世界の暮らしとデザイン:自然とともに生きる、9ヵ国の美しく豊かな農場
野菜、果物、穀物から牧畜まで、自然の中でその実りと恵みを受けとりながら日々を送る、美しく豊かな9ヵ国の農家の暮らしを取材しました。
Houzz
2015年10月19日
根っからの都会派は別として、新鮮な空気、素晴らしい景観、季節のリズムと環境を大切にした生活を求めるなら、農場暮らしはまさに天国でしょう。今回ご紹介するのは、イタリアの山岳地帯から、日本の岡山の山あい、ニューイングランドの丘まで、世界の農場に暮らす9家族。土地に伝わる方法で、果物や野菜を栽培し、伝統のチーズを作り、パンを焼き、家畜を育て、蜂蜜を作って暮らしています。それぞれの歴史と田舎暮らしの日常をのぞいてみましょう。
〈世界の暮らしとデザイン〉は、世界各地のHouzzから、住宅に関するさまざまなデザインやライフスタイルを紹介するシリーズです。
〈世界の暮らしとデザイン〉は、世界各地のHouzzから、住宅に関するさまざまなデザインやライフスタイルを紹介するシリーズです。
1. イタリア、ハイジみたいなアルプスの牧場の暮らし
農場に暮らし働く人:マリア・ジョヴァンナ(ジャンナ)・タヴェルナーロ(写真・58歳)、夫、娘たちのリタ・チェミンとルチア・チェミン(ともに30代)、夏の間は孫たちも訪れる
所在地:北イタリア、トレンティーノ県の町シロールに近い谷、ヴァル・カナリ。ユネスコ世界遺産ドロミテ山塊の一部をなすパーレ・デ・サン・マルティーノ山群に囲まれた場所。
牧場設立:1935年
「マルガ」と呼ばれるアルプスの典型的な小牧場。ジャンナ・タヴェルナーロさんは赤ちゃんのころにここに来て、農場で育った。一家はアヒル、ヤギ、ニワトリ、犬、牛、ウサギを飼い、チーズを作っている。1980年代からはハイキングに訪れる観光客のための休憩所・レストランとしての営業も始めた。
農場に暮らし働く人:マリア・ジョヴァンナ(ジャンナ)・タヴェルナーロ(写真・58歳)、夫、娘たちのリタ・チェミンとルチア・チェミン(ともに30代)、夏の間は孫たちも訪れる
所在地:北イタリア、トレンティーノ県の町シロールに近い谷、ヴァル・カナリ。ユネスコ世界遺産ドロミテ山塊の一部をなすパーレ・デ・サン・マルティーノ山群に囲まれた場所。
牧場設立:1935年
「マルガ」と呼ばれるアルプスの典型的な小牧場。ジャンナ・タヴェルナーロさんは赤ちゃんのころにここに来て、農場で育った。一家はアヒル、ヤギ、ニワトリ、犬、牛、ウサギを飼い、チーズを作っている。1980年代からはハイキングに訪れる観光客のための休憩所・レストランとしての営業も始めた。
生産物:牛乳を採取し、チーズを作っている。トレンティーノ地域の伝統料理によく用いられるトセラと呼ばれるチーズ。
役割分担:タヴェルナーロさんは動物の世話、娘さんたちは食べ物担当。
役割分担:タヴェルナーロさんは動物の世話、娘さんたちは食べ物担当。
日々の仕事:タヴェルナーロさんと娘さんたちは朝早く起きて動物の餌やり、チーズの熟成具合のチェック。それから自分たちの朝食を作り、時には滞在するハイキング客の食事も用意。「長年やっているうちに農場が有名になって、特に夏は頻繁にお客さんが来てくれます。でも日曜は家族だけで過ごしたいのでお休みです」とタヴェルナーロさん。下の写真は娘のルチアさん(左)、リタさん、孫のジャコモくん。
この暮らしのいいところは?:「農場が私の家あり、故郷なんです」とタヴェルナーロさんは言う。「私の心の一部で、私の歴史の一部。ここにあるものはひとつ残らず私の人生と密着したものです。ここを訪れてくれる人には、山で暮らす私たちの歴史に触れてほしいと思っています。」
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写真:前崎成一
2. 日本の自然栽培農家「くど」
農場に暮らし働く人たち: 桑原広樹 (39)、 高谷裕治 (38) 、高谷絵里香 (37).
所在地:岡山県真庭市
農場設立:2012年(くどの建物は1950年頃に建てられたもの)
かつては東京で暮らしていた高谷裕治さんと絵里香さん夫妻。食べることが大好きで、美味しいものを求めるうちに、安全で滋味豊かな自然の野菜の美味しさに惹かれていった。「千葉で肥料や農薬を使わない自然栽培農業を学ぶ研修を受けました。そこで、自然栽培の先輩である桑原広樹さんと知り合ったんです」と裕治さん。2011年、研修を終えて、高谷さん夫妻が千葉で就農しようと物件を探していた矢先、東日本大震災が起こったので、西日本へ移住して就農することを決意。いろいろと場所を探した結果、岡山県真庭市蒜山に農地と家を見つけ、2012年4月に、桑原さんと一緒に『蒜山耕藝(ひるぜんこうげい)』を設立した。「田畑の近くにある『くど』と名づけたこの建物は、私たちの食卓であり作業場。僕たち夫婦も桑原さんもここから車で5分のところに家がありますが、僕たちの生活の中心はこの『くど」なんです」と裕治さんは話す。
2. 日本の自然栽培農家「くど」
農場に暮らし働く人たち: 桑原広樹 (39)、 高谷裕治 (38) 、高谷絵里香 (37).
