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色の使い方の基本:バランスのよい配色の法則
対照的な色の組み合わせ、近い色の組み合わせ、快適なバランスに見せる調整法など、配色の基本法則を解説します。
カツウラアキツ
2017年4月22日
インテリアの色を決めるとき、たくさんのサンプルを前にどれを選んでいいのかわからなくなってしまう経験をした方は少なくないと思います。決められない理由のひとつとしてよく挙げられるのが、「この色であっているのかわからない」ということ。せっかく選んだ色なのにインテリアになじまない、そこだけ浮いている気がする……それでは心配だし、残念ですね。今回はそんなときに使える知識、カラーバランスの指針である「配色の基本法則」をご紹介します。少し難しそうな名前も出てきますが、考え方はごくシンプル。色相環とインテリア写真を見比べながら、読み進めてください。
暮らしと密接に関わる配色の法則
基本法則に則った配色は、ウェブサイトや商品パッケージ、企業のロゴなど、日常生活のシーンでも実によく見かけます。色数が少なくても多くても、カラーバランスが整っていればセンスよく見え、言葉を多用しなくても視覚で伝えたいイメージを伝えることが可能になります。この基本法則は、もちろんインテリアでも大いに活かすことができます。
基本法則に則った配色は、ウェブサイトや商品パッケージ、企業のロゴなど、日常生活のシーンでも実によく見かけます。色数が少なくても多くても、カラーバランスが整っていればセンスよく見え、言葉を多用しなくても視覚で伝えたいイメージを伝えることが可能になります。この基本法則は、もちろんインテリアでも大いに活かすことができます。
色を順番に並べて輪にした「色相環」が基本
配色の法則は、写真のような「色相環」をもとにしています。色相環とは、色の並びを順序立てて表したもので、配色を考えるときの目安としてよく使われます。赤→オレンジ→黄色→黄緑→緑→青緑→青→青紫→紫→赤紫、そしてまた赤へ、という並びを覚えておくだけでも役に立ちます。では、さっそく配色の法則の例を見ていきましょう。
配色の法則は、写真のような「色相環」をもとにしています。色相環とは、色の並びを順序立てて表したもので、配色を考えるときの目安としてよく使われます。赤→オレンジ→黄色→黄緑→緑→青緑→青→青紫→紫→赤紫、そしてまた赤へ、という並びを覚えておくだけでも役に立ちます。では、さっそく配色の法則の例を見ていきましょう。
向かい側どうしのコントラストの強い組み合わせ、「補色配色」
色相環上で真向かいの色どうしを組み合わせて使う配色を、「補色配色(ダイアード)」といいます。図では「赤」に対して「青み寄りの緑」がその色に該当します。色の印象が正反対の2色なので、そのコントラストによって大胆なイメージになります。お互いの色を引き立て合う効果があるため、強く印象に残ります。
補色配色の代表例である赤と緑の組み合わせはご存じの通り、上下巻がある本の装丁やチョコレートのスイートとビターのパッケージなど、対比をアピールする場面でよく使われています。
真向かいの色ではなく、その両隣りの色を使う「分裂補色配色(スプリットコンプリメンタリー)」という配色もあります。補色配色と同様に大胆な印象になりますが、コントラストが少しやわらぐのが特徴です。
色相環上で真向かいの色どうしを組み合わせて使う配色を、「補色配色(ダイアード)」といいます。図では「赤」に対して「青み寄りの緑」がその色に該当します。色の印象が正反対の2色なので、そのコントラストによって大胆なイメージになります。お互いの色を引き立て合う効果があるため、強く印象に残ります。
補色配色の代表例である赤と緑の組み合わせはご存じの通り、上下巻がある本の装丁やチョコレートのスイートとビターのパッケージなど、対比をアピールする場面でよく使われています。
真向かいの色ではなく、その両隣りの色を使う「分裂補色配色(スプリットコンプリメンタリー)」という配色もあります。補色配色と同様に大胆な印象になりますが、コントラストが少しやわらぐのが特徴です。
補色配色のコントラストをやわらげ、快適なバランスにする方法
