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ヴィネット〜ストーリーのあるディスプレイ
英語で多数のアイテムを集めたディスプレイを意味するヴィネットーvignette。ちょっと耳慣れない言葉ですが、ヴィネットのある部屋はとても素敵で、幸せな雰囲気が漂います。ぜひあなたもつくってみませんか?
ブラッキン・ヘザー
2015年5月11日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
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より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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「ヴィネット」という単語を辞書で引くといくつかの意味が見つかりますが、インテリアにおけるヴィネットとは、大切なものを集めて飾るアレンジメントのことをいいます。リビングやダイニング、玄関など、人目につく場所にちょっとしたアレンジメントがあると、部屋の表情が大きく変わります。厳選された2、3点でもシンプルで落ち着いたヴィネットになりますし、たくさんのアイテムを寄せ集めて高さを出したり、前後と重ねたりしても個性的で素敵です。最も印象的なヴィネットとは、住んでいる人のストーリーを語るもの。自分にとって意味を持つ、大切なアイテムを集めて飾ることで、より奥深さを感じることができます。
わが家のダイニングのヴィネットは、過去に住んだ場所や出会った人など、大切な思い出が含まれているアイテムの寄せ集めです。古いものや新しいもの、自分で見つけたものや、人から譲られたもの。それぞれに歴史があり、その時々の思いが込められています。
置くものや並べ方には特にルールはありません。ひとつずつ見るとただのガラクタに見えてしまうものも多いかもしれませんが、自分の人生でのさまざまな通過点を表すものたちがこのように集まっているところを目にすると、なんだか自分のライフストーリーを語ってくれているような気がします。
置くものや並べ方には特にルールはありません。ひとつずつ見るとただのガラクタに見えてしまうものも多いかもしれませんが、自分の人生でのさまざまな通過点を表すものたちがこのように集まっているところを目にすると、なんだか自分のライフストーリーを語ってくれているような気がします。
ヴィネットとはもの自体を指すのではなく、「ものを集めて置いたときに出来上がるひとつの世界」のことをいうのだと思います。家具の上だけにとどまらず、下にスペースがあればそこも上手に活用して、全体がひとつに見えるスタイリングができれば、かなりレベルの高いヴィネットになるでしょう。
飾りたいものがたくさんあっても、部屋のあちらこちらに飾らずに、このように1か所にまとめることで、よりインパクトのあるディスプレイになります。
飾りたいものがたくさんあっても、部屋のあちらこちらに飾らずに、このように1か所にまとめることで、よりインパクトのあるディスプレイになります。
フレームに入れた写真、本、テーブルランプ、グリーン、または花、そしてジュエリーボックスのような小さな箱は、もっともクラシックなヴィネットの組み合わせです。
特に本は、ヴィネットをつくるときの強い味方です。全体に奥深さと温もりを与えるほか、バランスのよい高さを出すためにも大変便利なツールです。また、鏡や絵を壁にかけると、そこに自然と背景ができ、よりまとまり感を出すことができます。かけるのが難しければ、立てかけるだけでもOK。それはそれでまたさりげなくて素敵です。
特に本は、ヴィネットをつくるときの強い味方です。全体に奥深さと温もりを与えるほか、バランスのよい高さを出すためにも大変便利なツールです。また、鏡や絵を壁にかけると、そこに自然と背景ができ、よりまとまり感を出すことができます。かけるのが難しければ、立てかけるだけでもOK。それはそれでまたさりげなくて素敵です。
欧米では、ヴィネットを置く場所として最も人気があるのが暖炉の上。ソファが通常、暖炉を囲んでレイアウトされているため、自然と視線が集まる場所です。
