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【ミラノサローネ2019】9つのトレンドに見る、変わりゆくデザイン
ミニマリズムが去り、バウハウスがトレンド入り。そしてサステナビリティがついに登場。今年のミラノサローネの新しいトレンドをご紹介します。

Antonia Solari
2019年4月24日
今年の「ミラノサローネ国際家具見本市」(イタリア、ミラノにて4月9日~14日開催)では、世界43カ国から2,400を超える展示がありました。Houzzエディターチームは、会場で今年のデザイン業界を揺るがす必見のトレンドを見てきました。色や装飾のチョイスの変化に加え、ミニマリズムが脇に退くなど、興味深い動きが出てきています。
この記事では、未来のデザイン業界に革命をもたらしそうな二つの新しい潮流にスポットを当てていきます。一つめは、環境にやさしい素材と生産システムが、業界内でますます目に見えるかたちで重要になってきているということ。二つめは、テクノロジーと家具が快適な生活という名の下に、これまで以上に密接な関係になってきているということです。
この記事では、未来のデザイン業界に革命をもたらしそうな二つの新しい潮流にスポットを当てていきます。一つめは、環境にやさしい素材と生産システムが、業界内でますます目に見えるかたちで重要になってきているということ。二つめは、テクノロジーと家具が快適な生活という名の下に、これまで以上に密接な関係になってきているということです。
カッシーナ・パースペクティブ(Cassina Perspective)のインスタレーション。写真撮影:ステファノ・デ・モンテ
1. ミニマリズムにノー、色と柄にイエス
落ち着いた雰囲気とモノトーンの色調、つなぎ目のないひとつの材料でできているといった製品は主役の座を降り、代わりにクリーンな柄と究極の機能性を持つバウハウスのインテリアがトレンド入りしています。それとともに再登場したのが、対照的な原色同士を組み合わせて特徴的で大胆なスペースを生み出すという、バウハウスの流れです。
バウハウスが現代デザインに残した5つの影響とは?
1. ミニマリズムにノー、色と柄にイエス
落ち着いた雰囲気とモノトーンの色調、つなぎ目のないひとつの材料でできているといった製品は主役の座を降り、代わりにクリーンな柄と究極の機能性を持つバウハウスのインテリアがトレンド入りしています。それとともに再登場したのが、対照的な原色同士を組み合わせて特徴的で大胆なスペースを生み出すという、バウハウスの流れです。
バウハウスが現代デザインに残した5つの影響とは?
壁収納ユニット:ピエロ・リッソーニがポロのためにデザインしたシステム
2. 色:ブルー、グリーン、アースカラー
今年注目のカラーは3色、ブルー、グリーン、そしてアースカラーです。これらの色は、布張り家具、ニス塗り家具、インテリアの仕上げとして使われています。
メゾン・エ・オブジェで見つけた、7つのトレンドカラーとは?【2019年1月展】
2. 色:ブルー、グリーン、アースカラー
今年注目のカラーは3色、ブルー、グリーン、そしてアースカラーです。これらの色は、布張り家具、ニス塗り家具、インテリアの仕上げとして使われています。
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フリッツ・ハンセンによるアームチェア3種、エッグ、スワン、ポット
それぞれの色の分類内の、特定の色が注目のカラーとなっています。たとえば、今年発表したフリッツ・ハンセンの製品がその好例です。フリッツ・ハンセンの欧州マーケティング・コーディネーターを務めるカリナ・カラルスはこう話します。「ミッドナイト・ブルーとマスタード・イエローが当ブランドにおける今年の色で、新製品はもちろん過去モデルの再販製品にも、この2つの色を使用しています」
それぞれの色の分類内の、特定の色が注目のカラーとなっています。たとえば、今年発表したフリッツ・ハンセンの製品がその好例です。フリッツ・ハンセンの欧州マーケティング・コーディネーターを務めるカリナ・カラルスはこう話します。「ミッドナイト・ブルーとマスタード・イエローが当ブランドにおける今年の色で、新製品はもちろん過去モデルの再販製品にも、この2つの色を使用しています」
ベッド:セルジオ・ビセゴがボナルドのためにデザインしたラヴィベッド(Lovy Bed)
