大切なのは無理のない資金計画!注文住宅にかかる費用の内訳を知ろう
家づくりに必要な費用には、どんなものがあるのでしょうか。必要になる金額やタイミングの目安を知り、家が建った後も上手にやりくりできるよう計画しましょう。
安井俊夫
2021年9月7日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
家を建てようと考えた時に、何よりも大切なことは資金計画です。でも実際には工事に必要な金額とその内訳、支払い時期に関しても分からないことだらけ。住宅ローンや自己資金の額に関しても、ご説明いたします。
家づくりに必要な費用は、大きく分けると次の三つに分けられます。
1. 建物本体工事費(建物本体を表します)
2. 付帯設備工事費(外構工事や床暖房設備・エアコンやカーテンと言った建物本体以外)
3. 諸経費(印紙代・水道局加入金・登記・保険・地鎮祭・上棟式費用・近隣挨拶費用)
例えば総予算3000万円で家を建てようと考えた場合、大まかな比率で分けてみると次のようになります。
1. 建物本体工事費 = 3000万円×70% = 2100万円
2. 付帯設備工事費 = 3000万円×20% = 600万円
3. 諸経費 = 3000万円×10% = 300万円
なんとなく分かったような気もしますが、実際には内訳が分からないので、目安でしかありません。例えばこの金額のどこに何が含まれているのか分からないからです。そこで各項目に含まれる内容や意味をご説明しながら、具体的な金額の目安にも触れてみましょう。
1. 建物本体工事費(建物本体を表します)
2. 付帯設備工事費(外構工事や床暖房設備・エアコンやカーテンと言った建物本体以外)
3. 諸経費(印紙代・水道局加入金・登記・保険・地鎮祭・上棟式費用・近隣挨拶費用)
例えば総予算3000万円で家を建てようと考えた場合、大まかな比率で分けてみると次のようになります。
1. 建物本体工事費 = 3000万円×70% = 2100万円
2. 付帯設備工事費 = 3000万円×20% = 600万円
3. 諸経費 = 3000万円×10% = 300万円
なんとなく分かったような気もしますが、実際には内訳が分からないので、目安でしかありません。例えばこの金額のどこに何が含まれているのか分からないからです。そこで各項目に含まれる内容や意味をご説明しながら、具体的な金額の目安にも触れてみましょう。
建物本体工事費とは
建物本体工事とは、基礎工事から始まり建物の骨組み、屋根や外装・内装や、流し台や浴室・洗面台などを含んだ金額のことをいいます。ハウスメーカー(以下HMと記載します)の中には、ここまでの工事費用を「坪単価〇〇円」と、表記している会社もあります。その際、「部屋にコンセントは二か所まで含む」とか、「窓の網戸はオプション」と言った具合に、様々な条件があるようなので、そのことを正しく理解しておくことが大切です。例えば「トイレの鍵はオプション」とか「部屋の照明器具はオプション」と、後から知って慌てない注意が必要です。
建物本体工事とは、基礎工事から始まり建物の骨組み、屋根や外装・内装や、流し台や浴室・洗面台などを含んだ金額のことをいいます。ハウスメーカー(以下HMと記載します)の中には、ここまでの工事費用を「坪単価〇〇円」と、表記している会社もあります。その際、「部屋にコンセントは二か所まで含む」とか、「窓の網戸はオプション」と言った具合に、様々な条件があるようなので、そのことを正しく理解しておくことが大切です。例えば「トイレの鍵はオプション」とか「部屋の照明器具はオプション」と、後から知って慌てない注意が必要です。
付帯設備工事費用:建物の外部に必要な付帯設備の項目
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- 地盤補強工事
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- 庭・フェンス・門扉や舗装
建物内部に必要な付帯設備
- カーテン
