大西憲司設計工房
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桑津の家

大阪市南部の住宅密集地に建つ、3世代5人家族の住宅である。
周辺は、住宅やマンション、ビルが混在するどこにでもある都市的な環境の中にある。3方を隣家に囲まれ、唯一開かれた南側も、道路を挟んで4階建のマンションが建つ。
施主の主な要望は、奥様の長年の夢であったコンクリート打放しの住居、向かい側にあるマンションからのプライバシーとセキュリティーの確保などであった。

南北にに細長い敷地の特性を活かして、キュービックなコンクリートの箱を挿入し、街との関わりを持たせながら外に対しては閉じる。一方で、建物の中には3つの性格の異なる庭をつくり、室内に取り込む計画とした。
1・2階はプライベートな室とし、プランの中心に独立したEVを設け、両庭に中庭、吹抜を配置した。それぞれの部屋では、中庭や南庭から採光と通風が得られ、また庭の風景も楽しむことができる。3階では、南側に配置したリビング・ダイニングの天井を高く、中央のキッチンの天井を低く設定し、空間にめりはりを与えた。視線を遮るために設けたキャンティレバーのコンクリート壁で囲まれた小さなテラスは、折れ戸を全開すると、内外が一体となり、広がりある空間となる。外部から覗かれることなくあかるさを確保するために設けた、4周ガラス張りのハイサイドライトにより、鉄骨造の屋根が軽やかに浮遊し、家族を優しく包み込む。
家族が新たな刺激と豊かさを感じ、四季の風景を楽しみながら暮らせる、高密度な地域に建つ都市型住宅の提案である。

■桑津の家
所在地:大阪府大阪市
構造:RC3階建
用途地域:第1種住宅地域
敷地面積:132.86 ㎡
建築面積:89.91 ㎡
延床面積:228.99㎡
構造設計:木構造建築研究所 田原
施 工:株式会社 加藤組
プロジェクトの竣工年/制作年: 2010