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京都にある中くらいなアジアンスタイルのおしゃれなリビングの写真

宝形の家

宝形の家03 匂いの復元(1) 今回、一番驚いたのは匂いの復元だった。 建て替え前の家が聚楽壁だったので、これも復元しようとなった。聚楽壁とは京都の聚楽第跡、つまり二条城北で採れる良質の土で作った土壁のことだ。おおむね京都周辺でも同様の土が採れるので、そうしたものを聚楽土と呼ぶ。現在ではほとんど採れない貴重な土だ。ここでは青みがかったグレーの土だった。これを新築のさいに復元しようというのである。 言い出したのは奥田拓司さんと左官の加藤正幸さんで、わたしは土壁の復元とかよく分からないのでフーンと聞いていた。加藤さんは聚楽土をきれいにはがして持ち帰った。そして土を洗ったのである。後でサンプルを見せてもらった(写真)。採取した土には砂やスサが混じっているので、それを洗って聚楽土だけを取り出すのである。最終的には美しいブルーグレーの粉になった。これが聚楽土なのかぁ。わたしは塗る前の聚楽土を見るのも初めてだった。