaranDesign)
キッチンデザイナー:キャシー・デイビス(Classic Interiors)
写真:Kasia Fiszer Photography
インテリアデザイナーのクレア・クラブツリーは、美しく機能的な空間を作ることに慣れていましたが、今回のケースは特別でした。クライアントのスー・モールドは、事故で下半身が不自由になってしまい、車椅子での生活を余儀無くされていたからです。
もともとアクティブなライフスタイルを送っていたスーの自宅は、車椅子での生活には向いておらず、今の彼女は不便さを感じていました。依頼したのは、スーがひとりでも快適に使えるキッチンとリビングのデザイン、でした。
キッチンのリノベーションは、リビングを含んだ1階フロア全体で行われました。キッチンとダイニングスペースはもともと扉で仕切られており、車椅子での行き来を困難にしていました。そこで今回は、ふたつの部屋の間の壁を取り払い、オープンプランの空間とすることからリノベーションがスタートしました。
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クレアはまず、スーが安全に使用できるデザインを考えるため、作業療法士に相談をしました。作業療法士がスーの家の中での行動を観察し、彼女のニーズを洗い出しました。その後、スー自身に聞き取りを行うことで、新しいキッチンに必要な要素を丁寧に判断していきました。
スーは、車椅子生活をしていない人たちが使いにくいと感じるキッチンにはしたくない、と考えていました。
「作業スペースの高さは通常900mmですが、スーがいちばん使いやすい高さは700mmでした」とクレア。「しかし、最終的にスーは800mmの高さを選択しました。自分でも手が伸ばせる範囲ですが、他の人たちにも違和感なく使いやすい高さしたのです」
「作業スペースの高さは通常900mmですが、スーがいちばん使いやすい高さは700mmでした」とクレア。「しかし、最終的にスーは800mmの高さを選択しました。自分でも手が伸ばせる範囲ですが、他の人たちにも違和感なく使いやすい高さしたのです」
部屋のカラースキームは、クレアがスーがの好きな色やアイテムを参考にして、考えました。「スーが普段好んで着ている服やお気に入りのお花から、彼女が好きな色を観察しました。これは、どのクライアントと仕事をする時も気をつけていることです」とクレアは説明します。
Houzzを活用してスーとアイデアブックで写真をシェアし、秋らしい色合いのカラーサンプルとともにアクセントカラーを選びました。焦げたようなオレンジ色がメインカラーとして使用されています。
Houzzを活用してスーとアイデアブックで写真をシェアし、秋らしい色合いのカラーサンプルとともにアクセントカラーを選びました。焦げたようなオレンジ色がメインカラーとして使用されています。
友達や家族も一緒に座って楽しめる朝食カウンターをスーは望んでいました。そこでクレアは、異なる高さのふたつのカウターをデザインしました。円形のテーブルトップとセットの椅子は、他の部分に比べて低めにデザインされており、スーが使いやすいようになっています。
椅子の木製の座面は緩やかにカーブを描き、部屋に暖かいテクスチャーと柔らかな印象を与えています。
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椅子の木製の座面は緩やかにカーブを描き、部屋に暖かいテクスチャーと柔らかな印象を与えています。
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スーは普段、この朝食カウンターの横でお茶を入れています。すぐ横に冷蔵庫を配置し、ミルクなどを取り出しやすいようにしました。
冷蔵庫とその隣の食洗機は、835mmの高さの商品しか見つからなかったため、ここだけワークトップが高くなってます。代わりに冷蔵庫を少し高めに配置することで、スーが下段のアイテムにも手を伸ばしやすいように工夫しました。
冷蔵庫とその隣の食洗機は、835mmの高さの商品しか見つからなかったため、ここだけワークトップが高くなってます。代わりに冷蔵庫を少し高めに配置することで、スーが下段のアイテムにも手を伸ばしやすいように工夫しました。
セラミック製のシンクを希望していたスーでしたが、車椅子をシンクの下に押し込めるスペースが必要だったため、既製品では難しいことが分かりました。
「下にスペースを設けられる浅いシンクのタイプは、既製品ではステンレス製のものしかありませんでした。セラミック製のものはどれも深めに作られており、支柱などで下を支える必要があるのです」とクレアは説明します。
「しかし、ちょうど良い形の配管を見つけることができたため、キッチンユニットを購入し、下にスペースを設けられるようにカットしたあとで、フェイクの引き出しをつけて仕上げました」
「下にスペースを設けられる浅いシンクのタイプは、既製品ではステンレス製のものしかありませんでした。セラミック製のものはどれも深めに作られており、支柱などで下を支える必要があるのです」とクレアは説明します。
