夏におすすめ、窓のリフォーム。熱を遮断して涼しく、快適に暮らそう
室内の暑さを少しでも和らげるために、高性能・省エネ住宅を専門に手がける松尾和也さんに、難易度がそれほど高くない窓のリフォーム術について聞きました。
Miki Anzai
2022年6月27日
近年の夏は、地球温暖化の影響もあって猛暑に拍車がかかっているように感じます。とくに日本の夏は湿気が多いため、実際の気温以上に暑く感じる日も多いのではないでしょうか。冷房をつけていても熱中症になるケースもみられ、住まいにおける「夏の対策」が急務になってきています。
そこで、比較的予算をかけずにリフォームができる、窓の断熱と遮熱方法について、高性能・省エネ住宅を専門に手がける株式会社松尾設計室代表の松尾和也さんに、実際の施工事例を参考にしながらお話を伺いました。
そこで、比較的予算をかけずにリフォームができる、窓の断熱と遮熱方法について、高性能・省エネ住宅を専門に手がける株式会社松尾設計室代表の松尾和也さんに、実際の施工事例を参考にしながらお話を伺いました。
窓を断熱する
夏の暑さを防ぐためには、何より窓の断熱性能を高めることだという松尾さん。断熱性能が低い窓は結露を発生させるばかりか、冬はせっかく暖房した熱を外に逃してしまい、夏は外部からの熱の侵入を容易に許してしまうので、「どの住宅でも高性能化を図るためには、まず窓のリフォームから始めて欲しい」といいます。
夏の暑さを防ぐためには、何より窓の断熱性能を高めることだという松尾さん。断熱性能が低い窓は結露を発生させるばかりか、冬はせっかく暖房した熱を外に逃してしまい、夏は外部からの熱の侵入を容易に許してしまうので、「どの住宅でも高性能化を図るためには、まず窓のリフォームから始めて欲しい」といいます。
- 内窓を設置する
- 「ペアガラス」や「トリプルガラス」などの複層ガラスに交換する
- サッシは熱を伝えにくい樹脂に変更し、光熱費も抑える
日本サッシ協会の試算によると、アルミサッシ(単板ガラス)を樹脂サッシ(Low-E複層ガラス)に取り替え、夏27℃、冬18℃で全館を冷暖房した場合、年間の二酸化炭素の発生量は40%近くにあたる約2.7トンが削減可能とのこと。仮にアルミサッシの住宅を3000万戸と仮定し、そのすべての窓を樹脂サッシにすれば、二酸化炭素の削減量は、年間約1億トン。同様の条件で冷暖房した場合、電気料金に換算すると、年間で約85,000円も節約できる計算になるといいます。
窓・サッシの専門家を探す
日射遮蔽を積極的におこなう
そして、夏の暑さをやわらげるために忘れてはならないのが、日射遮蔽。日本建材・住宅設備産業協会によると、夏に屋外から家の中に入ってくる熱の74%が開口部からだそう。そのため、「積極的に太陽の熱を日射遮蔽という形で遮れば、暑さはかなり解消されます」と松尾さんは指摘します。
松尾さんがリノベーションを手がけたこのお宅(写真)でも、単板ガラスのアルミサッシだった1階のすべての窓を、YKK AP株式会社の「遮熱タイプ」のLow-E複層ガラスの樹脂サッシに変更しています。
Low-E複層ガラスとは?
そして、夏の暑さをやわらげるために忘れてはならないのが、日射遮蔽。日本建材・住宅設備産業協会によると、夏に屋外から家の中に入ってくる熱の74%が開口部からだそう。そのため、「積極的に太陽の熱を日射遮蔽という形で遮れば、暑さはかなり解消されます」と松尾さんは指摘します。
- Low-eガラス(日射遮蔽型)を導入する
松尾さんがリノベーションを手がけたこのお宅(写真)でも、単板ガラスのアルミサッシだった1階のすべての窓を、YKK AP株式会社の「遮熱タイプ」のLow-E複層ガラスの樹脂サッシに変更しています。
Low-E複層ガラスとは?
- 外付けブラインド又はオーニング(日よけ)を設置する
内窓設置+中間層ブラインド
前述のほぼ無断熱だったお宅では、南面の窓の上には屋根と庇がかかっていたので、日よけは設置していませんが、庇の無かった東西北面の窓にはアウターシェードを設置。そして2階は、新たに設置した内窓と既存窓との間にブラインドを設置して、「中間層ブラインド」で日射遮蔽をおこないました。「新築であれば、東側の窓はもっと小さくするのですが、リノベーションの場合、窓のサイズを変えると費用がかさむので、外側に工夫を施しました」(松尾さん)
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ほぼ無断熱の築20年の木造住宅を、念願の省エネ住宅にリノベーション
前述のほぼ無断熱だったお宅では、南面の窓の上には屋根と庇がかかっていたので、日よけは設置していませんが、庇の無かった東西北面の窓にはアウターシェードを設置。そして2階は、新たに設置した内窓と既存窓との間にブラインドを設置して、「中間層ブラインド」で日射遮蔽をおこないました。「新築であれば、東側の窓はもっと小さくするのですが、リノベーションの場合、窓のサイズを変えると費用がかさむので、外側に工夫を施しました」(松尾さん)
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販売価格上昇でも、断熱性重視はメリット大
昨今の資材高騰の影響もあり、窓の販売価格は上昇傾向にあります。しかし、室外の熱気を伝えにくく、室内の暖気を逃がさない断熱性の高い窓へのリフォームは、夏も冬も快適に過ごせるだけでなく、冷暖房費の削減にも大きく貢献することでしょう。
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昨今の資材高騰の影響もあり、窓の販売価格は上昇傾向にあります。しかし、室外の熱気を伝えにくく、室内の暖気を逃がさない断熱性の高い窓へのリフォームは、夏も冬も快適に過ごせるだけでなく、冷暖房費の削減にも大きく貢献することでしょう。
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一気に暑くなり、我が家(築古マンション)も窓側からの熱気が気になってきました。
美観も気になりますが、エアコン代も気になります。。(^_^;)
記録を更新する暑さが続いていますが、弊SOHOのマンションでもここ数日帰宅すると30度を超えています。
軒(上階のベランダ床)が深く夏は直射日光が入って来ないですし、全部の窓に内窓を付けています。
考えられるのは全熱交換器が無い24時間換気で空気が入れ替わる為に、外気の暑さが換気口から侵入して来ているのでは、という事です。
マンションであれば勝手に全熱交換器を設置する事も出来ませんし、どうしたものかと考え中です…。