ホームステージングに学ぶ“映える”部屋のつくり方
家具や小物を巧みなアイデアで配置し、物件を魅力的に見せるホームステージング。4人のホームステージャーの方々に、フォトジェニックな部屋づくりのヒントを伺いました。
ライフスタイル雑誌やインテリアカタログに載っているような、写真映えする部屋をつくりたいのにうまくいかず悩んでいるのなら、“ホームステージング”を参考にしてみてはいかがでしょう?
ホームステージングとは、売却予定の物件などを家具や小物などを取り入れて魅力的に見せる手法のこと。物件をモデルルームのように美しくすることで、買い手が“住んでいる状態”を想像しやすくなるため、ホームステージングを行うと売却期間が30〜50%短縮できるともいわれています。
今回は、空間を魅力的に変身させるプロである通称“ホームステージャー”の方々に、写真映えするおしゃれな部屋づくりについて伺いました。
ホームステージングとは、売却予定の物件などを家具や小物などを取り入れて魅力的に見せる手法のこと。物件をモデルルームのように美しくすることで、買い手が“住んでいる状態”を想像しやすくなるため、ホームステージングを行うと売却期間が30〜50%短縮できるともいわれています。
今回は、空間を魅力的に変身させるプロである通称“ホームステージャー”の方々に、写真映えするおしゃれな部屋づくりについて伺いました。
ホームステージングとインテリアコーディネートの違いとは?
空間を魅力的に見せるという意味では、ホームステージングと“インテリアコーディネート”は似ているようにも感じられます。しかし、専門家の方々は、その2つは似て非なるものだと話します。
「ホームステージャーのお仕事はプロデュースされた、またはされる家を売りやすく演出することです」と話すのは、SALT STAGING PHOTOGRAPYの田中正彦さん。
空間を魅力的に見せるという意味では、ホームステージングと“インテリアコーディネート”は似ているようにも感じられます。しかし、専門家の方々は、その2つは似て非なるものだと話します。
「ホームステージャーのお仕事はプロデュースされた、またはされる家を売りやすく演出することです」と話すのは、SALT STAGING PHOTOGRAPYの田中正彦さん。
「インテリアコーディネーターの目的は『どんなふうに暮らしたいか』をヒアリングして、住み手が抱いているアバウトな要望を具現化すること。つまり、住まい手のライフスタイルに合ったインテリアを実現してあげることです。それに比べてホームステージャーの目的は、住まい手のライフスタイルに合わせることではなく、家を売れやすくすることです」と田中さんは語ります。
株式会社Cruxの木村昌代さんも、「似ているようで目線が全く異なると思います」と話します。
「インテリアコーディネートは“施主”の好みや個性に従って部屋の魅力を伝える事が使命。ホームステージングは物件の市場ニーズを意識して“購入者”を意識した演出をし、売主の個性や生活感を消し去って、物件が持っている魅力を最大限に引き出すことが使命です」
「インテリアコーディネートは“施主”の好みや個性に従って部屋の魅力を伝える事が使命。ホームステージングは物件の市場ニーズを意識して“購入者”を意識した演出をし、売主の個性や生活感を消し去って、物件が持っている魅力を最大限に引き出すことが使命です」
写真映えする空間をつくるためには
実際に目で見た雰囲気と、写真に収められた際に与える印象とでは、大きく差が生まれることもあります。
写真に撮っても美しい空間をつくるには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
専門家を探す
実際に目で見た雰囲気と、写真に収められた際に与える印象とでは、大きく差が生まれることもあります。
写真に撮っても美しい空間をつくるには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
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「家具・小物の配置と、カメラを構える立ち位置と、写す角度が大切です」と話すのは、有限会社オークファームの椋本浩嗣さん。
導線を考えた家具の配置は住み手にとって重要ですが、撮影したときに魅力的にはたらくわけではありません。どこから写すのか決めた上で、画角を意識して家具を配置することがポイントです。
プロに聞く、住まいの事例写真を撮るときの基本ポイント
導線を考えた家具の配置は住み手にとって重要ですが、撮影したときに魅力的にはたらくわけではありません。どこから写すのか決めた上で、画角を意識して家具を配置することがポイントです。
プロに聞く、住まいの事例写真を撮るときの基本ポイント
「カメラを構えたい位置から見て、写真の構図を意識すること」が重要というのには、田中さんも同意見です。「写真のフレームの中に、空間と家具や照明がどう収まれば、“WOWファクター(人を感動させる要素)”が一番大きくなるかを考えることです」
アットピーシー株式会社のワタナベアイコさんは、「照明の色を合わせる」ことも意識するべきと話します。
たとえばLDK一体の空間をすべて1枚の写真に収めようとしたとき、それぞれに設置された照明の色が異なっていると、全体の統一感が失われます。映り込む空間の照明の色を統一するか、昼間に撮影する場合は、自然光のみを利用するのも手です。
