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プロの写真家に撮影を頼むべきケースとは?
プロだからこそ撮れる美しい写真には、人の心に訴える大きな力があります。写真を通して作品の魅力を伝えることは、次の施主との出会い、作品づくりにもつながります。
Fred Albert
2023年10月6日
デジタルカメラの進化により、設計者や施工者にとって作品の撮影は昔よりはるかに楽になりました。しかしながら、やはり素人が素人向けのカメラでできることには限界があります。ポートフォリオに入れたり、コンペにエントリーしたり、広告・宣伝に使ったりするための写真は、作品の魅力をしっかり生き生きと見せてくれるものでなければなりません。Houzzでも高い人気を集めているのは、やはりプロの写真家が撮影した魅力ある住宅写真です。
では、住空間を撮影してくれるプロの写真家をどうやって探したらよいのでしょうか? 撮影代はどのくらいかかるのでしょうか? また、完成した写真の使用には制限があるのでしょうか?米国で活動するプロの建築写真家に、事情をきいてみました。
では、住空間を撮影してくれるプロの写真家をどうやって探したらよいのでしょうか? 撮影代はどのくらいかかるのでしょうか? また、完成した写真の使用には制限があるのでしょうか?米国で活動するプロの建築写真家に、事情をきいてみました。
どんな写真家に撮影を依頼すべき?
住宅の撮影には、ライティング(照明)、スタイリング、アングルなど、テクニックや工夫が必要となる点がたくさんあります。そこで、こうした技術を身に着けているプロを雇うことが大切です。でも、「すべてに優れた写真家を探す必要はありません」と話すのは、メイン州ポートランドのジェームズ・R・サロモン・フォトグラフィーのジェームズ・サロモンさんです。
米国では、住空間を撮影する写真家は、大きく分けて2つに分かれます。建築写真の撮影を専門する写真家と、不動産物件の撮影を専門とする写真家です。売却が目的での撮影であれば、後者を探すのがおすすめです。
「不動産物件の撮影を専門とする写真家は、撮影料が安いですし、1時間程度で家全体の撮影を終了します。撮影中は、備品などには一切手を加えません」と話すのは、シアトルの建築写真家、ウィリアム・ライトさんです。ただし、建築空間の個性や特徴とらえた写真を撮影してもらいたいなら、建築写真家に撮影を依頼すべきでしょう、とも語ります。「建築写真家であれば、撮影前に打ち合わせを行い、いちばんよい撮影方法を検討し、必要に応じてスタイリングや家具の移動など、空間の魅力を引き出す写真撮影のための工夫を行います」とライトさんはいいます。
住宅の撮影には、ライティング(照明)、スタイリング、アングルなど、テクニックや工夫が必要となる点がたくさんあります。そこで、こうした技術を身に着けているプロを雇うことが大切です。でも、「すべてに優れた写真家を探す必要はありません」と話すのは、メイン州ポートランドのジェームズ・R・サロモン・フォトグラフィーのジェームズ・サロモンさんです。
米国では、住空間を撮影する写真家は、大きく分けて2つに分かれます。建築写真の撮影を専門する写真家と、不動産物件の撮影を専門とする写真家です。売却が目的での撮影であれば、後者を探すのがおすすめです。
「不動産物件の撮影を専門とする写真家は、撮影料が安いですし、1時間程度で家全体の撮影を終了します。撮影中は、備品などには一切手を加えません」と話すのは、シアトルの建築写真家、ウィリアム・ライトさんです。ただし、建築空間の個性や特徴とらえた写真を撮影してもらいたいなら、建築写真家に撮影を依頼すべきでしょう、とも語ります。「建築写真家であれば、撮影前に打ち合わせを行い、いちばんよい撮影方法を検討し、必要に応じてスタイリングや家具の移動など、空間の魅力を引き出す写真撮影のための工夫を行います」とライトさんはいいます。
写真家の探し方は?
日本で探す場合は、Houzz Japanの「写真家ネットワーク」を利用するのもおすすめです。「写真家ネットワーク」のページはこちら。
他には、建築写真家協会などの専門家団体のウェブページなどにも、所属する写真家の名簿が掲載されている場合があります(日本建築写真家協会のホームページはこちら)
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目的にあった写真家を見つけるには?
気になる写真家をリストアップしたら、各写真家のウェブサイトでポートフォリオ(作品写真)を見てみましょう。写真の質や個性は自分の目的にあっているか? 自分の建築・空間作品と似たタイプのプロジェクトを撮影ているか?(例えば、公共施設など大規模な建築を専門としている写真家だと、手がけた住宅の撮影にはあわないかも?)。過去に撮影した作品の建築家はどんなタイプだろうか? などなど、写真家のウェブサイトでチェックしてみましょう。
また、「写真家ネットワーク」なら、ネットワークに参加しているプロのプロフィールから、写真作品を見ることもできます。
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また、「写真家ネットワーク」なら、ネットワークに参加しているプロのプロフィールから、写真作品を見ることもできます。
雑誌やウェブマガジンに掲載される写真とは?
「将来、雑誌やウェブマガジンへの掲載を希望するかどうか、という点は重要です」と話すサロモンさんは、常日頃から、10〜20の雑誌や広告のアートディレクターと仕事をしています。こうしたコネクションがある写真家に頼めば、そうでない場合よりも雑誌やウェブマガジンへの掲載の機会は増えます。特に、住宅建築のメディアでよく仕事をしている写真家であれば、各メディアが好む写真のスタイルも知っています。
「将来、雑誌やウェブマガジンへの掲載を希望するかどうか、という点は重要です」と話すサロモンさんは、常日頃から、10〜20の雑誌や広告のアートディレクターと仕事をしています。こうしたコネクションがある写真家に頼めば、そうでない場合よりも雑誌やウェブマガジンへの掲載の機会は増えます。特に、住宅建築のメディアでよく仕事をしている写真家であれば、各メディアが好む写真のスタイルも知っています。
撮影にはどのくらい時間がかかる?
