小さなコテージを明るく、より良い空間に
考え抜かれたデザインで、ヴィンテージの雰囲気と魅力を失うことなく、コンパクトな労働者向け住宅の空間を拡げ、光をもたらします。
長い歴史を経てきた住宅を、その独自の魅力は維持しつつ現代的に変えるにはどうしたらよいのか。これは、多くの人に共通の問いと言えるでしょう。この課題は設計施工会社Albert’s HouseのPhil Thomas(フィル・トーマス)さんにとって、ある夫婦の小さなビクトリア時代の労働者向け住宅を再設計するうえで最も重要なものになりました。「私たちはこの住まいを現代的なものにアップデートしつつ、その特徴を尊重したいと考えました」と彼は言います。
フィルさんは建物脇の通路に勾配屋根を備えた増築部分を追加し、リビングルームとダイニングルームをオープンにすることでより多くのスペースを生み出しましたが、デザインする際には建物のディテールに気を配り、この家が持つビンテージの雰囲気を維持できるようにしました。
フィルさんは建物脇の通路に勾配屋根を備えた増築部分を追加し、リビングルームとダイニングルームをオープンにすることでより多くのスペースを生み出しましたが、デザインする際には建物のディテールに気を配り、この家が持つビンテージの雰囲気を維持できるようにしました。
フィルさんはキャビネット用にアンティークの真鍮製ドアノブを調達し、ご夫婦はカララ大理石製のワークトップを選びました。「部屋にテクスチャーを加えるとともに、部屋を明るく見せています」とフィルさんは言います。
壁のメトロタイルはシンプルな見た目を維持しつつ、上階の浴室の壁と呼応したものになっています。
壁のメトロタイルはシンプルな見た目を維持しつつ、上階の浴室の壁と呼応したものになっています。
この保存地区内にある住宅はお互いにかなり近接した状態で建てられていますが、傾斜屋根の増築部分は、近隣の家に影響を与えることなくより多くのスペースを生み出しています。
フィルさんは、境界壁のロンドン煉瓦を露出させたままとすることで、個性を加えました。キッチンキャビネットのシェイカースタイルを反映した裏口は、自然光が取り込めるように半分をガラス張りにしています。
3つの天窓がこのスペースをより明るくし、夜間には傾きを持たせた壁掛けランプが通路を照らします。
フィルさんは、境界壁のロンドン煉瓦を露出させたままとすることで、個性を加えました。キッチンキャビネットのシェイカースタイルを反映した裏口は、自然光が取り込めるように半分をガラス張りにしています。
3つの天窓がこのスペースをより明るくし、夜間には傾きを持たせた壁掛けランプが通路を照らします。
オープンプランのスペースを作り出すために、ダイニングルーム、廊下、そしてリビングルームの間の壁は撤去されました。「バンドソーで切り出されたオーク材の床板を1階全体に敷き詰め、温かみのあるテクスチャーを加えました」とフィルさんは説明します。
「ダイニングテーブルと椅子は、施工会社が最近近くで完成させたプロジェクトから再利用したものです。また暖炉の飾り枠も同じリノベーションプロジェクトからのものです」
「ダイニングテーブルと椅子は、施工会社が最近近くで完成させたプロジェクトから再利用したものです。また暖炉の飾り枠も同じリノベーションプロジェクトからのものです」
リビングルームの暖炉(前の写真)は既にこの場所にありましたが、フィル氏はパイン材のオレンジ色の表面をキッチンのベースユニットと同じ色で塗装しました。
キッチンとリビングスペースの間の壁は一部を残しました。「住宅のこじんまりした雰囲気を、多少なりとも残したいと考えました」とフィルさんは説明します。「犬を飼っているご夫婦にとっても実用的といえます。散歩で泥だらけになった帰った時は、ベビーゲートを引いて広い開口部を塞ぐことができるのです」
左側に当初あったキッチンのドアは塞ぎましたが、上半分は開口としておくことで、キッチンへの眺めがもたらすとともに、この家の当初の建築を伝える目印にもなっています。
キッチンとリビングスペースの間の壁は一部を残しました。「住宅のこじんまりした雰囲気を、多少なりとも残したいと考えました」とフィルさんは説明します。「犬を飼っているご夫婦にとっても実用的といえます。散歩で泥だらけになった帰った時は、ベビーゲートを引いて広い開口部を塞ぐことができるのです」
左側に当初あったキッチンのドアは塞ぎましたが、上半分は開口としておくことで、キッチンへの眺めがもたらすとともに、この家の当初の建築を伝える目印にもなっています。
主寝室にあるベッドは炉胸(暖炉の部屋に突き出た壁の部分)よりも幅が広いため、両側に半分の高さまでのふかし壁を設けてこのスペースを埋めるようにしました。その上にある棚板にはヒンジを設け、内部は収納としています。
ベッドの反対側には壁一面のクローゼットを設置しました。内側には引き出しを備え、十分な収納があります。MDFパネルの扉は非常に薄い灰色で吹き付け塗装され、これよりも濃い色の壁を引き立てています。
2つ目の寝室にあるソファベッドは、貴重な追加収納にもなっています。フィルさんはアンティークの整理ダンスと、アップサイクルされた木製の木箱をベッドの隣に置いて、ビンテージの雰囲気を織り込みました。
「このバスルームはかなり大きく、独立したシャワー、足つき浴槽、そして2つの洗面台を収めることができました」とフィルさん。「この洗面台と浴槽は、ダイニングテーブルと暖炉の飾り枠を譲り受けたのと同じプロジェクトから再利用したものです」
壁に取り付けられたビンテージ風タオル掛けは、伝統的な見た目を加えるために用いたものです。フィルさんは鋳鉄製の浴槽の側面をキッチンユニットと同じ色で塗装し、住まいに調和の取れた見た目をもたらしました。
壁に取り付けられたビンテージ風タオル掛けは、伝統的な見た目を加えるために用いたものです。フィルさんは鋳鉄製の浴槽の側面をキッチンユニットと同じ色で塗装し、住まいに調和の取れた見た目をもたらしました。
床に貼られたカララ大理石のモザイクタイルと壁の白いメトロタイルは、キッチンで用いられている素材とのつながりを感じさせます。
ロフト部分は既に寝室に変更されていましたが、2階の寝室の特徴にもなっている灰色のウールカーペットは階段部分にも続いています。
ペンダントライトは、1階のリビングスペースにあるものと同じスタイルのものを用いています。
ペンダントライトは、1階のリビングスペースにあるものと同じスタイルのものを用いています。
ロフトにはそれほど手を入れる部分がありませんでしたが、塗装をひと塗り施し、いくつかの天窓を追加し、ヘアライン仕上げが施されたステンレス製の金具やコンセントを追加しました。
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住まい手:カップル
所在地: ロンドン西部
設計:Albert’s House
写真: Charlie McKay
スペースを増やすため、キッチンは建物の脇に拡張されました。「ご夫婦は、人を招いて食事ができるよう、アイランドを強くご希望でした」とフィルさんは言います。そこで彼はアイランドを庭に面して配置し、食事をしながら庭の眺められるようにしつつ、側面の壁からは離すことで、裏口への経路が塞がれてしまわないようにしました。
注文製作されたシェイカースタイルのキャビネットは、ベースユニット部を鉛灰色、また壁ユニットをオフホワイトで吹き付け塗装されており、この空間を開放的に見せるのに寄与しています。