住まいの色を考えるときは「その色を使った空間にいて過ごしやすいこと」が大前提です。しかし補色配色はコントラストが強く、使用する色の彩度によっては、目がチカチカして疲れることも。快適なバランスをキープするためには、少し工夫が必要です。
住まいの色を考えるときは「その色を使った空間にいて過ごしやすいこと」が大前提です。しかし補色配色はコントラストが強く、使用する色の彩度によっては、目がチカチカして疲れることも。快適なバランスをキープするためには、少し工夫が必要です。
- 明度の調整:黒に近づける
- 明度の調整:白に近づける
- 無彩色を間にはさむ
隣り合う穏やかなグラデーションの「隣接色相配色」
隣り合う色を組み合わせることで、空間の印象に穏やかな統一感をもたらすのが、「隣接色相配色」。黄緑を基準とすると、黄色と緑が対象色となります。色の差が少ない分、大胆さはなくなりますが、過ごしやすく快適なインテリア空間を楽しめる配色です。
隣り合う色を組み合わせることで、空間の印象に穏やかな統一感をもたらすのが、「隣接色相配色」。黄緑を基準とすると、黄色と緑が対象色となります。色の差が少ない分、大胆さはなくなりますが、過ごしやすく快適なインテリア空間を楽しめる配色です。
同じトーンで統一感と深みを
写真では、上の色相環で示した黄色と黄緑の隣接色相配色が使われています。どの色も明るく澄んだトーンが選ばれており、レモンやライムをイメージさせるフレッシュな印象を受けます。さわやかな朝食タイムが似合いそうなダイニングです。
ここでのセレクトポイントは、やはりトーン。隣接色相配色では、それぞれの色のトーンを揃えることで、空間としてのまとまりを演出できます。単色で揃えるよりも、空間の印象にさらに深みが増すのです。
写真では、上の色相環で示した黄色と黄緑の隣接色相配色が使われています。どの色も明るく澄んだトーンが選ばれており、レモンやライムをイメージさせるフレッシュな印象を受けます。さわやかな朝食タイムが似合いそうなダイニングです。
ここでのセレクトポイントは、やはりトーン。隣接色相配色では、それぞれの色のトーンを揃えることで、空間としてのまとまりを演出できます。単色で揃えるよりも、空間の印象にさらに深みが増すのです。
黄色と黄緑を使った隣接色相配色の例をもうひとつ。こちらは、上の写真よりも全体的にトーンを落としたグレイッシュなカラー。穏やかで品のある印象の空間になっています。近い印象の色が揃う配色では、どれか1色だけ違うトーンにするよりも、このように全部同じトーンで揃える方が、カラーバランスが整います。同じトーンを使うことでイメージを強調できるのは、隣接色相配色ならではの特徴です。
ほどよい変化のある組み合わせ、「類似色相配色」
すぐ隣りの色ではなく、ひとつ離れた場所にある色との配色を「類似色相配色」と呼びます。たとえば赤を基準とした場合は、紫や黄み寄りのオレンジがこの対象色になります。ほどよく離れた色相を組み合わせることで、心地よい変化のある配色を楽しめます。
すぐ隣りの色ではなく、ひとつ離れた場所にある色との配色を「類似色相配色」と呼びます。たとえば赤を基準とした場合は、紫や黄み寄りのオレンジがこの対象色になります。ほどよく離れた色相を組み合わせることで、心地よい変化のある配色を楽しめます。
写真の例では、赤でペイントしたキャビネットに、木製の棚やかごが収められています。「黄み寄りのオレンジ」はこうした明るめの木材などに置き換えることもできるので、応用範囲がグッと広がりますね。鮮やかすぎない落ち着いた赤を使えば、よりナチュラルなイメージに。
配色の法則の基本例をいくつかご紹介しました。これらを知ると、色の組み合わせに意味があることがわかり、色をなんとなく選ぶことがなくなってきます。バランスも把握できるようになるので、色づかいの上達に役立ちます。すべて覚える必要はありませんが、使いこなせそうな配色の法則をまずはひとつ、ご自分の空間で試してみてください。次回も、美しいマルチカラー配色の例をご紹介したいと思います。
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