- エアコン エアコンは各部屋に必要な時代だと思いますが、本体工事費には含まれていません。部屋数分のエアコン費用と取付工事費用が必要になります。その際、室内機を室外機へ繋ぐ冷媒管やドレン管を隠蔽配管(いんぺいはいかん/壁の中に隠す配管方法)とするのか、露出配管(壁に這わせる配管方法)とするのかによっても費用が変わるので、事前の確認が必要です。また値段を安く抑えるために、建物完成後に家電量販店でエアコンを購入する方法もありますが、取付工事の際に不適切な位置に穴を開けてしまい、せっかく苦労して考えた建物の美観を損ねてしまう場合もあるので、その辺りにも注意が必要です。
- 床暖房
例えば、無垢のフローリングの中には、床暖房との相性が良いとはいえないものもあります。柔らかい樹種の場合には、床暖房の熱によって反りや隙間が生じる可能性もあります。設計者とよく相談した上で、床暖房に適した床材を選びましょう。
- 薪ストーブ
他にもオール電化住宅を考え、太陽光パネルの設置を希望される方が増えていますが、これらも付帯設備となるので、全体予算を考えた上での判断が必要です。
上記の他に既存建物を解体する必要がある場合には、その解体工事費が発生します。解体費用は、木造住宅で坪単価3万円~6万円程。RC住宅ならば坪単価6万円~9万円程の費用が目安となります。
上記の他に既存建物を解体する必要がある場合には、その解体工事費が発生します。解体費用は、木造住宅で坪単価3万円~6万円程。RC住宅ならば坪単価6万円~9万円程の費用が目安となります。
敷地が傾斜地だった場合や、のり面がある場合には安全性を確保するための造成工事が必要となり、その費用もこの項目で見込んでおく必要があります。
簡単にご説明した付帯設備工事の項目ですが、例であげた総予算3000万円の住宅の中に、全てを盛り込むとしたら、総予算20%の600万円で納めることは少し難しいかもしれませんね。
簡単にご説明した付帯設備工事の項目ですが、例であげた総予算3000万円の住宅の中に、全てを盛り込むとしたら、総予算20%の600万円で納めることは少し難しいかもしれませんね。
諸経費とは
工事の初めから必要な諸経費の項目を箇条書きにしてみます。
他にも住宅ローンを組む際には、ローン保証料や事務手数料あるいは団体信用生命保険料などへの加入契約が必要となります。つなぎ融資を利用する場合には、その費用も必要です。他には水道局への加入金なども必要ですし、引っ越し費用や新居に合わせた新しい家具や家電製品の購入も必要になるかもしれません。
大まかな費用の割合と内訳などをご説明しましたが、建築家に設計業務を依頼する場合は、上記の他に設計監理報酬が必要となります。その金額の目安は建築家ごとに違いますが、目安とすれば総工事費の8%~15%くらいかと思います。
工事の初めから必要な諸経費の項目を箇条書きにしてみます。
- 地盤調査費用 5万円(スウェーデン式サウンディング調査)
- 建築確認申請費用 確認申請・中間・完了検査 10万円
- 建築請負契約締結時の印紙代 2万円(1000万円~5000万円まで)
- 地鎮祭 神主さんへの御祈祷料 3万円~5万円
- 着工前の近隣挨拶手土産 1軒500円~1000円
- 上棟時の職人さんへの心付けとお赤飯代 1人5千円~1万円+1人1000円~1500円
- 建物完成時 保存登記・表示登記費用 保存・表示登記併せて15万円
- 火災保険費用 10年間で10万円
他にも住宅ローンを組む際には、ローン保証料や事務手数料あるいは団体信用生命保険料などへの加入契約が必要となります。つなぎ融資を利用する場合には、その費用も必要です。他には水道局への加入金なども必要ですし、引っ越し費用や新居に合わせた新しい家具や家電製品の購入も必要になるかもしれません。
大まかな費用の割合と内訳などをご説明しましたが、建築家に設計業務を依頼する場合は、上記の他に設計監理報酬が必要となります。その金額の目安は建築家ごとに違いますが、目安とすれば総工事費の8%~15%くらいかと思います。
自己資金の必要性
最近は自己資金なしのフルローンで、家を買われる方も少なくないと聞きます。なかには「アパートの家賃と同じ額のローンの返済額で家が買えます」と、記載した広告さえありますが本当でしょうか? 結論から言えば、フルローンでも家は買えると思います。ただし本当に自己資金がゼロだと、地盤調査費用や印紙代、地鎮祭の祝詞代もローンで支払うことになってしまいますが、そんなことは有り得ませんよね。
