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素敵な窓辺と暮らそう!6:美しいウェーブをつくり出す、カーテントップの種類
窓まわりのプロがお伝えする、ウィンドウトリートメントの楽しみ方。今回は、カーテンの上部のひだ(プリーツ)の取り方の多彩なバリエーションについて学びましょう。
日本では最も一般的で身近なウィンドウトリートメントであるカーテン。機能的でありながら、多彩なオリジナルスタイルを楽しむことのできる、優れたインテリアアイテムです。
カーテンのトップやボトム、サイドのスタイリング方法やアイデアを知っておくと、お気に入りのファブリックを活かした、ご希望のインテリアテイストにぴったりの窓辺がリーズナブルに実現します。
今回はそのなかでも「カーテントップ」——ファブリックのウェーブをきれいに出したり、美しい柄や質感を最大限に活かしたりできる、カーテン上部のデザイン処理の種類と、その応用アイデアをご紹介していきます。
カーテンのトップやボトム、サイドのスタイリング方法やアイデアを知っておくと、お気に入りのファブリックを活かした、ご希望のインテリアテイストにぴったりの窓辺がリーズナブルに実現します。
今回はそのなかでも「カーテントップ」——ファブリックのウェーブをきれいに出したり、美しい柄や質感を最大限に活かしたりできる、カーテン上部のデザイン処理の種類と、その応用アイデアをご紹介していきます。
カーテントップの種類
カーテンファブリックの上部に施される処理を「カーテントップ」と呼びます。カーテンの美しいウェーブをつくり出す「ひだ(プリーツ)」の種類や間隔によって、生地の使用量が変わります。意匠性を高めつつ生地を節約したり、保温や断熱、遮音などの機能性を高めることもできます。
カーテントップは、プリーツを取ったタイプと、プリーツを取らないタイプの2種類に大別できますが、まずは前者について、基本的なプリーツの種類を、応用編も含めてご覧ください。
カーテンファブリックの上部に施される処理を「カーテントップ」と呼びます。カーテンの美しいウェーブをつくり出す「ひだ(プリーツ)」の種類や間隔によって、生地の使用量が変わります。意匠性を高めつつ生地を節約したり、保温や断熱、遮音などの機能性を高めることもできます。
カーテントップは、プリーツを取ったタイプと、プリーツを取らないタイプの2種類に大別できますが、まずは前者について、基本的なプリーツの種類を、応用編も含めてご覧ください。
プリーツのあるカーテントップ
プリーツには、生地をつまんでひだをつくる「ピンチプリーツ」、ギャザーテープを使って細かいひだをつくる「ギャザープリーツ」、ひだをたたみ直線的に仕上げた「ボックスプリーツ(箱ひだ)」などがあります。
プリーツには、生地をつまんでひだをつくる「ピンチプリーツ」、ギャザーテープを使って細かいひだをつくる「ギャザープリーツ」、ひだをたたみ直線的に仕上げた「ボックスプリーツ(箱ひだ)」などがあります。
三つ山ひだ、二つ山ひだ
オーダーカーテンによく使われるピンチプリーツの一種です。
仕上がり巾の2~3倍程度の生地が必要になりますが、優美なウェーブが生まれるので、高級感のあるクラシカルスタイルなどに向いています。
ベルベットなどの厚い生地にひだを取るときなどには、二つ山ひだが使われます。
仕上がり巾の1.5~2倍程度の生地で仕立てることができます。
オーダーカーテンによく使われるピンチプリーツの一種です。
仕上がり巾の2~3倍程度の生地が必要になりますが、優美なウェーブが生まれるので、高級感のあるクラシカルスタイルなどに向いています。
ベルベットなどの厚い生地にひだを取るときなどには、二つ山ひだが使われます。
仕上がり巾の1.5~2倍程度の生地で仕立てることができます。
三つ山でもニつ山でも、トップ部分のファブリックを二重にするだけで、バランス(上飾り)つきのおしゃれなカーテンに。