チェア:アンデルセン&ヴォルがムートのためにデザインしたオスロ・サイドチェア
ソファ:キアラ・アンドレアッティがレマのためにデザインしたタイキ(Taiki)ソファ
衣類用ラック:ファブリス・ベリュー(Fabrice Berrux)がボナルドのためにデザインしたパレンテシ(Parentesi)
オーカー、マスタード・イエローからオレンジレッドまでの、あたたかみのあるアースカラー。これらの色が、小物から布張り家具、本棚にいたるまで、ありとあらゆる種類の家具で使用されていました。これはここ数年の、落ち着いた中間色を主流とするクールなリビングエリアに代わり、よりあたたかみのある、居心地のよい快適なインテリアへと向かう大きなトレンドの一部と言えます。
オーカー、マスタード・イエローからオレンジレッドまでの、あたたかみのあるアースカラー。これらの色が、小物から布張り家具、本棚にいたるまで、ありとあらゆる種類の家具で使用されていました。これはここ数年の、落ち着いた中間色を主流とするクールなリビングエリアに代わり、よりあたたかみのある、居心地のよい快適なインテリアへと向かう大きなトレンドの一部と言えます。
壁面システム:デビッド・ロペス・キンコセスがレマのためにデザインしたLT40
チェア:ピヌーチョ・ボルゴーノヴォ(Pinuccio Borgonovo)がナテヴォ(Natevo)のためにデザインしたブリスコラ(Briscola)
去年の象徴的だった色であるグリーン。デザイナーたちは、他の色にマッチしやすいセージグリーンなどの色調を選んで、今年も取り入れています。
去年の象徴的だった色であるグリーン。デザイナーたちは、他の色にマッチしやすいセージグリーンなどの色調を選んで、今年も取り入れています。
ソファ:ピヌーチョ・ボルゴーノヴォがフルーのためにデザインしたビナーリオ(Binario)
フォレスト・グリーンも今年注目のカラーです。「フォレスト・グリーンとパンプキン・オレンジ。この2色は、私たちの2019年コレクションの基本となる色です」とフルーの公式プレスは発表しています。
フォレスト・グリーンも今年注目のカラーです。「フォレスト・グリーンとパンプキン・オレンジ。この2色は、私たちの2019年コレクションの基本となる色です」とフルーの公式プレスは発表しています。
小型アームチェア:エマニュエル・ガリーナがポラダのためにデザインしたヴィーナス(Venus)
今年、グリーン系の色が注目されているもうひとつの理由として、「自然」というテーマの影響があります。以下で述べるように、自然界の影響力は色に留まらず、柄をはじめサステナブルな素材やプロセスに至るまで、見本市全体で感じられました。
今年、グリーン系の色が注目されているもうひとつの理由として、「自然」というテーマの影響があります。以下で述べるように、自然界の影響力は色に留まらず、柄をはじめサステナブルな素材やプロセスに至るまで、見本市全体で感じられました。
チェア:トム・ディクソンがカッペリーニのためにデザインしたエス・チェア・ブロケード(S Chair Brocade)
3. 花柄の装飾品
テーマとしての「自然」は、今年のプリント素材にも現れています。今年の見本市で主流となったのは中間色、またはマルチカラーの背景に花柄をあしらったもので、ここ数年のトレンドの強まりを感じさせました。
3. 花柄の装飾品
テーマとしての「自然」は、今年のプリント素材にも現れています。今年の見本市で主流となったのは中間色、またはマルチカラーの背景に花柄をあしらったもので、ここ数年のトレンドの強まりを感じさせました。
ソファ:エドワード・ファンフリートがモローゾのためにデザインしたジョッシュ(Josh)写真撮影:アレッサンドロ・パデルニ(Alessandro Paderni)
モローゾ製のソファ「Josh」を手がけたデザイナーのエドワード・ファンフリートは、サローネの展示用として、数ある布張り素材の中から花柄を選んだ理由について、こう語っています。「私が家具をデザインするとき、とりわけそれが布張り家具の場合、どんな生地を使いたいかを真っ先に考えます。花柄の強みは、すべての色が含まれていることです。まさにそれが、花柄の生地がモノトーン系のどんな家具とも組み合わせやすい理由であり、その組み合わせによって数え切れないほどのバリエーションを生みだすことが可能だからです」
