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テーブルやダイニングのシーンを撮影するコツとは?
初心者もすぐに上達するポイントがあるとしたら?そんな視点で解説した「テーブルコーディネートの撮影のコツ」をお届けします。
Houzzの特集記事に「インテリア写真術」というカテゴリーがあります。私たちプロカメラマンが心得ている基本を少しお伝えすることで、役に立つことがあるならと、今回少し記事を書いてみることにしました。
今回は料理研究家の進藤由美子さん(「世界の暮らしとデザイン:11ヵ国の食いしん坊のキッチンを拝見!」と「世界の暮らしとデザイン:11ヵ国の食いしん坊たちのお気に入りレシピ」に登場しています)にご協力いただき、撮影したテーブルの写真を使って、魅力的なテーブルのシーンの切り取り方やアングルを中心に解説したいと思います。
最初にひとつだけ、インテリア写真撮影の基本として、三脚を使うように心がけてください。部屋の中というのはたいてい、写真を撮るには暗いため、シャッタースピードが遅くなるので、手持ちだとブレが生じやすくなります。また手持ちだと、水平のラインをまっすぐに保てず、安定の悪い写真になってしまいます。安定したきれいなフレーミングのために、三脚を使うのは大切です。
それでは、始めましょう。
今回は料理研究家の進藤由美子さん(「世界の暮らしとデザイン:11ヵ国の食いしん坊のキッチンを拝見!」と「世界の暮らしとデザイン:11ヵ国の食いしん坊たちのお気に入りレシピ」に登場しています)にご協力いただき、撮影したテーブルの写真を使って、魅力的なテーブルのシーンの切り取り方やアングルを中心に解説したいと思います。
最初にひとつだけ、インテリア写真撮影の基本として、三脚を使うように心がけてください。部屋の中というのはたいてい、写真を撮るには暗いため、シャッタースピードが遅くなるので、手持ちだとブレが生じやすくなります。また手持ちだと、水平のラインをまっすぐに保てず、安定の悪い写真になってしまいます。安定したきれいなフレーミングのために、三脚を使うのは大切です。
それでは、始めましょう。
ダイニング全体の雰囲気を撮る
こちらはテーブルコーディネートというよりは、ダイニングのシーンの写真です。とはいえ、部屋全体を入れると見せるべきポイントが弱くなるので、存在感のある照明をポイントにして撮影しています。窓と照明が真ん中に来るように意識し、シンメトリック(左右対称)に撮った写真です。
こちらはテーブルコーディネートというよりは、ダイニングのシーンの写真です。とはいえ、部屋全体を入れると見せるべきポイントが弱くなるので、存在感のある照明をポイントにして撮影しています。窓と照明が真ん中に来るように意識し、シンメトリック(左右対称)に撮った写真です。
テーブルを縦に切り取る
次は、俯瞰ぎみにして寄った写真。テーブルだけではなく、奥にある窓まで少し入れると、いわゆる「部屋感」、奥行きのあるシーンの雰囲気を出すことができます。
次は、俯瞰ぎみにして寄った写真。テーブルだけではなく、奥にある窓まで少し入れると、いわゆる「部屋感」、奥行きのあるシーンの雰囲気を出すことができます。
一人分のスペースを切り取る
テーブルの上を撮影する際、テーブルだけでなく椅子の背も入れてみると、より奥行きが出ます。その際、椅子を途中で切ってしまうと何が写っているかわからなくなる場合があるので、わかる程度まで入れるようにしましょう。これもテーブルセッティングだけではなく、インテリア写真らしい「部屋感」を出すための演出と言えると思います。
テーブルの上を撮影する際、テーブルだけでなく椅子の背も入れてみると、より奥行きが出ます。その際、椅子を途中で切ってしまうと何が写っているかわからなくなる場合があるので、わかる程度まで入れるようにしましょう。これもテーブルセッティングだけではなく、インテリア写真らしい「部屋感」を出すための演出と言えると思います。
真上から象徴的に
お皿に置いた丸いペーパーナプキンの柄とナプキンリング、お皿の色のコントラストを象徴的に見せるために、ほぼ真上から撮っています。
丸いお皿を撮影するとき、「お皿の切り方」についてよく聞かれます。円形を全部入れてもいいのですが、写真が弱くなる場合は端を少し切ることがあります。半分は切りすぎですが、ちょうどいいベストバランスを探してみてください。
また、俯瞰ぎみのアングルから撮る際には、カトラリー(特にスプーン)に自分が映り込んでしまうことがあるので、注意しましょう。
お皿に置いた丸いペーパーナプキンの柄とナプキンリング、お皿の色のコントラストを象徴的に見せるために、ほぼ真上から撮っています。
丸いお皿を撮影するとき、「お皿の切り方」についてよく聞かれます。円形を全部入れてもいいのですが、写真が弱くなる場合は端を少し切ることがあります。半分は切りすぎですが、ちょうどいいベストバランスを探してみてください。
また、俯瞰ぎみのアングルから撮る際には、カトラリー(特にスプーン)に自分が映り込んでしまうことがあるので、注意しましょう。
主役が一番きれいに見える角度を探す
上と同じテーブルですが、料理が入ったので主役が変わりました。すくっと立ち上がった料理が印象的なので、ぐっとアングルを下げています。
