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知っているようで、意外と知らない「ひな祭り」の由来と歴史
お内裏様は、お殿様のことじゃないって本当? 男雛と女雛の座る位置は、なぜ関西と関東で違うの? そんなひな祭りにまつわる疑問を解決する記事です。
片岸千代子
2016年2月27日
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中。http://www.writing-office.com/
不動産に携わって約16年。大手不動産会社(デベロッパー)で、新築分譲マンションの接客営業を経験。その後、不動産に特化したIT企業にて、社内のライターとして勤務。現在、不動産(住宅)を得意分野とする、フリーのライターとして活動中... もっと見る
女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」。日本にはもともと、形代(かたしろ)と呼ばれる人形を川や海に流して自分の厄を払う「流しびな」という宮中行事がありました。平安時代に、中国で行われていた禊ぎ(みぞぎ)やお祓いをする上巳節(じょうしせつ)が日本に伝わり、この二つが結びついて今に伝わっていると言われています。広く世間に広がるのは戦国時代で、今は女の子の節句ですが当時は男女の区別はありませんでした。江戸時代に入り、公的な祝日として「五節句※」が制定され、女の子の節句は3月3日「上巳の節句」、男の子の節句は5月5日「端午の節句」となりました。
知っていそうで、知らない“ひな祭り”の由来や歴史、豆知識のアレコレを紹介します!
※「五節句」とは、1月7日の「人日の節句」、3月3日の「上巳の節句」、5月5日の「端午の節句」、7月7日の「七夕の節句」、9月9日の「重陽の節句」をいいます。
知っていそうで、知らない“ひな祭り”の由来や歴史、豆知識のアレコレを紹介します!
※「五節句」とは、1月7日の「人日の節句」、3月3日の「上巳の節句」、5月5日の「端午の節句」、7月7日の「七夕の節句」、9月9日の「重陽の節句」をいいます。
Photo by Flickr user 田中十洋
宮中の遊び「ひいな遊び」
「雛」とは、大きい物を小さくしたもの、小さくて可愛いもの」という意味で、「ひな」の古語は「ひいな」になります。
「流しびな」の人形は、川や海に流すため藁や紙でできた簡単なものでした。今でも、藁であんだ台に折り紙で作った人形をくっつけ、流している地域もあります。
一方、現代でいう「おままごと」のようにして、飾ったり供え物をしたりして、人形で遊ぶ「ひいな遊び」といのが宮中で流行していました。これが、武家社会に広まり、嫁入り道具のひとつとして用いられることもあったそうです。また、その家の財力を示すように、ひな壇が加わり豪華になったともいわれています。
宮中の遊び「ひいな遊び」
「雛」とは、大きい物を小さくしたもの、小さくて可愛いもの」という意味で、「ひな」の古語は「ひいな」になります。
「流しびな」の人形は、川や海に流すため藁や紙でできた簡単なものでした。今でも、藁であんだ台に折り紙で作った人形をくっつけ、流している地域もあります。
一方、現代でいう「おままごと」のようにして、飾ったり供え物をしたりして、人形で遊ぶ「ひいな遊び」といのが宮中で流行していました。これが、武家社会に広まり、嫁入り道具のひとつとして用いられることもあったそうです。また、その家の財力を示すように、ひな壇が加わり豪華になったともいわれています。
“お内裏様とお雛様”は、間違い!?
ひな祭りの歌といえば、♪明かりをつけましょ、ぼんぼりに〜♪お花をあげましょ、桃の花〜♬が代表的ですよね。
この歌の歌詞にでてくる、お内裏様とお雛様、ふたり並んで……の部分、お内裏様がお殿様で、お雛様がお姫様だと思っている方もいるかもしれませんが、実は違うんです!
お内裏様とは、男雛(お殿様)と女雛(お姫様)の両方を指す言葉なのです。また、お雛様は、お内裏様、三人官女、五人囃子、随身(左大臣・右大臣)、仕丁、のすべての人形のことをいいます。
ひな祭りの歌といえば、♪明かりをつけましょ、ぼんぼりに〜♪お花をあげましょ、桃の花〜♬が代表的ですよね。
この歌の歌詞にでてくる、お内裏様とお雛様、ふたり並んで……の部分、お内裏様がお殿様で、お雛様がお姫様だと思っている方もいるかもしれませんが、実は違うんです!
お内裏様とは、男雛(お殿様)と女雛(お姫様)の両方を指す言葉なのです。また、お雛様は、お内裏様、三人官女、五人囃子、随身(左大臣・右大臣)、仕丁、のすべての人形のことをいいます。
関西と関東では、お内裏様の並び方が違う!
