やさしい光を採り入れる「障子」の魅力
日本が誇る自然素材の美しきミニマルデザイン、障子は、私たちが考えている以上に幅広い応用力のある室内建具。この伝統の機能美を、改めて見直してみたいものです。
Yuka Takahashi
2023年12月18日
日本の伝統的な建具のひとつである障子(しょうじ)。和紙を透過して室内に入る光は、ほかの素材では得られないやさしさがあり、白い紙に反射したやさしい明るさは部屋全体に広がります。木と紙で作られた障子の陰影を見ていると、得も言われぬ落ち着きが感じられ、窓と障子の間に空気層も生まれるので断熱性も高まります。シンプルで飽きのこないデザインも魅力です。
紙と木でできたシンプルな障子は、窓の外へと視線をいざない、四季折々の景色を引き立てます。
楓を漉き込んだ和紙を太鼓張りにして断熱性を高めた障子戸。自然のエネルギーをできるだけ生かし、パッシブデザインに寄与した仕様に。
障子が似合うのは畳のある部屋だけとは限りません。板の間や和モダンの部屋にも、木のグリッドのデザインがぴったり合います。最近では和室の客間だけでなく、リビングの窓に採用する人も増えているとか。
採光を確保しながら仕切れるという点は、室内の奥まで光を取り込める室内建具としてもその機能を発揮します。
空間を仕切ったり、オープンにしたりと、可変性のあるプランを可能にもします。
木組みのデザインも、1種類だけではありません。横繁障子、縦繁障子、荒組み障子など、伝統的な組み方にもバリエーションがあり、それを組み合わせたりして、モダンなデザインに仕上げることも可能です。
開閉させるばかりでなく、FIXにして採用することもできます。
ウインドウトリートメントのひとつとして優秀な機能とデザインを持ち合わせている障子。無駄のないその「機能美」が生きる空間であれば、現代の住まいでも取り入れることを検討したいものです。
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