モローゾ製のソファ「Josh」を手がけたデザイナーのエドワード・ファンフリートは、サローネの展示用として、数ある布張り素材の中から花柄を選んだ理由について、こう語っています。「私が家具をデザインするとき、とりわけそれが布張り家具の場合、どんな生地を使いたいかを真っ先に考えます。花柄の強みは、すべての色が含まれていることです。まさにそれが、花柄の生地がモノトーン系のどんな家具とも組み合わせやすい理由であり、その組み合わせによって数え切れないほどのバリエーションを生みだすことが可能だからです」
パーテーション:リエヴォレ・アルテールがアルペールのためにデザインしたパラヴァン・ムード(Paravan Mood)
4. 多機能性
多機能性は、今年注目されているバウハウス・スピリットのもうひとつの側面です。見本市では、空間を仕切るだけではなく、吸音パネルを使用して遮音機能を兼ね備えたパーテーションや可動式の壁が展示されていました。他にも、部屋に置くアイテムの総数を抑えることのできる、光源としての機能を組み込んだ家具もありました。
4. 多機能性
多機能性は、今年注目されているバウハウス・スピリットのもうひとつの側面です。見本市では、空間を仕切るだけではなく、吸音パネルを使用して遮音機能を兼ね備えたパーテーションや可動式の壁が展示されていました。他にも、部屋に置くアイテムの総数を抑えることのできる、光源としての機能を組み込んだ家具もありました。
パーテーション:ロン・ギラッドがマジスのためにデザインしたスウィング(Swing)
本棚:デビッド・ロペス・キンコセスがリビング・ディバーニのためにデザインしたセイラー(Sailor)
5. 高いモジュール性
多機能性が好まれる傾向の背景には、モジュール式システム家具の人気が続いていることもあるのかもしれません。このようなシステム家具の中には、並べて設置して、棚や引き出し、扉などのパーツの配置を変えることができる本棚や、パーツを足したり引いたりすることで全体の大きさを変えられるソファなどがあります。
5. 高いモジュール性
多機能性が好まれる傾向の背景には、モジュール式システム家具の人気が続いていることもあるのかもしれません。このようなシステム家具の中には、並べて設置して、棚や引き出し、扉などのパーツの配置を変えることができる本棚や、パーツを足したり引いたりすることで全体の大きさを変えられるソファなどがあります。
マルタ・メダ(Marta Meda)のデザインによるザ・プレイフル・リビング(The Playful Living)
6. 高まるサステナビリティへの意識
今年のはじめに開催されたストックホルム国際家具見本市でも見られたように、サステナビリティはもはや単なる売り込み文句ではなく、デザインの環境への影響を制限するための全方位的な視野と、新しい暮らし方への移り変わりをもたらす完全なプロセスへと変わりつつあります。ここで、このトレンドの具体例を3つご紹介しましょう。
ザ・プレイフル・リビングは、ミラノの街でサローネのテーマに関連するスポットをピックアップするミラノ市全体のデザイン見本市、フオーリサローネで発表されたプロジェクトです。シーラボ(CILAB:ミラノ工科大学の研究室)と共同で開発したザ・プレイフル・リビングは、ライフスタイルを変えるためにデザインされた、150平方メートルのモデルルームです。室内は連動する家具をはじめ、再生プラスチックでできた生地やFSC認証木材などの環境にやさしい素材、そして魅力的な色使いにあふれています。
このプロジェクトを指揮したマルタ・メダはこう話します。「これはフレキシブルな空間を必要とする家族ひとりひとりのための住まいです。ここでは仕事をすることも、小さな子どもと暮らすこともできます。天然素材は好まれますし、空気をきれいにし、暮らしの全体的な豊かさを確かなものにする空気清浄機も含まれています」
トレンドは、環境にやさしいデザイン【ストックホルム国際家具見本市 2019】
6. 高まるサステナビリティへの意識
今年のはじめに開催されたストックホルム国際家具見本市でも見られたように、サステナビリティはもはや単なる売り込み文句ではなく、デザインの環境への影響を制限するための全方位的な視野と、新しい暮らし方への移り変わりをもたらす完全なプロセスへと変わりつつあります。ここで、このトレンドの具体例を3つご紹介しましょう。
