動と静の二面性をもつ不思議な色、パープルをインテリアに取り入れるには
暖色と寒色のミックスであり、動と静、相反する要素を内包するミステリアスな色、紫。トーンにより印象の変わるこの色をインテリアに取り入れるときのコツを解説します。
動のイメージをもつ赤と、静のイメージをもつ青が混ざってできた、どこかミステリアスで神秘的な印象のある紫。トーンによって優しげな表情にもクールな表情にもなります。また、合わせ方や使う分量によっては、気品や重厚感を表現できるいっぽうで、派手で俗っぽい印象を与える一面も。色のイメージに相反する性質があるのが大きな特徴です。その神秘性からか、昔から特別に高貴な色ともいわれてきました。
写真
心を癒す、不思議な魅力のある色
梅雨の季節、雨の中で咲く紫陽花。さまざまな色の紫陽花がありますが、なかでも紫の美しいグラデーションは、灰色の曇り空の下でちょっと落ち込みがちな私たちの気分を癒してくれます。紫という多彩な表情をもつ色の一面には、ブルーと同じように気持ちを鎮め、癒してくれる効果があります。
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優しいパープルは寝室に最適
インテリアにおいて、そんな紫の色彩効果を最も感じられる部屋は寝室です。一日の緊張や疲れをほぐし、睡眠へと誘ってくれる優しいパープルは、眠るための部屋にぴったりの色。鮮やかなトーンを選ぶと落ち着かず、目が冴えてしまうため、彩度を少し抑えた鮮やかすぎないパープルを使うようにしましょう。明度はどのレベルでも構わないので、好みの濃淡を選べば大丈夫。
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優雅でドラマチックな空間に
鮮やかさや濃淡のほかにも、赤み寄りから青み寄りまで、とても幅広いバリエーションがあるパープル系の色。写真のような濃く暗めの赤紫には、艶っぽさや大人っぽさ、高貴で優雅な雰囲気もあります。「動」のイメージが強い赤み寄りの紫は、情熱的な印象も持ち合わせています。
ドラマチックさを活かした大人っぽい空間を演出するなら、壁一面だけでなく、思い切って全体をこの色にするのも斬新で素敵。暗めの紫は、光が当たったときの陰影が美しいのも魅力です。照明や窓からの光による表情の変化を楽しめる、とっておきの場所になるはずです。
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アソートカラーに向く、濃い紫
濃い紫を広い面に使うことに抵抗があるなら、アソートカラーとして、ソファやカーペット、カーテン、キッチンの一部などに取り入れる方法も。写真は青み寄りのクールで重厚感のある紫を、キッチンカウンターに使った例。キッチンキャビネットにはメンテナンスしやすい光沢のある塗装が使われることが多いですが、このつや感がさらにシャープな印象をプラス。カウンタートップのステンレス色とも相性がよく、すっきり見せています。
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使いやすい、穏やかで明るいパープル
紫系の色に白を混ぜて明るくしていくと、赤紫はピンク寄りに、青紫はブルー寄りに、くすんだパープルはグレー寄りになっていきます。これらの穏やかで明るいトーンの紫なら、強いインパクトや圧迫感は感じにくくなるので、リビングなど、人が集まる場所にも取り入れやすくなります。写真のようなブルー寄りのパープルは、清潔感や気品、癒し効果、優しさなど、紫の魅力的な個性をほどよく印象づけられます。
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美意識を高めてくれる赤みのパープル
温かさや冷たさなど、色による「温度感」を感じにくい中間色の紫は、水回りのインテリアにも使いやすい色です。写真のようなソフトな赤紫は、紫の中でも暖色に近いので、穏やかな温もりを感じる落ち着いた空間をつくってくれます。また、フェミニンなピンクに少し近づくので、メイクや肌のお手入れをする洗面スペースという場で、美意識を高めてくれる効果も。同じ理由で、ウォークインクローゼットの中や鏡の周りなど、身支度を整える場所に使うのもおすすめです。
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ピンクと合わせるときのコツ
子供部屋のコーディネートで人気のある配色のひとつ、パープルとピンク。とてもガーリーで可愛らしいのですが、この2色で部屋が埋まると、甘さや可愛らしさがややトゥーマッチになる傾向も。そこでおすすめなのが、グレーなどのニュートラルカラーをベースカラーにすること。パープルとピンクは、インテリア雑貨などの小さな部分に使って楽しむとよいでしょう。
ここで、紫の反対色にあたる、グレイッシュな色とも相性のよい鮮やかなイエローを、本やクッションなどで差し色として取り入れると、「色相対比」の効果でさらに引き立て合います。
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明度と彩度の差をつけて自然に
ナチュラルモダンな空間は、鮮やかな色が少ないもの。彩度の低い色が多い部屋で、紫系の色を自然に取り入れたい場合は、「彩度対比」と「明度対比」を上手に取り入れてみましょう。
写真のように、濃い紫が使われている壁のアートを中心に部屋の配色を考えるなら、周囲の色は彩度を抑え、明度にも差をつけるコーディネートを。たくさんの色が部屋にあっても、鮮やかさと明るさに差をつければ、アクセントカラーとなる紫に視線が向かうようになります。紫系の椅子を置いていますが、基本的に抑えめのトーンなので、壁やテーブル、カーペットに自然になじみ、アートの紫との「つなぎ」の役割を果たしています。
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原色に近い紫の使い方
原色に近い鮮やかな紫は、インテリアでは使い方がやや難しい色です。でも写真のように、シャープな印象のモードなインテリア小道具として少量使うなら、エッジの効いた魅力的な印象に。モノトーン配色のポイントとして使うと、さらにしゃれた雰囲気を演出することができます。
ただ、使う場所や量によっては強すぎて圧迫感が出たり、下品なイメージを与えてしまったりすることもあるので、大きな面積で使うのは基本的に避けたほうが無難です。
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色の使い方の基本:バランスのよい配色の法則
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役割は動? それとも静?
紫のもつ個性は強く、1色のみをほんの少し使うだけでも十分なインパクトがあります。インテリアに取り入れるときはまず、その空間に使う紫を、「動」的な役割にするか、「静」的な役割にするか決めましょう。気分を上げ、ドラマティックな雰囲気をつくる「動」の役割なら、やや赤み寄りに。気分を鎮め、クールな雰囲気をつくる「静」の役割なら、青み寄りの色を選びます。
次に、紫の周囲にある色をチェック。周りの色によって、紫の印象は簡単に変わります。温もりを感じさせたいならその紫よりも青み寄りの色を、クールに感じさせたいならより赤み寄りの色を周囲に置くとよいでしょう。
端正にも神秘的にも、モードっぽくも甘くもなる、実に幅広い表現力のある紫。ぜひ、その豊かな表情を楽しんでください。
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皆さんの家に、紫を使った空間はありますか? 紫を使ってみたい空間はどこですか?
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