e-cube (イーキューブ)一級建築士事務所
5件のレビュー

非日常を日常に。自然と調和する機能美の住まい

ご夫婦とワンちゃんが移住して暮らすこのお住まいは、
「別荘のような非日常感を持ちつつ、日常の暮らしにも配慮された快適な住まいにしたい」という
明確な想いからスタートしました。
ご主人にとっては3度目の家づくり。
収納や配線計画への深い知見をお持ちで、打合せでは私も多くの学びをいただきました。
最初は“への字型”の建物配置をご希望されていましたが、構造やご予算とのバランスを考慮し、L字プランをご提案。
しっかりとしたこだわりを持ちつつも、私の意見にも耳を傾け、柔軟に取り入れてくださるお施主様。
また ご夫婦ともにセンスが良く、色選びや素材の使い方も非常に素敵で 品のある仕上がりになりました。
お引き渡しは冬でしたが、高気密高断熱仕様のため、エアコン一台で家中がしっかりとあたたかく保たれ、
性能面でもご満足いただけました。

【ガレージ〜玄関】
ガレージから玄関、おかえり手洗い、収納へとスムーズにつながる導線は、
日々のお散歩やお出かけ、買い物帰りを快適にしてくれます。
玄関ホールに入るとすぐ目に入る石貼りの壁は、
お客様をお迎えする印象的なデザインとして、また
LDKへの視線を遮る目隠しとしての役割を持たせました。
壁を一歩超えると薪ストーブのある開放的なLDKが広がり、空間にメリハリを生み出しています。

【キッチン】
非日常感を演出するには生活感を隠すことがポイント。
冷蔵庫や家電をすべてパントリー内に収めることで、
LDKの非日常感を損なわずにすっきりと暮らせる工夫を取り入れました。
奥様がセレクトしたキッチンは、石目と木の素材感を絶妙に組み合わせたデザイン。
グレーのリノリウム床との相性も良く、上質な空間に。
さらにキッチン脇には造作のカウンターを設け、家事の合間の作業スペースとしても便利に活用できるようにしました。

【LD・階段まわり】
リビングには薪ストーブ HETAのソープストーンオーブン付きを設置。
ピザや煮込み料理など調理を楽しめます。
高性能住宅のためエアコンだけで十分暖まりますが、火のある暮らしを楽しんでいただけたらと思います。
階段にはフラットバーの手すりを採用し、視線の抜けと光の通り道を確保。
お施主様がセレクトされた照明「繭の花」は、室内だけでなく外からの見え方まで計算した設置位置で、
夜の外観にも印象的な表情を与えてくれます。

【和室コーナー】
LDKの一角に設けた和室コーナーは、20cmの小上がりとし
普段は開けてリビングの延長として日常使用し、
来客時にはハニカムスクリーンで仕切ることでプライバシーを確保した客間として活用可能。
シーンに応じた使い分けができる、柔軟なスペースです。
採用したボロン畳は水分が染み込みにくいので、ワンちゃんのトイレの失敗も気になりません。

【寝室】
寝室の壁にはシリカライムを提案しました。
シリカライムが施工されているアンシェントホテルに宿泊し、
実際に良さを体感していただき採用となりました。
天然素材ならではの陰影と質感が、間接照明によって一層引き立ちます。
造作のベッドヘッドと同材で仕上げた引分戸は、LDKと寝室を緩やかにつなぐ存在。
開け放てば吹き抜け越しに大開口窓からの景色が広がる、まさに開放感のある空間に。
寝室内にはウォークインクローゼットを配置。
中には何をどこに収めるかを事前に共有いただき、細かな寸法まで指定して設計しました。

【水まわり】
洗面・ランドリー・浴室が一直線に配置されているため、洗濯動線もスムーズ。
収納力もあり、着替えもその場で完結できます。
洗面化粧台は大きな鏡と2ボウル、大容量の収納と 清掃性・利便性に優れた既製品を採用。
1階トイレの壁にも、消臭機能があるシリカライムを使用しています。こだわりの上質な空間に仕上がりました。
水まわりに続く通路に、下部80cmを開けてワンちゃんスペースにしました。
上部には来客用布団とワンちゃんのお世話グッズをしまえる吊り収納を設けました。

【2つの中間領域】
南側にはタイルテラス、北側には人工木のウッドデッキを配置し、
2つの異なる表情の中間領域を作りました。
南の日当たりの良いテラスと、北側のやわらかい日差しのウッドデッキ。
冬には 南側で太陽光のあたたかさを感じるひと時を過ごしていただいたり
夏には 北側でやさしい光のなかで自然を楽しむ・・・など
季節や気候、シーンによってそれぞれ使い分けていただけます。

【書斎】
「暗く狭くこもるような空間ではなく、明るく広がりを感じられる書斎にしたい」というご要望に応え、
開放感と機能性を兼ね備えたスペースを設計しました。
壁一面に造作した大容量の本棚は、入れる物に合わせて棚板ピッチや高さをミリ単位で調整。
見た目の美しさと使い勝手の両立を追求しました。
本棚と同じ高さで一体化したカウンターデスクが、空間全体に連続性と落ち着きを与えています。
また、本棚とは反対側の壁面上部にオープン棚を設けました。
壁掛けテレビも設置できるよう、お打合せの上 配線しています。

-----
寝室や書斎の窓から浅間山が見えたよ、と笑顔でお話しいただき、
この場所での暮らしを楽しみにしてくださっているのを感じました。
お引き渡しの際、「これで定期的な打合せで会えなくなるのが寂しい」とおっしゃっていただき、
お施主様からお手紙をいただいたことがとても心に残っています。
これからも何かお住まいのお困りごとがあれば、いつでも気軽にご連絡くださいね。
N様、奥様、楽しい家づくりをご一緒させていただきありがとうございました!
プロジェクトの竣工年/制作年: 2025