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プロからのアドバイス:リビングの「顔」になるTVボードをスタイリッシュにデザインする
近年、家の中心的存在になりつつあるモダンなTVボード。リビングの印象を大きく左右するTVボードまわりをスタイリッシュにデザインするポイントをプロが解説します。
akiyoshi kawajiri
2015年6月23日
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています。
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています... もっと見る
リビングはまさに家の中心。昔から暖炉や豪華な額縁の絵を飾って家の顔をつくる場所でしたが、現代生活においては、TVがその位置に置かれるようになりました。さらに近年では、TVの大型化に伴い、TVボード、もしくはリビングボードと呼ばれる新ジャンルの家具がしつらわれるようになり、デザインもどんどん進化しています。ここでは、すっきりとシンプルで現代的なTVボードについて、プロの目から解説していきたいと思います。
広いスペースをさらに生かした贅沢なレイアウト。普通はシンメトリー(左右対称)としたデザインが多いなか、片寄せとしてバランスを取るというとても難しいレイアウトとなっています。とくに左のキャビネットと横長のキャビネットは普通一体としたデザインが多いのですが、あえて離して設置し空間をあけて絶妙なバランスをとっているところは見習いたいところです。キャビネットの色使いもシックなモダンさを感じます。
壁から壁までなんと4,436mm。機器類全てが収納されたTVボードですが、下部の間接照明で狭さを感じさせません。ちなみにセンターテーブルも同時に作ったものです。これでリビングのインテリアに統一感が生まれています。
このTVボードはリビングボードと言ってよいでしょう。 ローボードと棚板はホワイトにして圧迫感をなくし、TVを付けている背面のパネルをあえてダークな色にして、手前に見えるソファーとのカラーバランスをとっています。
「とにかくシンプルに」という依頼を受けて制作したTVボードです。TVボードの高さは180mmととても薄いもの。上と下からは間接照明の明かりがほのかに映っているようすがおわかりでしょうか。
上から見ると、なぜ脚がついていないのだろう?と思われますよね。実は構造はしっかりしています。特注家具ならではのマジックと言えるかも知れません。秘密を明かすと、家の構造柱にTVボードを支える強度をもつ特注のブラケットを先に付け、後でTVボード本体を差し込んでいるのです。
TVボードを浮かせ、床をそのまま見せることでリビングを広く感じさせることに成功しています。
中心にはレコーダー、そして両端にはスピーカーをセットできるようになっています。 ここまでスマートにしたからにはTVの配線も見せたくありませんよね。ですから当然配線は壁の内側とし、コンセント及びアンテナ線はキャビネットの中に出すなど一切表には出ないようにしています。
コンパクトでありながらリビングのセンターに置かれ、壁をクッキリと分けるダークカラーにすることでTVに集中させる効果が生まれています。
室内が広くゆるやかにカーブを描くローカウンターとショーケースとして見えるオープンキャビネットと一体化させているという、なんとも豪華なTVボードですが、パネルを先に付けてからTVをセットしているところはスタンダードな納め方です。
一見すると横に長いので中心が下がってきそうですが。実は埋め込みとなっています(写真からでは分かりませんが)。これは家具のプランニング段階から建築工事にも指示を出しているもので、建物が完成してからは出来ないという比較的難度の高いものです。
背面パネルを付け、間接照明を付けることでシアタールーム的な効果も演出できます。何よりも固定のための下地や配線の問題が解消されますので、今後のスタンダードとなっていくでしょう。
このように室内に出っ張っている壁の構造柱は、通常、リビングにあると欠点になりますが、ホワイトパネルを横長に設置して、センターにTVだけをセットすることで、構造柱を空間のアクセントにしています。設計者は棚や収納をつけたくなる衝動を抑えたのでしょうか、独創性を見習いたいところです。もちろん手前のセンターテーブルと対にして、統一感を見せているところも見逃せません。
近年のTVの薄型化が進んだことで、写真のように、間仕切り壁にTVをビルトインするケースも増えてきています。機器類の収納部分となっている下部はダークな色で重厚感を出す一方、上部はホワイトにているため、モニターがクッキリと見やすくなっています。
TVボード自体を回転させるという逆転の発想。床の電源、アンテナの設置の工夫が必須となります。
左の下にはウーファースペースが仕込まれています。右側はキッチンへと続く空間なので、少しでも広く感じさせたいという施主の希望を受けて、段差を設け、花台としました。空間に余裕がうまれた、と施主の方にも喜んでいただけました。手前のセンターテーブルも、もちろんTVボードに合わせてデザインしたものです。
教えてHouzz
どんなTVボードを使っていますか? コメント欄で写真をシェアしてください。
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