たとえばLDK一体の空間をすべて1枚の写真に収めようとしたとき、それぞれに設置された照明の色が異なっていると、全体の統一感が失われます。映り込む空間の照明の色を統一するか、昼間に撮影する場合は、自然光のみを利用するのも手です。
狭い空間でもフォトジェニックに魅せるコツ
売却予定の物件をインテリアなどによって変身させることが、ホームステージャーの方々のお仕事。それはなにも、広々とした戸建て住宅に限った話ではありません。1Kの小さなアパートでも、限られた空間を生かすノウハウを持っています。
狭い空間を魅力的に見せるコツについて、木村さんは「床の面積を広く見せる家具の配置、視線の抜け感、遠近法などの活用」を挙げます。
狭いワンルームをおしゃれに使いこなすためのヒント
売却予定の物件をインテリアなどによって変身させることが、ホームステージャーの方々のお仕事。それはなにも、広々とした戸建て住宅に限った話ではありません。1Kの小さなアパートでも、限られた空間を生かすノウハウを持っています。
狭い空間を魅力的に見せるコツについて、木村さんは「床の面積を広く見せる家具の配置、視線の抜け感、遠近法などの活用」を挙げます。
狭いワンルームをおしゃれに使いこなすためのヒント
ワタナベさんは、「背の高いものはあまり置かないこと。家具や小物は空間全体をみてバランスよく配置し、サイズや設置場所をよく見ること」が大切だとアドバイスします。
コンパクトな部屋では収納が限られ、つい背の高いチェストやラックを置きたくなってしまいますが、視線の抜け道のない空間は、窮屈で息苦しい印象を与えてしまいます。圧迫感のある大きな家具は極力減らし、目の錯覚を起こす遠近法をうまく活用してみましょう。
コンパクトな部屋では収納が限られ、つい背の高いチェストやラックを置きたくなってしまいますが、視線の抜け道のない空間は、窮屈で息苦しい印象を与えてしまいます。圧迫感のある大きな家具は極力減らし、目の錯覚を起こす遠近法をうまく活用してみましょう。
広い空間を殺風景に見せないコツ
反対に、広い空間を殺風景に見せずに活用するポイントに、田中さんは「ほどよく家具を置くこと、アートや照明を適切な場所に配置すること」を挙げます。
その空間が狭くても広くても、見る人の視線を誘導する配置を意識することは大切です。たとえばこちらの写真では、ちゃぶ台やソファ、ローテーブルなどの低い家具が多く配置されていますが、背の高い花や大きなアートがフォーカルポイントとなり、華やかな印象を与えています。
反対に、広い空間を殺風景に見せずに活用するポイントに、田中さんは「ほどよく家具を置くこと、アートや照明を適切な場所に配置すること」を挙げます。
その空間が狭くても広くても、見る人の視線を誘導する配置を意識することは大切です。たとえばこちらの写真では、ちゃぶ台やソファ、ローテーブルなどの低い家具が多く配置されていますが、背の高い花や大きなアートがフォーカルポイントとなり、華やかな印象を与えています。
一方木村さんは、「絵やグリーンを飾る、照明に視線を集めるなども有効だと思いますが、私はお部屋の躯体とのバランスで家具のボリュームや大きさ、素材を決めています」と話します。インテリアを決める際には、まず壁の色やフローリングの質感、部屋の構造などに注目してみましょう。
広い空間だからといってむやみに大きな家具を配置するのではなく、ほかのインテリアとの調和を意識することも大切です。
広い空間だからといってむやみに大きな家具を配置するのではなく、ほかのインテリアとの調和を意識することも大切です。
フォトジェニックな住まいを実現しよう
ちょっとしたポイントを抑えるだけで、住まいをフォトジェニックに変身させることはできます。まずは今ある家具や全体の配置を見直し、写真に撮りながらバランスを確認してみてください。
雑誌に載っているような美しい住まいの写真を撮るには、広角レンズを活用することも有効です。一般的なレンズよりも空間全体を広く写すことができ、“引きの画”をうまく撮ることができますよ。
家づくりのヒントをもっと読む
ちょっとしたポイントを抑えるだけで、住まいをフォトジェニックに変身させることはできます。まずは今ある家具や全体の配置を見直し、写真に撮りながらバランスを確認してみてください。
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おはようございます。
最近は賃貸でも導入している事があり、私も最近よくお請けします。(レビューも多く戴いていてありがたいです)
早く決まるだけでなく、相場よりも高く貸せる事も多く、何人もの大家さんから以前より上げられた、相場よりも高く貸せた(今のところ地場の不動産会社の言う相場10万円を12万円が最大です)という喜びの声を戴いています。
賃貸の場合、売却よりもコストを下げた飾り付けで、如何にその物件を魅力的にするかがポイントですが、普段のインテリアコーディネートでも費用対効果を考えてご提案しているので、頭の体操にもなりやり甲斐があります。
写真がその最大値上げが出来た物件のものですが、ソファは中古の程度の良いものを使い、背後のファブリックボードは私が作成して低額で収めたりと、家主さんにご協力戴きDIYで窓枠塗装、破れた障子張り替えや襖補修をするよう工夫したので、新品エアコンへ交換やカメラ付きインターフォンへ交換等してもトータル10万円ちょっとで済んだ為、半年で値上げした分から回収出来たプロジェクトでした。