「しかし、ちょうど良い形の配管を見つけることができたため、キッチンユニットを購入し、下にスペースを設けられるようにカットしたあとで、フェイクの引き出しをつけて仕上げました」
「今までのキッチンでは、特にパン作りが大変でした」とスー。「オーブンのドアを開けて、熱いものを中から取り出すのは難しい作業でした」
パン作りのためのスペースはシンクの反対側に設けられました。少し低めに設定された作業カウンターでは、スーがが生地を混ぜたりこねたりできます。この作業カウンターの下には何もないので、車椅子をそのまま押し込んで作業することができるようになっています。
パン作りのためのスペースはシンクの反対側に設けられました。少し低めに設定された作業カウンターでは、スーがが生地を混ぜたりこねたりできます。この作業カウンターの下には何もないので、車椅子をそのまま押し込んで作業することができるようになっています。
コーナーユニットには片手で引き出せるシェルフが装備されており、スーがパンを焼くのに必要な道具が簡単に取り出せるようになっています。
車椅子でも自由に移動できるよう余裕を持った空間で、オーブンまで素早く移動することができます。
車椅子でも自由に移動できるよう余裕を持った空間で、オーブンまで素早く移動することができます。
ふたつのオーブンはどちらも目線の高さに配置されており、そのすぐ下には引き出して使える作業カウンターが備え付けられています。「料理の準備ができたら、この作業カウンターに一旦置き、そこからオーブンに入れることができます」とスーは説明します。
このスペースは、オーブンから取り出した熱い料理を最初に置く場所としても使用できます。ここで料理を冷ましてから、ダイニングテーブルや朝食用のバーに運ぶ流れです。
「オーブンはドアをスライドさせて下部に収納できるデザインになっています」キッチンデザイナーのキャシー・デイビスは説明します。「また、オーブン内には伸縮自在のシェルフサポートが内蔵されており、スーがトレイを引き出しても安全なようにしっかりサポートされています」
このスペースは、オーブンから取り出した熱い料理を最初に置く場所としても使用できます。ここで料理を冷ましてから、ダイニングテーブルや朝食用のバーに運ぶ流れです。
「オーブンはドアをスライドさせて下部に収納できるデザインになっています」キッチンデザイナーのキャシー・デイビスは説明します。「また、オーブン内には伸縮自在のシェルフサポートが内蔵されており、スーがトレイを引き出しても安全なようにしっかりサポートされています」
コンロ側のキッチンキャビネットには、プルダウン式の収納が完備されています。引っ張ると、スーの高さまでシェルフが降りてくる仕掛けです。
シーリングライトの他、ランプやキャビネットの下に埋め込まれたLEDストリップ照明などが、部屋をバランスよく照らします。
「スーの角度からだと、照明の配線などが丸見えでした。そのため目隠しをつけ、魅力的なデザインを目指しました」とクレアは説明します。
「スーの角度からだと、照明の配線などが丸見えでした。そのため目隠しをつけ、魅力的なデザインを目指しました」とクレアは説明します。
元々は暗く、狭苦しいダイニングルームだった空間には、パティオに続く大きなスライド式のドアが取り付けられました。「大きな窓をつけることでより多くの光を取り込み、他の部屋への行き来もしやすいようになります」とクレア。
スーは当初、二つ折りのドアを望んでいましたが、開け閉めが非常に大変なことに気づきました。
「フレームのないスライド式のドアは非常に軽く、両方に2mずつ開くため、どちらからでも行き来が可能です」とクレア。
パティオもキッチンダイニングと同じ床高に設定し、庭へのアクセスも容易にしました。
「フレームのないスライド式のドアは非常に軽く、両方に2mずつ開くため、どちらからでも行き来が可能です」とクレア。
パティオもキッチンダイニングと同じ床高に設定し、庭へのアクセスも容易にしました。
床材には、滑らかでありつつ、車椅子で行き来しても傷やへこみがつきにくい素材を使う必要がありました。最終的に高級ビニール素材を1階フロア全体に採用することになりました。「暖かく、車椅子でも動きやすい最適な素材でした」とクレアは説明します。
こうした細部への気遣いが功を奏し、スーの家は彼女の要望に完璧に応える空間へと生まれ変わりました。
「クレアを見つけることが出来たからこそ、このような結果が生まれました。自分ひとりではとても出来なかったことです。全てが気に入っています」とスーは語ります。
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こうした細部への気遣いが功を奏し、スーの家は彼女の要望に完璧に応える空間へと生まれ変わりました。
「クレアを見つけることが出来たからこそ、このような結果が生まれました。自分ひとりではとても出来なかったことです。全てが気に入っています」とスーは語ります。
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