所在地:岡山県真庭市
農場設立:2012年(くどの建物は1950年頃に建てられたもの)
かつては東京で暮らしていた高谷裕治さんと絵里香さん夫妻。食べることが大好きで、美味しいものを求めるうちに、安全で滋味豊かな自然の野菜の美味しさに惹かれていった。「千葉で肥料や農薬を使わない自然栽培農業を学ぶ研修を受けました。そこで、自然栽培の先輩である桑原広樹さんと知り合ったんです」と裕治さん。2011年、研修を終えて、高谷さん夫妻が千葉で就農しようと物件を探していた矢先、東日本大震災が起こったので、西日本へ移住して就農することを決意。いろいろと場所を探した結果、岡山県真庭市蒜山に農地と家を見つけ、2012年4月に、桑原さんと一緒に『蒜山耕藝(ひるぜんこうげい)』を設立した。「田畑の近くにある『くど』と名づけたこの建物は、私たちの食卓であり作業場。僕たち夫婦も桑原さんもここから車で5分のところに家がありますが、僕たちの生活の中心はこの『くど」なんです」と裕治さんは話す。
写真:前崎成一
生産物:「米作りが中心ですね。野菜も少しつくっていて、通信販売でお分けしたり、レストランなどに直接卸しています。この地方の伝統的な菜っ葉、土居分小菜(どいぶんこな)も育てています」と絵里香さん(写真で絵里香さんが手入れしているのが土居分小菜)。
役割分担:「農業は、とにかくやることがたくさんありますね。とにかく、一人ひとりが自分の仕事をやっていく毎日です」と絵里香さん。
日々の仕事:「季節にもよりますが、だいたい日の出とともに起きて、くどに向かいます。朝食のあとはそれぞれが自分の仕事――畑仕事や収穫を送るための荷造りなど――をします。お昼のあとも、またそれぞれが仕事に戻り、6時か6時半くらいに夕ごはんつくっていただきます。日曜と月曜は、『くど』を食堂として営業していて、畑でとれた野菜や地元の収穫物を材料にしてつくった料理を出しています」と絵里香さん。
生産物:「米作りが中心ですね。野菜も少しつくっていて、通信販売でお分けしたり、レストランなどに直接卸しています。この地方の伝統的な菜っ葉、土居分小菜(どいぶんこな)も育てています」と絵里香さん(写真で絵里香さんが手入れしているのが土居分小菜)。
役割分担:「農業は、とにかくやることがたくさんありますね。とにかく、一人ひとりが自分の仕事をやっていく毎日です」と絵里香さん。
日々の仕事:「季節にもよりますが、だいたい日の出とともに起きて、くどに向かいます。朝食のあとはそれぞれが自分の仕事――畑仕事や収穫を送るための荷造りなど――をします。お昼のあとも、またそれぞれが仕事に戻り、6時か6時半くらいに夕ごはんつくっていただきます。日曜と月曜は、『くど』を食堂として営業していて、畑でとれた野菜や地元の収穫物を材料にしてつくった料理を出しています」と絵里香さん。
写真:加藤晋平
この暮らしへのいいところは?:「『くど』の土壁ですね。最初に見たとき、この家は本当にボロボロでした。移築しようとした人が断念したとかで、かろうじて屋根や柱があり、トタンが張ってあったものの、床や壁はない状態でした。しばらく物置き場として使われていたようです。そこで、友人や近所の方々に助けてもらって、直していきました。特に、みんなで泥をこねて土壁を塗っていくワークショップはとても楽しかったので、この土壁には特別愛着があるんです」と絵里香さんは話してくれた。(写真は左から高谷絵里香さん、桑原広樹さん、高谷裕治さん)
この暮らしへのいいところは?:「『くど』の土壁ですね。最初に見たとき、この家は本当にボロボロでした。移築しようとした人が断念したとかで、かろうじて屋根や柱があり、トタンが張ってあったものの、床や壁はない状態でした。しばらく物置き場として使われていたようです。そこで、友人や近所の方々に助けてもらって、直していきました。特に、みんなで泥をこねて土壁を塗っていくワークショップはとても楽しかったので、この土壁には特別愛着があるんです」と絵里香さんは話してくれた。(写真は左から高谷絵里香さん、桑原広樹さん、高谷裕治さん)
3. スウェーデン、エコロジカルな農場&酪農場
農場に暮らし働く人:イヴォンヌ・エドルンド(57歳)、夫のハンス・エドルンド(63歳)、娘たちのエリン・エドルンド(37歳)、セシリア・エドルンド(27歳)
所在地:スウェーデン、ストックホルムの北、ヴェッドー、カール・イヴァル・ゴーデン
農場設立:ハンスさんの祖先が1900年代初頭に設立。
イヴォンヌ・エドルンドさんとハンスさん夫妻が、ハンスさんの曽祖父の農場に暮らし始めたのは1970年代。2005年に農場経営を始めた。
農場に暮らし働く人:イヴォンヌ・エドルンド(57歳)、夫のハンス・エドルンド(63歳)、娘たちのエリン・エドルンド(37歳)、セシリア・エドルンド(27歳)
所在地:スウェーデン、ストックホルムの北、ヴェッドー、カール・イヴァル・ゴーデン
農場設立:ハンスさんの祖先が1900年代初頭に設立。
イヴォンヌ・エドルンドさんとハンスさん夫妻が、ハンスさんの曽祖父の農場に暮らし始めたのは1970年代。2005年に農場経営を始めた。
