おしゃれな洗面カウンター、素敵なパウダールームを実現するには?
最近、ホテルのような「おしゃれな洗面カウンター」のニーズが、一般住宅でも増えているそう。その実現の鍵のひとつは、トイレや脱衣室との関係性にあるようです。
日本では従来、手を洗ったり顔を洗ったりする場所は「洗面所」と呼ばれ、主に浴室に隣接する脱衣所と兼用されてきました。スペースはおおよそ1坪、つまり畳2枚分。そこに幅75センチの洗面化粧台ユニットが備え付けられ、その横に洗濯機を設置。ほとんどのビルダーが迷いもなくこの配置を選択してきました。
しかし昨今、そんなスタンダードな在り方に変化が起こってきているようです。新築やリフォームの際、お客様から特にオーダーが多いもの。それが「おしゃれな洗面カウンター」です。
デザインの観点から思い起こすと、ホテルやデパートなどのパブリックなスペースで、カウンターの上に洗面ボウルがポンと置かれたベッセル型のデザインを見かけるようになってから、一般住宅にも少しずつ浸透していったような気がします。
戸建て住宅における間取りの変化も影響しています。日本における住空間のボリュームは、今も昔も変わることなく、その多くが豊かなものではありません。ただし、贅沢な空間の象徴であった「応接間」が姿を消し、さらに「廊下」をなくすことで、今のライフスタイルに必要なスペースとして配分されているようです。
利便性重視の都会のマンションでない限り、トイレと洗面所が一緒になっている状態には、おそらく少々抵抗を感じる私たち日本人。トイレは個室であるのが一般的です。そしてその一方で、手を洗う、洗顔する、または、メイクもする、デザインや個性も重視した洗面カウンターのニーズが増えています。
よく相談されることですが、使いやすく、ゲストにもすすんで使ってもらえる憧れの「パウダールーム」を実現する手っ取り早い方法のひとつはズバリ、「脱衣所と洗面所(手洗い)を分ける」ことです。新築やリフォームのタイミングがあれば、ぜひ検討してみてください。ここではそんな例も交え、素敵なパウダールームをつくるためのスペースプランを考えるきっかけになりそうなヒントをご紹介します。
しかし昨今、そんなスタンダードな在り方に変化が起こってきているようです。新築やリフォームの際、お客様から特にオーダーが多いもの。それが「おしゃれな洗面カウンター」です。
デザインの観点から思い起こすと、ホテルやデパートなどのパブリックなスペースで、カウンターの上に洗面ボウルがポンと置かれたベッセル型のデザインを見かけるようになってから、一般住宅にも少しずつ浸透していったような気がします。
戸建て住宅における間取りの変化も影響しています。日本における住空間のボリュームは、今も昔も変わることなく、その多くが豊かなものではありません。ただし、贅沢な空間の象徴であった「応接間」が姿を消し、さらに「廊下」をなくすことで、今のライフスタイルに必要なスペースとして配分されているようです。
利便性重視の都会のマンションでない限り、トイレと洗面所が一緒になっている状態には、おそらく少々抵抗を感じる私たち日本人。トイレは個室であるのが一般的です。そしてその一方で、手を洗う、洗顔する、または、メイクもする、デザインや個性も重視した洗面カウンターのニーズが増えています。
よく相談されることですが、使いやすく、ゲストにもすすんで使ってもらえる憧れの「パウダールーム」を実現する手っ取り早い方法のひとつはズバリ、「脱衣所と洗面所(手洗い)を分ける」ことです。新築やリフォームのタイミングがあれば、ぜひ検討してみてください。ここではそんな例も交え、素敵なパウダールームをつくるためのスペースプランを考えるきっかけになりそうなヒントをご紹介します。
ランドリースペースと壁を隔てて隣り合わせの洗面コーナー。ネイビーのモザイクタイルカウンターが、男女問わず受け入れやすいのでは。大きめの洗面ボウルは少々荒っぽい使い方をしても、安心感がありますね。
洗面カウンターをタイル張りにしたい場合は、ボウル本体から水栓金具が立ち上がるタイプがオススメです。タイル目地のダメージを回避するのに貢献してくれるからです。
洗面カウンターをタイル張りにしたい場合は、ボウル本体から水栓金具が立ち上がるタイプがオススメです。タイル目地のダメージを回避するのに貢献してくれるからです。
主寝室や子ども部屋などのプライベートルームが集中して配置されるフロアには、どうしても廊下が発生します。その一部を使って、洗面コーナーを。存在感のあるスペースなだけに、既成のユニット製品でなく、デザインやカラーにもこだわったオーダーメイドがぴったりです。
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クローズアップ。ピンクのタイル張りのカウンターとフェミニンな壁紙で、女性らしさをとことん追求した洗面コーナーです。
この洗面コーナーは、おそらく部屋から部屋への通過点にあるのでしょう。壁の幾何学的なタイル柄と床の材質がともすれば冷たい印象を与えるところですが、カウンターの木の質感がそれを中和しています。一枚の絵のように完成されたコーナー。ミックス感覚が秀逸ですね。
玄関すぐ脇のオープンスペースに設けた手洗いコーナーです。子育て中のご家族にとって、帰宅後すぐに手を洗う習慣づけには好都合なポジション。花びらのフォルムをした手洗いボウルに、子どもたちが「ただいま!」の声とともに一目散に駆け寄る姿が目に浮かぶようです。
この手洗いコーナーは隣接するトイレとの関連性も意識して、壁やカウンタータイルのカラーをセレクトしています。ゲストがお越しの場合、必ずと言っていいほど使用される場所がトイレ。このスモールスペースが清潔であるのはもちろん、おしゃれであると好印象ですよね。不意の来訪にもあわてないよう、いつも美しく保っておきたいものです。