関西では、向かって左が女雛、右が男雛。
関東では、向かって左が男雛、右が女雛になっており、左右逆に人形が座っています。
雛人形は、宮中の婚礼の儀を模したものだと言われており、天皇・皇后の立つ位置にあわせて配置されています。
日本では古くより、左上位という考えがあります。これは、「天子南面」の考えに基づき、北を背にし南を向いたとき、日の出の方向(東)が左に来ることに由来します。そこで、男雛は左(向かって右)に、女雛は右(向かって左)に座らせるのが通例でした。ところが、時代が進み、右上位という国際マナーを日本が取り入れたことで、東京に皇居をおく関東では、男雛は右(向かって左)で、女雛が右(向かって左)となり左右逆転したのです。(これは、天皇誕生日や新年の一般参賀などを見れば、一目瞭然です)ですが、古くから京都御所のあった関西地方では、古来の伝統を重んじ、今までの慣習を継続したため、東西でお内裏様の配置が違う、というわけです。
関西では、向かって左が女雛、右が男雛。
関東では、向かって左が男雛、右が女雛になっており、左右逆に人形が座っています。
雛人形は、宮中の婚礼の儀を模したものだと言われており、天皇・皇后の立つ位置にあわせて配置されています。
日本では古くより、左上位という考えがあります。これは、「天子南面」の考えに基づき、北を背にし南を向いたとき、日の出の方向(東)が左に来ることに由来します。そこで、男雛は左(向かって右)に、女雛は右(向かって左)に座らせるのが通例でした。ところが、時代が進み、右上位という国際マナーを日本が取り入れたことで、東京に皇居をおく関東では、男雛は右(向かって左)で、女雛が右(向かって左)となり左右逆転したのです。(これは、天皇誕生日や新年の一般参賀などを見れば、一目瞭然です)ですが、古くから京都御所のあった関西地方では、古来の伝統を重んじ、今までの慣習を継続したため、東西でお内裏様の配置が違う、というわけです。
Photo by Flickr user 田中十洋
左近の桜と右近の橘
雛人形には、桜と橘が飾られています。これは、平安京の内裏にあった紫宸殿(ししんでん)の庭に、桜と橘が植えられていたことに由来しています。
桜は「知恵の木」、橘は「生命の木」ともいわれ、ともに魔除けや邪気払いの力があると考えられています。橘は、長寿の瑞祥の樹といわれ、その実は不老長寿の実と言い伝えられています。桃の節句と異名があるように、桜の代わりに桃の花が代用されることもあり、桃もやはり邪気払いの霊力が強いと信じられている樹木です。
紫宸殿からみて、左(向かって右)にあることから左近の桜、右(向かって左)にあることから右近の橘と呼ばれ、現在の京都御所の紫宸殿にも、左近の桜と右近の橘が植えられています。
左近の桜と右近の橘
雛人形には、桜と橘が飾られています。これは、平安京の内裏にあった紫宸殿(ししんでん)の庭に、桜と橘が植えられていたことに由来しています。
桜は「知恵の木」、橘は「生命の木」ともいわれ、ともに魔除けや邪気払いの力があると考えられています。橘は、長寿の瑞祥の樹といわれ、その実は不老長寿の実と言い伝えられています。桃の節句と異名があるように、桜の代わりに桃の花が代用されることもあり、桃もやはり邪気払いの霊力が強いと信じられている樹木です。
紫宸殿からみて、左(向かって右)にあることから左近の桜、右(向かって左)にあることから右近の橘と呼ばれ、現在の京都御所の紫宸殿にも、左近の桜と右近の橘が植えられています。
室内に取り込む春の気配
心理学で、癒しと幸福感を与えるピンクと穏やかで安心感の緑、清潔な印象をもたらすホワイトは、優しい気持ちにさせてくれる春の配色です。桃の花の壁紙を施せば、厄よけという隠れた役目も果たしつつ、春の温かな陽気が漂う気持ちの良い部屋の完成です。
心理学で、癒しと幸福感を与えるピンクと穏やかで安心感の緑、清潔な印象をもたらすホワイトは、優しい気持ちにさせてくれる春の配色です。桃の花の壁紙を施せば、厄よけという隠れた役目も果たしつつ、春の温かな陽気が漂う気持ちの良い部屋の完成です。
桜の花をあしらった子ども部屋
女の子の健康を願って、縁起のよいものを部屋に飾りたいもの。視覚的にピンクや赤といった暖色系は、血流が良くなったり、体温があがったり陽気な気分にしたりと、成長に欠かせない要素が含まれています。
今では、ホームセンターでペンキを買って来て自分で壁を塗ったり、インテリアショップなどで、壁にペタペタと貼ってデザインできるキットを購入することができます。そういった道具やグッズをみるとDIYで、気軽に部屋の模様替えができる時代になったのだと実感します。
