洗面室のプラン:設置のタイプで選ぶ洗面ボウル
洗面所のプランの際のポイントになる洗面ボウル選び。わかりやすく設置タイプ別に分類して、デザインや使い勝手、手入れや掃除のしやすさなどのポイントをまとめました。
Taeko Ishii
2016年9月5日
フリーランスのエディター・ライター。大学で住まいについて学んだのち、コピーライター、住宅雑誌編集者を経てフリーランスに。暮らしまわりに関すること、地方での暮らしについてが主なテーマです。
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朝の洗顔から歯磨き、メイクしたり髪を乾かしたりと、家族が毎日使う洗面所。その中でも洗面ボウルは、設置方法によってさまざまなタイプがあり、デザインはもちろん、掃除しやすさや物を置くスペースがどの程度とれるかなども異なる。洗面ボウル選びによって、カウンターの設計や必要なスペースなど洗面所全体に関わってくるので、全体のバランスを見ながら検討してほしい。
壁付け型
洗面ボウル自体を壁に設置する壁付け型シンク。カウンターを設ける必要がないので、省スペースですっきり収まり、視覚的な広さを感じられる。設置する壁にあらかじめ下地を入れて強度を確保しておくことが必要だが、カウンターやキャビネットがない分コストが低く、掃除しやすい点もメリット。下部を自由に使えるので、スツールやかごを置くなど、ニーズに合わせて気軽に使い方を変えられる。ただしタオルや歯ブラシなどの収納場所は別に確保することになるので注意。また洗面ボウルのサイズによっては、洗顔時の水はねで床が濡れることもある。
洗面ボウル自体を壁に設置する壁付け型シンク。カウンターを設ける必要がないので、省スペースですっきり収まり、視覚的な広さを感じられる。設置する壁にあらかじめ下地を入れて強度を確保しておくことが必要だが、カウンターやキャビネットがない分コストが低く、掃除しやすい点もメリット。下部を自由に使えるので、スツールやかごを置くなど、ニーズに合わせて気軽に使い方を変えられる。ただしタオルや歯ブラシなどの収納場所は別に確保することになるので注意。また洗面ボウルのサイズによっては、洗顔時の水はねで床が濡れることもある。
壁付け型の中でも写真のようなカウンターと一体になったタイプは、洗顔用品を濡れたままでも周囲に置くことができる。また、ボウルとカウンターの継ぎ目がないので手入れもしやすい。下部にワゴンなど収納を置いたり、幅を合わせてキャビネットを造作してもよいだろう。
ヨーロッパのメーカーの製品に多いのが、写真のようにオプションでペデスタル(脚部)をつけられるタイプだ。クラシカルでエレガントな雰囲気を楽しめるので、ミラーや照明とコーディネートして空間全体を魅力的に演出したい。
壁付けカウンタートップ型
カウンター上部にのせるタイプで、洗面ボウルの背面が釉薬で仕上げられていないため、壁に接して設置する。壁との隙間がない分、掃除しやすい点がメリットに。ボウルが使いやすい高さになるよう、カウンターは低く設計する。写真のように水栓のまわりに物を置けるスペースがあると、水滴がつきがちなハンドソープや歯ブラシスタンドなどの置き場に便利。
カウンター上部にのせるタイプで、洗面ボウルの背面が釉薬で仕上げられていないため、壁に接して設置する。壁との隙間がない分、掃除しやすい点がメリットに。ボウルが使いやすい高さになるよう、カウンターは低く設計する。写真のように水栓のまわりに物を置けるスペースがあると、水滴がつきがちなハンドソープや歯ブラシスタンドなどの置き場に便利。
ボウルを壁に接して設置するので、写真のように壁付けタイプの水栓を選んでも、ハンドルからの水滴がボウル内に落ちるため、掃除がしやすい。
ベッセル型
ベッセル型はカウンターにのせて設置するタイプで、背面まで釉薬で仕上げられているので、壁から離して設置できる。デザイン性の高い製品が多く、ホテルのパウダールームのような華やかな雰囲気にも。ボウルが使いやすい高さになるよう、カウンターは低く設定すること。また、壁と洗面ボウルの間に水はねしやすいので注意が必要だ。壁との隙間が狭いほど掃除しにくいので、十分にスペースを確保しておきたい。
ベッセル型はカウンターにのせて設置するタイプで、背面まで釉薬で仕上げられているので、壁から離して設置できる。デザイン性の高い製品が多く、ホテルのパウダールームのような華やかな雰囲気にも。ボウルが使いやすい高さになるよう、カウンターは低く設定すること。また、壁と洗面ボウルの間に水はねしやすいので注意が必要だ。壁との隙間が狭いほど掃除しにくいので、十分にスペースを確保しておきたい。