何を撮影するときにも言えることですが、「このシーンでは何が主役なのか」を考え、その主役が印象的に見える角度を探すことで、撮影が楽しくなるし、腕もぐっと上達しますよ。
上と同じテーブルですが、料理が入ったので主役が変わりました。すくっと立ち上がった料理が印象的なので、ぐっとアングルを下げています。
何を撮影するときにも言えることですが、「このシーンでは何が主役なのか」を考え、その主役が印象的に見える角度を探すことで、撮影が楽しくなるし、腕もぐっと上達しますよ。
席についた真正面から見る
実際に席についたときの目線よりは少し低いですが、座った時の印象に近い真正面です。向かい側の席の様子もわかるこのアングルは、安心感もありますね。
かごが印象的だったので横位置で撮りました。人の目というのは横についているので、視野が横に広がるため、横位置写真は一般に安定した落ち着いた感じになると思います。
実際に席についたときの目線よりは少し低いですが、座った時の印象に近い真正面です。向かい側の席の様子もわかるこのアングルは、安心感もありますね。
かごが印象的だったので横位置で撮りました。人の目というのは横についているので、視野が横に広がるため、横位置写真は一般に安定した落ち着いた感じになると思います。
テーブルの斜めから見る
動きを出すために、同じテーブルを斜めから見て、縦位置で切り取ってみました。4人席であることはわかりますが、実は手前の席以外はあまり画面に入っていないので、主役がよりはっきりしています。
動きを出すために、同じテーブルを斜めから見て、縦位置で切り取ってみました。4人席であることはわかりますが、実は手前の席以外はあまり画面に入っていないので、主役がよりはっきりしています。
高めのアングルから撮る
中央の苔玉のディスプレイががおもしろかったので、それを中心に撮影。低い位置から見ると苔玉が重なってしまうので、ある程度高めから見下ろすアングルにしています。あまり高すぎると後ろの窓が入らず、それもインテリア写真としてはつまらないので、このあたりはバランスをみて調整してみてください。
中央の苔玉のディスプレイががおもしろかったので、それを中心に撮影。低い位置から見ると苔玉が重なってしまうので、ある程度高めから見下ろすアングルにしています。あまり高すぎると後ろの窓が入らず、それもインテリア写真としてはつまらないので、このあたりはバランスをみて調整してみてください。
低めのアングルから撮る
色のきれいなお皿やナプキン、果物が印象的なテーブルコーディネートですが、真正面の正攻法で撮るばかりでなく、真横の低いアングルから撮ってみてもおもしろいことがあります。こちらはワイングラスが真横に見えるようにカメラを構えて、お皿やグラスの重なりを見せています。ひとつのシーンでも、テーブルの周りをぐるぐるまわって、いろいろ実験してみるとおもしろいと思います。
色のきれいなお皿やナプキン、果物が印象的なテーブルコーディネートですが、真正面の正攻法で撮るばかりでなく、真横の低いアングルから撮ってみてもおもしろいことがあります。こちらはワイングラスが真横に見えるようにカメラを構えて、お皿やグラスの重なりを見せています。ひとつのシーンでも、テーブルの周りをぐるぐるまわって、いろいろ実験してみるとおもしろいと思います。
自然光で撮る
光の話も少ししましょう。窓からの自然光が強すぎるときは、窓に薄い白い布をかけて、光の量を調整します。こまかく調整できるプロ用の布もありますが、レースのカーテンや白いオーガンジー、大判のトレーシングペーパーなども十分使えます。
また、写真撮影の際は光源はできるだけ1種類にした方がシンプルできれい、ということも覚えておいてください。
光の話も少ししましょう。窓からの自然光が強すぎるときは、窓に薄い白い布をかけて、光の量を調整します。こまかく調整できるプロ用の布もありますが、レースのカーテンや白いオーガンジー、大判のトレーシングペーパーなども十分使えます。
また、写真撮影の際は光源はできるだけ1種類にした方がシンプルできれい、ということも覚えておいてください。
照明を生かして撮る
上とセッティングは違いますが、同じ部屋をペンダントライトと壁の間接照明をつけて撮影しています。このときは外からの自然光を、ブラインドで少し抑えました。「光源はシンプルに」の基本を守って、シーリングライトや隣の部屋の電気など、影響を受ける光は消して撮っています。適度な奥行きが出て、照明の温かい色合いが加わり、夜っぽい印象に変わります。
参考になりましたでしょうか。また折をみて、インテリアの写真のお話をしたいと思います。
上とセッティングは違いますが、同じ部屋をペンダントライトと壁の間接照明をつけて撮影しています。このときは外からの自然光を、ブラインドで少し抑えました。「光源はシンプルに」の基本を守って、シーリングライトや隣の部屋の電気など、影響を受ける光は消して撮っています。適度な奥行きが出て、照明の温かい色合いが加わり、夜っぽい印象に変わります。
参考になりましたでしょうか。また折をみて、インテリアの写真のお話をしたいと思います。
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