川口通正建築研究所

わが家を建て替えるにあたり狭小地であったため、住宅メーカーは難しいだろうと建築家の先生を探し始めました。 何冊も本を買い、その中で私たちが気に入った家を建築していたのが川口先生でした。 そしてお話を聞くため事務所に伺った際、事務所があまりに素敵で設計してもらうことに決めました。 何度も打合せを重ね、広いリビング・地下の書斎・車二台分の車庫・アイランドキッチン・屋上等、私たちの希望を 川口先生の様々なアイディアにより実現して頂けました。 完成した家は風の流れ・光の入り方が素晴らしいだけでなく、「10年後には周辺環境が大きく変わるだろうから」と 配慮頂き、お言葉通り周辺環境は大きく変わりましたが、ほとんど影響なく快適に過ごすことができています。 川口先生の知識・経験による設計のおかげだと大変感謝しております。 特に、天井の高いリビングは朝・昼・夕方・夜とどの時間も太陽の光や照明の光が素敵で、大好きな空間です。 また屋上も解放感がすばらしく、夏の夕暮れに屋上でビールを飲む時間は最高の時間となっています。 友人を招いての屋上ビアガーデンもわが家の夏の風物詩です。 18年目を迎えましたが、色褪せない家を設計頂き、ありがとうございました。

川口先生の建築に暮らし19年になります。 東京の下町で53年続く町工場を家族で営んでおります。 1階　店舗（自動車鈑金塗装工場）　２～４階が住居となっています。 20年近くの月日が流れ建築の外観も程よくエイジングされ、 ず～と昔からあるような佇まいで、すっかり地域に溶け込んでおります（笑） 最近、この建築のいちばんの魅力は、「存在感」ではないかな…と感じています。 とはいっても威圧的ではなく、さりげない存在感という感じでしょうか…。 自分や家族、地元の方々にはすっかり日常の景色ですが、 築19年経った今でも、前で立ち止まって上部を見上げる人、 正面ガラス張りの工場内部を興味深げにのぞき込む人が結構な数でいるのです。 それゆえ、初めて弊社にボディーの修理を依頼してくれるユーザーの皆さんにとっても、 建築の存在感が、仕事に対する安心感にどこかで繋がっているような気がしています。 今の世の中、小さな町工場が生き残っていくのは容易ではありません…。 建築のチカラによって、強みを得ることが出来たことは、 商いを営む者として、とてもありがたいことだと思っています。

　マンション生活を長年続けてきた私が、都会を離れて暮らすことを夫婦で考え始めたのは、定年退職の５年ほど前。軽井沢の森のはずれに宅地を見つけ、以前雑誌の取材を通してお会いし、数件の実作品を拝見していた川口通正さんにお願いしたいと決めました。 　設計が始まる前に、夫婦それぞれの考え方や生活の仕方を川口さんに伝え、現場にどんな種類の木々が生えているかを調べ、山の眺望なども確認してもらいました。そして最初の設計案から何度も何度も互いに意見を出し合って、１年近くかかって最終案がまとまりました。 　 　事務所から遠い土地ですのに、川口さんは何度も現場で工務店の社長や職人さんと打ち合わせを重ねられました。 　庭の木々や草花を眺められるように、敷地の南北のほぼ真ん中に建ててもらいました。外からの視線が気にならない場所なので、ガラスの開口部を広くして、日々に変わる自然の色や雲の動きを楽しみ、遠くの山が夕日に染まるのを望める家になりました。 　床と天井の木が黒に近い濃い焦茶色、壁が漆喰の白、それに建具と家具のナチュラルな木の色というシンプルさで、夜には障子を閉めて白の面積が広がります。 　夫婦二人だけの家なのでゲストルームを除くとワンルームに近い構造で、真夏もいくつか窓を開けるだけで風が通り抜けます。また冬は薪ストーブと床暖房の併用で建物全体の空気が暖まり、快適に過ごせる家です。 　森の中にたたずむ黒い我が家が、良好な景観の形成に寄与しているとして、町の「軽井沢緑の景観賞」最優秀賞をいただきました。川口さんには感謝の念に堪えません。 　もうすぐ築14年になりますが、家の手入れや庭の世話を怠らずに生涯住み続けたいと思っています。

面識も紹介者もなく、まずは突然の電話と「お見合い」から始まりました。当時の住まいに初めてお越しいただいた際には、中からこっそり窺っていると、川口さんは行ったり来たりしながら入念に住まいを観察され、内部に入ってからもさりげない観察と会話に隠されたリサーチを怠りませんでした。ああ、この方は徹底した仕事をされるに違いないと勝手に納得し、たぶん川口さんとしても、まあよいかな、と考えて下さったのでしょう。快く引き受けて下さいました。それからは、敷地の選定についての助言（今でいう宅地建物取引士の資格もお持ちです）から現地調査、基本設計、実施設計までの２年近くと、１年を超える工程監理、竣工後の対応に至るまで、一切ごまかしや逃げのない誠実でみごとな仕事ぶりを見せていただきました。見積調整の際に私からご提案した、大胆でたぶん常識的とは言えない設計変更についても、真剣に知恵を絞って現実のものとして下さいました。もちろん、今にしてみれば、将来の手入れや老後の便宜を考えて、こうした方が良かったという部分にも思い当たりますが、当時としてはお互いに知恵と力を気持ちよく出し切ったと思っています。施主も設計者も歳をとり、出来ないことが増えると同時に、あらたな知恵を手にします。目下計画中の魔改造についても、気軽に相談に乗って下さっています。

2012年5月の完成なので拙宅もちょうど築10年になります。 2階のソファで寝転びながら書いていますが、この季節は川口さんの設計通り、家の中を風が気持ちよく通り抜けていきます。よくおっしゃった『ここに、さあーっと風が通りますよ』という言葉を思い出します。 たまに来る客も長居してくれる人が多いのは、居心地のいい造りにあると思います。 設計ではいろいろ希望を言いました。中でも『欧州の修道院のような回廊を』（！）という難題に応えてもらった中庭は、まだうまい使い方がみつからないものの家の特徴になりました。 設計＋工務店の人たちの緻密な仕事のお陰で快適に暮らせ、家に不都合な所は出てきていません。 希望通りの家を叶えていただき、感謝です。

川口通正建築は、石、木、鉄などの自然素材を使った、シンプルで重厚な建物です。 外観、室内、どこを切り取っても「絵」になります。

家を建てようと思いついてから、住宅雑誌や本をたくさん読み、まずは建築家の先生を探そうと思い、最初に訪れたのが川口先生の事務所でした。他にも何件か回るつもりだったのですが、川口先生の家への情熱と人柄に感銘を受け、この方に家を作っていただきたいと強く思いその場ですぐにお願いすることにしました。 家を設計していただいている間は、毎週のように夜ご飯を食べつつ打ち合わせをして、私共のつたない構想や夢を聞いていただき、一緒に家についての熱い思いを語り合えたのも良い思い出です。 家ができてから気づけばもう15年、おかげさまで本当に毎日楽しく過ごさせていただいています。大変なことがあっても、家に帰るととにかくほっとできる、毎日支えられているなと実感しております。 この家は、住みやすいのはもちろん、窓から眺める庭やベッドから見上げる天井など、一瞬一瞬目に入る景色が美しいところがとても気に入っています。コロナや戦争など自分たちではどうしようもできない色々なことがありますが、身近に美しいものがあるということは、人生を支える力になるのだなと最近特に実感しています。 時間と情熱をかけて一緒に家づくりをしてくださったことを、今でも暮らしの中できれいな光景を見つけるたびにふと思い出し、感謝しています。