ザ・プレイフル・リビングは、ミラノの街でサローネのテーマに関連するスポットをピックアップするミラノ市全体のデザイン見本市、フオーリサローネで発表されたプロジェクトです。シーラボ(CILAB:ミラノ工科大学の研究室)と共同で開発したザ・プレイフル・リビングは、ライフスタイルを変えるためにデザインされた、150平方メートルのモデルルームです。室内は連動する家具をはじめ、再生プラスチックでできた生地やFSC認証木材などの環境にやさしい素材、そして魅力的な色使いにあふれています。
このプロジェクトを指揮したマルタ・メダはこう話します。「これはフレキシブルな空間を必要とする家族ひとりひとりのための住まいです。ここでは仕事をすることも、小さな子どもと暮らすこともできます。天然素材は好まれますし、空気をきれいにし、暮らしの全体的な豊かさを確かなものにする空気清浄機も含まれています」
トレンドは、環境にやさしいデザイン【ストックホルム国際家具見本市 2019】
ノルウェージャン・プレゼンス(Norwegian Presence)によるジョイン・プロジェクト(Join project)の一環としてフィヨルドフェスタが手がけたスキャンディア・ネット・ラウンジチェア(Scandia Nett lounge chair)写真撮影:トリン・ヒスダル(Trine Hisdal)
サステナビリティのもうひとつの例が、ノルウェー人デザイナーとアーティストによる21のサステナブルなプロジェクトを公開する、ノルウェージャン・プレゼンスによるジョインの展示でした。
この展示のキュレーターを務めるヤニク・クラヴィク(Jannike Kråvik)とアレッサンドロ・ドラッツィオ(Alessandro D’Orazio)は次のように話します。「なぜ私たちは新しいものをデザインしなければならないのでしょうか? 美しさはもちろん重要ですが、それに加えて、その物には物質性と耐久性という点での価値を持つ必要があります。私たちが選んだアイテムは、長く使えるだとか分解性があるだとか、あるいは生産工程の中で何かしらの見返りがあるものでなければならないのです」
サステナビリティのもうひとつの例が、ノルウェー人デザイナーとアーティストによる21のサステナブルなプロジェクトを公開する、ノルウェージャン・プレゼンスによるジョインの展示でした。
この展示のキュレーターを務めるヤニク・クラヴィク(Jannike Kråvik)とアレッサンドロ・ドラッツィオ(Alessandro D’Orazio)は次のように話します。「なぜ私たちは新しいものをデザインしなければならないのでしょうか? 美しさはもちろん重要ですが、それに加えて、その物には物質性と耐久性という点での価値を持つ必要があります。私たちが選んだアイテムは、長く使えるだとか分解性があるだとか、あるいは生産工程の中で何かしらの見返りがあるものでなければならないのです」
チェア:スタジオ・フィリップ・ハインケ(Studio Philipp Hainke)のハロー(Halo)
最後に、フィリップ・ハインケが自身のオーガニコ(Organico)研究プロジェクトのために開発したハロー・チェアは、座面がヘンプとカゼインでできています。このハロー・チェアは、若いデザイナーによる優れた作品を称えるサローネサテリテ・アワードで2位に選ばれました。
最後に、フィリップ・ハインケが自身のオーガニコ(Organico)研究プロジェクトのために開発したハロー・チェアは、座面がヘンプとカゼインでできています。このハロー・チェアは、若いデザイナーによる優れた作品を称えるサローネサテリテ・アワードで2位に選ばれました。
バイオプラスチック製のチェスト:アンナ・カステッリ・フェリエーリがカルテルのためにデザインしたコンポニビリ
7. バイオプラスチックに注目
今年の見本市でひときわ目立っていたサステナブル素材のひとつが、再生可能資源から作られた、バイオプラスチックと呼ばれるプラスチック素材です。複数のメジャーなブランドが、この素材を使った展示品を公開していました。
カルテルは、自社のコンポニビリと呼ばれるチェストに、第二の100%天然素材であるバイオ・オンから生まれたバイオプラスチックを使用しています。
世界的なデザインブランドのファビオ・ノヴェンブレも同様に、リサイクル素材であり、かつ再生可能なバイオプラスチックを3Dプリントで加工したアイス・ドリーム(Ice-Dream)シリーズを発表しました。
7. バイオプラスチックに注目