つまり最低限の自己資金は持っていないと、家を建てることは難しいと思います。では最低限とはいくらぐらい必要なのでしょうか? 一昔前には、家を建てる際の自己資金額は、総額の2割は必要と言われた時代がありました。家を建てる際には、どうしても現金で支払いが必要なときが出てきます。自己資金が無くても家を購入することは出来るかもしれませんが、やはり安心して家を建てるには建設費用の1割から2割程度の自己資金は、用意しておいた方が良いでしょう。
最近は自己資金なしのフルローンで、家を買われる方も少なくないと聞きます。なかには「アパートの家賃と同じ額のローンの返済額で家が買えます」と、記載した広告さえありますが本当でしょうか? 結論から言えば、フルローンでも家は買えると思います。ただし本当に自己資金がゼロだと、地盤調査費用や印紙代、地鎮祭の祝詞代もローンで支払うことになってしまいますが、そんなことは有り得ませんよね。
つまり最低限の自己資金は持っていないと、家を建てることは難しいと思います。では最低限とはいくらぐらい必要なのでしょうか? 一昔前には、家を建てる際の自己資金額は、総額の2割は必要と言われた時代がありました。家を建てる際には、どうしても現金で支払いが必要なときが出てきます。自己資金が無くても家を購入することは出来るかもしれませんが、やはり安心して家を建てるには建設費用の1割から2割程度の自己資金は、用意しておいた方が良いでしょう。
住宅ローンは借りられる額ではなく返せる額で申し込む
たくさんの融資額を受けられると、大きな家を建てることも出来れば、豪華な設備を設けることも出来て夢が膨らみます。ですがちょっと待って下さい、融資してもらう額は「貸して貰える最高額」ではなく「無理なく返済できる額」とすることが大切です。家を建てることが目標ではなく、その家で快適な生活を送ることが目的なのですから、返済に追われるようでは意味がありません。
また「家は建ててしまえばそれで終わり」ではなく、住んでいくことで「定期的なメンテナンスが必要」となります。その費用を用意しておく必要もありますし、アパート暮らしの時には必要なかった固定資産税の支払いだったあります。家を建てると電気代やガス代も、以前の生活時よりも高くなると思います。家の予算は、建てる前と建てた後のことを考えて、計画することが大切です。
今回の記事の中で書いた数値はあくまでも参考値なので、ご自身の家づくりのパートナーと相談しながら、無理のない家づくりをお楽しみください。
家づくりのヒントをもっと読む
たくさんの融資額を受けられると、大きな家を建てることも出来れば、豪華な設備を設けることも出来て夢が膨らみます。ですがちょっと待って下さい、融資してもらう額は「貸して貰える最高額」ではなく「無理なく返済できる額」とすることが大切です。家を建てることが目標ではなく、その家で快適な生活を送ることが目的なのですから、返済に追われるようでは意味がありません。
また「家は建ててしまえばそれで終わり」ではなく、住んでいくことで「定期的なメンテナンスが必要」となります。その費用を用意しておく必要もありますし、アパート暮らしの時には必要なかった固定資産税の支払いだったあります。家を建てると電気代やガス代も、以前の生活時よりも高くなると思います。家の予算は、建てる前と建てた後のことを考えて、計画することが大切です。
今回の記事の中で書いた数値はあくまでも参考値なので、ご自身の家づくりのパートナーと相談しながら、無理のない家づくりをお楽しみください。
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資金計画はとても重要だと思います。特に「諸費用」の部分が建築主には分かりにくいように感じます。
私は総資金から「諸費用」と「消費税」を除いた資金で建物価格と付帯設備工事費用を考えるように、初期段階で建築主伝えるように努めています。
ご意見ありがとうございます。「諸費用」の項目は、本当に説明が難しくて、建築主も悩んでしまいますよね。また建築主によっては、「諸費用」」の中の項目を別に確保している方も居るので、事前に箇条書きにして一覧をご提示するようにしています。勿論、それも概略でしかないのですが、一応の目安にしていただけるように努めています。他の方の考え方や、ご説明の方法は参考になります。