生産物:「酪農場では80頭のフリーレンジ牛から取れる牛乳を使い、7種類のチーズと、バター、ヨーグルトを作っています」と娘のエリンさん(写真右。左は父ハンスさん、妹セシリアさん、母イヴォンヌさん)。「チーズはすべて昔ながらの手作り。バットに並べて、手で回して形を整えてホエーを流し出します。ホエーはまた牛の餌になるので、サステナブルなんです。このあたりにはたくさん乳牛農場があって、みんな町に牛乳を売りに行ってたんですが、今では2軒しか残っていません。」
「牛の飼い葉もすべてうちで育てています。トラック輸送で取り寄せると高いし環境にも悪影響ですから」とハンスさん。「私はエコロジカルな農業をとても大切にしています。夏には『牛サファリ』を企画して観光客をトラックの荷台に載せて牧場ツアーをするんです。牛乳がどこから来るのかを見てほしくて。」
「牛の飼い葉もすべてうちで育てています。トラック輸送で取り寄せると高いし環境にも悪影響ですから」とハンスさん。「私はエコロジカルな農業をとても大切にしています。夏には『牛サファリ』を企画して観光客をトラックの荷台に載せて牧場ツアーをするんです。牛乳がどこから来るのかを見てほしくて。」
役割分担:「会社として財務的に成り立つように、みんなでいろいろな分野を担当しています」とエリンさん。「私は以前ホテル関係の仕事をしていたんですが、今は酪農場を担当しています。妹のセシリアと彼女のボーイフレンドのヨハンがアイスクリーム販売と経理の担当。父はストックホルムに出てレストランに直接チーズを販売しています。母は全体の監督です。」
日々の仕事:「朝は5時半に起きます。酪農家はみんな朝が早いんですよ」とハンスさん。「夏は観光客が来て、家族連れに人気の場所なので長く忙しい1日になります。1年のハイライトは初夏にある牛の開放日。冬の間ずっと小屋にいた牛たちが夏の牧草地に放たれるんですが、緑の草原と草の匂いに牛は興奮して大騒ぎなんです!」
この暮らしのいいところは?:「私と子供たちの住む家を、もともとあったファームハウスの隣に建てられたこと」とエリンさん。「2階建て、延べ187平方メートルでベッドルームが4つあります。外側は古い家と同じスタイルにしました。」
日々の仕事:「朝は5時半に起きます。酪農家はみんな朝が早いんですよ」とハンスさん。「夏は観光客が来て、家族連れに人気の場所なので長く忙しい1日になります。1年のハイライトは初夏にある牛の開放日。冬の間ずっと小屋にいた牛たちが夏の牧草地に放たれるんですが、緑の草原と草の匂いに牛は興奮して大騒ぎなんです!」
この暮らしのいいところは?:「私と子供たちの住む家を、もともとあったファームハウスの隣に建てられたこと」とエリンさん。「2階建て、延べ187平方メートルでベッドルームが4つあります。外側は古い家と同じスタイルにしました。」
4. オーストラリア、果樹園に暮らす家族
農園に暮らし働く人:ジョン・クリスティー(68歳)とパトリシア(トリッシュ)・クリスティー(65歳)夫妻。息子ネイサン・クリスティー(38歳)とジェイミー・クリスティー(38歳)夫妻、その子どもたちのキラ(12歳)、ミッチェル(10歳)、ブライアン(5歳)。ジェイミーの母親リン・ラクスフォード(66歳)。上の写真は息子一家。
所在地:オーストラリア、シドニーの北に位置するカヌーランズ
農園設立:1923年
農園に暮らし働く人:ジョン・クリスティー(68歳)とパトリシア(トリッシュ)・クリスティー(65歳)夫妻。息子ネイサン・クリスティー(38歳)とジェイミー・クリスティー(38歳)夫妻、その子どもたちのキラ(12歳)、ミッチェル(10歳)、ブライアン(5歳)。ジェイミーの母親リン・ラクスフォード(66歳)。上の写真は息子一家。
所在地:オーストラリア、シドニーの北に位置するカヌーランズ
農園設立:1923年
ジョン・クリスティーさんの祖父が設立した農園を現在運営しているのは2代目と3代目の家族。「夫のネイサンと義父のジョンはずっとここで生活して働いてきたんです」とジェイミー・クリスティーさん。「夫と私が農園を運営していますが、ジョンとトリッシュもまだまだ農園の仕事に関わっています。私の父が6年前になくなり、それから母も一緒に住むようになりました。これは2006年に建てた母の家。その後ろに1980年代に建てた私たちの家があって、ジョンとトリッシュの家は250メートル離れたところにあります。果樹園はこの両側に広がっています。」
生産物:「ネクタリン、プラム、桃、パッションフルーツ、トマト、アプリコット。来年は柿、イチジク、ブルーベリーも植えます」とジェイミーさん。「核果が主な生産物なんですが、蜂蜜も作っています。プラムの受粉のために蜂を飼い始めたんですが、だんだん蜂蜜事業が広がっていったんです。カヌーランズ周辺では果物の生産が100年以上続いていて、オーストラリアでも有数の産地なんです。うちの農園は93年になります。昔とはやり方がかなり変わってきましたが、今も当時の果樹園のほとんどが残っています。でもこれほど都心に近い場所では少なくなってきてますね。」写真は仕事を手伝う娘のキラさん。