一つ山ひだ
仕上がり巾の1.3~1.5倍程度の生地でつくることができるピンチプリーツの一種です。柄を楽しむためにプリーツは取らないプレーンスタイルにしたいけれど、開閉時に規則的なウェーブが欲しいときや、生地を節約したいときなどにも使われます。
写真は応用編で、一つ山のプリーツの中に綿を入れふっくらとさせ、アクセントにくるみボタンを付けて、プリント柄の可愛らしい雰囲気に合わせたもの。
仕上がり巾の1.3~1.5倍程度の生地でつくることができるピンチプリーツの一種です。柄を楽しむためにプリーツは取らないプレーンスタイルにしたいけれど、開閉時に規則的なウェーブが欲しいときや、生地を節約したいときなどにも使われます。
写真は応用編で、一つ山のプリーツの中に綿を入れふっくらとさせ、アクセントにくるみボタンを付けて、プリント柄の可愛らしい雰囲気に合わせたもの。
ギャザープリーツ
ギャザーテープをカーテントップに縫い付け、テープについている紐を引いてギャザーを寄せてつくります。仕上がり巾の2.5~4倍の生地が必要になりますが、薄手の生地やシアー生地でつくれば、フェミニンやキュートな演出ができます。
写真はあえて厚手の生地で7cmの耳立てをつくり、反対色の裏地をのぞかせてボリューム感を出したもの。
ギャザーテープをカーテントップに縫い付け、テープについている紐を引いてギャザーを寄せてつくります。仕上がり巾の2.5~4倍の生地が必要になりますが、薄手の生地やシアー生地でつくれば、フェミニンやキュートな演出ができます。
写真はあえて厚手の生地で7cmの耳立てをつくり、反対色の裏地をのぞかせてボリューム感を出したもの。
ペンシルプリーツ
鉛筆が並んだような規則正しさが特徴のギャザープリーツ。甘さを抑えたエレガントスタイルに向いています。
鉛筆が並んだような規則正しさが特徴のギャザープリーツ。甘さを抑えたエレガントスタイルに向いています。
片ひだ
ひだを一方向にたたんで平たく縫い上げたもので、ナイフプリーツとも呼ばれます。
ひだを一方向にたたんで平たく縫い上げたもので、ナイフプリーツとも呼ばれます。
このシーンにクッションを合わせるなら、扇状にひだをたたんだデザインを加え、「片ひだ」という共通スタイルでオリエンタルにコーディネート。
ボックスプリーツ(箱ひだ)
つまんだひだを左右均等にたたんで、平たく縫い上げたプリーツ。仕上がり巾の2~3倍程度の生地が必要です。
つまんだひだを左右均等にたたんで、平たく縫い上げたプリーツ。仕上がり巾の2~3倍程度の生地が必要です。
バランス(上飾り)にもボックスプリーツはよく使われます。プリーツを開いて別布をのぞかせれば、ぐっと凝った印象のスタイルに。
ゴブレットプリーツ
プリーツの上部に綿などを詰めてふくらみを持たせ、ゴブレットのような形にしたものです。選ぶファブリックによって、リッチで豪華な印象にも、可憐でキュートな印象にも演出ができるので、欧米ではたいへん多く見られるスタイルです。
プリーツの上部に綿などを詰めてふくらみを持たせ、ゴブレットのような形にしたものです。選ぶファブリックによって、リッチで豪華な印象にも、可憐でキュートな印象にも演出ができるので、欧米ではたいへん多く見られるスタイルです。
ファブリックの幾何学柄と装飾レールのシルバーに合わせ、きらめくビジューボタンをつければ、さりげなく華やかなアクセントに。
ダイヤモンドプリーツ
特殊なギャザーテープを縫いつけ、絞ってつくるプリーツで、スモックプリーツとも呼ばれます。薄手のシアーファブリックなどに向いた仕様です。
特殊なギャザーテープを縫いつけ、絞ってつくるプリーツで、スモックプリーツとも呼ばれます。薄手のシアーファブリックなどに向いた仕様です。
プリーツのないカーテントップ次に、プリーツなしのタイプについて解説します。
利点としては、大きなプリント柄などを楽しむことができ、通常カーテンより少ない生地で仕立てられることなどが挙げられます。コンテンポラリースタイルや、カジュアルなインテリアに向いています。