1軒の家の撮影には、通常丸1日はかかりますが、1部屋か2部屋なら、半日での撮影を交渉することも可能です。
丸1日の撮影で20カット程度の撮影が多いですが、プロジェクトの内容や写真家、スタイリングの要不要、季節(日没が早い季節は撮影カット数も少なくなります)などによって、仕上がりカット数は異なります。
1軒の家の撮影には、通常丸1日はかかりますが、1部屋か2部屋なら、半日での撮影を交渉することも可能です。
丸1日の撮影で20カット程度の撮影が多いですが、プロジェクトの内容や写真家、スタイリングの要不要、季節(日没が早い季節は撮影カット数も少なくなります)などによって、仕上がりカット数は異なります。
スタイリングは誰がするの?
準備のいらない最低限のスタイリングなら、たいていの写真家が自分で行いますが、スタイリングの要不要については、事前に打ち合わせをするのをおすすめします。
大掛かりなスタイリングが必要な場合は、インテリアの設計者に相談したり、フリーランスのインテリアスタイリストに仕事を依頼する必要もあるでしょう。
また、撮影時間帯の一部でもかまわないので、ホームオーナーにも撮影に立ち会ってもらえるのがよいでしょう。家の中にある小物を出してきてもらうこともできますし、家具や小物を動かしたりするときにもトラブルが起こりにくいからです。
準備のいらない最低限のスタイリングなら、たいていの写真家が自分で行いますが、スタイリングの要不要については、事前に打ち合わせをするのをおすすめします。
大掛かりなスタイリングが必要な場合は、インテリアの設計者に相談したり、フリーランスのインテリアスタイリストに仕事を依頼する必要もあるでしょう。
また、撮影時間帯の一部でもかまわないので、ホームオーナーにも撮影に立ち会ってもらえるのがよいでしょう。家の中にある小物を出してきてもらうこともできますし、家具や小物を動かしたりするときにもトラブルが起こりにくいからです。
料金は?
米国の建築写真家の1日がかりの撮影の料金は、1,000〜3,000ドルの間が多いです。この料金には、撮影、アシスタントへの謝礼(通常200〜250ドル)、写真の仕上げ料が含まれます。
デジタル写真の場合、撮影された各写真について、光や色の補正や写り込みの消去など、仕上げ作業が行われます。こうした作業の料金は、写真1枚ごとまたは撮影1回全体についてチャージされます。おおよそいくらになるかは、各写真家にあらかじめ確認しておく必要があります。
写真家に依頼する前の打ち合わせでは、アシスタントや写真の仕上げ料など、写真を納品してもらうまでにかかる費用をすべて確認しておくことが重要です。
米国の建築写真家の1日がかりの撮影の料金は、1,000〜3,000ドルの間が多いです。この料金には、撮影、アシスタントへの謝礼(通常200〜250ドル)、写真の仕上げ料が含まれます。
デジタル写真の場合、撮影された各写真について、光や色の補正や写り込みの消去など、仕上げ作業が行われます。こうした作業の料金は、写真1枚ごとまたは撮影1回全体についてチャージされます。おおよそいくらになるかは、各写真家にあらかじめ確認しておく必要があります。
写真家に依頼する前の打ち合わせでは、アシスタントや写真の仕上げ料など、写真を納品してもらうまでにかかる費用をすべて確認しておくことが重要です。
写真の納品は、ディスクやフラッシュドライブ、あるいはインターネットの転送サイトを通じて行われることが多いです。サイズやフォーマットを変えて1カットにつき数種類の写真が納品されることもよくあります。
写真の著作権は誰に?
事前に取り決めを交わさない限り、写真の著作権は写真家にあります。撮影を依頼した人は、写真を広告や宣伝、Houzzのようなサイトに掲載する許可をもらっている、という立場になります。雑誌やその他の第三者が、その写真を掲載したいという場合には、使用条件について写真家に確認する必要があります。追加料金が発生することもめずらしくありません。
写真を無制限に使用したいという場合は、写真家と事前に交渉しましょう。その場合、撮影料に加え、無制限使用のための追加料金を算定することになります。
事前に取り決めを交わさない限り、写真の著作権は写真家にあります。撮影を依頼した人は、写真を広告や宣伝、Houzzのようなサイトに掲載する許可をもらっている、という立場になります。雑誌やその他の第三者が、その写真を掲載したいという場合には、使用条件について写真家に確認する必要があります。追加料金が発生することもめずらしくありません。
写真を無制限に使用したいという場合は、写真家と事前に交渉しましょう。その場合、撮影料に加え、無制限使用のための追加料金を算定することになります。
「プロの写真家に撮影を頼むことには、大きなメリットがあります」と話すのは、ミネアポリスのベテラン建築写真家、スーザン・ギルモアさんです。「写真の力によって作品が認知され、賞を獲得したり、広告に使われることもあります。となれば、撮影料など大したものではありません。作品の魅力がより多くの人に、強く伝われば、たくさんのものがもたらされるからです」
施工事例をプロの写真家に撮影してもらうことで、それぞれの住まいの素晴らしさを確実に捉えて、さらなるビジネス展開につなげてみてください。
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