役割分担:トリッシュさん(上の写真中央)、リンさん(右)が農園経営のお店と、蜂蜜の瓶詰めやラベル貼りを担当。ネイサンさんが収穫(農園スタッフと)、木の世話、トラクター仕事、草刈り、そしてトラクターツアーを担当。ジョンさんもトラクター仕事とツアーを手伝い、蜂の世話と蜂蜜の採取、製品のパッキングを担当。ジェイミーさん(写真左)がパッキング作業を管理し、経理、観光客の予約、対外窓口、お店の手伝いを担当。子どもたちも手伝う。「必要なときは、お客さんのグループを収穫に連れて行ったり、パッキングをしたり、お店のカウンターを手伝ったり。今は学校だから、リンとトリッシュと私でその日の作業に合わせて交代で学校の送り迎えをしています。リンはブライアンの宿題を見てくれて、週に一度うちの掃除もお願いしています。」
日々の仕事:「11月と12月の核果収穫シーズンには、朝6時半から夕方5時半まで働きます。この期間にパレット12個分の果物を収穫し市場に持って行きます」とジェイミーさん。「1年のほかの時期は、蜂蜜を採取したり、果樹の間引きや剪定、野菜の栽培をします。冬の間は薪を切って販売・配達もしています。いつも何かしら仕事があるんです。」
この暮らしのいいところは?:「広々としていること。周囲に広がるのどかな風景と家族たち。それから暖炉!」とジェイミーさん。
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日々の仕事:「11月と12月の核果収穫シーズンには、朝6時半から夕方5時半まで働きます。この期間にパレット12個分の果物を収穫し市場に持って行きます」とジェイミーさん。「1年のほかの時期は、蜂蜜を採取したり、果樹の間引きや剪定、野菜の栽培をします。冬の間は薪を切って販売・配達もしています。いつも何かしら仕事があるんです。」
この暮らしのいいところは?:「広々としていること。周囲に広がるのどかな風景と家族たち。それから暖炉!」とジェイミーさん。
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5. ドイツ、家族で果物と野菜を栽培
農園に暮らし働く人たち:フランツ・クリング(54歳)、妻クリスタ、子どもたち(写真はそのうちの1人、カタリナ)、フランツの両親のフランツとマリア。
所在地:ドイツ、バイエルン州グラッサウ
農園設立:1958年
こちらのゲルトネライ・クリング農園を作ったのは、2代目フランツ・クリングさんの両親。「私が生まれる2年前でした。2人の兄弟と私、それに私の子どもたちもみんな、小さい頃からこの農園で暮らして働く経験をしてきました。」
生産物:「当初から野菜と果物を作ってきました」とフランツさん。「私が1994年に継いでからは、地域の直売用にしか栽培していません。だから作物の種類を最大限に増やすことができるんです。古くからある特別な品種も栽培しています。」
農園に暮らし働く人たち:フランツ・クリング(54歳)、妻クリスタ、子どもたち(写真はそのうちの1人、カタリナ)、フランツの両親のフランツとマリア。
所在地:ドイツ、バイエルン州グラッサウ
農園設立:1958年
こちらのゲルトネライ・クリング農園を作ったのは、2代目フランツ・クリングさんの両親。「私が生まれる2年前でした。2人の兄弟と私、それに私の子どもたちもみんな、小さい頃からこの農園で暮らして働く経験をしてきました。」
生産物:「当初から野菜と果物を作ってきました」とフランツさん。「私が1994年に継いでからは、地域の直売用にしか栽培していません。だから作物の種類を最大限に増やすことができるんです。古くからある特別な品種も栽培しています。」
役割分担:「主な仕事をするのはクリスタと私です。私が畑で作業し、彼女が農園のお店と事務所で働いています。農家直売の市場には2人で行きます」とフランツさん。「私の両親も、父は77歳、母は80歳ですが、まだ一緒に働いています。私の子どもたちもこのあたりに住んで働いているので、必要なときには手伝いに来てくれます。娘のカタリナは作物を販売するお店をしょっちゅう手伝ってくれていますね」
日々の仕事:「農園の1週間は決まったスケジュールで、月曜から水曜は作物を植えたり収穫したりと忙しく、木曜から土曜は採れたものを地域の農家市場に売りに行きます。それから、農園と家の隣に小さなお店があって、そこで1986年から毎日作物を売っています。バイエルンの高地・キームガウ地方というこのロケーションは最高で、自由な時間があればすぐに近くの山に出かけたり、仕事のあとに湖に行ったりできるんです。」
日々の仕事:「農園の1週間は決まったスケジュールで、月曜から水曜は作物を植えたり収穫したりと忙しく、木曜から土曜は採れたものを地域の農家市場に売りに行きます。それから、農園と家の隣に小さなお店があって、そこで1986年から毎日作物を売っています。バイエルンの高地・キームガウ地方というこのロケーションは最高で、自由な時間があればすぐに近くの山に出かけたり、仕事のあとに湖に行ったりできるんです。」