小さなアイテムをたくさん置くだけでは、なんとなく雑然と見えてしまうこともあります。そんな時には植物の手助けを借りましょう。植物は複数のものをまとめる不思議なパワーを持ちます。また、ちょっとしたインテリアグリーンを添えるだけで、あまり共通点のないバラバラなアイテムも、自然とまとまって見えてきます。
小さなアイテムをたくさん置くだけでは、なんとなく雑然と見えてしまうこともあります。そんな時には植物の手助けを借りましょう。植物は複数のものをまとめる不思議なパワーを持ちます。また、ちょっとしたインテリアグリーンを添えるだけで、あまり共通点のないバラバラなアイテムも、自然とまとまって見えてきます。
真っ白な部屋の中、確かなフォーカルポイントとなっている、一直線に並べられた棚のヴィネット。さまざまな違うものが置いてありますが、家具の幅を反映する横長のフレームやオブジェが全体をまとめて引き締めてくれています。
暖炉や家具の上などに限らず、壁面もヴィネットの飾り場所になります。シェルフにものを置いたり、アートや写真を飾ってひとつの演出をつくり上げてみてましょう。
思い出のアイテム、自分を語るようなグッズを飾れば、そこには自然と自分だけのストーリーができ上がります。こちらは赤ちゃんの誕生を記念につくったヴィネットでしょうか。温もりにあふれた、家族の愛情を感じられるベッドまわりですね。
思い出のアイテム、自分を語るようなグッズを飾れば、そこには自然と自分だけのストーリーができ上がります。こちらは赤ちゃんの誕生を記念につくったヴィネットでしょうか。温もりにあふれた、家族の愛情を感じられるベッドまわりですね。
こちらも白をベースにしたエレガントなヴィネット。このお宅にはきっと、穏やかでロマンチックな女性が住んでいるのでは、と想像してしまいます。フェミニンさがテーマになっているアレンジメント、ブライダル写真やキャンドル、淡い色使いはどれもきっとオーナーの優しいパーソナリティを表しているのでしょう。
愛犬が家族の大切な一員であることを語ってくれる、愛情にあふれたコーナー。好きなもの、自分にとって意味を持つものを飾ってこそ、完成度の高い本物のヴィネットになります。統一感を出すためにアクセントカラーをとり入れるのもひとつの方法です。
こちらに向けられたカメラのレンズが、まるで見ている人を引き込んでくれるように感じられる、印象に残るヴィネット。ただきれいにディスプレイするだけではなく、遊び心も大切にしています。ミッドセンチュリーのしゃれた雰囲気も感じられる楽しいコーナーです。
素朴でさりげない、それでいてカラフルなヴィネット。ワイヤーバスケットに本、アート、そして花瓶に入った花を置いただけですが、ヴィンテージの香りが漂い、どこか奥深さがあるディスプレイです。
寝室のドレッサーの上では自然と、アクセサリーやジュエリーボックス、香水などのアイテムがヴィネットになることが多いのでは。全体的に小さめのもので統一された、きれいな色のドレッサーまわりからはオーナーのおしゃれな個性が感じられます。ドレッサーの上だけではなく、壁も上手に使っているところが印象的です。
もうひとつ、人気のあるヴィネットのつくり方は、コレクション。たくさん集めて並べることで、個性を印象的に表すディスプレイになります。でも、コレクションのアイテムをただバラバラに飾ってもあまりインパクトが出ず、かえって意味を失ってしまうことも。同じ場所に集めて初めて「コレクション」としての意味を持ち、強い印象を与えるディスプレイになります。
このコーヒーテーブルのヴィネットは、四方どこからでも、そして上から見ても違和感がないものや置き方にしています。わが家のコーヒーテーブルの上に置いてある、ベルギーで見つけた古い木箱の中には、秋冬は散歩で拾ったパインコーンを、春夏は海で拾った貝殻を。香りのよいポプリやコレクションの古いガラス瓶と一緒に入れています。その横には大好きなキャンドルをたっぷり、そしてお気に入りの洋書も。深く考えずになんとなく置いていくうちに、ソファまわりの雰囲気ができ上がってきたような気がします。
ヴィネットのコツとはまず、あまり考えすぎず、あまりつくり込みすぎないことだと思います。一日で完成するものではなく、好きなものや大切なものを置いていくうちに、だんだんとなじんで、よい味とコクが出てくるものなのかもしれません。
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