ドアを開けると、ワインレッドの壁面が現れる印象的なこのトイレ、実はお隣のパウダールームと床材をコーディネートしています。この印象的な床材で、別室でもお揃いの雰囲気にできます。
建築施工的にみると、トイレと洗面室そして浴室は、まとめて計画されるのが一般的。壁によって空間的に分かれていても、この一角は視覚的に統一感があったほうがよいように思います。
建築施工的にみると、トイレと洗面室そして浴室は、まとめて計画されるのが一般的。壁によって空間的に分かれていても、この一角は視覚的に統一感があったほうがよいように思います。
洗面コーナーを日々美しく使うためには、できれば脱衣室と兼用しないプランにすることがひとつの解決方法になります。この写真のお部屋は、脱衣する場所でもあり、洗濯をし、衣類やタオル、そして生活雑貨などを収納・管理する役目を担う、まさにランドリールーム。こういうスペースを設けることで、デザイン重視のうっとりするような洗面コーナーをつくり、無理なく美しいまま維持することができるのです。
脱衣室・ランドリールームを別に設けることができれば、こんな贅沢な空間づくりも可能になります。こちらは、ペデスタルシンクの優雅な佇まいを生かしたパウダールーム。シンメトリーに配置された収納キャビネットの天板と床のブラックカラーがリンクして、甘くなりそうなインテリアに辛口なエッセンスを与えています。オープンな共有スペースにぜひつくりたいコーナーです。システマチック一辺倒になりがちな洗面室とは違う趣ですね。
意外なところでは、こんなスペースの例もあります。光が燦々と降り注ぐパウダールームは憧れの的。プライバシーは守りたいけれど、開放感は味わいたい。そんな相反する気持ちを満たすために、中庭を設けるのはいかがでしょう。気候のよい時には窓際に腰掛けて、本など読めたりしたら…。心からリラックスできる時間が過ごせそうです。
プライベートルームに洗面コーナーがあるかのようなシーン。自分のためだけのこんな贅沢なパウダールームがあったら理想的です! 大きな姿見のミラーを置けば、メイクもお洋服のフィッティングもここで。少し広めのウォークインクローゼットを設けることができるなら、ぜひトライしてみたいデザインです。
とはいえ、脱衣室を別にするのは、現実には難しい場合も多いでしょう。こちらは、脱衣スペース兼用のマンションのパウダールームですが、美しくキープするための工夫がなされています。洗面カウンター下のオープンスペースを、待機中の洗濯物を置くためのポジションとし、その上の棚にはタオルをきれいにたたんで収納。モザイクタイルを張ったカウンター上部の壁に、奥行きの浅い棚を設けて、コップや歯ブラシなどの小物を置く場所を確保。必要となる置き場所をきっちりと決め、モノを多く持ち込まなければ、美しく使用できるはずです。
リフォームの際、階段下のスペースを一部取り込んで、ゆったりとした空間を確保できた、トイレの中のパウダールーム。優雅でエレガントな設えが、ホテルのインテリアを彷彿とさせます。女性らしい感性に満ちた大人の空間に仕上がりました。
アメリカの施工例ですが、サイズ感が日本のトイレと似通っているにもかかわらず、まったく違う世界観に驚きます。私たちも「トイレの当たり前」にとらわれずに、「好き」をどんどんとり入れてみたいものです。
トイレの中の小さな手洗いコーナーも、色やアイテムのセレクトで贅沢な印象を持たせることができます。このブラック&ホワイトの一角は、クールなカラーコンビネーションですが、手洗いボウルの曲線や、石を思わせる壁の素材感がやさしさを添えていて、女性らしさも感じます。フレグランスも添えられ、ゲストもうっとり、セレブ感漂うレストルームになっています。
新築の際、WALPAでセレクトした個性的な壁紙で、北欧インテリアを実現したトイレ。小さなクローズドスペースだからこそ、思い切り遊び心を発揮できる場所でもあります。扉を開けたゲストの顔を想像すると、思わずワクワクしませんか?
トイレと洗面室こそ、思い切ったデザインを
トイレと洗面室こそ、思い切ったデザインを
小さなスペースだからこそ、好きなテイストを思い切り表現していいのではないでしょうか。こちらのレトロ感漂う洗面カウンターは、湯水混合の水栓金具を採用。普及しているシングルレバーのそれと比べると、お湯と水のバランス調整が面倒で、実用性に欠けるかもしれないけれど、独特なデザインの魅力を優先しています。
ファッションにおいて「おしゃれは下着から」と言われるように、見えないところにまで気を配る精神が大切だと思います。パウダールームやトイレに強い関心を寄せることは、インテリアにおける真におしゃれな人の条件だとも言えるのではないでしょうか。
洗面所はパウダールームに、脱衣所はランドリールームに。そんな呼び方がふさわしいような空間づくりをしたいものです。
効率だけではなく、心豊かに過ごせるスペースとしての洗面コーナー、パウダールームづくりのヒントになれば幸いです。
Houzzで住まいの専門家を探す
ファッションにおいて「おしゃれは下着から」と言われるように、見えないところにまで気を配る精神が大切だと思います。パウダールームやトイレに強い関心を寄せることは、インテリアにおける真におしゃれな人の条件だとも言えるのではないでしょうか。
洗面所はパウダールームに、脱衣所はランドリールームに。そんな呼び方がふさわしいような空間づくりをしたいものです。
効率だけではなく、心豊かに過ごせるスペースとしての洗面コーナー、パウダールームづくりのヒントになれば幸いです。
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「パウダールームやトイレに強い関心を寄せることは、インテリアにおける真におしゃれな人の条件だとも言えるのではないでしょうか。」
という一文に強く共感します。