利点としては、大きなプリント柄などを楽しむことができ、通常カーテンより少ない生地で仕立てられることなどが挙げられます。コンテンポラリースタイルや、カジュアルなインテリアに向いています。
プレーンスタイル
フックやクリップで生地を吊るスタイルで、柄をそのまま楽しみたいファブリックに最適です。
フックやクリップで生地を吊るスタイルで、柄をそのまま楽しみたいファブリックに最適です。
写真は、プレーンスタイルカーテンのトップとボトムにバーを入れ、パネルカーテンのように仕立てたもの。
くるみボタンをつけてタッセルを飾り、ジャパネスクモダンなイメージの演出に。
くるみボタンをつけてタッセルを飾り、ジャパネスクモダンなイメージの演出に。
タブスタイル
共布などをテープ状に縫製し、カーテン生地に縫い留めてポールに吊るすスタイルです。
共布などをテープ状に縫製し、カーテン生地に縫い留めてポールに吊るすスタイルです。
写真はタブスタイルの応用編で、ほぼタペストリーのようなタブスタイルカーテンの途中からリングで切り替え、プリーツを取ったシアーカーテンを吊り下げたもの。凝ったデザインですが、透け感の違うプレーンなホワイトの生地のみで仕立てているので、すっきりとして、かつユニークさが際立ちます。
ハトメスタイル
カーテン上部に一定間隔でハトメ(リング状の金具)穴を開けてポールに通すスタイルです。
規則的なウェーブが大きく出るので、コンテンポラリースタイルやモダンなインテリアに向いています。
カーテン上部に一定間隔でハトメ(リング状の金具)穴を開けてポールに通すスタイルです。
規則的なウェーブが大きく出るので、コンテンポラリースタイルやモダンなインテリアに向いています。
ハトメスタイルの応用編。プレーンスタイルのカーテン芯地の下に小さなハトメ穴を開け、紐を通すことで規則的なウェーブが出るようにデザインしたものです。
クッションカバーの口を閉じられるように、ハトメ穴を開けて紐を通すデザインにすれば、「ハトメ穴」という共通スタイルを持たせたコーディネートができます。
ロッドポケット
カーテン上部を袋縫いにして、ポールに通すスタイルです。
仕上がり巾の2倍程度の生地を使用し、ギャザーを寄せたカフェカーテンなどが一般的です。
カーテン上部を袋縫いにして、ポールに通すスタイルです。
仕上がり巾の2倍程度の生地を使用し、ギャザーを寄せたカフェカーテンなどが一般的です。
そのほか、ギャザー分を取らず、仕上がり巾と同じ巾の生地を吊るして、タペストリーや間仕切りとして楽しむこともできます。
カーテントップひとつとっても、ご覧のとおり本当にさまざまスタイルがお楽しみいただけます。
シンプルでも、色合いやテクスチャーのよいファブリックに出会えたら、カーテントップを少しだけ特別にしてみませんか? 驚くほどに、窓辺が素敵に変身しますよ。
参考:『窓装飾プランナーBOOK』(日本インテリアファブリックス協会)、『インテリアスタイリング事典』(塩谷博子著、川島インターナショナル)
こちらもあわせて読むと、さらに理解が深まります!
素敵な窓辺と暮らそう!1:「バランス」の活用法
素敵な窓辺と暮らそう!2:空間の「カラースキーム」
素敵な窓辺と暮らそう!3:ウィンドウトリートメントの種類を知る
素敵な窓辺と暮らそう!4:組み合わせでもっと充実! ウィンドウトリートメント
素敵な窓辺と暮らそう!5:インテリアファブリックの特性を活かす
シンプルでも、色合いやテクスチャーのよいファブリックに出会えたら、カーテントップを少しだけ特別にしてみませんか? 驚くほどに、窓辺が素敵に変身しますよ。
参考:『窓装飾プランナーBOOK』(日本インテリアファブリックス協会)、『インテリアスタイリング事典』(塩谷博子著、川島インターナショナル)
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