この暮らしのいいところは?:「家の窓が大きく部屋が明るくて、家の中と外のつながりが感じられます」
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6. アメリカ、羊を数えて暮らす
牧場に暮らし働く人:クリスティン・ニコラスとマーク・デュプレイ夫妻、娘のジュリア・ニコラス・デュプレイ(17歳)、家畜保護犬グレートピレニーズのウィンストン、牧羊犬ボーダーコリーのケイトとネス、ニワトリ25羽、猫7匹、ロバのイーヨー、ラマのジェレミー
所在地:米国マサチューセッツ州フランクリン郡
牧場設立:1751年
クリスティン・ニコラスさんとマーク・デュプレイさんは、結婚後まもなくマサチューセッツ州東部からデュプレイさんの家族の牧場にUターンすることを決意。それから31年が経つ。「私はアーティスト・作家・ブロガーで、夫は事業をしていますが、私たちが最初に羊に興味を持ったきっかけは、私は繊維を使った作品を作るのが好きで、マークは動物と自然が好きだからだったんです」とニコラスさん。「4代続いていますから、夫の農家としてのルーツはすごく深いんです。結婚する前に羊を4頭買ったんですが、母は『普通は婚約指輪をもらうけどうちの娘は羊をもらったのよ!』とよく冗談を言っています。」羊の数は増減するが、2009年以前に所有していた100頭ほどが今では数百匹に増えている。
牧場に暮らし働く人:クリスティン・ニコラスとマーク・デュプレイ夫妻、娘のジュリア・ニコラス・デュプレイ(17歳)、家畜保護犬グレートピレニーズのウィンストン、牧羊犬ボーダーコリーのケイトとネス、ニワトリ25羽、猫7匹、ロバのイーヨー、ラマのジェレミー
所在地:米国マサチューセッツ州フランクリン郡
牧場設立:1751年
クリスティン・ニコラスさんとマーク・デュプレイさんは、結婚後まもなくマサチューセッツ州東部からデュプレイさんの家族の牧場にUターンすることを決意。それから31年が経つ。「私はアーティスト・作家・ブロガーで、夫は事業をしていますが、私たちが最初に羊に興味を持ったきっかけは、私は繊維を使った作品を作るのが好きで、マークは動物と自然が好きだからだったんです」とニコラスさん。「4代続いていますから、夫の農家としてのルーツはすごく深いんです。結婚する前に羊を4頭買ったんですが、母は『普通は婚約指輪をもらうけどうちの娘は羊をもらったのよ!』とよく冗談を言っています。」羊の数は増減するが、2009年以前に所有していた100頭ほどが今では数百匹に増えている。
生産物:レイデン・グレン・ファームが扱うのは放牧育ちの子羊。ほとんどは近隣のアマーストやノーザンプトン地域で火曜と土曜に開かれる農家市場で販売している。土地はおよそ22ヘクタールで、250頭の繁殖用雌羊を半径13キロ以内に放牧している。
牧場では干し草も生産する。「マークが大きなトラクターで草を刈って俵にします」とニコラスさん。「4月から11月までは羊は自由に草を食べていますが、毎年12月から3月までは小屋の中で夏に刈り入れた干し草を食べて過ごします。1月に赤ちゃんが生まれ、4月には乳離れして草を食べるようになります。羊農場の暮らしはとても周期的なんです。いつも『その時期なら動物たちはどうしているかな』と考えるようになりますね。」
「ニューイングランド地方は、土地が牧羊に適しているんです。丘が多いし良い草が育つから」とニコラスさん。「1800年代から羊が育てられていて、この辺りにもたくさん牧場があったんです。」アメリカが国土を広げるにつれ羊農家も西へと移り住み、ニューイングランドの牧場数は減少した。こちらの羊は、牧場を廃業した隣の家の土地でも草を食べさせてもらっている。
牧場では干し草も生産する。「マークが大きなトラクターで草を刈って俵にします」とニコラスさん。「4月から11月までは羊は自由に草を食べていますが、毎年12月から3月までは小屋の中で夏に刈り入れた干し草を食べて過ごします。1月に赤ちゃんが生まれ、4月には乳離れして草を食べるようになります。羊農場の暮らしはとても周期的なんです。いつも『その時期なら動物たちはどうしているかな』と考えるようになりますね。」
「ニューイングランド地方は、土地が牧羊に適しているんです。丘が多いし良い草が育つから」とニコラスさん。「1800年代から羊が育てられていて、この辺りにもたくさん牧場があったんです。」アメリカが国土を広げるにつれ羊農家も西へと移り住み、ニューイングランドの牧場数は減少した。こちらの羊は、牧場を廃業した隣の家の土地でも草を食べさせてもらっている。
役割分担:デュプレイさんは動物の餌や体調の世話をし、ニコラスさんは肉の販売や農家市場との関係を担当している。娘のジュリアさんは販売を手伝い、冬の間は赤ちゃん羊と遊んだり世話をして過ごす。