女の子の健康を願って、縁起のよいものを部屋に飾りたいもの。視覚的にピンクや赤といった暖色系は、血流が良くなったり、体温があがったり陽気な気分にしたりと、成長に欠かせない要素が含まれています。
今では、ホームセンターでペンキを買って来て自分で壁を塗ったり、インテリアショップなどで、壁にペタペタと貼ってデザインできるキットを購入することができます。そういった道具やグッズをみるとDIYで、気軽に部屋の模様替えができる時代になったのだと実感します。
小物の色彩で春を楽しむ
ランチョンマットや、テーブルナプキン、手ぬぐい、ペーパーナプキンなど、キッチンやダイニングテーブル周りの小物に薄ピンク、緑、白を配色したものをセットするだけで、使うことが楽しくワクワクした気分にしてくれます。
ランチョンマットや、テーブルナプキン、手ぬぐい、ペーパーナプキンなど、キッチンやダイニングテーブル周りの小物に薄ピンク、緑、白を配色したものをセットするだけで、使うことが楽しくワクワクした気分にしてくれます。
桃の花でテーブルコーディネート
食卓に、季節の花を生けるだけで、グッと雰囲気が変わります。ちょっとしたことで、模様替えをしたような演出効果が得られます。また、花の香りには癒し効果もあるので、疲れた体や張りつめた気分を和らげてくれます。
こちらの特集記事も:
簡単DIY:ひなあられのようなパステルカラーのつるし雛
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ひな祭りの食事といえば!
ひな祭りといえば、三色の菱餅やちらし寿司、ハナグリ、あられ、甘酒などがあります。
雪の下の新芽と雪の上の桃の花を象る菱餅は、下から緑、白、桃色の順に重ねられています。解毒作用のある赤いくちなしを原料とする桃色は「魔除け」、血圧を下げるヒシの実を使った白は「清浄」、厄よけ効果のあるヨモギの緑は「健康や生命力」を意味しています。
ハマグリは、一対の貝殻が他の貝殻とは一致しないため、夫婦和合や良縁といった想いが込められています。また、平安貴族が遊んだ貝合わせの貝を入れておく、貝桶もひな壇に飾られています。
今は甘酒ですが、もともとは桃が百歳(ももとせ)に通じることから、「桃花酒」といって清酒に桃の花を浮かべて飲んでいました。江戸時代になって、白酒になり今の甘酒になったといわれます。
ひな祭りといえば、三色の菱餅やちらし寿司、ハナグリ、あられ、甘酒などがあります。
雪の下の新芽と雪の上の桃の花を象る菱餅は、下から緑、白、桃色の順に重ねられています。解毒作用のある赤いくちなしを原料とする桃色は「魔除け」、血圧を下げるヒシの実を使った白は「清浄」、厄よけ効果のあるヨモギの緑は「健康や生命力」を意味しています。
ハマグリは、一対の貝殻が他の貝殻とは一致しないため、夫婦和合や良縁といった想いが込められています。また、平安貴族が遊んだ貝合わせの貝を入れておく、貝桶もひな壇に飾られています。
今は甘酒ですが、もともとは桃が百歳(ももとせ)に通じることから、「桃花酒」といって清酒に桃の花を浮かべて飲んでいました。江戸時代になって、白酒になり今の甘酒になったといわれます。
大人の“ひな祭りパーティー”
子どものひな祭りパーティーもいいですが、大人女子だけのパーティーも楽しそうです!
普段、大切にしまっている漆の器やお重箱、伝統工芸品のお皿、ブランドものグラスなど食器にもこだわってコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
また、あまり知られていないかもしれませんが、3月のひな祭りのあと、9月にもう一度、ひな祭りをする「後の雛」という行事があります。これは、人形の虫干しを兼ねた長寿のお祝いとして、重陽の節句と一緒に行います。重陽の節句には、桃の節句に桃花酒を飲むように、菊の花びらをお酒に浮かべて飲む菊酒があります。
子どもの健やかな成長を願う3月のひな祭りと、長寿を祈願する9月の大人のひな祭り、一年に2度もお雛様を楽しむことができます。
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普段、大切にしまっている漆の器やお重箱、伝統工芸品のお皿、ブランドものグラスなど食器にもこだわってコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
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