今年の見本市でひときわ目立っていたサステナブル素材のひとつが、再生可能資源から作られた、バイオプラスチックと呼ばれるプラスチック素材です。複数のメジャーなブランドが、この素材を使った展示品を公開していました。
カルテルは、自社のコンポニビリと呼ばれるチェストに、第二の100%天然素材であるバイオ・オンから生まれたバイオプラスチックを使用しています。
世界的なデザインブランドのファビオ・ノヴェンブレも同様に、リサイクル素材であり、かつ再生可能なバイオプラスチックを3Dプリントで加工したアイス・ドリーム(Ice-Dream)シリーズを発表しました。
テーブル:エドワード・バーバー・アンド・ジェイ・オズガビーがノルのためにデザインしたスモルト(Smalto)
8. 仕上げも新しく
今年の見本市でデビューを果たした新素材は、バイオプラスチックだけではありません。ノルのテーブル「スモルト」に使用されているエナメル仕上げのスチールから、木目、大理石、布のような模様がガラスに印刷されているラーゴのエックスガラス(XGlass)仕上げまで、まったく新しい仕上げが特別な注目を集めていました。
また、テーブルトップにコンクリートの質感を持たせたり、本棚に磁器や樹脂の質感を再現するなど、フローリングによく使われる仕上げを家具に取り入れたものもありました。
8. 仕上げも新しく
今年の見本市でデビューを果たした新素材は、バイオプラスチックだけではありません。ノルのテーブル「スモルト」に使用されているエナメル仕上げのスチールから、木目、大理石、布のような模様がガラスに印刷されているラーゴのエックスガラス(XGlass)仕上げまで、まったく新しい仕上げが特別な注目を集めていました。
また、テーブルトップにコンクリートの質感を持たせたり、本棚に磁器や樹脂の質感を再現するなど、フローリングによく使われる仕上げを家具に取り入れたものもありました。
XGlassが特徴的な、布仕上げの扉付キャビネット:ラーゴによるホーム・クチュール(Home Couture)
吸音パネル付ペンダントライト:ステファン・ブトルカス(Stephen Butrkas)がルーチェプランのためにデザインしたトリプタ(Trypta)
9. 人間中心の照明
隔年でミラノサローネと同時開催されるのが、国際照明見本市ユーロルーチェです。サローネ会場の家具と同様、照明ももはや単なる機材ではなく、心地よさを生み出すものとして展示されていました。
吸音パネルが組み込まれた照明や、光の「温度」(心を落ち着かせる暖かさから集中力を高める冷たさまで幅広く対応)をアプリで選べるスマートライト、さらにはユーザーひとりひとりのニーズや好み、概日リズムと地形まで考慮する人間中心の照明システムの創造などが見られました。
今回のミラノサローネ2019は見どころが多く、来場者によってさまざまな解釈が生まれたことでしょう。それでも最後は、デンマーク人デザイナーのヨハネス・トルペ(Johannes Torpe)のこの言葉でまとめることができるのではないでしょうか。「デザイン業界のトレンドは、ファッション業界のそれと同様、シーズンごとに変化するものです。でも、家具に関して言えば、シンプルなものを選ぶべきだと私は思っています。個人的には、品質と耐久性に対する需要に応えられる形状であるべきだと考えます」
空間やデザインが私たちを魅了する理由とは?
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吸音パネルが組み込まれた照明や、光の「温度」(心を落ち着かせる暖かさから集中力を高める冷たさまで幅広く対応)をアプリで選べるスマートライト、さらにはユーザーひとりひとりのニーズや好み、概日リズムと地形まで考慮する人間中心の照明システムの創造などが見られました。
今回のミラノサローネ2019は見どころが多く、来場者によってさまざまな解釈が生まれたことでしょう。それでも最後は、デンマーク人デザイナーのヨハネス・トルペ(Johannes Torpe)のこの言葉でまとめることができるのではないでしょうか。「デザイン業界のトレンドは、ファッション業界のそれと同様、シーズンごとに変化するものです。でも、家具に関して言えば、シンプルなものを選ぶべきだと私は思っています。個人的には、品質と耐久性に対する需要に応えられる形状であるべきだと考えます」
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