日々の仕事:「実はそれほど早起きしなくてもいいんです。日の出ている時間が仕事する時間ですね」とニコラスさん。「夏の間は羊はあまり手がかからないので、朝起きて草原を眺めて、みんな元気そうか確認する。それからその日何をするか話し合って決めます。マークが牧草地を見て回り、フェンスに引っかかったりしてるのがいないか、餌は十分にあるか確認します。日々の仕事というのは難しいですね。『その時にいちばん差し迫っていることから取り組む』というのが私たちのやり方なんです。例えばトラクターが壊れたりしたら、まずはそれをどうにかしないとね。」
「冬は子羊の世話をするので、普段とは違う1日のスケジュールになります。子羊が生まれてくるごとに、健康状態を見て、小屋に入れて、母羊がきちんと世話をしているか確認する。あとはとにかく餌の世話で、1日に2、3回干し草を用意します。」
この暮らしのいいところは?:「歴史ですね。いつも、ここで250年にわたり暮らしてきた人たちのことを考えるんです。完全に手作業でどうやってこんな農場を作ったんでしょうね?」とニコラスさん。他に好きなのは「夏のポーチで毎朝コーヒーを飲みながら草を食べる羊たちを眺めること。農家風の深いシンク。すごく深いから汚れたお皿が隠れちゃうんです。それから古い窓に入っている紫やグリーンやブルーの波打ったアンティークガラス。私の台所の窓からニワトリが歩き回っているのを眺めること。」
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日々の仕事:「実はそれほど早起きしなくてもいいんです。日の出ている時間が仕事する時間ですね」とニコラスさん。「夏の間は羊はあまり手がかからないので、朝起きて草原を眺めて、みんな元気そうか確認する。それからその日何をするか話し合って決めます。マークが牧草地を見て回り、フェンスに引っかかったりしてるのがいないか、餌は十分にあるか確認します。日々の仕事というのは難しいですね。『その時にいちばん差し迫っていることから取り組む』というのが私たちのやり方なんです。例えばトラクターが壊れたりしたら、まずはそれをどうにかしないとね。」
「冬は子羊の世話をするので、普段とは違う1日のスケジュールになります。子羊が生まれてくるごとに、健康状態を見て、小屋に入れて、母羊がきちんと世話をしているか確認する。あとはとにかく餌の世話で、1日に2、3回干し草を用意します。」
この暮らしのいいところは?:「歴史ですね。いつも、ここで250年にわたり暮らしてきた人たちのことを考えるんです。完全に手作業でどうやってこんな農場を作ったんでしょうね?」とニコラスさん。他に好きなのは「夏のポーチで毎朝コーヒーを飲みながら草を食べる羊たちを眺めること。農家風の深いシンク。すごく深いから汚れたお皿が隠れちゃうんです。それから古い窓に入っている紫やグリーンやブルーの波打ったアンティークガラス。私の台所の窓からニワトリが歩き回っているのを眺めること。」
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7. スペイン、祖父母の農場を受け継ぐ
農場に暮らし働く人:アストリッド・レマ・ヒメネス(27歳)、夫イシドロ・マヨ(49歳)。夏季にはアストリッドのいとこのケイラ(10歳)も滞在
所在地:スペイン、アストゥリアス州の村、フォルゲイロン
バルセロナで育ったアストリッド・レマ・ヒメネスさんが夢見ていたのは農家になること。4年前、農家だった祖父母がフォルゲイロンに持っていたこの家に移り住んだ。現在は卵や山羊のチーズ、自家製パンを近隣の村で売って生活している。
農場に暮らし働く人:アストリッド・レマ・ヒメネス(27歳)、夫イシドロ・マヨ(49歳)。夏季にはアストリッドのいとこのケイラ(10歳)も滞在
所在地:スペイン、アストゥリアス州の村、フォルゲイロン
バルセロナで育ったアストリッド・レマ・ヒメネスさんが夢見ていたのは農家になること。4年前、農家だった祖父母がフォルゲイロンに持っていたこの家に移り住んだ。現在は卵や山羊のチーズ、自家製パンを近隣の村で売って生活している。
生産物:「およそ6万平方メートルの土地があって、そこで山羊や鶏肉と卵用のニワトリを育てています」とヒメネスさん。「世界一おいしいチーズを作ってますし、卵もたくさん取れます。このあたりの雨が多い地域にたくさん生えているイラクサを摘んでスープや自家製の軟膏を作っています。それからパンやボロス・プレニャオスも作ります。」ボロス・プレニャオスはこの地域でよく見られるチョリゾー入りのパン。ヒメネスさんが使うチョリゾーは、近くの小さな村、オトゥルで作られている。このパンはスペイン北部のアストゥリアス、カンタブリア、ラ・リオハ州周辺で春から夏のお祭りのシーズンにシドラ(リンゴ酒)と一緒に食べられることが多い。上の写真はケイラちゃん。
仕事内容:「パンを焼いて、卵を集め、動物たちの掃除と餌やり。少なくとも週に1度はおいしい山羊のチーズを作ります。」
仕事内容:「パンを焼いて、卵を集め、動物たちの掃除と餌やり。少なくとも週に1度はおいしい山羊のチーズを作ります。」