曲線的な美しいフォルムのベッセル型は、オブジェのような存在感が魅力。カウンターからボウルの縁までの高さがあるため、組み合わせる水栓金具は写真のように高さのある首長立水栓か、壁付けタイプなどに限られる。
半埋め込み型
洗面ボウルの厚みのおよそ半分(70~120mm程度)がカウンター上部に出るタイプ。ボウルの存在感も適度に出ながらすっきりと収まるので、空間になじみやすい。また、ベッセル型などに比べて、カウンターを高く設定できる。
洗面ボウルの厚みのおよそ半分(70~120mm程度)がカウンター上部に出るタイプ。ボウルの存在感も適度に出ながらすっきりと収まるので、空間になじみやすい。また、ベッセル型などに比べて、カウンターを高く設定できる。
2人同時に使えるワイドタイプでも、半埋め込み型にすれば、すっきりとした印象に。水栓を設置するデッキがあるタイプなら、水はねしても手入れしやすい。
オーバーカウンター型
カウンター上部から洗面ボウルを落とし込むように設置するオーバーカウンターシンクは、上部に出る縁部分がデザインのポイントになる。カウンターとの段差が少ないので掃除しやすく、またベッセル型や半埋め込み型に比べて、カウンターを低くする必要がないので、下部に収納を設けたり、洗濯機をビルトインしたりといった機能性も上がる。ただしサイズのバリエーションが比較的少なく、小ぶりなサイズのものが多い。
カウンター上部から洗面ボウルを落とし込むように設置するオーバーカウンターシンクは、上部に出る縁部分がデザインのポイントになる。カウンターとの段差が少ないので掃除しやすく、またベッセル型や半埋め込み型に比べて、カウンターを低くする必要がないので、下部に収納を設けたり、洗濯機をビルトインしたりといった機能性も上がる。ただしサイズのバリエーションが比較的少なく、小ぶりなサイズのものが多い。
カウンターに高さがあるため、写真のように、スツールと組み合わせてメイクコーナーとすることも。
アンダーカウンター型
アンダーカウンター式は洗面ボウルをカウンターの下に収めるタイプ。凹凸がなくすっきりとした印象になり、カウンターとフラットなので掃除しやすい。また、ベッセル型や半埋め込み型のように洗面ボウルの高さに合わせてカウンターを低く抑える必要がないので、下部に収納を広くとったり、洗濯機をビルトインしたりといったプランも可能だ。
アンダーカウンター式は洗面ボウルをカウンターの下に収めるタイプ。凹凸がなくすっきりとした印象になり、カウンターとフラットなので掃除しやすい。また、ベッセル型や半埋め込み型のように洗面ボウルの高さに合わせてカウンターを低く抑える必要がないので、下部に収納を広くとったり、洗濯機をビルトインしたりといったプランも可能だ。
写真のようにカウンタートップの素材に個性がある場合、シンプルなアンダーカウンター型の洗面ボウルが素材の表情を引き立ててくれる。
アンダーカウンター型を選ぶときの注意点は、ボウルとカウンターの継ぎ目が汚れやすいこと。また、アンダーカウンター型は比較的小ぶりな製品が多いので、水はねが気になる場合は検討が必要だ。洗面ボウルの露出が少ないので、ボウルのデザインや存在感にこだわりたい人には向かない。
アンダーカウンター型を選ぶときの注意点は、ボウルとカウンターの継ぎ目が汚れやすいこと。また、アンダーカウンター型は比較的小ぶりな製品が多いので、水はねが気になる場合は検討が必要だ。洗面ボウルの露出が少ないので、ボウルのデザインや存在感にこだわりたい人には向かない。
セミビルトイン型
カウンターからせり出した形で設置するタイプ。カウンターの奥行きを広くとれない場合などに有効で、洗面ボウルのデザインも引き立つ。ただし物を置いたり作業したりするスペースは小さいので、他にスペースを確保するなど工夫が必要になる。
カウンターからせり出した形で設置するタイプ。カウンターの奥行きを広くとれない場合などに有効で、洗面ボウルのデザインも引き立つ。ただし物を置いたり作業したりするスペースは小さいので、他にスペースを確保するなど工夫が必要になる。
番外編:2人同時に使えるダブルシンク
家族で使用する時間帯が重なりやすい場合、写真のようなダブルシンクにすると機能的だ。ホテルライクな華やかさがあり、見た目にも美しい。もちろんスペースと予算に余裕があることが条件で、使いやすいサイズの目安である幅60cmタイプの洗面ボウルを2つ並べると、余白スペースも考慮すれば全体で幅210cm程度が必要に。毎日使う場所だからこそ、機能とのバランスを考えて計画したい。
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どのタイプの洗面ボウルを採用したいですか?
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