日々の仕事:「朝4時半に起きてオーブンの準備をし、普通のパンとボロス・プレニャオス(具入りのパン)を作ります」とヒメネスさん。「それから出来上がりを全部バスケットに入れてロバでルアルカの街に向かいます。パン屋さんにパンを預けて、おおかたは売れますが残りはほかの村に持って行きます。午後はロバのトゥルカを連れてマツやユーカリやイチイの木を拾い、次の日のパン作りに十分な薪を用意します。
この暮らしのいいところは?:「動物たちに囲まれていること。キツネ、鹿、トビ……テレビの野生動物番組に入り込んだみたいな毎日です。」
この暮らしのいいところは?:「動物たちに囲まれていること。キツネ、鹿、トビ……テレビの野生動物番組に入り込んだみたいな毎日です。」
8. ロシア、農場兼ゲストハウス
農場に暮らし働く人:ウラジミール・ノヴィコフ(46歳)、妻と4人の子どもたち
所在地:ロシア、トゥーラ州、モスクワから130キロの場所
ウラジミール・ノヴィコフさんがモスクワ国際関係大学を出てトゥーラ州に引越したときからすべてが始まった。「私の先祖はカシーラの出身なので、故郷の地に行きたいという思いがあったんでしょう」とノヴィコフさん。「父と一緒に土地委員会へ行って、電気も通っていない辺ぴな村に100ヘクタールの農地を手に入れました。それからコンテナを改造した住居に引っ越して、土地を耕し始めたんです。洪水があって、作業は難航しました。初めてのキャベツの収穫を売りに行ったとき、ザオクスキー地区の区長と出会ったんです。それがきっかけでどうにかもう1区画手に入れて、たった2ヘクタールですが、この土地ではもっと作物を育てることができました。」
農場に暮らし働く人:ウラジミール・ノヴィコフ(46歳)、妻と4人の子どもたち
所在地:ロシア、トゥーラ州、モスクワから130キロの場所
ウラジミール・ノヴィコフさんがモスクワ国際関係大学を出てトゥーラ州に引越したときからすべてが始まった。「私の先祖はカシーラの出身なので、故郷の地に行きたいという思いがあったんでしょう」とノヴィコフさん。「父と一緒に土地委員会へ行って、電気も通っていない辺ぴな村に100ヘクタールの農地を手に入れました。それからコンテナを改造した住居に引っ越して、土地を耕し始めたんです。洪水があって、作業は難航しました。初めてのキャベツの収穫を売りに行ったとき、ザオクスキー地区の区長と出会ったんです。それがきっかけでどうにかもう1区画手に入れて、たった2ヘクタールですが、この土地ではもっと作物を育てることができました。」
工事をはじめてすぐ、近隣の羊飼いにカフェはいつオープンするのか、とたずねられたという。「この場所に以前カフェがあったそうなんです。そこから地域の人が集まるカフェレストランを作るアイデアが生まれました」とノヴィコフさん。「今は骨組みまで出来上がっていて、内装が終わったら来年オープンする予定です。それから田舎で休暇を過ごしに来る人が滞在できるように、ゲストハウスを4つ作りました。自分のお金だけで20年間かけて、この場所を作り上げて来ました。借金をしたくないんです。だから時間がかかるんですが、でも確実に進んでいます。」
生産物:ノヴィコフさん夫妻が育てるのはほとんど自分たちが食べるもので、余ったぶんを販売する。例えば牛乳をモスクワのオフィスに配達している。「家庭菜園では主にジャガイモやカボチャを作ったり、果物はリンゴ、梨、プラムとたくさん育てています。今、近隣の土地を借りようと計画しているんです。穀物を育てるためもありますが、近所に別荘を建てられるのを防ぎたいんです。」
役割分担:「私は今は建設作業で忙しいですね」とノヴィコフさん。「ゲストハウスやカフェの内装を仕上げないといけないし、バーベキュー場も作らないと。近いうちにここで夏季の映画上映会を開く計画なんです。妻は庭と菜園の世話をしていて、私たちの母親が2人とも妻の手伝いに来てくれています。」
生産物:ノヴィコフさん夫妻が育てるのはほとんど自分たちが食べるもので、余ったぶんを販売する。例えば牛乳をモスクワのオフィスに配達している。「家庭菜園では主にジャガイモやカボチャを作ったり、果物はリンゴ、梨、プラムとたくさん育てています。今、近隣の土地を借りようと計画しているんです。穀物を育てるためもありますが、近所に別荘を建てられるのを防ぎたいんです。」
役割分担:「私は今は建設作業で忙しいですね」とノヴィコフさん。「ゲストハウスやカフェの内装を仕上げないといけないし、バーベキュー場も作らないと。近いうちにここで夏季の映画上映会を開く計画なんです。妻は庭と菜園の世話をしていて、私たちの母親が2人とも妻の手伝いに来てくれています。」
日々の仕事:「平日はモスクワで働いていて、週末に農場に来ます」とノヴィコフさん。フルタイムの農家になるのが待ちきれないそうだ。「朝5時に起きて夜11時に寝ます。いつも田舎で過ごす1日はモスクワで過ごすよりもずっと長く感じますね。体を使った労働をして、何かを手に入れるという素晴らしい感覚を得ることが出来るので、大変な仕事ばかりだけど幸せな生活です。農場を出て都会に出たとたん、すぐに戻りたくなりますよ。」
この暮らしのいいところは?:「自分の土地を耕す感覚。私は自分で建てた計画を実行していくのが好きなんです。農場に夏のカフェやゲストハウスを作ったりするのを夢見て、そして自分のお金と能力を使ってその夢を実現する。ここは別荘がたくさんあるような、いわゆる『素敵な田舎暮らし』という感じじゃないのがいいですね。15年前に両親と一緒に植えた庭も気に入っています。樹齢120年の菩提樹が自慢の木です。」
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この暮らしのいいところは?:「自分の土地を耕す感覚。私は自分で建てた計画を実行していくのが好きなんです。農場に夏のカフェやゲストハウスを作ったりするのを夢見て、そして自分のお金と能力を使ってその夢を実現する。ここは別荘がたくさんあるような、いわゆる『素敵な田舎暮らし』という感じじゃないのがいいですね。15年前に両親と一緒に植えた庭も気に入っています。樹齢120年の菩提樹が自慢の木です。」
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9. フランス、4世代続く農場で有機穀物を育てる
農場に暮らし働く人たち:エリック・ゴバール(46歳)、妻アンヌ、娘のルシー(9歳)とアルメル(15歳)。息子のエマニュエル(18歳)、バプティスト(19歳)は家から離れて在学中
所在地:フランス、パリの東、クロミエ
農場設立:1895年
トリビア:この農場はフランス映画『ロング・エンゲージメント』のロケ地になった。
4代続くこちらの農場「ラ・フェルム・ド・シャントメルル」は今年120年周年を迎える。エリック・ゴバールさんは今までずっと、曽祖父母の始めた農園で祖父母や両親とともに暮らしてきた。ゴバールさんが経営を始めて13年になる。7年前から有機認定されており、主に穀物を栽培している。肥沃な土地が穀物にうってつけなのだ。
農場に暮らし働く人たち:エリック・ゴバール(46歳)、妻アンヌ、娘のルシー(9歳)とアルメル(15歳)。息子のエマニュエル(18歳)、バプティスト(19歳)は家から離れて在学中
所在地:フランス、パリの東、クロミエ
農場設立:1895年
トリビア:この農場はフランス映画『ロング・エンゲージメント』のロケ地になった。
4代続くこちらの農場「ラ・フェルム・ド・シャントメルル」は今年120年周年を迎える。エリック・ゴバールさんは今までずっと、曽祖父母の始めた農園で祖父母や両親とともに暮らしてきた。ゴバールさんが経営を始めて13年になる。7年前から有機認定されており、主に穀物を栽培している。肥沃な土地が穀物にうってつけなのだ。
生産物:小麦、スペルト小麦、ソバ、ライ麦、アルファルファ、亜麻。「栽培する作物は10年サイクルのローテーションを組んでいるんです」とエリックさん。「例えばひとつの畑でアルファルファをまず2年栽培する。アルファルファは地域の名産クロミエチーズを有機生産している農家に売られます。それから小麦の種をまく。アルファルファが地中に残した窒素が栄養になるんです。次は亜麻、そしてまた小麦、そしてやせた土地を好むインゲンマメ、また窒素を蓄えてくれるソラマメ、そして最後にソバが土壌を浄化してくれます。」質の良い作物を作り、生産効率を保ちつつ土地を休ませることのできる自然な方法なのだ。
役割分担:今のところエリックさんとアンヌさんだけで農場を運営している。「バプティストとエマニュエルは今学生で、持続可能エネルギーの仕事をしたいと言っています」とエリックさん。「でもルシーとアルメルは田舎暮らしが好きで将来農場を経営したいとよく言っているので、その可能性もあるかもしれませんね。」エリックさんが畑仕事をして、アンヌさんが事務的な事柄と市場での作物販売を担当している。
日々の仕事:エリックさんとアンヌさんの1日はかなり重労働だ。「午前中は畑仕事をして、昼食の後サイロに穀物を入れます。サイロの隣には現代的な製粉場があります。夕方はだいたい事務的な仕事をして時間が過ぎますね」とエリックさん。
日々の仕事:エリックさんとアンヌさんの1日はかなり重労働だ。「午前中は畑仕事をして、昼食の後サイロに穀物を入れます。サイロの隣には現代的な製粉場があります。夕方はだいたい事務的な仕事をして時間が過ぎますね」とエリックさん。
この暮らしのいいところは?:農場に情熱をかけている2人は、次の世代にも自分たちの知識を伝えたいと考え、農業高校で有機農業を教えている。ニワトリの産みたて卵や、庭でとれる果物など、新鮮な食材が手に入ることも大切とアンヌさんは言う。
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ロンドン在住のスペイン人の知人がいるのですが、外食の際には基本、肉料理は注文しないんです。「どうして?」と聞いたところ、私は実家から送ってもらう肉しか食べないから、とのこと。実家は牛も鶏も豚を育てている農家だったのです。
この記事を読んでいて、ふとそんなことを思い出しました。
素敵な暮らしとストーリーですね!とっても大変だと思いますが、正直憧れてしまいます・・・!
気持ちの良さそうな暮らしばかりで、ほっこりしました。